心理カウンセラーに向いている人とは?特徴とおすすめの資格を解説

心理カウンセラーになりたいと考えているのであれば、自分が向いているのか確かめるのがおすすめです。本当に目指すべき職業なのか判断しやすくなるでしょう。心理カウンセラーに向いている人の特徴や、持っておくと有利になる資格を紹介します。

心理カウンセラーに向いている人は?

女性カウンセラー

(出典) pixta.jp

心理カウンセラーに向いている資質や能力を持っていれば、活躍できる人材として重宝されるでしょう。まずは心理カウンセラーに向いている人の特徴について解説します。

自ら勉強できる視野の広い人

心理カウンセラーの仕事は、クライエントの悩みを聞き、悩みの解決に向けてサポートすることです。クライエントにはさまざまな人が含まれ、それぞれが多種多様な悩みを抱えています。

新たな問題に対応するためには、専門知識をアップデートしていかなければなりません。古い知識に捉われたままでは、解決できない問題が増えていきます。常に自己研さんを怠らず、勉強を続ける姿勢が必要です。

また、幅広い視野や豊かな教養を備えている人も、心理カウンセラーに向いています。年齢や立場に応じたさまざまな悩みに対し、多様な角度から総合的に判断することが求められるためです。

コミュニケーションが得意な人

心理カウンセラーは、クライエントから悩みを聞き出すだけでなく、関係各所とも緊密に連携しなければなりません。例えば、学校関係では担任・教頭・校長や教育委員会との連携を必要とするケースがあります。

クライエントのプライバシーを守りながら連携に必要な情報を共有する、またクライエントと適切な距離感を保つためにも、コミュニケーション能力は高い方が望ましいといえます。

悩みを聞き出したり相手に寄り添ったりする、一般的なコミュニケーション能力だけを求められているわけではありません。さまざまな職業や立場の人と良好な協力関係を構築できるスキルも、心理カウンセラーにとって大切な能力なのです。

穏やかで辛抱強い人

全てのクライエントが、最初から悩みを打ち明けてくれるとは限りません。クライエントによっては、悩みを吐露したいが決心がつかない、またはうまく言葉にできないといったケースも多々あります。

このような状況では、クライエントが自分から悩みを話せるようになるまで、じっくりと待つことが重要です。悩みを引き出そうと無理やり誘導すると、ますます心を閉ざしてしまう恐れがあります。

相手の気持ちに寄り添って話を聞ける、穏やかで辛抱強い人は、心理カウンセラーに向いています。親身になって話を聞いているうちに、クライエントが心を開いて徐々に悩みを打ち明けるようになるのです。

心理カウンセラーに向いていない人は?

腕組みをする女性医師

(出典) pixta.jp

心理カウンセラーに向いている人の特徴を把握できたら、次に向いていない人の特徴も確認しておきましょう。自分に当てはまるものがあれば、仕事で成果を出すのは難しいかもしれません。

自分の意見を話すのが好きな人

クライエントの話をじっくり聞き出すことが、心理カウンセラーの仕事です。基本的にカウンセラーは自分の意見を主張する必要がないため、相手につい意見してしまうという人には向かないでしょう。

クライエントによっては、悩みを打ち明けるだけで自分の中で整理できるケースもあります。悩みに対する解決策を講じる以外に、ただ話を聞くことが解決につながる場合もあるのです。

誰かと1対1で話をする際、つい自分の話ばかりがメインになっているという人は、心理カウンセラーとしての役割を十分に果たせない恐れがあります。

すぐに相手に感情移入してしまう人

心理カウンセラーがクライエントの話を聞く際は、できる限り相手に寄り添うことが重要です。ただし、相手に感情移入しすぎると、自身の感情のコントロールが難しくなってしまいます。

場合によっては、カウンセラー自身のメンタルが不調に陥りかねません。感受性が高すぎるがゆえに、相手が感じているのと同等のストレスを抱えてしまうためです。

ドラマ・映画の悲しい話で号泣したり、辛いニュースを見て気分が大きく落ち込んだりする人は、心理カウンセラーには向かないかもしれません。あくまでも客観的に相手の話を聞けることが大切なのです。

心理カウンセラーの代表的な活躍の場は?

