司法書士に向いている人の特徴は?活躍できる職場ややりがいを紹介

司法書士は登記や相続などについて、法律に則った手続きの一部を扱う職業です。国家資格が必要な職業で、専門性が高いのが特徴といえます。これから司法書士を目指す人は、向いている人の特徴や転職までのプロセス、活躍できる職場を見ていきましょう。

司法書士に向いている人の特徴

打ち合わせをする男性

(出典) pixta.jp

登記をはじめとした財産に関する業務を扱うケースが多い司法書士は、どのような人に向いているのか解説します。下記で紹介する3つの条件に該当するなら、職業適性がある可能性が高いでしょう。

丁寧に仕事に取り組める人

法律によって細かく定められた業務を担当するため、個々の仕事を丁寧かつ正確に進める必要があります。例えば登記申請の際には正確に申請書を作り、必要書類をもれなくそろえて法務局に申請しなければなりません。

書類にミスがあれば申請が却下されたり修正が必要になったりして、必要な手続きが増える可能性があります。余計な時間がかかるだけでなく手続きの遅れにもつながり、依頼者に影響する事態も生じるでしょう。

不備による悪影響を避けるためにも、必要な情報をきちんと調べて正確に業務を進める姿勢が司法書士には求められます。

他者とスムーズにコミュニケーションが取れる人

司法書士の力を必要としている人は多様です。登記申請を依頼したい人もいれば、相続に問題を抱えている人もいます。対応する司法書士には、依頼者が何を求めているのかを正確に把握して、適切なサービスを提案・提供するスキルが欠かせません。

そのためには、相談を受けたときに注意深くヒアリングし、悩みや要求をくみ取る必要があります。

上記を考えると、十分なコミュニケーションスキルが必要なことが分かるでしょう。ヒアリングスキルや提案力を鍛えるように、努力する必要があります。

学習意欲が高い人

資格を取得する段階で十分な学習が求められるのはもちろん、業務をスタートしてからも継続的な学習が必要です。司法書士は法律に関係する業務を担当するため、法改正があった場合は速やかに対応しなければなりません。

ほかにも、書類のテンプレートが改正されたり、必要書類が変わったりするケースもあります。関係する情報を収集するために常にアンテナを張り、最新の情報を素早く入手することが大切です。

司法書士のやりがいにつながる要素

法律関係で働く女性

(出典) pixta.jp

重要性が高い仕事に携わる司法書士は、やりがいが大きい仕事の1つです。やりがいにつながる3つの要素を解説します。

困っている人を法務面でサポートできる

登記や供託・相続などの手続きがうまく進まず困っている人に対し、必要なサポートを提供するのが司法書士の主な仕事です。

さらに、認定司法書士の資格を取得すれば、簡易裁判所における、請求額140万円以下の民事訴訟手続きや支払督促手続きの代理人を務められるようになります。

上記で挙げた法務関連の手続き・代理は、関係する問題を抱えて困っている人に提供されるものです。

法務面のサポートを提供することで、問題を抱えて困っている人を助けられるのが司法書士の特徴といえます。自分の仕事が直接依頼者の役に立っている場面を目にすることで、大きなやりがいを感じられるでしょう。

長期的に活躍できる

司法書士が担当する業務は、いずれも需要が大きく低下するリスクが低いものです。司法書士が増えすぎると仕事の奪い合いが発生すると懸念される部分もありますが、過度に心配する必要はないでしょう。

さらに、国家資格を必要とする専門職であり、生涯現役で働ける職業の1つです、需要が大きく低下する可能性が低く、長期的に働ける仕事であることを考えると、現役としてできるだけ長く働き続けたいと考えている人に向いています。

独立も選択肢に入る

司法書士として十分なスキルがあれば、独立して自分の事務所を開設することも可能です。もちろん独立は必須ではないため、既存の司法書士事務所や司法書士法人で働く道もあります。

キャリアパスが多彩で、社会のニーズや自分の望みに応じてさまざまな道を選べるのも、大きなメリットといえるでしょう。最初は勤務司法書士として働き、必要な知識や経営スキルを学んで独立するのもおすすめです。

司法書士として長く働きたいと思うなら、自分に合ったキャリアプランを模索するとよいでしょう。

司法書士を目指す一般的なプロセス

本を手に考える男性

(出典) pixta.jp

これから司法書士を目指す人に向けて、資格を取得して就職するまでの一般的な流れを紹介します。司法書士になるには長期的な努力が求められるため、諦めずに学習に取り組むことが大切です。

司法書士試験を受けて合格する

新たに司法書士資格を取得するには、法務省が年に1回、2段階で実施している司法書士試験に合格しなければなりません。7月に筆記試験が行われ、合格者が10月の口述試験に臨みます。試験では以下の内容に関する知識を問われます。

  • 各種法令(憲法・民法・商法・刑法)
  • 不動産登記および商業登記
  • 供託
  • 民事訴訟・民事執行・民事保全
  • 司法書士業務関連の知識

幅広い分野の深い知識が求められるため、合格するには3,000時間以上の勉強が必要ともいわれています。十分な時間を確保して日々勉強に取り組み、諦めずに合格を目指しましょう。

