第二新卒で就職したい!メリットを生かした転職方法とは

第二新卒のメリットを生かせば、有利に転職活動を進められます。重要なのは、企業が第二新卒を採用しようとする理由を深く理解し、転職に向けて効果的な戦略を立てることです。そこで、第二新卒のメリットとその生かし方を詳しく紹介します。

この記事のポイント

第二新卒の社会人経験はプラス評価
転職市場では第二新卒が積極的に採用されるケースがあります。
第二新卒のメリット
第二新卒のメリットは新卒より競争率が低く異業種にも転職しやすいことです。
第二新卒の転職成功のポイント
第二新卒のデメリットを解消することが転職成功のポイントとなります。

「第二新卒」とはいつまで?

清潔なストライプ柄のワイシャツと茶色のスーツ

(出典) pixta.jp

「第二新卒」という言葉は聞いたことがあるけど、その具体的な期間や条件について詳しく知らないという人も多いのではないでしょうか。まずは、第二新卒の定義から確認していきましょう。

新卒から3年以内の転職者

いつまで第二新卒と呼ばれるのかについては、はっきりとした定義がありません。一般的には、「新卒で就職してから3年以内に転職を希望する人」を指すケースがほとんどです。

高卒なら18~21歳、大卒の場合は22~25歳くらいの年齢層が、第二新卒に該当します。ただし、卒業後に一度も就業経験がない場合は、「既卒」と呼ばれることを覚えておきましょう。

企業によっては、卒業してから3年以内の人材を新卒枠として受け入れるケースもあります。採用方針により異なるので、各企業の募集要項や求める人材の条件をよく確認することが重要です。

就活における第二新卒のメリット

ネクタイを結ぶ男性の手元

(出典) pixta.jp

第二新卒として転職活動を行うにあたり、新卒と比較してどのような点が強みになるのでしょうか。ここでは、第二新卒が持つ4つのメリットについて詳しく紹介します。

新卒時より競合者が少ない

第二新卒のメリットは、ライバルが少ないことです。新卒の就職活動は、大勢の学生が一斉に動き出し、希望する企業に一度に大量の応募が集まります。

そのため、ライバルが非常に多く、内定を勝ち取るためには激しい競争をくぐり抜けなければなりません。一方、第二新卒として転職活動を行う場合は、内定を争う人数はそれほど多くないでしょう。

特に、IT・介護・建設業界など人材不足に悩む業種・職種では、第二新卒が大手企業の内定を取れる可能性も十分にあります。

社会人経験がプラスに評価される

転職を希望する第二新卒にとって、その最大の強みとなるのは、やはり「社会人経験」です。わずかな期間であったとしても、実際に職場で培った経験は貴重な社会人としての実績と見なされ、転職市場でも高い評価を受ける要素となります。

社会人経験から期待されるものとは、職場でのコミュニケーション能力・問題解決のための計画力・実践力といった、応用可能なスキルのことです。

これらのスキルは、業界や職務が変わっても即戦力として役立つものであり、どのような企業であっても重宝される存在となります。自信を持って自分を売り込む材料とすることができ、転職活動において有利に働くでしょう。

中途より転職のハードルが低い

一般的に中途採用よりも転職のハードルが低い点も、第二新卒のメリットといえるでしょう。中途採用の場合、企業は即戦力としての活躍を期待しており、そのため過去の実績・スキルが重視されます。

しかし、即戦力としての採用は、企業にとって賭けともいえるものであり、その人物が即座に成果を上げられるかどうかは不確定要素が多く、リスクが伴うのです。

第二新卒の場合、企業は過去の実績に重きを置くことなく、むしろ柔軟性や学ぶ意欲、新しい環境での適応力を評価します。新しい価値観や活力をもたらす存在として受け入れやすいため、比較的スムーズな転職が期待できるでしょう。

異業界・異業種への挑戦もできる

ある程度年齢を重ねてから転職したいと思っても、これまで経験してきたものと全く異なる仕事に挑戦する勇気は、なかなか出ないものです。

第二新卒はまだ若いことから吸収力があり、新しい業界に入った後でも柔軟に知識を吸収し、成長していける力があります。中途採用ほど経験職種に縛られることなく、幅広い職種にチャレンジしやすいでしょう。

