教員への転職で意識すべき履歴書の書き方は?志望動機の例文も確認

教員への転職を目指す場合、履歴書を作成する上でどのような注意が必要なのでしょうか?職歴や志望動機などをはじめとする、履歴書の各項目の書き方をチェックしましょう。教員の求人へ応募する際のコツも紹介します。

教員に応募する際の履歴書のポイント

履歴書とペン

(出典) pixta.jp

転職で教員を目指す場合に重要なのは職歴です。教員の仕事につながりのある内容は、すべて書き出しましょう。また資格欄へ記載する教員免許は、正式名称で記載するのがルールです。

転職者は職歴が重視される

教員に転職する場合、学歴よりも職歴が重視される傾向があります。職歴欄は省略せず、以下の項目をすべて記載するとアピールにつながりやすいでしょう。

  • 会社名
  • 事業内容
  • 従業員数
  • 配属先
  • 業務内容

履歴書とともに職務経歴書も提出しますが、応募先によっては履歴書のみを参考に選考を行う場合もあります。職歴欄を省略せずに書くことで、履歴書のみで選考する場合にも対応が可能です。

教員免許は正式名称を記載する

資格欄に記載する教員免許は、正式名称で書く点もポイントです。教員免許には、幼稚園・小学校・中学校・高校・特別支援学校・養護教諭・栄養教諭があります。

さらに高校は専修・一種の2種類、高校以外は専修・一種・二種の3種類に分かれています。それぞれの区分は以下の通り、卒業した学校の種類によるものです。

  • 専修:大学院修了相当
  • 一種:大学卒業相当
  • 二種:短大卒業相当

例えば、大学で単位を取得し小学校の教員免許を取得したのであれば、「小学校教諭一種免許状」と書くのが正解です。履歴書の資格欄へ書く場合には、左側に取得した年月を書き「小学校教諭一種免許状 取得」とします。

また中学校と高校の教員免許は教科別のため、取得した免許の教科も分かるよう「中学校教諭一種免許状(国語) 取得」と書きましょう。正式名称が分からない場合には、免許状を確認すれば明記されています。

教員に応募するなら志望動機も重要

履歴書に書き込む手元

(出典) pixta.jp

履歴書には志望動機も記載します。ほかの仕事と同様、教員に応募する際にも志望動機は重要です。応募先についてよく調べ自己分析も行った上で、採用後にどのような教育ができる人材なのかイメージできる内容に仕上げるとよいでしょう。

学校や自治体の教育目標を確認する

教員に転職する場合、応募先は私立学校か自治体です。私立学校では学校ごとに教育目標を設けており、目標に向けた教育が行われます。自治体は複数の公立学校を運営しており、全体の教育目標を設定しています。

応募しようと考えている私立学校や自治体の教育目標は、自分の目指している教育と方向性が合っているでしょうか?方向性が違っている場合、教員になれたとしても思っていたような仕事に携われない可能性があります。

教育目標と自分の目標が合致するなら、どのように貢献できるだろうかと考え、志望動機を組み立てていきます。

なぜ教員になりたいかを明確にする

志望動機を書く上で、自己分析も欠かせません。なぜ自分は教員になりたいと考え始めたのかを明確にしておきましょう。具体的なエピソードがあると説得力が増します。

例えば以下のようにまとめると、教師を目指している理由を具体的なエピソードと合わせて伝えられます。

中学時代に高校受験について悩んでいるとき、担任の先生が声をかけてくださったのが教師になりたいと感じたきっかけです。先生のことをよく見ていると、クラスメイトの様子を見て、さりげなく声をかけているようでした。この先生のように、1人ひとりに合わせたサポートのできる教員になりたいと考えています。

応募先と自分の動機を結び付ける

応募先の教育目標と教員になりたい理由がはっきりしたら、2つを結び付けることで、ほかではなくこの学校でなければいけない理由になります。応募先の学校が教育目標として「1人ひとりを伸ばす」ことを掲げている場合の例文を見てみましょう。

教員になりたいと思い始めたのは中学時代です。私が高校受験について悩んでいる様子に担任の先生が気付き、さりげなく声をかけてくださいました。

このときの先生のように、1人ひとりに合わせたサポートができる教員になるのが目標です。「1人ひとりを伸ばす」を教育目標に掲げる貴校でなら、自分の目標を実現しつつ貢献できると感じ応募しました。

採用後のビジョンを明確にする

私立学校や自治体による選考では、採用後のビジョンも伝えましょう。教員として働き始めたらどのように取り組みたいと考えているのかを、明確にしておくのがポイントです。加えて学校教育に関する問題を、どのように捉えているかも伝えるとよいでしょう。

生徒に対しどのような教育や指導をしていく人材なのかを、採用担当者がイメージしやすくするために必要です。

応募先と自分のビジョンを組み合わせた志望動機の例文

応募先の教育目標と自分の目標を明確にして2つを結び付けたら、実際に志望動機を作成していきます。参考になる例文を確認しましょう。

もともと教育に関心があり、学生時代は塾講師のアルバイトをしていました。現在は新卒で就職した一般企業で、リーダーとして数名の後輩を指導する役割を担っています。

その中で新人教育に関わる機会があり、教員を目指したいという気持ちが強くなったのが応募のきっかけです。生徒の自主性を重んじる貴校の方針の下、企業で得たマネジメントの知見を生かし、貢献していきたいと考えています。

