希望職種とは何?履歴書の書き方や注意点、面接での答え方を解説

履歴書で「希望職種」を伝える場合、何を書けばよいのでしょうか?本人希望記入欄に書く際の基本ルールや、それ以外のパターンについても解説します。面接で聞かれた場合の回答例や、希望職種の見つけ方についても確認しましょう。

希望職種とは

履歴書を差し出す女性

(出典) pixta.jp

転職活動では、応募先に希望職種を伝えなければならないケースがあります。まずは職種とは何なのか、業種とは何が違うのかを確認しましょう。

主な職種と分類

履歴書や面接で希望職種を伝える際には、就きたい職種を答えます。具体的な職種の例と分類を見ていきましょう。

厚生労働省は、職種を大分類・中分類・小分類・細分類に分けています。仕事内容から、どの職種が当てはまるのか大まかに調べる場合には役立つでしょう。とはいえ、履歴書に職種を書く際には、企業ごとのルールが最優先です。

大まかな分類として、営業・事務・販売・医療・保育などがあります。細かい分類が分からない場合は、営業職や販売職といった職業の種類を答えるのが基本です。

細かく仕事内容を示したい場合は、ルートセールス・カスタマーサポート・秘書・営業事務・エンジニアのような答え方になります。どちらで回答するかは、応募先の求人情報における職種の記載方法を見て決めましょう。

参考:ハローワークインターネットサービス|職業分類に関するご案内

業種と職種の違い

希望職種で伝えるのは、「職業」です。業種は会社の分類や大きなカテゴリを示します。職種は仕事内容や個人の職業です。

一方の業種は、例えばIT・サービス・金融・不動産・運輸・食品などを指します。履歴書で希望職種を伝える際に業種を書いてしまうと、理解度が足りないと思われる可能性もあるでしょう。

例えば、「サービス業で働きたい」とだけ書いても、仕事内容は多様です。希望している仕事が受付なのか営業なのか、飲食店のホール担当なのか、さまざまな職種を募集している会社では判断ができません。

まずは募集要項をよく読み、どのような職種を募集しているのか確認しましょう。

希望職種の記入例と基本のルール

履歴書とペン

(出典) pixta.jp

希望職種を履歴書に書く場合、どこに書けばよいのでしょうか?記入する場所と、基本的な記入例を紹介します。基本のルールを知っておけば、迷うことはありません。

本人希望記入欄に記載する

JIS規格の履歴書には「本人希望記入欄」があり、こちらに書くのが一般的です。記入例を見てみましょう。

【記入例】

  • 希望職種:事務職
  • 事務職を希望します
  • 希望は事務職です。○○の資格を生かしたいと考えています

書き方は自由ですが、本人希望記入欄は簡潔に記入するのがポイントです。職種のみを簡潔に書くか、簡単な理由を添える程度にしましょう。

なお、希望職種は履歴書の必須項目ではありません。募集時点で職種が1つに絞られている、複数の職種を兼任するなど、判断が難しい場合には面接で確認・相談しましょう。

希望職種以外も記載できる

本人希望記入欄には、希望職種以外の希望も記入できます。何らかの要望や特記事項があれば、本人希望記入欄を使って伝えましょう。

本人希望記入欄はほとんどの場合、「採用にあたって必須となる条件を書く欄」です。絶対条件でない希望をすべて書くのは避けましょう。あまり書きすぎると、要求が多いと敬遠される可能性があります。

希望職種や入社可能日、連絡先など「書いた方が親切である」「会社側から書くよう指示がある」ものを除き、必要がなければ無理に希望を書く必要はありません。

希望や書くことがない場合は、「貴社の規定に従います」と書くのが基本のルールです。

基本パターン以外での希望職種の書き方

履歴書を見ている男性

(出典) pixta.jp

履歴書に希望職種欄がある場合とない場合には、それぞれどのように書くのがよいのでしょうか?基本パターンに含まれないケースでの書き方を紹介します。

希望職種欄に書く場合

履歴書の様式に希望職種欄がある場合には、希望する職種をそのまま記入しましょう。

社員向けの求人では、JIS規格対応または一般向けの履歴書を使うのが一般的です。希望職種やシフト希望欄がある履歴書は、パート・アルバイト向けの可能性もあります。

様式を確認し、不要な項目や記入しにくい項目が多いと感じるのであれば、適切な履歴書を購入した方がよいでしょう。

履歴書の様式は会社側から指定がない限り自由ですが、必要な項目がそろっていない履歴書を使うと、書きにくくなります。

希望職種が特にないときの書き方

希望職種がない場合には、本人希望記入欄または希望職種欄に「貴社の配属に従います」と記入するのが無難です。しかし、職種を書くよう指示があるのであれば、募集されている職種の中から、どれかを選びましょう。

