コールセンター向けの履歴書を作成する際は、企業が求める人材の事前リサーチが欠かせません。待遇やシフトの希望を並べるだけでなく、企業にどう貢献したいかを伝えましょう。志望動機や自己PRで好印象を残すコツも解説します。
コールセンターに応募する際の履歴書の書き方
履歴書には決められた形式がありますが、応募する職種によって、伝え方を変える必要があります。コールセンターに転職する場合、どのような履歴書であれば、好印象を与えられるのでしょうか?履歴書の項目別に書き方のポイントを見ていきましょう。
志望動機
志望動機は、採用担当者が最も重視する項目の1つです。志望動機には、以下の2点を盛り込みましょう。
- なぜコールセンターの職種に応募したのか
- 多くのコールセンターがある中で、応募先を選んだ理由は何か
採用担当者は、志望動機から応募者の本気度や熱意を読み取ります。応募のきっかけとなったエピソードを具体的に挙げると説得力が増すでしょう。
「他社よりも時給がよかった」という理由の場合、「待遇がよい他社が見つかればすぐに仕事を辞めてしまう」と誤解される恐れがあります。自分本位の理由ではなく、採用する側のメリットを意識するのがポイントです。
学歴や職務経歴
学歴を時系列にまとめた後、1行空けて「職歴」と記載しましょう。学校名や会社名は省略せず、正式名称で記載するのが原則です。職歴の会社名の横か次行には、業種・従業員数・職務内容を添えます。
コールセンターの業務に役立ちそうな経歴はしっかりとアピールしましょう。採用担当者は学歴・職歴から、自社で活躍できる人材かどうかを判断します。
本人希望欄
本人希望欄には、職種・勤務時間・勤務地などについての最低限の希望を記載しましょう。企業に対する要望を長々と書き連ねると、マイナス評価につながる恐れがあります。
例えば、職場がシフト制の場合は、「午後5時までの勤務を希望します」「平日勤務を希望します」などと記載します。絶対に譲れない条件がない人は、「貴社の規定に従います」の一言で問題ありません。
待遇については、書類選考後に擦り合わせをする機会が設けられるため、履歴書の本人希望欄には書く必要はないでしょう。
コールセンターの志望動機の例文
学歴や経歴は迷わず記載できても、志望動機の書き方に悩む人は多いものです。コールセンター経験者と未経験者に分け、例文と書き方のポイントを解説します。
経験者の場合
コールセンター経験者は、過去の経験やスキルが評価されやすく、未経験者よりも選考が有利に進みます。前職の不満や悪口は避け、キャリアアップのための転職をアピールしましょう。
前職では、決済サービスの導入を提案するアウトバウンド業務に従事しました。お客さまの立場に立った丁寧な対応を心掛けた結果、チームの受注率が20%アップし、社内賞を獲得したこともあります。
貴社のアウトバウンド業務を志望した理由は、前職で培った経験が発揮できると感じたためです。会社説明会の際、社員の皆さまが生き生きと活躍している様子を見て、自分もここで働きたいと強く感じました。
お客さまの利益を第一にしながら、貴社の業績向上に貢献したいと思います。
未経験の場合
コールセンター未経験者は、「なぜコールセンターのスタッフにキャリアチェンジしようと思ったのか」を伝えましょう。今後の目標を伝えると、業務に対する熱意がアピールできます。
クレジットカードの紛失でコールセンターに問い合わせをした際、オペレーターの方に丁寧に案内をしていただき、不安がすぐに払拭されました。
貴社のインバウンド業務を志望した理由は、お客さまに感謝されるようなオペレーターを目指したいと思ったためです。研修制度が充実している点も応募の決め手となりました。
過去に化粧品の販売業務に従事した経験があり、コミュニケーション力には自信があります。 1日でも早く戦力として貢献できるよう精進してまいります。
コールセンターが求める人材とは?
