ライバーとは何をする人?収入を得る仕組みやメリット、始め方を紹介

ライブ配信に関係する仕事の1つに「ライバー」があります。コロナ禍や社会のオンライン化が追い風となり、ライブ配信をする人・見る人が増えているのが現状です。ライバーが享受できるメリットや配信の始め方、マネタイズの仕組みなどを詳しく解説します。

ライバーとはどんな仕事をする人?

配信者の女性

(出典) pixta.jp

自分の趣味・特技を仕事にしたい人に支持されているのが、ライバーという職業です。安定したインターネット環境とスマホさえあれば誰でも挑戦できるため、副業・お小遣い稼ぎの一環としてスタートする人も少なくありません。

ライブ配信アプリで生配信するパフォーマー

ライバーとは、ライブ配信アプリを使ってライブ配信を行う人の総称です。ライブ配信をする人は以前から存在しましたが、生活やビジネスのオンライン化が加速したことで、職業としてのライバーが注目されるようになりました。

ライブ配信の内容は十人十色で、雑談を配信する人もいれば、料理・歌などの特技を配信する人もいます。ライブ配信アプリの規約に反しておらず、かつ常識の範囲内であれば、基本的に何を配信しても構いません。

学歴・資格などは一切不要ですが、ライブ配信アプリによってはユーザーの年齢制限が設けられています。

ライバーになるメリット

ライバーになると、「収益が得られる」「知名度が上がる」という2つの大きなメリットを享受できます。

ライバーの主な収入源は、視聴者からの投げ銭です。ライブ配信を続けていくうちにファンが付き、ファンが増えれば増えるほど得られる収益は多くなります。

また、CM出演権を懸けたライバーイベントが定期的に開催されており、自分の名前を売りたい人にとっては大きなチャンスです。トップライバーとして注目されれば、芸能界への道も開かれるかもしれません。

モデル・アイドルを目指す人の中には、ファン集めの手段としてライブ配信を活用するケースも多いようです。

ライバーが収益を得る仕組みとは?

スマホを操作する手元

(出典) pixta.jp

トップライバーの中には、ライバーの収入だけで生計を立てている人もいます。「ライブ配信をするとなぜ収益が得られるの?」と疑問を持つ人は、ライバーが収益を得る仕組みを確認しましょう。

視聴者からの投げ銭が主な収入源

収益を得る方法は複数ありますが、基本となるのが「視聴者からの投げ銭」です。投げ銭といっても、ライバーにお金を直接振り込むわけではなく、アプリ内でバーチャルアイテムを購入し、応援したいライバーに贈る仕組みです。

アイテムの価格は数十~数万円ですが、受け取ったアイテムの金額が、そのままライバーの収入になるわけではありません。

換金時にアプリ運営会社の手数料が引かれるため、ライバーの手元に残るのは金額の20~50%ほどです。還元率は、アプリ運営会社やライバーのランクなどによって変動します。

有名ライバーは企業案件が豊富

有名ライバーになると、企業案件が多く舞い込みます。案件の狙いは、ライブ配信でその企業の商品・サービスを紹介し、知名度・売上の向上につなげることです。案件の内容にもよりますが、1回あたり数十万円~の報酬が手に入る場合もあります。

世間に与える影響が大きい人は、インフルエンサーと呼ばれます。SNSが普及した近年では、ターゲット層に合ったインフルエンサーに自社商品をPRしてもらう「インフルエンサーマーケティング」を、事業戦略として採用する企業が増えているのが現状です。

事務所に所属する方法も

投げ銭は完全成功報酬型なので、中には収入がまったく得られない人もいるのが現実です。一定の収入を得ながら、着実にファンを増やしていきたい場合は、ライバー事務所に所属して時給を受け取る方法もあります。

ライバー事務所は、ライバーの育成やマネジメント、サポートなどを行う組織です。事務所に所属すると、以下のようなメリットを享受できます。

  • アプリの公式ライバーとして認められる
  • ライブ配信のノウハウが身に付く
  • ライバー同士のつながりができる

なお、報酬体系は事務所ごとに異なります。時給制の場合もあれば、成果報酬制のケースもあるため、事前に確認が必要です。

YouTuberとライバーの違いは?

