アプリケーションエンジニアって何?平均年収やおすすめの資格を紹介

アプリケーションエンジニアは、アプリ開発全般に関わる技術職です。スマホやネットの普及で需要が拡大しており、将来性が期待できます。未経験者が目指すには、どのような資格が必要なのでしょうか?平均年収やキャリアパスについても解説します。

アプリケーションエンジニアはどんな職業?

ミーティング風景

(出典) pixta.jp

コミュニケーションアプリやゲームアプリなど、私たちの身近には数多くのアプリがあります。アプリ開発に関わるエンジニアは「アプリケーションエンジニア」と呼ばれ、将来性の高い職業として注目されています。

アプリ開発の全般に携わるエンジニア

アプリケーションエンジニアは、アプリ全般の開発に関わるエンジニアの総称です。

アプリとは、アプリケーションソフトウェアの略で、特定の目的や用途のために作られたソフトウェアを指します。

有名なアプリとしてはTwitterやInstagramなどのSNSアプリや、WordやExcelなどの業務で使うアプリ、広い意味で言えば、カーナビや飲食店で注文するタブレットもアプリに含まれます。

アプリケーションエンジニアは、アプリの開発から運用・保守までを幅広く担当します。

開発するアプリの種類

アプリケーションエンジニアが開発するアプリには、以下のようなものがあります。

  • 業務系アプリ
  • 組み込み系アプリ
  • web系アプリ
  • スマホアプリ

業務系アプリは、業務を効率的に処理するための企業向けアプリです。企業の要望に応じてゼロから構築する場合もあれば、既存アプリの機能を拡張させる場合もあります。代表的なアプリには、生産管理アプリや販売管理アプリなどが挙げられます。

組み込み系アプリは、家電や自動車などの機械に直接的に組み込まれるアプリです。エンジニアは、企業の要望とエンドユーザーの利便性の両方を考えながら開発を進める必要があります。

Googleなどのwebブラウザ上で利用するアプリはweb系アプリ、スマホ上にインストールして使うアプリはスマホアプリと呼ばれるのが一般的です。無料・有料を含め、どちらも数えきれないほどの種類があります。

業務の範囲

アプリケーションエンジニアはプログラミングをするだけでなく、アプリ開発の全工程に関与します。

  • 要件定義・設計
  • プログラム開発
  • 動作テスト
  • アプリの運用・保守

ただし、システムエンジニアとアプリケーションエンジニアを区別している企業では、システムエンジニアが上流工程(要件定義・設計)を担い、アプリケーションエンジニアが下流工程(プログラム開発以降)を担当するケースもあります。

アプリケーションエンジニアの仕事は、アプリを開発して終了ではありません。顧客から要望があれば、機能の追加やアップデートを行うほか、システムの運用やアップデートが含まれるケースもあります。

アプリケーションエンジニアの年収

給料袋と電卓

(出典) pixta.jp

webサービスやインターネットが普及した現代、アプリケーションエンジニアは人々の暮らしに欠かせない職業といえます。現役で活躍している人は、どのくらいの収入を得ているのでしょうか?

平均年収は約500万円台

厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、ソフトウェア開発(スマホアプリ・パッケージソフト)に関わるエンジニアの2021年の平均年収は523万円でした。

「令和3年分 民間給与実態統計調査」を見ると、給与所得者の平均給与は443万円です。アプリケーションエンジニアの年収は、一般的な給与所得者の年収よりもやや高いことが分かります。

アプリケーションエンジニアの雇用形態は、正社員・フリーランス・派遣社員・契約社員などです。フレックスタイム制やフリータイム制を採用する企業もあり、柔軟な働き方がしやすい職業といえそうです。

参考:
ソフトウェア開発(スマホアプリ) - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
ソフトウェア開発(パッケージソフト) - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))
令和3年分 民間給与実態統計調査|国税庁

アプリケーションエンジニアに求められるスキル

プログラミングする男性

(出典) pixta.jp

アプリケーションエンジニアは、アプリ開発のプロフェッショナルです。開発に関する知識や技術のほかに、社会人としてのビジネススキルが求められます。どれも一朝一夕で身に付くものではなく、日々の積み重ねが重要です。

プログラミングスキル

アプリ開発では、プログラミングスキルが欠かせません。プログラミングとは、人間の意図した処理を行うように、プログラミング言語を使ってコンピューターに指示を出す作業です。

使用するプログラミング言語は、開発するアプリや用途によって異なります。代表的な言語をいくつか紹介しましょう。

  • Java
  • JavaScript
  • C#
  • PHP
  • Ruby

Javaは、C言語をベースに開発された言語で、アプリやソフトウェアの開発に幅広く活用できるのが強みです。

JavaScriptやPHP、Rubyは、主にWebページやWebアプリの開発で力を発揮します。JavaとJavaScriptは名前が似ていますが、同じ言語ではありません。JavaScriptを使うと、ポップアップウィンドウやスライドショーなどが表示できます。

