リクルーター面談に必要な対策とは?流れや目的やメリットも紹介

企業による選考活動の1つに、リクルーター面談と呼ばれるものがあります。すべての企業が行うわけではありませんが、評価に加点される場合もあるため、対策を立てておくことが重要です。リクルーター面談の目的や流れ、対策のポイントを解説します。

リクルーター面談の流れ

オンライン面接

(出典) pixta.jp

リクルーター面談とは、採用担当者以外の社員が就活生に対して行う面談です。実施するタイミングや場所など、まずはリクルーター面談の流れを確認しましょう。

リクルーターから直接連絡が入る

リクルーター面談が行われる場合は、企業の説明会への参加後やエントリーシートの提出後に、リクルーターから就活生に連絡が直接入ります。

リクルーター面談を実施するタイミングは、通常の就活が始まる前です。3年生の冬ごろに声を掛けられる場合も多く、早いケースでは2年生の段階で実施されるケースもあります。

自分の情報を提示していない企業からは、リクルーター面談についての連絡を受けることはありません。説明会やエントリーシートの情報をリクルーターがチェックし、気になる就活生に対して、リクルーター面談の連絡を入れているのです。

カフェやレストラン、オンラインで面談

通常の面接は基本的に企業の面談室で行われますが、リクルーター面談はカフェやレストランで行われる場合もあります。就活生ができるだけリラックスできる雰囲気をつくるためです。

一般的なリクルーター面談の人数は、リクルーターと就活生の1対1で行われます。ただし、場合によっては1人のリクルーターに対し、複数の就活生が呼ばれるケースもあるようです。

近年は、オンライン形式でリクルーター面談を実施する会社も増えています。いずれにしても、堅苦しい雰囲気の中で行われるわけではない点を知っておきましょう。

複数回面談が行われる場合も

リクルーター面談は1回で終わるとは限りません。1人の就活生に対して複数回行われる場合もあります。企業によっては、多ければ10回程度実施するケースもあるようです。

リクルーター面談が複数回行われる理由は、リクルーター面談の実施目的と関連しています。通常の面接とは異なり、リクルーター面談には企業に対する志望度を高める目的があるのがポイントです。

リクルーター面談は、同じ社員が何度も相手になるとは限らず、すべての回で違う社員がリクルーターになるケースもあります。社員が変わればアプローチも変わり、あらゆる角度から就活生の志望度を上げようと試みるのです。

最終面接の前に行われるケースも

リクルーター面談は、本選考が始まる前に設定されるのが一般的です。一次面接が始まってからは、基本的にはリクルーター面談を挟まずに最終面接まで進みます。

ただし、場合によっては最終面接の前にリクルーター面談が行われるケースもあるようです。就活生をある程度絞り込んだ段階でリクルーター面談を行い、面接とは異なるカジュアルな雰囲気の中で、就活生の本音を聞き出す意図があります。

これまで見てきたように、リクルーター面談には回数やタイミングに決まりがありません。志望企業の傾向を調べればある程度のことは分かるものの、実際の回数やタイミングは年度によって異なると考えましょう。

リクルーターの特徴や面談の内容

講義

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リクルーター面談では、どのような社員を相手に面談を行うのでしょうか。面談の内容と併せてチェックしておきましょう。

若手社員が多いリクルーター

多くの企業でリクルーターに選ばれるのは、就活生と年齢が近い若手社員です。大学のOB・OGや模範社員、プレゼンテーション能力の高い社員が担当するケースもあります。

若手社員や大学のOB・OGが選ばれる理由は、就活生と近しい年齢やバックグラウンドの人物の方が、カジュアルな雰囲気を作りやすいためです。少しでもリラックスして面談に臨んでほしいという意図があります。

模範社員やプレゼンテーション能力の高い社員は、会社の魅力を就活生にうまく伝えたいときにリクルーターとして選ばれます。企業によっては、リクルーター面談の段階から人事担当が相手になるケースもあるでしょう。

リクルーターから受けた質問に答える

リクルーター面談の内容は、基本的には質疑応答の形で進められます。就活生が質問に答えるだけでなく、就活生から質問する機会もあるのです。

企業側が就活生の人物を見極めたい場合は、就活生に対する質問がメインとなるでしょう。逆に、企業側が自社の魅力を効果的にアピールしたいケースでは、就活生に逆質問を求められます。

リクルーターから質問される内容は、通常の面接で聞かれる項目とほとんど同じです。一般的な面接対策を講じておけば、リクルーター面談の質問にもスムーズに回答できるでしょう。

リクルーター面談の目的とは?

