履歴書用の写真データを用意するために、スマホでの撮影を考えている人もいるかもしれません。スマホで撮影するのはNGではないものの、履歴書の印象を上げるには、ほかの方法がおすすめです。写真をデータ化する方法や、履歴書への貼り方を解説します。
履歴書用の写真をデータ化する方法は?
履歴書用の写真をデータ化する方法は、主に4つです。それぞれの方法について詳しく説明します。
写真館で撮影してデータももらう
履歴書用の写真をデータ化するには、フォトスタジオや写真館などで撮影してもらうのがおすすめです。写真館ではプロのカメラマンが撮影するため、写真自体のクオリティが高くなるのがメリットといえます。
さらに、表情の作り方についてもアドバイスしてくれるので、好印象に仕上げられるでしょう。撮影した写真をその場で確認し、もし気に入らなければ撮り直してもらえるのもポイントです。
撮影後に洋服のシワや肌荒れなどを適度に修正してもらえるので、見栄えのよい写真に仕上がります。データの受け取り方は、CD-ROMや専用のURLからのダウンロードなど店舗によって異なるので、事前に確認しておきましょう。
証明写真機で撮影する
証明写真を撮影できる証明写真機でも、写真のデータ化は可能です。証明写真機を利用するメリットは、写真館に比べて費用が安価で、コンビニや駅などさまざまな場所にあるので手軽に撮影できる点です。
24時間利用できるのも便利なポイントといえるでしょう。最近では、肌をきれいに見せてくれるモードが備わった機種もあります。
撮影したデータは、プリントされた写真に記載されている二次元バーコードから受け取りが可能です。機種によっては、写真のデータ化に対応していない場合もあるので、撮影前に確認しましょう。
アプリを使って撮影する
手軽に写真をデータ化したい場合には、スマホのアプリを使って撮影する方法もあります。撮影した写真はスマホに保存されるので、ダウンロードする必要はありません。
証明写真撮影用のアプリなら、履歴書用の写真サイズで撮影できます。納得するまで撮り直しできたり、写真を手軽に加工できたりといったメリットがある半面、証明写真に適した背景を用意する手間がかかるのはデメリットです。
また、きれいに自撮りするためには、ある程度の技術が必要になるでしょう。
コンビニでスキャンする
コンビニのマルチコピー機で写真をスキャンし、スマホやUSBメモリなどにデータを送信すれば、紙の写真のデータ化も可能です。または、手書きの履歴書に写真を貼り、履歴書ごとPDFデータ化するという方法もあります。
この方法は、手元にある証明写真を活用したい場合にはおすすめですが、写真の画質が悪くなるのがデメリットです。
また、履歴書には3カ月以内に撮影した写真を使用するのが基本とされます。写真の期限を過ぎている場合、そもそも履歴書には使用できません。
写真データを履歴書に挿入するには?
データ化した写真を履歴書に挿入するには、パソコンでの作業が必要です。WordとExcelそれぞれで作成した履歴書に挿入する方法を解説します。
Wordで作成した履歴書に挿入する方法
Wordで作成した履歴書に写真データを挿入する場合は、以下の手順に従いましょう。
- Wordの履歴書を開く
- ツールバーの「挿入」タブをクリックして「画像」を選択し、「このデバイス」をクリックする
- 写真データが保存されているフォルダから使用する写真を選択して「挿入」をクリックする
- 写真の上で右クリックするか、ツールバーの「図の形式」タブをクリックして「文字列の折り返し」を選択し、「前面」をクリックする
- 貼り付けたい場所まで写真をドラッグして移動させる
- サイズを調整する場合は、写真の四隅のガイドにマウスポインタを合わせ、ポインタが矢印に変わったら拡大・縮小する
Excelで作成した履歴書に挿入する方法
Excelの履歴書に写真データを挿入する場合も、基本的にはWordの場合と同様です。
- Excelの履歴書を開く
- ツールバーの「挿入」タブをクリックして「画像」を選択し、「このデバイス」をクリックする
- 写真データが保存されているフォルダから使用する写真を選択して「挿入」をクリックする
- 写真が挿入されたら、貼り付けたい場所までドラッグして移動する
- サイズを調整する際には、写真の四隅のガイドにマウスポインタを合わせ、ポインタが矢印に変わったら拡大・縮小する
履歴書用の写真データのサイズ
履歴書に貼る写真は、サイズが決められています。履歴書のタイプによって異なるので、正しいサイズを知っておきましょう。
一般的なサイズは縦40mm×横30mm
履歴書に貼る写真は、一般的に縦40mm×横30mmと決められています。これは、A4・B5どちらのサイズの履歴書の場合でも同様です。
一般的な履歴書には、写真を貼る欄に「縦36~40mm×横24~30mm」と記載されていますが、40mm×30mmサイズの写真を使うのが無難でしょう。
ただし、会社指定の履歴書を使用する場合にはサイズが異なる可能性もあるので、写真を用意する前に確認しておくのがおすすめです。