カルテに記入する手元

(出典) pixta.jp

心理カウンセラーは、さまざまな場所で活躍しています。代表的な職場と仕事内容を見ていきましょう。活躍できる場所を押さえておけば、転職先探しの際にも役立ちます。

学校など教育の場

小学校・中学校で働く心理カウンセラーは、「スクールカウンセラー」と呼ばれます。子どもの悩みを解決に導くのが、スクールカウンセラーの主な仕事です。

単に悩みを聞くだけでなく、子どもが悩みを抱えるリスクを抑えるための活動も行います。職員会議に参加したり、校内で講習を実施したりするのが代表例です。

いじめや不登校の問題が発生した場合は、担任・教頭・校長・保護者や行政機関と連携するケースもあります。

小学校・中学校以外に、高校・予備校・大学・フリースクールで働く心理カウンセラーもいるため、教育現場の大部分が職場になり得るといえるでしょう。

医療・福祉の場

心理カウンセラーが働く場所としては、病院・クリニックなどの医療機関や、介護施設・児童福祉施設など福祉の場も挙げられます。

精神科・心療内科・メンタルクリニックなどの医療機関で行われるのは、精神科医と連携した心理療法です。小児科・産婦人科・神経内科に勤務する心理カウンセラーもいます。

児童相談所で「児童心理司」として働く場合は、公務員試験に合格しなければなりません。看護師や社会福祉士の資格を持った人が、心理カウンセラーとして兼任するケースもあります。

一般企業でも活躍中

近年では、企業における従業員のメンタルヘルス不調が深刻な社会問題となっており、メンタルヘルス対策が求められるようになっています。

このような状況の中、心理カウンセラーは一般企業でも「産業カウンセラー」や「キャリアカウンセラー」として活躍中です。

企業の従業員は、職場の人間関係やハラスメント、長時間労働・休日出勤など、さまざまな悩みを抱えています。従業員が深刻な心身の不調に陥らないようにケアするのが、心理カウンセラーの役割です。

一般企業の従業員として働く以外に、ハローワーク・外部機関で働きながら企業のメンタルヘルス対策に関わる心理カウンセラーもいます。

心理カウンセラーに求められる能力は?

問診する女医

(出典) pixta.jp

心理カウンセラーに必要なスキルは、傾聴力と分析力、適切な言語化能力です。それぞれがどのようなスキルなのか解説します。

傾聴力と分析力

心理カウンセラーは、クライエントの話を聞き出すことが第一の仕事であるため、相手の話をしっかりと聞ける傾聴力は必須です。相づちや質問を工夫し、クライエントが話しやすくなるような聞き方が求められます。

また、クライエントから話を聞き出すだけでなく、話の中から悩みの本質を見抜く分析力も不可欠です。クライエント自身も悩みの原因が分かっていないケースが多いため、心理カウンセラーが分析力を発揮し、問題を正しく理解しなければなりません。

悩みの本質を見つけ出すためには、クライエントの人間性や価値観を把握しておく必要があります。相手との信頼関係を築けてこそ、悩みの本質にアプローチできるようになるのです。

適切な言語化能力

相手の話に耳を傾け、問題の本質を把握できても、解決方法を相手が理解できなければ意味がありません。心理カウンセラーには、相手の心に響くように話せる言語化能力も求められます。

適切な言語化能力を身に付けるためには、それなりの経験が必要です。言葉選びに自信がない段階では、相手に理解してもらえる話し方を常に意識しなければなりません。

言語化能力を磨いていけば、クライエントに意見が伝わりやすくなるほか、カウンセラー自身の考えを客観的に確認することも可能です。カウンセリング以外のシーンで自分の意見を述べる際にも役立つでしょう。

心理カウンセラーになる方法は?

資格の勉強をする女性

(出典) pixta.jp

心理カウンセラーになるために必須の資格はありません。ただし、専門知識がなければできない仕事であるため、未経験の場合は知識を習得する必要があります。

専門知識を習得した後に関連資格を取得し、心理カウンセラーとして仕事に就くのが一般的な流れです。心理カウンセラーに必要な専門知識の習得方法を解説します。

民間スクール・通信教育で学ぶ

未経験者が心理カウンセラーの専門知識を習得するなら、民間スクール・通信教育で学ぶのがおすすめです。一定のカリキュラムを修了すれば、資格を取得できるだけの力が身に付きます。

