経営コンサルタントに向いている人の特徴は?仕事内容と併せて解説

企業の経営課題に向き合う経営コンサルタントには、高度な知識・スキルが求められます。収入が高い分、仕事が大変なイメージがありますが、向き・不向きはあるのでしょうか?向いている人の性格的特徴や仕事内容、転職を成功させるポイントを解説します。

経営コンサルタントに向いている人の性格は?

コンサルタントの男性

(出典) pixta.jp

経営コンサルタントは、経営状況の分析や戦略の立案、課題解決に向けた提案などを行う職業です。企業の経営層と関わる機会が多く、やりがいもプレッシャーも大きい仕事といえます。経営コンサルタントに向いているのは、どのような性格の人でしょうか?

好奇心が強く勉強が苦にならない

経営コンサルタントは、限られた時間で結果を出さなければなりません。クライアントは、高額なフィーを支払ってコンサルタントを雇うため、わかりません・できませんは通用しないのが現実です。

常に新たな情報・知識の獲得を続けなければならない点において、好奇心旺盛で勉強が苦にならない人が向いています。

弁護士・税理士などとは異なり、経営コンサルタントになるために必要な資格は存在しません。しかし、ビジネスや経理、税金などについては専門的な知識を要するため、中小企業診断士や税理士、公認会計士などの資格取得を目指す人もいます。

基本的にポジティブ

企業の課題を解決するためには、仮説検証を繰り返す必要があります。解決が困難な課題もあり、プレッシャー・不安が常に付きまとうでしょう。

「必ず解決してみせる」というポジティブ思考と、「最後までやり抜く」という粘り強さがなければ、経営コンサルタントの仕事は務まらないといっても過言ではありません。

忍耐力がない人や精神的なタフさを備えていない人、物事を深刻に捉えすぎる人はあまり向いていないといえます。

向上心がある

経営コンサルタントには、向上心が欠かせません。向上心とは、高い目標を設定し、達成に向けて努力しようとする心です。成長意欲と言い換えてもよいでしょう。

コンサルタントに依頼するクライアントは、「売上を伸ばしたい」「優秀な人材を確保したい」「経営課題を解決したい」など、現状を変えたいという希望を持っています。現状にすぐ満足してしまう人では、クライアントのニーズは満たせないでしょう。

また、一流といわれる経営コンサルタントは、自己研鑽を怠りません。普段から高い目標を掲げ、努力を惜しまないからこそ、多くのクライアントの信頼を得られるのです。

経営コンサルタントに求められる能力は?

ビジネスミーティング

(出典) pixta.jp

どのような職業にも、業務を遂行する上で必要なスキルセットがあります。クライアントの経営課題を解決に導く経営コンサルタントには、どのような能力が必要なのでしょうか?

高い論理的思考力

経営コンサルタントの主な仕事は、企業の経営状況を分析して課題を見つけ、解決法を提案することです。客観的かつ論理的に説明できなければ、クライアントに納得してもらえないため、論理的思考力(ロジカルシンキング)の高さは必須といえます。

論理的思考力とは、複雑に絡み合う物事をシンプルな形に整理する能力です。物事には原因と結果が存在するという考え方に基づき、筋道の通った論理展開で話を進めていきます。

論理的の対義語は、直感的・非論理的です。その場の思いつきや主観によって物事を決める癖がある人は、論理的思考力を鍛える必要があります。

柔軟なコミュニケーション能力

コンサルティングでは、関係者にヒアリングしたり、実地調査を行ったりして、クライアント自身が気付いていない課題を探ります。一連のプロセスを遂行するには、論理的思考力に加え、高いコミュニケーション能力が必要です。

コミュニケーション能力が高い人というと、外向的で誰とでもうまくやっていける人を思い浮かべるかもしれません。しかしビジネスシーンにおいては、自分の意図を正確に伝える力と、相手の言葉を聴く力を備えていることが重要です。

コンサルティングファームでは、複数のコンサルタントがチームを組んで業務を遂行します。チームで目標を達成するためには、協調性が不可欠です。

経営に関する知識も必須

コンサルタントといっても、専門分野はさまざまです。経営コンサルタントは、文字通り経営課題に対してコンサルティングを行うため、経営に関連する知識は必ず持ち合わせておく必要があります。

決算書・財務諸表の数字から会社の状況を読み解く上では、数字に強い人の方が能力を発揮できるでしょう。

近年は、特定の業界・領域に特化したコンサルティングファームが増えています。医療やIT、金融など何か1つでも精通している分野があれば、他のコンサルタントとの差別化が図れます。

経営コンサルタントに向いていない人とは?

