マネジメント経験とは?該当する役割や応募書類に書く際のポイント

管理者として転職するには、マネジメント経験が求められるケースがほとんどです。しかし、実際に何がマネジメント経験にあたるのか、よく分からない人もいるのではないでしょうか?マネジメントの意味や役割、具体的な仕事内容などを解説します。

マネジメント経験とは?何を指す?

男性と女性の社員

(出典) pixta.jp

転職してチームを取りまとめる役割を担ったり、プロジェクトの管理をしたりするには、マネジメント経験が求められます。しかし、マネジメントという言葉自体が抽象的なものであり、具体的にどういった経験が該当するのか分からない人は多いでしょう。まずは、マネジメントの意味を正しく理解する必要があります。

マネジメントの意味

マネジメント(Management)とは、経営資源(ヒト・モノ・カネ)や経営にかかるリスクなどを管理することです。もともと現代経営学の父と呼ばれるピーター・ドラッカーが提唱した概念で、1973年に刊行された同名の著書で語られています。

ドラッカーによると、マネジメントとは組織に成果をもたらす道具や機能であり、マネージャーが組織の成果に責任を持ちます。経営目標を達成するため、経営資源を効率的・効果的に活用する方法を検討し、実行するのがマネジメントであり、事業の安定的成長に欠かせない考え方です。

部下やチームメンバーを管理すること

上記のようにマネジメントとは本来、経営資源全般を管理することを意味します。しかし、一般的に「マネジメント経験」といえば、主に上司として部下やチームメンバーを指導・管理した経験を指します。

組織やチームのリーダーとして、部下やチームメンバーの指導やサポートをした経験は、特に管理者として転職する際に評価されるポイントです。

たとえ課長や部長といった肩書きが付いていなくても、プロジェクトのリーダーやディレクターなどの立場で活躍していたならば、規模は異なるものの、マネジメントの経験としてアピールできます。

マネジメント経験にあたる役割・仕事内容

ミーティングテーブル

(出典) pixta.jp

マネジメントの定義を理解したところで、マネジメント経験にあたる具体的な役割や仕事内容について、確認しておきましょう。人によって立場や経験、管理する社員や部下の規模は異なりますが、以下のいずれもマネジメント経験と考えて差し支えありません。

管理職としての経験

部長や課長などの管理職としての経験は、そのままマネジメント経験としてアピールできます。担当する部門や部署の目標達成のための計画を立て、組織を運営した経験は転職後にも役立つのはもちろん、部下を育成しなければならない立場なので、人材育成の経験も評価してもらえるでしょう。

特に、肩書きが付いている立場は業界・業種によらずイメージがしやすいため、転職応募先でアピールしやすいのもメリットです。

プロジェクトマネジメントの経験

特定のプロジェクトを管理した経験も、マネジメント経験に該当します。部門を挙げて実行するプロジェクトに関しては、課長や部長などの管理職が担う場合も多いですが、プロジェクトごとに管理する人材が選定されることもあります。

特に、ソフトウエアやアプリケーションなどの開発分野では、優秀なエンジニアがプロジェクトリーダーとなり、同僚や部下の統括・管理を担うケースが多くあります。

プロジェクトマネージャーの市場ニーズは非常に高く、高収入が期待できる職種として知られていますが、それは多様な人材を統括し、目標達成のために動かせるマネジメント経験が評価されているからです。

部下の育成経験

課長・部長といった肩書きではなくても、部門内のチームで部下を育成した経験や、人事部門で人材を育成した経験なども、マネジメント経験としてアピールできます。

特に30代・40代の転職市場では、ある程度は部下を管理・指導した経験が求められるケースがほとんどです。どういった方針で部下を育成し、どのような成果を得られたのか、分かりやすく説明できるようにしておきましょう。

どれぐらいのレベルで応募できる?

パソコンを操作する男性

(出典) pixta.jp

マネジメント経験は人によって異なりますが、転職時に応募書類を作成する際、どの程度のレベルであればマネジメント経験として記載が可能でしょうか?

要件や定義は応募先によってさまざま

応募要項に「マネジメント経験必須」や「マネジメント経験歓迎」などと記載されている、求人案件は多くあります。どの程度の経験を求めているかは企業によって変わる上に、マネジメントの定義や位置づけも異なる可能性があります。そのため、自分の経験が評価されるか不安になる人も多いでしょう。

しかし、応募要項に「マネジメント経験○年以上」といった年数での括りがない場合、アピール次第で十分に評価される可能性があります。たとえ経験が不足していても、他の部分でカバーできる場合もあるでしょう。応募要項をよく確認した上で、自分の経験に照らして対応できると判断したならば、気後れせず積極的に応募する姿勢が大事です。

マネジメント経験とみなされやすい実績

マネジメント経験として評価されやすい実績の例としては、管理者として企業の業績を向上させた実績や、DXの推進など新しい組織体制の構築に寄与した実績、人材開発に尽力した経験などが挙げられます。規模にかかわらず、組織やチームを管理した経験があるならば、マネジメント経験とみなして問題ないでしょう。