写真データのサイズが大きすぎる場合は、バランスを考えながらトリミングします。サイズが小さく、枠内に余白ができてしまっても、枠線より3mm以内なら問題ありません。
Webエントリー用は560×420ピクセル
Web上からエントリーする場合も、証明写真の提出を求められるケースもあるでしょう。Webエントリーの場合の写真サイズは、pixel(ピクセル)と呼ばれる画素の単位で指定されます。
一般的には、縦横の比率が4:3で、560pixel×420pixelまたは600pixel×450pixelの画像を指定されるケースが多いはずです。写真の比率や画素数が違う場合は、PCやスマホで加工します。
ただし、もともとpixelの数値が小さい写真は、拡大すると画像が粗くなるので撮り直しが必要と考えましょう。
写真データを印刷する方法
写真データを手書きの履歴書に使うのであれば、PCやスマホから印刷しましょう。それぞれの印刷方法を説明します。
PCから印刷する
自宅にプリンターがあれば、PCから印刷が可能です。プリンターを使って印刷する際は、写真用の光沢紙を用意します。PCからの場合、Wordで原稿を作成して印刷するのが便利でしょう。
- Wordで新規ファイルを開く
- ツールバーの「挿入」を選択し、「画像」「このデバイス」の順にクリックして、印刷する写真を指定する
- 写真の上で右クリックして「図の書式指定」を選択し、表示された4つのアイコンから画像マークをクリックする
- 「トリミング」内の「トリミング位置」に必要な写真サイズを入力する
- 写真の上に表示されたトリミング枠の上で右クリックし、表示されたメニューから「トリミング」をクリックする
- 写真の右下の隅にマウスポインタを合わせ、Shiftキーを押しながらドラッグさせて、拡大または縮小する
- 写真のサイズを変更したら、ツールバーの「ファイル」から「印刷」を選び、用紙サイズを指定して印刷する
スマホから印刷する
スマホから印刷する場合は、コンビニのマルチコピー機を利用しましょう。専用アプリでマルチコピー機に写真データを送信し、コンビニに行って印刷するという方法です。
アプリは無料でダウンロードできますが、コンビニによって対応するアプリが異なるため、事前に確認しておきましょう。
マルチコピー機の操作に慣れていないと手間がかかる可能性はありますが、以下の印刷手順は基本的にどのコンビニでも同様です。
- 印刷したい写真をアプリ上にアップロードする
- 予約番号が発行されるので、コンビニのマルチコピー機に入力する
- 手順に従って用紙サイズなどを設定し、印刷する
履歴書の写真を撮影する際の注意点
履歴書の中で、最初に目が行くのが写真です。写真の雰囲気によって第一印象が決まるといってもよいでしょう。よい印象を与える写真を撮影するためのポイントを、3つ紹介します。
背景は白・グレー・青の無地
スマホで自撮りする場合は、背景に注意しましょう。証明写真の背景は、白・グレー・青などの無地の単色が基本です。グレーや薄い青は、爽やかで清潔感のある印象を与えます。
顔の表情がはっきりするので、履歴書用の証明写真に使われるケースが多い色です。白もフレッシュな印象を与えますが、写真全体が明るくなりすぎる可能性もあるので、グレーや薄い青にするのがおすすめといえます。
背景にふさわしい壁がない場合は、模造紙などを貼って対応するとよいでしょう。壁に近づきすぎると背景に影ができるので、壁から50cmほど離れて撮影します。
服装はスーツ着用が基本
履歴書用の写真は、身だしなみを整えてから撮影しましょう。証明写真用の服装は、男女ともに黒や紺などのビジネススーツが基本です。男性の場合、ネクタイは派手すぎない色を選びます。
女性はブラウスの胸元が開きすぎないよう注意しましょう。メイクは濃すぎず、ネックレスやピアスなどのアクセサリーは外した状態で撮影します。
アルバイトやパートの場合は、必ずしもスーツ姿である必要はないですが、襟のあるシャツやジャケットを着用するのが無難です。
スマホやパソコンで過度に加工しない
撮影後の写真を過度に加工するのはおすすめできません。写真館などでの撮影でも、肌色を明るく見せる程度の修正はしているため、多少の加工は許容範囲に入ります。
しかし、別人のようになるほど加工してしまうと、面接時に実物との違いが大きくなり、面接官の印象はむしろ悪化する可能性もあるでしょう。黒目を大きく見せるコンタクトレンズも、控えた方が無難です。
写真の印象を改善したいのであれば、身だしなみを整えたり、明るく見える表情を研究したりする方が効果的です。
履歴書の写真はデータ化して活用しよう
履歴書用の写真を用意するなら、写真館や証明写真機で撮影してデータ化するのがおすすめです。写真のクオリティの高さにこだわるなら写真館、手軽さやスピードを重視するなら証明写真機と、ニーズに合わせて選びましょう。
スマホで自撮りする方法もありますが、写真の完成度を考えると、あまりおすすめできません。どうしても間に合わない場合などよほどの理由がない限り、最終的な手段として考える程度にしておきましょう。
また、写真は履歴書の中でも最も目立つ重要な要素ですが、好印象を狙って過度に加工すると逆効果になるので注意が必要です。