面談の様子

(出典) pixta.jp

企業がリクルーター面談を行う主な目的は、就活生の見極めや人材の早期確保、自社のアピールです。それぞれについて詳しく解説します。

自社にマッチするか見極めるため

企業は通常の面接を通して、就活生が自社にマッチするかどうかを見極めます。しかし、多くの就活生は質問への回答を事前に用意しているため、通り一遍の回答しか得られない場合は、就活生の見極めが困難です。

そこで、面接とは異なる雰囲気で就活生の本音を引き出すために、リクルーター面談が実施されます。対策が講じられた回答ではなく、就活生自身の言葉を聞きたいと企業側は考えているのです。

リラックスした雰囲気になれば、就活生の素に近い言葉を引き出しやすくなり、就活生の人柄を判断しやすくなります。

早期の人材確保を行うため

リクルーター面談の対象になるのは、説明会やエントリーシートの情報が企業の目に留まった就活生です。優秀な人材に早い段階でアプローチし、自社への入社を促そうとします。

裏返して考えると、リクルーター面談への誘いを受けた場合、応募企業から特別な就活生だと見なされているのだと分かります。すべての応募者がリクルーター面談に誘われるわけではないためです。

選考フローの効率化も、リクルーター面談の目的の1つといえます。面談により採用基準を満たしているかを事前に確認することで、選考の効率化も図っているのです。

自社に対する志望度を上げるため

企業から優秀な人材だと評価された就活生に対しては、リクルーター面談を通して企業が自社の魅力をアピールします。自社に対する就活生の志望度を高めようとしているのです。

何度もリクルーター面談が行われるのは、企業がザイオンス効果を期待している現れといえます。ザイオンス効果とは、相手に接触する回数が増えるにつれて、相手への好感度や関心度が徐々に高まっていくという心理効果です。

面談に繰り返し誘われると、「断るのは申し訳ない」といった感情も湧きやすくなります。自社の魅力のアピールと並行して、就活生の感情に訴えかける意味合いも、リクルーター面談には多分に含まれているのです。

リクルーター面談のメリット

タブレットを持った女性

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企業への理解度が深まることや、就活を有利に進められることが、リクルーター面談を受ける主なメリットです。選考段階の途中で、リクルーターがフォローしてくれる場合がある点も覚えておきましょう。

企業への理解度が深まる

リクルーター面談では、カジュアルな雰囲気の中で相手とやりとりできます。通常の面接では聞きにくい話も気軽に質問できるため、企業への理解度が深まるのがメリットです。

企業のWebサイトや説明会だけでは、表面的なことしか分かりません。しかし、実際に働いているリクルーターと直接話せば、企業の情報を詳しく知ることが可能です。

選考が始まった後の面接では聞けないような企業の裏話も、リクルーター面談なら教えてもらえる可能性があります。他の就活生では知り得ない内容が分かる点において、強力な差別化を図れるでしょう。

就活を有利に進められる

リクルーター面談を通して企業への理解度が深まると、就活の対策を立てやすくなります。企業が求めていることをより深く理解した上で面接に臨めるため、就活を有利に進められるのです。

企業によっては、選考活動の一環としてリクルーター面談を実施しているケースもあります。面談で高評価を得られれば、一次面接をパスして2次面接を受けられる可能性もあるでしょう。

リクルーター面談に誘われるということは、企業から特別扱いを受けていることを意味します。他の就活生よりも、さまざまな面で有利になる点がメリットです。

リクルーターがフォローしてくれる場合も

リクルーター面談で好印象を与えられれば、選考段階でリクルーターがフォローしてくれる可能性もあります。採用担当者の評価が低くても、面談では高評価だったことをリクルーターが伝えてくれるのです。

選考が始まった後のリクルーター面談では、直近の面接についてフィードバックをもらえたり、次回の面接でどのようなことを聞かれるのか教えてもらえたりする場合もあります。

リクルーター面談でも優秀な人材だと判断されていれば、リクルーターは常に面談対象者の味方です。リクルーターの助言をうまく生かすことで、面接をより有利に進められるでしょう。

リクルーター面談のデメリット

セミナーを受ける男女

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リクルーター面談には良いことばかりではありません。デメリットやリスクも知り、リクルーター面談について正しく理解しましょう。

応募者によって面談の機会に差がある

リクルーター面談は、すべての就活生を対象に実施されるわけではありません。企業独自の判断により、面談対象者を選定しています。

特に覚えておきたいのは、学歴によるフィルターが設定されやすい点です。企業に自分が在学している大学のOB・OGがいない就活生は、リクルーター面談の対象になりにくいといわれています。

ただし、面談に誘われなかったからといって、大きな不利になるわけでもありません。リクルーター面談はあくまでも加点をもらえるチャンスに過ぎず、面談なしでも合格を勝ち取る可能性は十分にあります。

評価が下がってしまうケースも

リクルーター面談で好印象を与えられなければ、逆に評価を下げてしまう恐れもあります。声を掛けられて終わりではなく、面談中も気を抜いてはならないのです。

リクルーター面談が選考も兼ねている場合、面談で評価が下がると、その後の面接を受けられなくなるケースもあります。あくまでも相手に見られていることを、常に意識しなければなりません。