C#は、マイクロソフト社が開発した言語です。Javaと文法が似ているため、C#を習得した人であれば、Javaは比較的容易に理解できるでしょう。

システム開発スキル

設計スキル・プログラミングスキルに加え、データベースやネットワークに関する知識・スキルも必要です。

データベースとは、決まった形式で整理されたデータの集合体のことで、アプリケーションのバックエンドに存在します。データベースを操作するためには、SQLをはじめとするデータベース言語を習得しなければなりません。

さらに、ネットワークやサーバー(クラウド)など、インフラ関連の知識も身に付けておく必要があります。

ビジネススキル

社会人としてのビジネススキルは、全てのエンジニアに必要なものです。知識や技術が一流でも、ビジネススキルが身に付いていなければ、業界で長く活躍するのは難しいでしょう。

クライアントとの交渉やチームメンバーとのやりとりを行う上では、「コミュニケーションスキル」が必須です。自分の考えを相手に伝達するだけでなく、相手の真のニーズをくみ取る「傾聴力」も求められます。

また、開発の過程ではさまざまなトラブルが生じるため、問題を分析して解決法を見いだす「課題解決力」が欠かせません。

持っておくと有利な資格

アプリケーションエンジニアに特別な資格は必要ありませんが、IT関連の資格やプログラミング言語の資格があると転職に有利です。自身のスキルが客観的に証明できる上、資格手当による給与アップが期待できます。

  • 基本情報技術者試験
  • システムアーキテクト試験
  • アプリケーション技術者認定試験
  • 各プログラミング言語に関する資格

ITエンジニアの登竜門と呼ばれる「基本情報技術者試験」は、IT全般に関する基本的な知識・技能を問う試験です。ある程度の知識・技能が身に付いている人は、上位資格である「応用情報技術者試験」や「システムアーキテクト試験」に挑戦しましょう。

「アプリケーション技術者認定試験」は、Androidのアプリ開発者を対象とする資格試験で、ベーシックとプロフェッショナルの2種類があります。

参考:
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:基本情報技術者試験
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:システムアーキテクト試験
アプリケーション技術者認定試験 | Authorized Certification of Engineer for Android

アプリケーションエンジニアになるには

プログラミングする男性

(出典) pixta.jp

未経験者がアプリケーションエンジニアになるには、プログラマーやエンジニアとしての経験を積むことが重要です。将来のキャリアパスを見据えながら、着実にスキルを磨いていきましょう。

エンジニアとしての経験を積む

アプリケーションエンジニアには、専門的な知識と技術が求められるため、未経験者にとってはハードルが高いのが実情です。エンジニアとしての経験がゼロの人は、プログラミング言語を学び、プログラマーとして自立することを目指しましょう。

スクールでプログラミングの基礎をしっかりと身に付ければ、未経験者でも転職が可能です。当面はプログラマーとして実務をこなし、少しずつ上流工程のスキルを身に付けていくのが理想です。

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将来性がある仕事なの?

インターネットの普及が進んだ現代、アプリケーションエンジニアの需要は途切れることがないといっても過言ではありません。企業のDX化やIoTの進展に伴い、活躍する場面はさらに広がるでしょう。

IT業界では、エンジニアの人手不足が深刻化している状況です。アプリケーションエンジニアとしての高い技術やビジネススキルを備えている人であれば、就職・転職に困らないといえます。

ただし、IT技術の移り変わりは日進月歩で、今持っているスキルが1年後も使えるとは限りません。情報収集や新たなスキルの習得によって、常に自分をアップデートさせていかなければ、生き残りは難しいでしょう。

キャリアパスはどう描く?

アプリケーションエンジニアとして経験を積んだ後は、以下のようなキャリアパスが考えられます。

  • システムエンジニア
  • プロジェクトマネージャー
  • ITコンサルタント
  • フリーランス

システムエンジニアは、開発の上流工程を担う職業です。顧客折衝が増えるため、対人コミュニケーションが苦にならない人に向いています。

システムエンジニアを経験した後は、マネジメントスキルを身に付け、プロジェクトマネージャーになる選択肢があります。

課題解決力やコンサルティングスキルに優れた人は、ITコンサルタントとしても活躍できるでしょう。経営課題の解決に向け、企業の経営計画に基づいたIT戦略を策定します。

エンジニアとしての高度な技術と人脈があれば、フリーランスのアプリケーションエンジニアを目指す手もあります。

さまざまなアプリ開発に携わろう

プログラマーの後姿

(出典) pixta.jp

アプリケーションエンジニアは将来性が高く、活躍できる場面も多岐にわたります。多くのアプリ開発に関わり、知識やスキルを磨いていけば、システムエンジニアやITコンサルタントとしての道も開けます。

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