Youtuber

(出典) pixta.jp

配信で収入を得る職業というと、YouTuberを思い浮かべる人も多いでしょう。YouTuberとライバーには似ている部分もありますが、配信方法やファンとの関わり方、稼ぎ方などに違いが見られます。

配信の仕方

YouTuberとライバーの決定的な違いが、配信の仕方です。YouTuberは編集済みの動画投稿をメインとするのに対し、ライバーはライブ配信(生放送)を行います。

ライブ配信はやり直しができないため、失敗が許されません。不適切な言動・映像が流れてしまわないように、細心の注意を払う必要があります。

また、YouTubeは動画に視聴者がコメントをし、後からYouTuberが返信するスタイルです。一方、ライブ配信では視聴者がリアルタイムでコメントを送ります。

自分の思っていることがダイレクトに伝わる上、視聴者との一体感を味わえるのがライブ配信の醍醐味でしょう。

稼ぎ方

YouTuberの主な収入源は「広告収入」です。動画内に流れる広告を、視聴者が視聴またはクリックすると、広告主がYouTubeに支払った広告料の一部がYouTuberの収入になる仕組みです。

1再生回数あたりの広告収入は公にはされていませんが、0.05円~が目安といわれています。まとまった額を稼ぐには、再生回数を何十万回・何百万回と増やす必要があるでしょう。

一方、ライバーの主な収入は「視聴者からの投げ銭」です。視聴者が多ければそれだけ収入が得られるチャンスも増えますが、「推しライバーをイベント・ランキングの上位にしたい」というコアなファンに支えられるケースも珍しくありません。

視聴者の多寡にかかわらず、熱狂的なファン・固定のファンが付けば報酬を得られるのが大きな特徴でしょう。

編集作業の有無

YouTuberのほとんどは、動画を投稿する前に以下のような編集作業を行っています。

  • 不要な部分をカットする
  • 手ぶれ補正・ノイズカットを行う
  • テロップ・エフェクトを入れる
  • ナレーション・効果音を入れる

編集なしのアップロードも可能ですが、再生回数を稼ぐためには、視聴者を飽きさせない工夫が欠かせません。YouTuberを目指すなら、一定レベルの編集技術が求められます。

一方、リアルタイムで動画を配信するライバーには、YouTuberのような動画編集スキルは必要ありません。動画編集が苦手で、YouTuberになるのを諦めていた人にとっては朗報でしょう。

ライバーに向いているのはどんな人?

ライブ配信する女性

(出典) pixta.jp

ライブ配信は誰でも気軽に始められますが、誰もが「稼げるライバー」になれるとは限らないのが実情です。ライバーとして成功を収められるのは、どのような人なのでしょうか?

人好きでコミュニケーションが得意な人

ライバーに向いているのは、サービス精神が旺盛な人やコミュニケーションが得意な人、赤の他人とでもすぐに仲良くなれる人です。「みんなで最高の時間・空間をクリエイトしたい」という気持ちがあれば、ファンはどんどん増えていくでしょう。

YouTubeと違いライブ配信では、ライバーと視聴者がインタラクティブなコミュニケーションを楽しみます。

自分が伝えたいことを相手にわかりやすく伝えたり、相手が求めていることを適切に汲み取ったりする上でも、コミュニケーションスキルは欠かせません。

継続力がある人

視聴者の投げ銭は、ライバーにとっての生命線です。ライブ配信で生計を立てるには、投げ銭をしてくれるファンを1人でも多く獲得しなければなりません。

ライブ配信をスタートしたばかりの初心者は認知度が低いため、投げ銭をしてくれる人どころか、見に来てくれる人もいない状態が続くでしょう。

多くのライバーは、1~2時間の配信を毎日継続し、認知度を高める努力をしています。トップライバーが1回のライブ配信で数万円・数十万円を稼げるのも、地道な配信を続けてきたからこその結果です。

継続力がある人・自分で決めたことを最後までやり抜ける人であれば、ライバーとして成功できる可能性があります。

柔軟な対応ができる人

視聴者から思わぬ質問を投げかけられたり、発言が炎上したりと、ライブ配信中は想定外の事態が起こります。

YouTubeと違ってやり直しができないため、機転を利かせてその場を乗り切るしか方法がありません。状況に合わせて柔軟な対応ができる人でなければ、ライブ配信は務まらないといってもよいでしょう。

コメント・反応から視聴者の要望を汲み取り、トーク内容に随時反映させる「アドリブ力」も重要です。どんなに人気の高いライバーでも、独りよがりの配信が増えれば、視聴者は離れていきます。

ライバーを始めるための3つのステップ

配信機材

(出典) pixta.jp

ライバーを始める最初のステップは、ライブ配信に適した環境を整えることです。ライバーデビューで視聴者に好印象を与えるためにも、万全の準備で臨みましょう。事前準備のプロセスを、3つのステップで解説します。