リクルーター面談に誘われただけで「自分は特別だ」と思うのは危険です。自分でもリクルーターの様子を観察しながら、失礼な態度を取らないようにすることが大切です。

リクルーター面談を成功させるための対策

スーツの女性

(出典) pixta.jp

リクルーター面談で評価をアップさせるためには、事前の対策が重要です。面談を成功させるためのポイントについて解説します。

基本のビジネスマナーを守る

リクルーター面談はカジュアルな雰囲気の中で進められるため、あまりにもフランクな態度で接すると、基本的なマナーを守れない人だと見なされてしまいます。

面談中はリラックスしつつも適度な緊張感を保ち、受け答えも基本的には通常の面接と同じように対応することが重要です。最低限のマナーを意識して接するようにしましょう。

リクルーター面談では、身だしなみにも気を配る必要があります。カフェやレストランで実施される場合も、服装はどのようにすればよいのか確認しておくのが無難です。自己判断でカジュアルな服を着て行くのは控えましょう。

事前に企業の情報収集や自己分析

リクルーター面談では、面接と同じような質問を受ける場合もあります。スムーズに面談が進むよう、企業に関する情報収集や自己分析などをしておくことが大切です。

通常の面接に臨む際も、企業研究や自己分析は徹底して行う必要があります。すべての質問に対して適切に回答するためには、相手や自分を深く知っておかなければなりません。

リクルーター面談も通常の面接と考え方は同じです。企業研究を行っておけば、企業についての質問を受けても、安心して対応できます。また、自己分析で自分の強みや弱みを把握しておくことで、自己PRや長所・短所の説明もスムーズに行えるでしょう。

逆質問の内容も考えておく

通常の面接と同様に、リクルーター面談でも逆質問をする機会があります。逆質問は相手に好印象を与えるチャンスとなるため、事前にいくつか用意しておきましょう。おすすめの逆質問例を以下に紹介します。

  • 職場の雰囲気はどのような感じですか
  • 今の職場の改善点はありますか
  • 今のうちに習得すべき知識やスキルはありますか
  • 業務に取り組む際に最も意識していることは何ですか
  • 学生の頃にやっておけばよかったと思うことはありますか
  • 今の仕事をしていてうれしかったことやつらかったことを教えてください

リクルーター面談後にはお礼メールを

タイピングしている手元

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リクルーター面談を受けた後は、リクルーターにお礼メールを送るのがおすすめです。メールを送る適切なタイミングやメールの例文を紹介します。

お礼メールを送るタイミング

リクルーターへのお礼メールは、面談を受けたその日に送りましょう。送信のタイミングが早いほど、感謝の気持ちと志望度の強さをアピールできます。

リクルーターは、面談対象者が他の企業のリクルーター面談を受けている可能性も考慮しています。メールの送信が遅くなると、自社の優先度が低いと判断されかねません。

メールを送る時間帯は、相手企業の営業時間内がおすすめです。面談が遅い時間帯に行われた場合は、翌朝まで待って送信するようにしましょう。

お礼メールの例文

お礼メールの内容は企業や面談ごとに変えましょう。テンプレートを使い回すと印象が悪くなります。ビジネスメールの書き方を覚える意味でも、毎回全文を最初から書くのがおすすめです。

例文を確認しましょう。

件名:面談のお礼

株式会社○○
営業部 田中様

お世話になっております。
△△大学の佐藤です。

本日はお忙しい中、面談のために貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。

田中様とお話をさせていただいたことで、営業部の仕事の流れが具体的に分かり、働くイメージをつかめました。面接で聞かれそうな点を教えていただいたことにも感謝いたします。

本日の面談内容を参考に、より深く企業研究を進めていきたいと思っています。

引き続きよろしくお願いいたします。

問い合わせや内定後のメール

面談終了後に次回の面談について伝えられるタイミングはさまざまです。面談中に伝えられる場合もあれば、後日改めて連絡を受けるケースもあります。

しばらく待っても次回の面談について連絡がない場合は、メールで問い合わせてみましょう。面接を希望する旨の内容にすれば、強い入社意欲のアピールにもつながります。

内定をもらった後も、リクルーターに忘れずにメールを送りましょう。感謝の気持ちを述べるとともに、面談で役に立った話も添えると好印象を与えられます。

リクルーター面談で好印象を残そう

笑顔のスーツの男女

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リクルーター面談は、選考のために行われる通常の面接とは別に設定されるカジュアルな面談です。人材の見極めや早期確保、就活生の志望度アップを目的として行われます。

企業への理解度が深まることや、就活を有利に進められることが、リクルーター面談を受けるメリットです。事前に入念な準備を行い、リクルーター面談を成功させましょう。