英語の履歴書に添えるカバーレターとは?書き方のポイントと例文

外資系企業に応募する際には、履歴書に加えてカバーレターを作成する必要があります。カバーレターは、これまでの経験や自己PRを伝えられる重要な書類です。基本的なフォーマットや、外資系企業で働くメリットについて解説します。

カバーレターとは?

履歴書と封筒

(出典) pixta.jp

日本語で「送付状」を意味するカバーレターは、外資系企業に応募する際に、履歴書と並んで重要な書類です。正しい知識を身に付け、転職活動に役立てましょう。

英文の履歴書に添える書類

カバーレターとは、海外の企業に応募する際に添える書類のことです。外資系企業などに応募する場合、英文で書いた履歴書に加えて必要とされます。

志望動機や自己PRに当たる内容を盛り込んで仕上げるカバーレターは、履歴書と同様に重要な書類です。決まったフォーマットを守りながら、英語のスキルや仕事への熱意をアピールしましょう。

カバーレターで職歴やスキルを分かりやすく伝えることで、担当者に好印象を持たれやすくなります。企業によっては不要なケースもあるため、事前に必要書類を確認しておくのもポイントです。

日本の送付状との違い

カバーレターという言葉は、日本語では「送付状」を意味します。送付状とは、日本国内の企業に応募書類を送る際に添付する書類のことです。

ビジネスにおける送付状は「添え状」とも呼ばれており、どのような書類を送ったかを相手に知らせる役割があります。あくまでも相手へのあいさつ代わりに添えるものであり、ビジネスマナーの一種です。

必要事項を伝えるだけの送付状は、企業側へのアピールとなるカバーレターとは異なります。外資系企業への転職を考えている人は、送付状と同じ感覚で捉えないよう注意が必要です。

カバーレターの構成要素と例文

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カバーレターを作成する前に、基本的なフォーマットを理解しておくことが重要です。カバーレターに必要な情報を例文とともに紹介します。

コンタクト情報・日付・企業情報

冒頭には、自分の連絡先となるコンタクト情報が必要です。氏名・住所・電話番号・メールアドレスを順に記載し、国外からも電話がかけられるよう、電話番号の前には(+81)と国番号を添えましょう。

1行空けて、書類の作成日を記載します。月/日付/西暦の順に書くアメリカ式と、日付/月/西暦の順に書くイギリス式の2種類があるため、応募する企業に併せて使い分けるのがポイントです。

続けて、応募する企業の情報を書きましょう。会社名・担当者名・住所・電話番号・メールアドレスを順に記載しますが、企業によっては社名と担当者名だけでも問題ありません。

担当者への宛名を書く際は、「Dear Mr./Ms.○○(○○様)」と書くのが無難です。名前が分からない場合には、「Dear Hiring Manager(採用担当マネージャー様)」と書くこともできますが、事前にできるだけ名前を調べるようにしましょう。

本文

本文は、「志望動機」「自分のアピールポイント」「面接の依頼」の3部構成にするのが一般的です。箇条書きではなく、段落に分けて文章の形式で書く点にも気を付けましょう。

1段落目には、自分が希望する職種とこれまでの実績を書くのが特徴です。経験をアピールする上で、「I have ○○years of experience~(○○年の経験があります)」や「I have achieved~(〜を成し遂げました)」などの表現が使えます。

2段落目は自己PRとして、自分のスキルをどう生かせるかを書きましょう。3段落目には面接の依頼として、「I look forward to a further discussion(詳しく話し合えるのを楽しみにしています)」や「I am available for an interview(いつでも面接に伺えます)」などの表現が定番です。

結びの言葉と直筆のサイン

日本の手紙における「敬具」のように、海外のビジネスメールにも結びの言葉が必要です。本文の後に1~2行ほど改行してから、結びの言葉を一言添えるようにしましょう。

ビジネスによく使われる言葉としては、「Yours sincerely,」「Best regards,」などが一般的です。相手への礼儀として、忘れずに書き添える必要があります。

郵送の場合は、書類に直筆のサインを添えるのも重要なポイントです。PCで作成した文章にも自分の名前を記入した上で、プリントアウトしてからサインを入力しましょう。

カバーレターを作成する際の注意点

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初めてカバーレターを作成する場合には、思いがけないミスをしてしまう可能性もあります。書く際に押さえておきたいポイントをチェックしましょう。

単語のつづりや文法のミスに気を付ける

基本的な点ですが、スペルや文法にミスがあると、英語のスキルが十分ではないと思われてしまいます。面接の前から悪い印象を持たれる可能性があるため、ミスがないか入念に確認しましょう。

PCで文章を作成する場合、校正ツールなどでミスに気が付くケースもあります。英語の能力に自信がない人は、英語が得意な人やネイティブの人にアドバイスをもらうのもよい方法です。

住所や日付の書き方など、英語ならではの表記にも気を配りましょう。住所を書く際には日本とは逆に番地や部屋番号から始めること、日付を書くときに月を「Jan.」などと省略しないことも忘れがちなポイントです。

読みやすさを意識する

カバーレターにはさまざまな情報が盛り込まれているものの、1枚の用紙にまとめるのが基本です。そのため、文面が長くなりすぎないよう、伝えたいことを取捨選択する必要があります。