また、中途採用と比べて、異業種企業に受け入れられやすいのもメリットの1つです。第二新卒は、社会人経験があるとはいっても、中途採用ほど特定のスキルや業界経験は重視されません。

企業が第二新卒採用にメリットを感じる理由

応募書類を確認する採用担当者

(出典) pixta.jp

転職市場において、第二新卒が求められるケースは多々あります。企業は、第二新卒のどのような点に注目しているのでしょうか。ここでは、企業側から見た第二新卒を採用するメリットについて解説します。

教育に対するコストを抑えられる

第二新卒の採用は、企業にとってさまざまなメリットがありますが、その中でも特に注目されるのが教育コストを抑えられる点です。

新卒者を採用する際には、企業側は基礎的なビジネスマナー・実務知識の教育を行わなければいけません。一方、第二新卒者は、すでに別の企業で新入社員研修を受けていることがほとんどです。

若さや意欲は新卒と変わらず、基本的な職業倫理・ビジネスマナーを習得しているため、企業にとっては魅力的な人材となります。

若手の熱意・ポテンシャルに期待できる

企業にとって、優秀な人材を確保することは常に容易ではありません。そこで経験・スキルにこだわらず、潜在能力に注目する「ポテンシャル採用」が、近年ますます注目を集めています。

すぐに成果を求めるのではなく、未来への投資として第二新卒を迎え入れる採用戦略です。熱意があり、自ら成長を求める第二新卒は、企業文化に適応しながら中長期的に育成され、数年後には企業の中核となって活躍することが期待されます。

実際に、異業種からの転職を希望する第二新卒を、企業が積極的に採用する動きも見られます。第二新卒にとっては、自らの可能性を広げる絶好の機会となるでしょう。

社風になじみやすい

経験豊富な中途採用者は、自分自身の仕事のやり方をすでに確立していることが多く、それが新しい職場環境とのミスマッチを生むことがあります。新しい職場に適応できなければ、能力を十分に発揮できません。

その点、第二新卒は社風になじみやすいのがメリットです。実務経験が3年未満であるため、前職の価値観をあまり引きずることなく、企業文化や方針を柔軟に受け入れやすい傾向があります。

素直に新しい職場でのやり方を吸収していけることから、企業は第二新卒に対して好奇心・意欲を失わずに成長し、やがて会社を担う人材になることを期待しています。

第二新卒のデメリットとその解消法

履歴書を書く手元の横に退職願の封筒

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第二新卒の転職活動は、必ずしも順風満帆とは限りません。書類審査や面接で自分の強みを生かすためにも、第二新卒のデメリットとその解消法を押さえておきましょう。

すぐ辞めてしまうイメージがある

第二新卒として転職を希望する際のデメリットの1つは、新卒入社から短期間で転職を決めているため、「簡単に会社を辞めてしまう人」というイメージが付いてまわることです。

第二新卒を採用する際に、企業側が「採用してもすぐに辞めてしまうのではないか」という懸念を抱いているのは間違いありません。

採用した新入社員がすぐに辞めてしまうと、企業にとっては再び時間と費用をかけて求人活動を行わなければならないため、リスクが伴います。

また、企業は第二新卒に対して、人間性の面でも注意を払います。コミュニケーションが苦手であったり、忍耐力が不足していたりといった問題がないかを見極めることが目的です。

退職理由と志望動機が挽回のチャンス

マイナスイメージを払拭するチャンスは、退職理由と志望動機にあります。早期離職の理由を問われた際は、堂々と自分の考えを伝えることが大切です。おどおどした態度では、かえって不信感を抱かせかねません。

早期離職の理由は正直に、そして前向きに説明しましょう。例えば、職場の環境が自身の成長に合わなかったことを学び、それを次に生かしたいという姿勢を示すことで、誠実な人柄を伝えられます。