参考:令和5年度司法書士試験受験案内書

必要な研修を受ける

司法書士試験に合格したら、実務に携わる前に研修を受けます。以下に掲載した4種類の研修を受けるのが一般的です。

  • 中央研修
  • ブロック研修
  • 司法書士会研修
  • 特別研修

上記のうち、特別研修は認定司法書士の資格を得るための研修です。受講必須の研修ではありませんが業務の幅を広げることにつながるため、受講しておくことをおすすめします。

受講にはまとまった時間が必要です。司法書士試験に合格したら早めに日程を確認し、スケジュールを調整しましょう。

求人を探して就職する

研修を終えて司法書士会に入会したら、実務に携われるようになります。既存の司法書士事務所・司法書士法人に転職したいと考えているなら、求人サイトで自分に合った求人が出ていないかチェックしましょう。

転職サイトなどに司法書士の求人が多数出ているため、一通りチェックして資格を取得したばかりの人でも転職できそうなところがないか探すのがおすすめです。

経験者のみの求人や認定司法書士資格を持っている人のみの求人もあるため、条件に合致しているか確認してから応募しましょう。

司法書士が活躍する職場

法律を調べる男性

(出典) pixta.jp

さまざまな職場で活躍できるのも、司法書士の特徴です。司法書士が活躍できる3つの職場を紹介します。業務内容が異なるケースもあるため、特徴を理解した上で転職先を選びましょう。

自分で開設した司法書士事務所

司法書士は開業する人も多く、自分の事務所を構えることが可能です。業務の幅を広げて活躍したいと考えているなら、開業を検討しましょう。

ただし、司法書士として独立して活躍するには、業務に関する幅広い知識に加えて依頼者を集めるための経営スキル・マーケティングスキルなども求められます。

司法書士としての業務に集中していればよいというわけではなくなるため、この点を意識することが大切です。業務の幅を広げるためにも、認定司法書士の資格を取得しておくとよいでしょう。

既存の司法書士事務所や司法書士法人

自分の事務所を構えずに、既存の司法書士事務所や司法書士法人で勤務司法書士として働く道もあります。独立した場合とは違い仕事を選べないのがデメリットですが、経営や集客を意識する必要がないのは、メリットといえるでしょう。

司法書士として果たさなければならない本来の仕事のみに集中できるため、スキルアップには適した環境です。

資格を取得したばかりの場合は、スキルアップしつつ実務経験を積むためにも、既存の司法書士事務所・司法書士法人への転職を目指すとよいでしょう。

一般の事業会社

司法書士といえば司法書士事務所で働いているイメージですが、一般の事業会社でも活躍できます。ある程度の規模の企業になると、法務部を設置しているケースが多いでしょう。法務部は、自社に関係する法律関連の業務を総合的に扱う部署です。

法務部で働く司法書士は、契約の締結やステークホルダーとの交渉、少額訴訟の代理人などで活躍します。

ただし、事業会社で働く場合は司法書士事務所とは異なり、登記や供託、少額訴訟の代理人としての経験は積みにくくなるでしょう。一企業が頻繁に上記の案件を抱えるケースは少ないためです。

司法書士と混同しやすい職業と主な違い

司法書士のバッジ

(出典) pixta.jp

国家資格を必要とする法務に関係する職はいくつかあるため、司法書士と混同しがちです。資格取得を考えている人は、司法書士が自分の望むキャリアプランを実現できる職業か見極めるためにも、他の職業との違いを正しく理解しましょう。

行政書士

行政書士は、官公署に提出する書類の作成や許認可申請の代行を請け負う仕事です。ほかにも、遺言書の作成に関する業務や行政不服審査法に基づく不服申し立てを担当する場合もあります。

登記や供託・相続などを扱う司法書士と比較すると、担当する分野が異なると分かるでしょう。

行政書士として働くには、行政書士試験に合格して資格を取得する必要があります。行政書士試験も難易度が比較的高いため、合格するには十分な学習が必要です。

弁護士

法律系における代表的な職種が弁護士です。弁護士は法律に関する業務全般を扱える職業で、司法書士の業務範囲も全て担当できます。

さらに、訴訟の代理人を担当できる範囲も制限されていません。司法書士は法務の一部に限って担当する職業、弁護士は法律に関する業務全般を担当する職業といえるでしょう。

訴訟の代理人として活躍したい場合は、司法書士ではなく弁護士を目指すのがおすすめです。

ただし、弁護士になるには司法試験に合格しなければなりません。司法試験の受験資格を得るための予備試験も難易度が高く、司法書士より長時間の勉強が必要です。

適性があるなら司法書士を目指そう

話を聞く弁護士の女性

(出典) pixta.jp

司法書士は個々の仕事を丁寧にでき、生涯現役で活躍したいと考えている人におすすめの職種です。登記や供託、相続といった重要な手続きを担当するなど、困っている人を法務面でサポートするのは、大きなやりがいにつながるでしょう。

司法書士の資格を取得するには、長期間集中して勉強を続ける姿勢が求められますが、適性があって長期的に活躍したいと考えている人にはおすすめです。

すでに司法書士の資格を取得して司法書士会に所属しているなら、自分に合った求人を探して転職するとよいでしょう。スタンバイでも司法書士の求人を掲載しており、全国各地の求人が豊富です。

転職を検討している人は、一度スタンバイの求人をチェックしてみましょう。

スタンバイ|国内最大級の仕事・求人探しサイトなら