見やすいレイアウトを意識して、きちんと改行を挟むのも効果的です。字が小さすぎると読みにくいと思われてしまうため、フォントサイズは11~12ptを目安にしましょう。

連絡先などの情報を書き込むだけで用紙の半分程度を占めるので、本文はなるべく簡潔にまとめます。1枚の用紙に必要な情報を網羅できるよう、じっくりと文章を練るのがおすすめです。

テンプレートの使い回しを避ける

履歴書に添えるカバーレターは、自分がどのような人間なのかを伝える役割を果たしています。インターネット上にあるテンプレートをコピーするのは避けて、自分で考えた言葉を使うのが無難です。

希望する職種が異なればアピールする内容も変わるため、他の企業用に書いた文面を使い回すのはNGです。面接でスキルや意欲をアピールするのと同様、自己PRの場だと思って作成しましょう。

職歴やスキルを紹介するカバーレターには、同封する履歴書の内容を補足する役割もあります。なぜこの企業を志望したのか、自分の経験を仕事にどう生かしたいかを考えて文面を作成するのもよい方法です。

外資系企業のメリットとデメリット

外国人と仕事をする

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外資系企業には、国内企業と比べてどのような特徴があるのでしょうか。外資系企業で働くメリットとデメリットの両方を解説します。

【メリット】高収入、プライベート重視

外資系企業を選ぶ最大のメリットは、国内企業に比べて給与が高い傾向がある点です。給与・年収が多くなるため、キャリアアップを目指して転職を考える人も数多く存在します。

また、ワークライフバランスを重視しているのも、外資系企業ならではの特徴です。海外では残業が一般的ではないため、プライベートの時間をしっかり確保できます。

休日出勤も珍しく、仕事のオンとオフをはっきり区別したい人に向いた環境といえるでしょう。日本企業に比べて、休暇を取得しやすいのもうれしいポイントの1つです。

【デメリット】実力主義、福利厚生が不十分

勤続年数が重視される日本に比べて、外資系企業は成果主義なのが特徴です。結果を出せずにいると契約を打ち切られてしまう可能性もあるため、仕事に関するプレッシャーを感じやすくなります。

若い社員でもキャリアアップを目指せるのが成果主義のメリットですが、逆に成果が出なければ収入が下がる点はデメリットです。長期雇用を前提としていないため、不安定な立場に置かれるケースも珍しくありません。

また、日本の企業は比較的福利厚生が充実しているのが特徴です。国内企業から外資系企業に転職した人の場合、家賃などの手当がないことを不便に思うケースもあります。

外資系企業で働く上で必要なスキル

外国人と仕事で打ち合わせする様子

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外資系企業で働くためには、国内企業とは異なるスキルが必要です。転職を考えている人向けに、外資系企業で求められる能力を解説します。

英語力

外資系企業で仕事をする場合、日常的に英語を使う場面が多いでしょう。電話・メールでのやりとりや接客対応に備えて、ライティングとスピーキングの両方を鍛えておくのが重要です。

仕事ではもちろん、同僚や上司とのコミュニケーションも英語で行われる可能性があります。ビジネス英語はもちろん、日常的な会話を問題なくこなせるよう練習するのがおすすめです。

企業によっては日本人の社員が多い環境もあるため、必ずしも英語力が求められるとは限りません。それでも英語を話せるのは大きなメリットなので、ビジネスでよく使われる単語や表現を覚えておきましょう。

アピール力

実力主義の考え方が強い外資系企業では、ある程度自己主張をすることも求められます。たとえいい考えを思いついても、意見を口にできないままでは意味がないのです。

自分の意見を積極的にアピールしたり、議論に参加したりすることで、周囲の人からも「意欲がある」とみなされます。結果を出したらきちんと伝えることで、努力が評価されやすくなるのです。

外資系企業では、黙って指示を待っているだけでは評価が低くなってしまいます。自分からコミュニケーションを図り、新しいアイデアを出せるのも、外資系企業に向いている人の特徴です。

自己管理能力

日本では当たり前とされている残業ですが、外資系企業では定時になったら帰るのが一般的です。毎日のように残業をしていると、「仕事を時間通りに終えられない人」と判断される恐れもあります。

外資系企業は仕事のやり方を個人の自由に任せる傾向があり、自分のペースで仕事を進めることが可能です。そのため、自らスケジュールを立てて計画的に仕事をこなす能力が求められます。

期限を守ってこつこつとタスクを実行できる人は、企業からも信頼を得られやすいものです。周りの状況を見ながら進捗を調整できるのも、ビジネスに必要な能力といえます。

カバーレターで外資系企業に熱意を伝えよう

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外資系企業への応募を考えているなら、欠かせないのがカバーレターの作成です。履歴書とともに送る書類であるカバーレターは、企業への熱意を伝える大事な役割を担っています。

残業が少ない外資系企業は、オフの時間をゆっくり過ごしたい人にもぴったりです。担当者に好印象を持たれるよう、基本的な構成を意識してじっくり文面を考えましょう。

給与アップだけでなく、働き方を変えたいと考えて転職を意識する人も少なくありません。外資系企業への転職を考えているなら、複数サイトの求人を手軽に検索できるスタンバイを利用するのがおすすめです。

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