各項目の基本の書き方

履歴書を読む男性

(出典) pixta.jp

履歴書にはほかにも記載する箇所があるため、各項目の書き方も確認しましょう。これまでは一般的にJIS規格の履歴書が用いられてきましたが、2020年7月にJIS規格の履歴書の様式例が削除されたことから、厚生労働省が新たな様式を検討しました。

従来の履歴書とは、性別欄や通勤時間・扶養家族数・配偶者の有無・配偶者の扶養義務の有無の欄が変更されています。

基本情報

基本情報に記載する内容は以下の通りです。日付は履歴書全体を通し、西暦か和暦のどちらかで統一します。

  • 日付:持参日もしくは投函日
  • 氏名:戸籍に登録されている氏名
  • 印鑑:朱肉を使い押印するタイプを使用
  • 性別:任意記載(「男」「女」などと書くか、未記載も可能)
  • 現住所:都道府県から建物名・部屋番号まで正確に記載
  • 連絡先:現住所以外なら記載、同じなら「同上」と記載
  • 電話番号:日中つながりやすい番号を記載
  • 写真:スーツを着用し3カ月以内に撮影したもの(裏に氏名を記載しておく)

学歴・職歴

学歴・職歴欄に記載する学校名や会社名は、正式名称でなければいけません。私立学校に通っていたなら小学校卒業から、公立学校に通っていたなら中学校卒業から書くのが一般的です。

1行目の中央に「学歴」と記載したら、次の行から年月と「○○市立○○中学校 卒業」というように、時系列に沿って書いていきましょう。また高校以降は義務教育ではないため、入学から記載します。

続けて、学歴の最後の行から1行空け、中央に「職歴」と書きましょう。改行したら1行ずつ職歴を記載し、最後まで書き終わったら改行します。改行したら行の右端に寄せて「以上」と記載し完了です。

免許・資格

免許・資格欄も、正式名称で正しく書かなければいけません。持っているのであれば、原則として運転免許証を1行目に書きます。教育免許をはじめそのほかの免許について記載するのは、次の行からです。

左側に免許の取得年月や資格の合格年月を書き、「実用英語技能検定1級 合格」と記載します。記載する順番は免許・資格の順で、さらに免許内・資格内は取得や合格の日付順に書いていきましょう。

趣味・特技

応募先の学校にアピールできる、趣味や特技を記載する欄です。例えば部活での活動経験は、教員として採用された後も役立ちます。部活動の顧問として生徒の指導にあたる中で、学生時代に打ち込んだ経験が生きるケースもあるでしょう。

受賞歴・活動経験・指導経験などが採用につながる可能性もあるため、必ず記載しましょう。

教員に応募する際のコツ

学校の教室

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一般的な履歴書の書き方のルールに加え、教員に応募する際には押さえておくべきコツがほかにもあります。具体的にどのような内容なのでしょうか?

自治体や学校ごとのルールを守る

履歴書の書き方は、一般的な内容のほかに、自治体や学校が定めているルールを守る必要があります。

例えば自治体によっては、使用する履歴書のフォーマットを指定しているケースもあるのです。この場合は市販の履歴書を使用せず、指定のフォーマットを使用しなければいけません。

履歴書フォーマットの入力の仕方を詳細に指定しているケースもあるため、応募先のルールをよく確認した上で履歴書を作成しましょう。

教員の求人探しには求人サイトも活用

教員の求人は、公立学校なら各自治体が情報を発信しています。私立学校なら各学校の公式Webサイトやハローワークで探すケースが多いでしょう。この方法でも探せますが、学校の公式Webサイトを1つずつチェックしていくのは手間がかかります。

よりスピーディーに希望の私立学校の求人を見つけるには、求人サイトの「スタンバイ」の利用が有効です。キーワードに「教員」と入力して検索してみましょう。全国各地の教員に関する求人を閲覧できます。

より希望に合った求人を探すには、勤務地や雇用形態・給与・その他のこだわりポイントを選択するのがおすすめです。希望や目標に合う教員への転職に一歩近づけます。

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まとめ:ポイントを押さえた履歴書で教員を目指そう

学校の教員

(出典) pixta.jp

教員に転職をするときには、履歴書の提出が必須です。書かなければいけない各項目のうち、ポイントとなるのは職歴です。転職では学歴よりもこれまでの職務経験が重視される傾向があるため、省略せずに詳しく書きましょう。

志望動機も重視されるポイントのため、コツを押さえて採用担当者に伝わりやすい内容で記載します。採用後にどのような教育や指導をする人材なのか、イメージしやすくなるよう伝えるのがポイントです。

自治体や学校ごとに定めている履歴書の書き方も確認し、ルールに従った上で、自身の魅力をアピールしてみましょう。