また、新たなプロジェクトの立ち上げや運営に携わった実績も評価される傾向にある。転職希望先の職種や、どういった人材を求めているかなどを調査した上で、どういった経験をアピールするか考えることが大事です。

マネジメント経験をアピールするコツ

面談の様子

(出典) pixta.jp

それでは、マネジメント経験をうまくアピールするコツを紹介します。企業によって求める経験は異なるので、事前にしっかりと情報を収集して、何を応募書類に記載するか検討しましょう。

応募先のニーズを調査する

必要とされるマネジメント経験は企業によって異なる場合も多いので、まずは応募先企業がニーズを把握する必要があります。応募要項に詳しく書かれている場合もありますが、そうでない場合は、事業内容や労働環境を自分なりに調べてみて、ニーズを推測することも大事です。

企業の公式サイトはもちろん、SNSでの発信などでも、どういった人材を求めているか、情報が掲載されているケースも珍しくありません。エンジニアの場合は、どのような開発プロジェクトが進められているか、チェックしてみるとよいでしょう。

自分の経験やスキルを整理する

応募先のニーズを調査したら、自分の過去のマネジメントに関する経験を洗い出し、整理します。応募書類に記載する際には、自分の強みや特性を絡ませながらマネジメント経験を記載するとともに、転職後に管理者やリーダーとしてどういった価値が提供できるのか、論理的に説明することが大事です。

たとえ部長や課長といった役職に就いた経験がなくても、これまでのキャリアの中でマネジメント経験としてアピールできる点がないか、振り返って考えてみましょう。

要点を絞り込む

応募書類では、多くの経験をアピールすれば効果的なわけではありません。記載できる文章の量が限られているので、ポイントが多すぎると評価の軸もぶれてしまい、採用担当者の印象に残りにくくなります。まずは何をアピールするか整理し、要点を絞り込んで分かりやすく伝えなければいけません。

そのために、上記の企業側のニーズをしっかりと調査する必要があります。企業の人材ニーズと自分のマネジメント経験を照らし合わせて、何をアピールすれば効果的か考えましょう。その上で、採用担当者がイメージしやすいように、まとめることが大事です。

マネジメント経験を書く際のポイント

履歴書とネクタイ

(出典) pixta.jp

応募書類にマネジメント経験を書く際には、以下のポイントも意識しましょう。ちょっとした工夫で採用担当者の印象が大きく変わってくるので、何度か書き直して分かりやすく説得力のある文章に仕上げる必要があります。他の人に読んでもらえれば、自分では気付かなかった問題点を把握できるのでおすすめです。

できるだけ数字を入れて書く

管理者として達成した業績や成績など、できるだけ実際の数字を交えて記載すると、説得力がアップします。マネジメントを担当した組織やチームの概要と構成人数、具体的にどういった取り組みをして、どのような成果を上げられたのか整理して記載しましょう。

数字を使ってうまくアピールすれば、採用担当者も状況をイメージできるので、応募者がどのような経験を積んできたか分かりやすく、管理者としての資質やスキルを判断しやすくなります。

具体的なエピソードを交えて書く

どのような考え方や意図のもとでマネジメントをしたのか、その結果、組織やチームがどのように成長したのか、具体的なエピソードを交えて書くのもおすすめです。部下の育成経験をアピールしたい場合は、その部下にどのような問題・課題があり、指導の結果、どう成長したのか説明するとよいでしょう。

要点を箇条書きで記載する人もいますが、マネジメントの成果はストーリーの形式で記載した方が、より魅力的に感じられます。

組織やチームの目標達成のためにどういった計画を立て、どのようにアプローチした結果、何を得られたのか、分かりやすく記載しましょう。さらに、そこから何を学んだのか、PDCAの形で記載すると効果的です。

方針や価値観なども伝える

マネジメントの方針や大切にしている価値観など、何を重視して、組織作りや部下の育成などをしてきたのか伝えることも大事です。

採用担当者は応募者の資質や強みを、マネジメントの方針や重視している価値観、部下の指導方針などで評価する傾向があります。成し遂げた成果を数字やエピソードで語るのに加えて、自分の行動方針や心掛け、組織やチーム作りをする際の心構えなども記載すると、よいアピールポイントになります。

マネジメント経験を生かして転職を成功させよう

カバンを持っているスーツの男性

(出典) pixta.jp

マネジメント経験とは何を指すか、具体的な経験や成果に加えて、応募書類でアピールする際のポイントを解説しました。マネジメント経験とは、部下やチームを管理した経験を指すのが一般的です。管理職としての経験やプロジェクトマネジメントの経験、部下を指導・育成した経験などが該当します。

ただし応募先の企業によって、マネジメント経験の定義や評価は異なるので、事前によく調べておくことが重要です。企業の人材ニーズを調査して、自分の経験や強みと照らし合わせた上で、アピールすべきポイントを決めましょう。数字やエピソードをうまく取り入れると効果的です。

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