また、退職理由と志望動機にはつながりを持たせることが重要です。前職で学んだこと・反省したことを糧に、新たに志望する企業でどのように貢献できるのかを具体的に示しましょう。

経験・スキルが不足している

実務経験が重要視される企業や職種では、経験の浅さが大きな壁となります。「経験者優遇」「実務経験〇年以上」のような記載がある場合、第二新卒では経験不足と判断されることもあるでしょう。

企業は、採用にあたってのコスト・時間を考慮しながら、即戦力として期待できる人材を探しています。アピールできる実績が限られていると、企業側にとって第二新卒を採用するメリットが小さいと判断されがちです。

さらに、新卒採用時には手厚い教育研修プログラムが用意されていることが多いものですが、第二新卒に対してはそうした制度が充実していない企業も存在します。

柔軟性とフレッシュさをアピール

経験・スキルの少なさが心配かもしれませんが、表現次第でそれを逆に強みに変えられます。

企業側も、第二新卒が豊富な経験を持っていないことは理解しているため、ささいな経験であっても、その中で何をしてきたのか詳しく伝えることが大切です。

また、「どんなことにも挑戦してみたい」という意欲を見せることも重要です。社内の他のメンバーに、刺激を与える存在として期待されることでしょう。

希望する職種がすでに定まっている場合には、その分野に関する勉強を続ける意思を示すのもよい方法です。勉強中の具体的な内容や、これから学んでいきたいことなどを積極的に伝え、意欲的な態度をアピールしましょう。

基本的なビジネスマナーを求められる

企業が新卒よりも第二新卒を評価するポイントは、社会人経験を持っていることです。「基本的なビジネスマナーを身に付けていて当たり前」と見なされていることを、肝に銘じておかなければいけません。

企業は、応募者のマナーを履歴書・面接での応対を通じて確認します。前職での研修歴をアピールしたとしても、書面や話し方にマナーが現れていなければ、その研修は成果に結び付いていないと見なされるでしょう。

ビジネスマナーが不十分だと判断された場合には、採用を見送られるリスクが高まります。もし自身のマナーに不安がある場合は、基本的な部分を確認しておくことが必要です。

エントリーから面接まで気の緩みを徹底排除

第二新卒として転職を成功させるには、面接までのプロセスで気の緩みを徹底的に排除し、社会人としての基本的なビジネスマナーを守ることで、企業に対し自分の社会人としての成熟度をアピールすることが重要です。

企業は、応募者が社会人としての基本的な常識を持っているかどうかを、履歴書・職務経歴書といった書類の書き方、さらには面接時の服装や対応能力から判断します。

履歴書・職務経歴書は誤字脱字を徹底的にチェックし、整ったフォーマットで提出しましょう。面接時には適切なビジネススタイルの服装を選び、清潔感を重視することが望ましいといえます。

第二新卒のメリットを生かす転職のポイント

カレンダー、手帳、パソコン、スマホ

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第二新卒のメリットを最大限に活用するには、どのような方法を取ればよいのでしょうか?ここでは、転職活動を効果的に進めるための具体的なポイントを紹介します。

転職スケジュールを決めておく

期日を決めずに転職活動を行うと、「もっと自分に合う企業があるのでは?」という考えが頭をよぎり、どの企業にも決めかねるという状態に陥りがちです。

このような迷いが続くと、転職活動自体が長引いてしまい、結果的に不安・ストレスが増加することが予想されます。そのため、あらかじめ明確な期日を設定して、自分のペースで計画的に進めることが大切です。

一般的に、転職活動には約3カ月の期間がかかるとされています。今から3カ月後をゴールとしてスケジュールを立て、目標に向けて逆算しながら計画的に活動を進めていきましょう。

条件の優先順位をはっきりさせる

仕事に求める条件が多岐にわたっても、全てを完璧に満たす職場を見つけるのは簡単ではありません。そのため、まず「絶対に譲れない条件」を1~2個はっきりと決めておくとよいでしょう。

例えば、「〇〇職に就きたい」「転勤なしで働きたい」といった具体的な条件です。これらの条件は、自分のキャリアの方向性やライフスタイルに深く影響を与えるため、慎重に選ぶ必要があります。

