警察官に向いている人とは?有利なスキルや主な警察官の種類も紹介

犯罪を取り締まり、市民の生活を守る警察官は、安心して暮らせる社会の実現のために必要な存在です。警察官に向いている人の特徴や、警察官採用試験の際に有利になるスキルを紹介します。また、警察官の主な種類についても見ていきましょう。

警察官に向いている人の特徴は?

道案内をする警官

(出典) pixta.jp

警察官は、地域の治安・市民の安全を守るのが仕事です。どのような人に向いている職業なのか、特徴を3つ挙げて紹介します。

正義感・責任感の強い人

警察官には、正義感・責任感の強さが求められます。警察官は、地域の安全を守るために事件・事故を未然に防ぐだけでなく、ときには自らの命を危険にさらしてでも犯罪に立ち向かわなければならない仕事です。

何か事件が起これば、真っ先に現場へ駆けつける必要があります。凶器を持っている犯人を、制圧しなければならないケースもあります。

「自分がこの街を守る」という強い責任感や、「どんな小さな犯罪でも見逃さず、必ず犯人を取り押さえる」という正義感がなければ、務まらないでしょう。

冷静に判断できる人

どんなときでも、冷静に判断して行動できる資質も求められます。例えば、犯罪・事故の現場では、何が起きているのかを素早く把握し、臨機応変に対応しなければなりません。

警察官が冷静さを失ってしまうと、周りにいる人を危険にさらしてしまう恐れもあります。仲間の警察官と連携して動くことも多いので、自分だけの勝手な思い込みによる行動が、捜査の妨げになる可能性もあるでしょう。

犯罪を許さないという正義感と、感情的に行動してしまうことは別問題です。感情のままに動かないよう、常に冷静さを保つことが求められます。

体力に自信がある人

警察官の仕事は、夜勤や急な呼び出しなどもあるので、体力的にもハードです。強靱な肉体とまではいかなくとも、長時間労働・不規則な勤務体系にも耐えられるよう、ある程度体力に自信がある人の方が向いているでしょう。

体が丈夫なことはもちろん、とっさに動ける機敏さも必要です。例えば、職務質問中に相手が突然逃走したら、即座に後を追いかけなければなりません。街中を走ったり、取り押さえたりするには、運動神経のよさ・タフさが求められます。

警察官を目指す際に有利なスキル

柔道

(出典) pixta.jp

警察官の採用試験では、特定の資格・スキルを持っていると、成績の一部として評価されやすくなります。どのような資格・スキルが有利になるのか、具体的に見ていきましょう。

参考:資格経歴等の評定(警察官) | 採用情報 | 令和5年度警視庁採用サイト

武道やスポーツのスキル

武道やスポーツのスキルがあれば、積極的にアピールしましょう。柔道・剣道・その他の武道で初段以上の資格を取得していれば、採用試験での評価対象となります。

また他のスポーツでも、全日本選手権・国民体育大会・大学選手権・全国高校総合体育大会などへの出場経験があれば、アピールしましょう。

警察学校では、柔道または剣道のどちらかの授業を選択します。警察内には柔道・剣道のクラブもあり、警察官になってからも継続して武道のスキルを磨いている人は少なくありません。

情報処理知識・パソコンスキル

警察には総務や警務など、組織の運営に関わる職種があります。日常的な業務においても、書類作成・各種手続きなどの事務処理が発生するため、基礎的なパソコンスキルは必要です。

また、サイバー犯罪の取り締まりやスマートフォンの解析など、IT技術を使った捜査も増えているため、情報処理に関する知識があればアピールしましょう。

採用試験で情報処理の資格をアピールするためにも、ITパスポート・基本情報技術者・応用情報技術者など、経済産業省管轄の国家資格や類したものを取得している方が有利です。

英語をはじめとする語学力

在留・来日する外国人の増加に伴い、警察官にも語学力が必要となる場面が増えています。英語をはじめとするさまざまな言語のスキルがあれば、仕事に役立つでしょう。

一定レベルのスキルがあれば、試験でもアピールできます。代表的なものは、以下の通りです。

  • 英語:実用英語技能検定2級以上・TOEIC470点以上・国際連合公用語英語検定(国連英検)C級以上など
  • 中国語:中国語検定3級以上・漢語水平考試4級以上・中国語コミュニケーション能力検定(TECC)400点以上など
  • 韓国語:ハングル能力検定準2級以上・韓国語能力試験4級以上など

警察官の主な職種

お巡りさん

(出典) pixta.jp

一口に警察官といっても、その職種は多岐にわたります。ここでは、地域警察・刑事警察・交通警察・生活安全警察の4つを挙げて、特徴を解説します。

地域警察

日本の治安のよさは、全国に配置されている交番・駐在所のネットワークに支えられているともいえます。地域警察とは、いわゆる「おまわりさん」として交番・駐在所で勤務する仕事です。