民間スクールのメリットは、実際に人を相手とした実践演習を受けられる点です。活躍中の現役カウンセラーから、指導を受けられるケースもあります。

空いた時間に学習を進めたい場合は、好きな時間に勉強できる通信教育がおすすめです。スクールに通う時間を確保できない社会人に向いています。

実績を積んで心理カウンセラーになる

心理カウンセラーになるための必須資格はないため、実績を積んで心理カウンセラーとして仕事をすることも可能です。自ら心理カウンセラーを名乗り、独立開業したりオンラインで悩み相談を受けたりする働き方があります。

心理カウンセラーの経験を積む場合は、ボランティア・助手として活動するのがおすすめです。実際の現場に関わりながら、心理カウンセラーに必要な専門知識を習得できます。

ただし、心理カウンセラーとして活動している人のほとんどは、何らかの関連資格を取得済みです。無資格で仕事をする場合、資格保有者に比べ信用度が落ちる点には注意しましょう。

大学・大学院で学ぶ

心理カウンセラーになる方法の1つに、臨床心理士・認定心理士を目指す方法もあります。いずれも特定の資格を取得しなければなれない職業です。

臨床心理士・認定心理士の資格試験を受けるためには、大学・大学院で指定の科目を履修する必要があります。受験までのハードルが高い分、取得すれば転職の際に大きなアピールポイントになるでしょう。

また、心理分野における唯一の国家資格である、公認心理師の取得を目指すのもおすすめです。民間資格が多い心理分野において、公認心理師を持っていれば他者との差別化を図れます。

参考:公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会

参考:認定心理士資格申請 | 日本心理学会

参考:公認心理師 |厚生労働省

心理カウンセラーにおすすめの資格は?

勉強する机

(出典) pixta.jp

心理カウンセラーを目指す場合は、関連資格を取得しておくのがおすすめです。転職活動で大きなアピール材料となる、代表的な資格を紹介します。

メンタル心理カウンセラー

メンタル心理カウンセラーは、心理カウンセラーに必須の基礎的な知識・技術を証明できる資格です。試験の合格者は、「JADP認定メンタル心理カウンセラー資格」の称号が得られます。

講座から資格試験までオンラインで受けられる点や、2カ月という短期間で資格を取得できる点が、メンタル心理カウンセラーの大きなメリットです。

年齢・学歴に関係なく、誰でも受講できます。テキストを見ながら試験を受けられるため、学習した内容を暗記する必要もありません。自宅で落ち着いて受験することが可能です。

参考:メンタル心理カウンセラー資格 | 日本能力開発推進協会 (JADP)

NLPプラクティショナー

NLPとは、脳の仕組みを利用した心理学です。さまざまな悩みに対応できる手法として、近年の心理学界で大きな注目を集めています。

NLPの基礎的な知識・スキルを証明できる資格が、NLPプラクティショナーです。資格を取得できるスクールで所定のカリキュラムを修了すれば、必ず取得できる仕組みになっています。

心理関係の仕事を目指す人が、入門的に勉強したいケースでおすすめの資格です。NLPプラクティショナーの資格取得に向けて学習した内容は、心理カウンセラーの仕事にも生かせます。

参考:NLP 日本NLP協会 公式サイト 入門からトレーナーまで

メンタルヘルス・マネジメント検定

産業カウンセラーとして活躍したい人には、メンタルヘルス・マネジメント検定がおすすめです。職場のメンタルヘルス対策に必要な知識を学べます。

Ⅰ~Ⅲ種までの3コースに分かれており、Ⅲ種(セルフケアコース)が最も合格しやすい難易度です。Ⅱ種(ラインケアコース)を取得すれば、自分自身だけでなく部下のメンタルヘルスケアについても学べます。

メンタルヘルス・マネジメント検定は、独学で十分に合格を狙うことが可能です。Ⅲ種なら約20時間の学習で合格できるでしょう。

参考:メンタルヘルス・マネジメント検定試験 | 働く人たちの心の健康と活力ある職場づくりのために

繊細な心の問題と向き合う職に就こう

カウンセリングをしている様子

(出典) pixta.jp

心理カウンセラーになりたいなら、まずは向いている人と向いていない人の特徴を把握することが大切です。自分に向いていると判断できたら、資格取得に向けて勉強を始めましょう。

心理カウンセラーは、教育機関・医療機関・福祉施設・一般企業などで活躍しています。自分に合った職場を探し、信頼されるカウンセラーを目指しましょう。

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