しかし、条件にあまりに縛られすぎると、応募できる企業が極端に限られてしまいます。絶対に譲れない条件以外の部分については、ある程度柔軟に考えることも大切です。

自己分析・企業研究をアップデートする

自分自身をしっかりと理解し、それを基にして企業との接点を見つけるプロセスをアップデートし続けることは、第二新卒としての転職活動において欠かせない作業です。

学生時代や前職で培った経験・スキルを細かく棚卸しして、自分自身の強みや成長ポイントを整理すると、どのように他の職場で生かせるかが明確になります。

また、企業が求める人物像や価値観を理解するために不可欠なため、応募先の業界・企業についても再び念入りに調べておきましょう。

実績・自己アピールを充実させる

自己アピールでは、応募先企業において必要とされる経験・スキルを十分に理解した上で、自分のスキルや将来のビジョンがどこでフィットするのかを考え、その熱意をしっかりと伝えることが必要です。

企業と自分との接点を基にした前向きな志望動機を作成することで、自分がその会社でどのように貢献できるかを具体的に示せるでしょう。

また、第二新卒としては、まだ経験・スキルが不足している部分があるかもしれませんが、その点については学ぶ姿勢をしっかりとアピールすることがポイントです。

第二新卒の転職活動中の注意点

求人票と履歴書

(出典) pixta.jp

転職活動は、新たなスタートを切るための大事なステップです。しかし、何も考えずに行動すると、かえって失敗につながることもあります。転職を成功させるために、次に挙げる注意点を意識しましょう。

前職の不満を転職理由にしない

前職の不満を、転職理由として挙げることは避けるべきです。転職理由がネガティブなものであった場合、そのまま伝えるのはマイナスイメージにしかなりません。

ネガティブな転職理由は、「新しいスキルを身に付けたい」「さらなる成長の機会を求めている」「特定の分野で専門性を高めたい」といったポジティブな理由に変換しましょう。

これにより、採用担当者に対して転職が単なる不満の解消ではなく、前向きなステップであるとアピールできます。

新卒と同じ就職活動をしない

新卒時の就職活動では、特定の企業を深く理解せずに多数応募する傾向があります。しかし、第二新卒としての転職活動では、このようなアプローチは控えた方が賢明です。

転職できたとしても、現在の仕事と同じように、入社後に「思っていたのと違う」と感じる可能性が高いでしょう。こうした事態を避けるためには、社会人経験を生かして、自分に合った働き方についてしっかり考える必要があります。

実際の業務内容やその業界の将来性などを十分に理解した上で、自分のキャリアプランに合った企業を選ぶことで、入社後のミスマッチを避けられます。

在職中に転職活動する方が成功しやすい

応募先企業から内定をもらうまでは、現在の仕事を続けながら新しい職を探すことが成功への鍵となります。

仕事を辞めてしまった場合、貯金を切り崩す生活が始まることで、心の余裕が失われるリスクがあるためです。経済的不安から焦りが生じて、納得がいかない企業に就職を決めてしまうことも考えられるでしょう。

仕事を続けることで、自分の経験・スキルを日々磨き続けることができるのも、大きなメリットです。在職中であることは、採用側から見て安定した人物評価につながるため、転職活動が円滑に進むことも期待できます。

第二新卒ならではのメリットを生かそう

パソコンの上に置かれた履歴書とスマートフォン

(出典) pixta.jp

第二新卒のメリットは、まだ若くて柔軟性があり、学ぶ意欲を持っていることです。競争が激しい新卒採用ほどライバルは多くないので、大企業に採用される確率もゼロではありません。

社会人経験があり、ビジネスマナーや基本的な業務を理解していることも大きなメリットです。異業界・異業種に挑戦しやすいため、新たな分野で自分の可能性を広げるチャンスも豊富にあります。

転職活動には注意点もありますが、しっかりと自己分析を行って経験・強みをアピールできれば、相性の良い企業とのマッチングが期待できます。第二新卒のメリットをフルに生かし、新しい一歩を踏み出しましょう。

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