各地域の生活に密着し、交番での立ち番・パトロール・巡回連絡・パトカー勤務などを通じて、住民の安全を守っています。

遺失物・拾得物への対応や、道案内など市民からの相談に応じることに加え、110番通報があった際の初動対応・犯罪者の検挙・交通指導取り締まりなどが主な職務です。

警察学校を卒業した警察官のほとんどが、最初に地域警察として実務に就きます。

刑事警察

刑事警察は、犯罪の捜査が主な仕事です。知能犯罪・窃盗犯罪・薬物銃器犯罪・殺人など、幅広い事件に対応しています。

事件が発生すると現場に向かい、捜査・聞き込みをして犯人の検挙に務めます。現場に残された指紋・血痕などの証拠を鑑定する「鑑識」や、殺人事件などで被害者の身元確認などの手続きを行う「検視」も、刑事警察の仕事です。

犯人を逮捕した後は取り調べを行い、事件解決や犯罪組織の撲滅に当たります。国際犯罪に対応する場合は、外国の警察機関と連携する場合もあります。

交通警察

交通警察の仕事は、速度違反や交通違反の取り締まり・指導です。交通事故が発生したときは、事故原因の捜査だけでなく、ひき逃げや交通事故の保険金詐欺などの捜査も担当します。

交通事故防止も重要な任務の1つとしており、学校・保育園などで子どもたちに交通安全指導なども行います。

高速道路上の交通取り締まりを専門に行う「高速道路交通警察隊」や、白バイ・パトカーで幹線道路を取り締まる「交通機動隊」も、交通警察です。

また、道路標識の整備や道路使用許可、運転免許に関する業務なども交通警察が担当しています。

生活安全警察

生活安全警察は、市民生活の安全を守る部門です。身近な場所で発生する犯罪を防止するために、早めの防犯対策を行い、地域住民が安心して暮らせる街づくりに取り組んでいます。

ストーカー・DV・性犯罪などに関する市民からの相談に乗ったり、対策を考えたりするのも生活安全警察です。

少年犯罪・環境犯罪・サイバー犯罪など、幅広い分野を担当しています。また、風俗営業・古物営業・銃などの許認可も、生活安全警察の職務です。

警察官のやりがいは?

敬礼をする警察官

(出典) pixta.jp

警察官は、犯罪と向き合うハードな仕事ですが、その分大きなやりがいを感じられる場面も多々あります。警察官のやりがいを具体的に見ていきましょう。

人の役に立てる・頼りにしてもらえる

警察官は、地域住民の安全を守っているという実感を持てる仕事です。もちろん警察官以外にも、人の役に立てる仕事はたくさんあります。

しかし犯罪を取り締まり、社会の秩序・人々の生活の安全を守れるのは、警察官をおいて他にはありません。例えば、夜間に安心して街を歩けるのも、警察官がパトロールしているからです。

危険な目に遭うこともありますが、これほど人々から頼りにされる仕事はないという誇りも持てるでしょう。地域の人から直接感謝されることも多く、人の役に立てているというやりがいを感じられる仕事です。

経験を積むと活躍できる幅が広がる

経験を積むにつれて、活躍の場が広がるのも警察官のやりがいの1つです。警察官には、さまざまな職種・業務があります。

交番勤務・パトロールをするいわゆる「おまわりさん」や、幹線道路の交通取り締まりをする「白バイ隊」、殺人犯・窃盗犯を追う「刑事」など多種多様です。一般企業の総務・広報に当たる仕事をする部門もあります。

本人の希望次第で、さまざまな仕事にチャレンジできるのも、警察官の魅力といえるでしょう。勤務年数が長くなるほど携わる業務も増え、スキルアップできるので、モチベーション維持にもつながります。

警察官に向いていない人は?

警察署のシンボル

(出典) pixta.jp

警察官はやりがいの大きい仕事ですが、向いていない人もいます。警察官に向いていない人の特徴も、知っておきましょう。

プライベートを大切にしたい人

プライベートも充実させた働き方をしたい人は、警察官には向かないかもしれません。近年では、警察官もワークライフバランスを取りながら働けるようになりましたが、緊急事態があれば非番の日に呼び出されることも多々あります。

また、旅行などの予定があるときは事前に届け出が必要です。休日は自宅でゆったり過ごすよりも、出かけるのが好きという人は不自由に感じてしまうかもしれません。

不祥事を防ぐため、飲酒量や交際相手の有無、貯金などプライベートに関して上司に報告する必要もあります。「仕事とプライベートはきっちり区別したい」というタイプの人には、警察官は向いていないといえるでしょう。

ストレスを感じやすい人

ストレスに弱いなど、メンタル的に追い込まれやすい人には向かない仕事でしょう。警察官は、犯罪者を相手にする仕事なので、気苦労が絶えません。

命の危険を感じる場面があるなど、他の職種に比べて緊張感も大きい仕事です。どのようなときにも冷静さを保たなければならないという仕事柄、ストレスがたまることも多くあります。

また上下関係が厳しく、上司・先輩の指示が理不尽だと感じることも少なくありません。疑問を感じても従わなければならないケースが多いため、精神的につらく感じる人もいるでしょう。

警察官は責任感の強い人に向いている仕事

警官

(出典) pixta.jp

警察官は、社会秩序・地域住民の生活の安全を守る重要な仕事です。犯罪を未然に防ぐだけでなく、実際に犯行に及んだ犯人を逮捕し、事件解決に導かなければなりません。

地域の人々が困ったときの相談に乗ることもあり、多くの人から頼られる存在です。「犯罪は許さない」「社会の安全は自分が守る」という正義感・責任感の強い人には、適職といえるでしょう。

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