いくら優れたスキルの持ち主でも、企業が求める人材と大きくかけ離れていれば、選考は通過できません。コールセンターではどのような人材が歓迎されるのでしょうか?志望動機や自己PRを考える際の参考にしましょう。
コミュニケーション能力が高い人
コールセンターのスタッフは、コミュニケーション能力が命です。一般的な接客業やサービス業では、お客様の表情や態度で状況が判断できますが、コールセンターでは相手の姿が見えません。
相手のニーズを素早く察知し、適切な言葉で分かりやすく伝えられる人が求められるでしょう。コミュニケーション能力をアピールする際は、より具体的な言葉に落とし込むのがポイントです。
- 自分の言いたいことを端的に伝えられる
- 相手に共感を示しながら、適切なアドバイスができる
- 言葉の裏に隠された真のニーズを見極めるのが得意
柔軟な対応力がある人
コールセンターのスタッフは電話の相手を選べません。マニュアル通りにいかないケースが多く、冷静さと判断力が試されます。例えば、想定外の事態が生じたときは、慌てずに以下のような対応を取ります。
- 詳しい担当者に取り次ぐ
- 上司にエスカレーションをする
- 確認をして折り返す
お客様の中には、商品・サービスに対する不満や怒りを訴える人もいます。どんな相手にも感情的にならず、柔軟に対応できる人が重宝されるでしょう。
コールセンターの履歴書を書くコツ
履歴書による書類審査は、転職活動における第一関門です。自分を採用するメリットや熱意をきちんと伝えられなければ、最終面接には進めないでしょう。「採用担当者に選ばれる履歴書」を書くヒントを紹介します。
業務への理解を深めよう
希望職種への理解が欠如していると、説得力に欠けた履歴書になってしまいます。未経験者は、業務への理解を深めるところからスタートしましょう。
コールセンターの業務には、インバウンドとアウトバウンドの2種類があります。
インバウンドとは、お客様からの問い合わせに応じる「受信業務」です。申し込みの受け付けや問い合わせ対応がメインですが、クレーム対応やアフターフォローを行う場合もあります。
一方のアウトバウンドは、オペレーターからお客様に電話をする「発信業務」です。商品の案内やアンケート調査などが中心で、営業職の経験が生かせる可能性があります。
経験やスキルをアピール
学歴や職歴を並べるだけでなく、経験やスキルをアピールしましょう。未経験者はスキルの棚卸しを行い、コールセンター業務に生かせるものはないかを探ります。採用担当者に注目されやすいのは、以下のようなスキルです。
- コミュニケーション能力
- 顧客対応力
- 提案力
- 共感力・ホスピタリティ
- 正しい言葉遣い
- パソコンのタイピングスキル
自己PR欄に記載をする際は、長所や強みを1~2個に絞りましょう。数が多すぎると、言いたいことが伝わりにくくなってしまいます。
熱意や意欲を伝える
志望動機や自己PRは、仕事に対する熱意で締めくくりましょう。いくらスキルや経験があっても、「この会社に貢献したい」という意欲を示さなければ、好印象は残せません。
ポイントは、採用担当者に入社後の活躍をイメージさせることです。入社後の目標やビジョン、貢献できることなどを具体的に伝えましょう。
前職でのスキルを生かし、お客様満足度の向上に貢献したい
1日でも早く貴社の戦力となれるように精進したい
企業の顔として、心のこもった対応ができるオペレーターを目指したい
まとめ:履歴書で好印象を残そう
転職時の履歴書は、企業ごとに書き方を変えるのが基本です。職種・ポジションによって、求められる人物像が異なるため、使い回しは通用しないと考えましょう。
コールセンター向けの履歴書では、コミュニケーションスキルや柔軟な対応力などをアピールします。自分都合の志望理由や希望を並べずに、会社にどう貢献できるかを伝えるのがポイントです。
コールセンターへの転職を検討している人は、「スタンバイ」で求人案件をチェックしましょう。「未経験OK」や「研修あり」など、未経験者が挑戦しやすい案件も豊富です。