「どの職種でも構わない」と考えていたとしても、空白にしておくと記入漏れを疑われます。「特になし」という表現も前向きさが足りないと思われてしまうため、避けた方がよい書き方です。

希望職種は、志望動機や自己PRにもつながります。応募先とマッチングしやすいよう、ある程度決めておくのが大切です。

履歴書に希望職種を書くときの注意点

面接の様子

(出典) pixta.jp

履歴書に希望職種を書くにあたり、注意点があります。記入のルールや採用に対する影響度など、書く前に知っておきたいポイントを押さえておきましょう。

企業が定めている名称で記載する

職種の名前は、企業によって異なるケースがあります。履歴書に書く際には、企業側の公式サイトや募集ページに書かれているものを記入しましょう。

営業職として働きたいと思っていても、社内ではカウンターセールス・法人営業・インサイドセールスなど、細かい職種に分かれている可能性があります。複数の営業職が募集されている場合、「営業」とだけ書いても何を目指しているのか判断できません。

募集要項を読んでいないと見なされる可能性もあるため、基本的には書かれている通りの記載を心掛けましょう。

希望する職種に就けるとは限らない

希望職種を伝えたとしても、必ずしも希望する部署・職種に配属されるとは限りません。応募先が採用や面接にあたり参考とするもので、別の職種を打診される場合もあります。

求人票に記載されている職種がすべて募集中とも限りません。随時募集されているものや、先に応募した人が該当職種に採用され、募集が停止になっているケースもあります。

専門職を除いて、職種を絶対的な条件にしてしまうと、マッチングの幅が狭まります。職種に特別強い思い入れがない場合は、柔軟に考えましょう。

希望職種で採用されなかったとしても応募先で働きたいのか、考えておくことも大切です。

希望職種が複数あるときはどうする?

履歴書を提出する

(出典) pixta.jp

希望職種が1つではない場合には、どのように伝えるのがよいのでしょうか?基本的な考え方と、複数伝える場合の注意点を解説します。

複数記載してよいか企業に確認する

企業によって、職種の複数応募ができるかは異なります。募集要項をよく読んでも判断できず、複数の職種で迷うのであれば応募先に相談しましょう。

特に、働いたことがない異業種への転職であれば、迷いも理解してもらえます。相談すれば具体的な仕事内容が分かり、希望職種を決める方向性が見えてくるでしょう。

複数の職種を漠然と書くと、熱意が伝わらない可能性もあります。志望動機や目標達成と一致する職種がどれなのか判断に迷っていることを付け加えた上で、面接で具体的な相談もできるでしょう。

複数応募の理由を明確にしておく

複数の職種への応募自体は、柔軟性をアピールでき、マッチングの機会が増えます。禁止していない企業も多いでしょう。

しかし、複数の職種に応募していると、面接で理由を聞かれる可能性が高くなります。「どれでもよい」「希望はない」などネガティブに捉えられる回答ではなく、前向きな理由が必要です。

面接で質問があった場合に回答できるよう、納得できる理由を考えておきましょう。考えられる前向きな理由は、「スキルや適性を生かせそうな職種が複数ある」「具体的な仕事内容を聞き判断したいと考えた」などです。

入社できるなら何でもよいと答えるのは、避けた方がよいでしょう。自己分析や企業研究が足りないと捉えられ、マイナスに受け止められる可能性があります。

面接で希望職種を聞かれたときの答え方は?