機材を準備する

ライブ配信に最低限必要な機材は、インターネット環境とスマホです。クオリティの高さを求めるのであれば、以下のような機材を準備しましょう。

  • スマホスタンド
  • マイク
  • Webカメラ
  • 照明・ライト
  • オーディオインターフェイス・ミキサー

スマホに内蔵されたマイク・カメラでも問題はないですが、視聴者にクリアな映像・音声を届けるのであれば、配信用のマイク・Webカメラを使うのが賢明です。顔出し配信の場合はリングライト・LEDライトを使うと、顔が明るくきれいに映ります。

オーディオインターフェイスとミキサーは、歌・楽器の演奏を配信する際に重宝するアイテムです。プロのレコーディングに使われるイメージがありますが、近年は低価格の機器を手軽にインターネットで購入できます。

配信方法やテーマを考える

ライブ配信は一発勝負なので、配信方法やテーマをあらかじめ決めておきましょう。配信方法には、顔出し配信・ラジオ配信(声のみ)・特技配信などがあります。

1回の配信時間は自由に決められますが、ほとんどのライバーは2時間以上を目安にしています。雑談・トークの場合、カメラの前で2時間も話し続けるのは容易ではありません。

特に初心者がぶっつけ本番で臨むと、ネタ切れになる可能性があります。視聴者の心をしっかりつかむためにも、話したい内容をピックアップしておくことをおすすめします。

ライブ配信アプリを決める

ライブ配信アプリは複数あり、初めての人はどれを選べばよいか迷ってしまうかもしれません。以下のように「自分が何を重視するか」によって、最適なアプリが異なります。

  • 配信ジャンル
  • ユーザー数の多さ
  • 収益化の仕組み
  • イベントの多さ
  • 顔出しの有無
  • 機能性の高さ
  • アプリの動作環境
  • 配信速度の速さや画質のよさ
  • サポート体制

ライブ配信アプリを決めたら、端末にアプリをインストールします。より多くの視聴者に認知してもらうためにも、プロフィールは必ず作成しましょう。

プロフィール画像は、注目ランキングのサムネイル・アイコンにも使用されるため、視認性が高く、自分の魅力が伝わりやすいものを選びます。

ライバーになる前に知っておくこと

スマホを手に考える女性

(出典) pixta.jp

ライバーのよい面・メリットばかりを見て安易に始めると、「こんなはずじゃなかった」と悔やむ結果につながります。ライバーを始める前に、収入の実態やライブ配信に潜むリスクを理解しておきましょう。

稼げるかどうかは本人次第

トップライバーの活躍ぶりを見ていると、自分でも簡単に稼げそうな錯覚に陥るかもしれません。

しかし、ライバーで稼ぐには毎日の継続配信が前提です。本人の努力やパフォーマンス力、人間力などで収入が大きく左右されることを覚えておきましょう。トップライバーとして成功できるのは、ごく一握りです。

  • 初心者ライバーの年収:数万~数十万円
  • ミドルライバーの年収:100万~1,000万円
  • トップライバーの年収:1,000万円以上

特に新人ライバーは収入ゼロが続くケースが多いため、モチベーションを保つことに注力しましょう。

身バレや炎上に注意

ライバーを始める上で気を付けたいのが、身バレです。身バレとは、個人の特定ができる情報が流出し、名前・住所などの身元がバレることを指します。

フルネーム・出身校・勤め先・最寄駅などを口にしないと同時に、カメラに映り込むものに細心の注意を払いましょう。窓に映った風景から、住んでいる場所を特定される恐れもあります。

また、ライバーは炎上リスクと隣り合わせです。SNSが発達した近年では、悪い噂・批判はあっという間に広がるため、配信内容はよく吟味した方がよいでしょう。視聴者数を増やすために、わざと過激なネタを話す行為も控える必要があります。

ライバーなら自分の趣味を仕事にできる

ライブ配信する女性

(出典) pixta.jp

コロナ禍や社会のオンライン化の影響から、ライバーを目指す人は増加傾向にあります。歌・ダンス・トーク・料理など、配信内容はバラエティ豊かで、「自分の趣味を仕事にしたい」「楽しみながらお金を稼ぎたい」という人にとってはぴったりでしょう。

ただし、ライバーで十分な収入を得ている人は一握りです。身バレや炎上のリスクと隣り合わせであるため、常に緊張感を持って配信を行わなければなりません。まずは、ライバーが自分に向いているかどうかを、よく見極める必要があります。

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