打ち合わせ

(出典) pixta.jp

どのような職業にも向き・不向きがあります。経営コンサルタントに向いていないのは、どのようなタイプの人なのでしょうか?自分に職業適性がない場合は、欠けている部分を努力・長所でどれだけカバーできるか、考えてみましょう。

人と話すことが苦手

クライアントとともに問題解決に臨むのが経営コンサルタントの仕事なので、人と話すのが好きでない人・初対面の人とうまく話せない人は、あまり適性がないといえます。

コンサルティングファームの仕事は、チームで進めるのが基本です。同じチームメンバーと意見を交わしたり、議論を繰り返したりしながら、最善策を見いだしていきます。

チームプレーが苦手な人・1人で黙々と作業をしたい人にとっては、ストレスが大きいかもしれません。

体力に自信がない

経営コンサルタントは、他のビジネス職に比べて高収入を狙える分、仕事がハードです。基本的にクライアントファーストで、目の前の案件に全力を投入しなければなりません。

プロジェクト期間中は長時間労働が当たり前で、夜遅くに対応を求められるケースもあります。精神的・体力的にタフでなければ、業界で長く仕事を続けていくのは難しいでしょう。

ただ近年は、コンサルティング業界にも働き方改革の波が押し寄せています。限られた時間と資源を使って効率的に仕事を進め、空いた時間をスキル開発に充てるコンサルタントが増えているようです。

経営コンサルタントの仕事内容は?

打ち合わせをするビジネスマン

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経営コンサルタントの役目は、クライアントの要望に応じて会社の経営課題を解決に導くことです。仕事内容は「経営状態の診断」と「課題解決に向けたアドバイス」の、2つの大きなフェーズに分かれます。詳しい内容を見ていきましょう。

経営状態の診断

経営コンサルタントの最初の仕事は、経営課題の洗い出しです。独自の仮説を立てた上で、経営者や従業員、関係者にインタビューを実施し、さまざまな情報を集めていきます。

クライアントから提供された情報・データが不十分な場合は、これまでの知識・ノウハウを総動員して独自調査を実施します。

経営状態を診断する際は、集めた情報をさまざまな角度から分析するのが基本です。一面的な見方では、重大な課題・リスクを見落とす可能性があるため、多角的な視点から情報を捉える必要があります。

課題解決に向けた指導・アドバイス

課題の抽出後のステップは、解決策の立案と実行支援です。理想と現状の間にどれだけのギャップがあるかを把握し、適切な対策を考えます。

コンサルタントが業務を遂行する上では、「仮説検証」が欠かせません。「仮説構築→仮説検証→仮説の修正→仮説検証」を繰り返すことで、効率的に問題解決に取り組めます。

従来のコンサルティングは解決法を提案して終わりでしたが、近年は実行支援まで担う「実行支援型」のコンサルティングファームが増えているようです。

現場に動いてもらわなければ課題は解決しないため、経営コンサルタントが企業の現場に入り込み、実行と定着を支援します。

経営コンサルタントに転職するには?

ビジネスマンの男性

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独立・開業する人もいますが、経営コンサルタントの就職先はコンサルティングファームが一般的です。業界未経験者が転職を成功させるポイントと、企業探しの方法を紹介します。

転職理由を具体的に考える

採用面接では、必ずといってよいほど転職理由や志望動機を聞かれます。経営コンサルタントを目指すきっかけや理由を、具体的に答えられるように準備しておきましょう。ポイントは以下の3つです。

  • なぜ経営コンサルタントになりたいのか
  • その企業でなければならない理由は何か
  • 入社後にどのように貢献したいか

年収の高さ・待遇のよさを理由に挙げた場合、採用担当者に「自社でなくてもよいのでは?」と思われる可能性があります。経営コンサルタントの仕事は基本的にハードなので、働く理由と熱意をしっかりと示さなければ、選考通過は難しいでしょう。

資格取得で脇を固める

経営コンサルタントに必須の資格はありませんが、以下のような関連資格を持っていると転職に有利です。自ら学ぶ姿勢や向上心の高さも、アピールできるでしょう。

  • 士業の資格(税理士・公認会計士・中小企業診断士・経営士など)
  • 語学の資格(TOEIC・TOEFLなど)

外資系のコンサルティングファームでは、英語力は必須です。資格はスコアの高さよりも、ビジネスシーンで円滑なコミュニケーションが可能かという点が重視されるため、リスニング力・スピーキング力を磨きましょう。

近年は、企業の経営課題にITが絡むケースが多いため、ITコンサルタントでなくても、最低限のITリテラシーは必要です。

求人サイトで自分に合った企業を選ぶ

転職先を探す際は、転職エージェントやハローワークの利用と並行して、複数の案件が比較できる求人サイトを活用しましょう。

ほとんどの求人サイトには絞り込み検索機能があり、エリア・職種・雇用形態・仕事内容などで絞り込みが可能です。

求人検索エンジン「スタンバイ」の場合、「未経験OK」「服装自由」「研修あり」などのこだわり条件が指定できます。求人検索から応募までオンライン上で完結するため、忙しい日々の中でも時間をかけずに職探しができるでしょう。

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論理的な思考でクライアントの課題を解決

笑顔のビジネスウーマン

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クライアントの課題解決をサポートする経営コンサルタントは、収入もやりがいも十分です。異業種からのキャリアチェンジを検討している人は、コンサルティングを行う上で必要な知識・技術を身に付けるところからスタートしましょう。

資格がなくても従事できますが、経営や語学に関する資格があると、転職が有利に進みます。コミュニケーション能力・論理的思考力は一朝一夕では身に付かないため、日々の積み重ねが大切です。