面接の後姿

(出典) pixta.jp

希望職種について面接で聞かれる場合もあります。履歴書とは違い、理由や動機も伝えるのが一般的です。面接での回答例や、基本的な構成について解説します。

結論から簡潔に伝える

面接で希望職種を聞かれたら、結論から伝えます。「○○職を希望します」と、希望する職種名を答えましょう。

結論の後に、なぜその職種を希望しているのかエピソードや志望理由を付け加えると、説得力が増します。希望する職種で採用された後のイメージやキャリアプランを伝えると、入社後の活躍をイメージしてもらいやすくなるでしょう。

志望動機で職種に対する熱意や思いを答えるつもりであれば、希望職種を聞かれた場合は簡潔に答えるなど工夫も必要です。全体の質問内容や面接官の意図をくみ取り、柔軟な対応も求められます。

希望職種を聞かれたときの回答例

面接で希望職種を聞かれた場合にどのように答えればよいのか、基本的な回答例を紹介します。

希望職種への志望動機を含めて詳しく答えるか、別途志望動機を伝える前提で簡潔にまとめるかは、面接時の状況によって判断しましょう。基本的には、質問には簡潔に答えるのがポイントです。

【営業職の回答例】

希望職種は、営業職です。前職では接客業という特性上、お客様と話をする機会が多くありました。営業として自社の魅力やサービスを伝え、お客様に喜んでもらえる仕事がしたいと考え、志望しております。

【事務職の回答例】

事務職を希望します。前職でもパソコンを使う仕事をしており、○○の資格も取得しました。資格や経験を生かし、入社後は○○の分野で活躍したいと考えています。

希望職種以外の配属を打診されたらどうする?

面接では、希望職種以外の配属を打診されるケースもあります。質問の方向性は、面接官の目的によって変わるでしょう。

「もし希望の職種に就けなかったらどうするか」と聞かれた場合には、反応を見られています。慌てず、応募先で働きたい意思を伝えましょう。

「別の職種が向いている」「○○職で採用させてほしい」など、具体的に打診された場合は、自分が考えている適性と応募先が考える適性が異なっているのかもしれません。

本格的に別の職種へ打診された場合は、提示された職種で働くつもりがあるか検討した上で回答しましょう。

希望職種を見つける方法

パソコンで勉強する男性

(出典) pixta.jp

自分の就きたい職種が分からない、決められないという場合は、どうすればよいのでしょうか?「応募先に入社できればこだわらない」というのもよくあるケースです。仕事への熱意をアピールするために、希望職種を見つける方法を紹介します。

自己分析や情報収集をする

希望職種が分からないのであれば、自己分析をしてみましょう。これまでの経験から、得意なこと・好きなことを探していきます。

自分では得意と考えていなくても、「周囲から適性があると言われた」「褒められた」という経験を探すのがポイントです。

募集されている職種が具体的に何をする仕事なのか分からない場合には、情報収集から始めます。仕事内容を明確にし、自分がどの職種に向いているのか突き止めましょう。

こだわりがなければ、応募先のニーズから選ぶ方法もあります。自分の適性や経験に合う職種を選択するほか、採用されやすそうな職種を選ぶのもよいでしょう。

適性診断を活用する

自己分析が難しいのであれば、質問に答えるだけで適性を判断できる「適性診断」「適職診断」を利用するのもおすすめです。

インターネット上には、向いている職種を診断できる無料テストもあります。有料・無料を問わず、テストを運営しているサイトや企業を確認し、情報収集の目的や企業の信頼度を確認した上で利用するのがポイントです。

向いている職種や性格的な適性を診断し、自己分析に役立てましょう。ただし、診断はあくまでも回答に対する大まかな向き不向きを判断するものです。参考程度と考えましょう。

転職系のイベントに参加する

実際に企業の説明を聞くと、業界や職種の仕事内容が判断できます。説明会やイベントなど、企業の話を聞く機会があれば業界研究を兼ねて参加するのもよいでしょう。

企業の公式サイトやインタビュー記事を見て、事業内容を調査するのも効果的です。いくつかの業界で話を聞き、希望職種が定まれば求人サイトを活用できます。

やりたい仕事が決まった後は、多くの求人を比較して賃金や仕事内容を比較していきましょう。同じ職種・仕事内容でも、会社によって賃金や待遇は異なります。

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履歴書や面接では希望職種を伝えてアピール

履歴書と面接

(出典) pixta.jp

転職活動の際、企業によっては履歴書に希望職種を書かなければならないケースがあります。面接で質問されたときも、企業で定められた職種名をしっかり回答しなければなりません。

希望職種が見つからない場合は、自己分析や適性診断を活用しましょう。就きたい職種を明確にすれば、求人サイトを利用した転職活動もうまくいくはずです。