消防士に向いている人の特徴は?役立つ資格もチェックして

災害から人命を救う消防士は危険を伴うものの、多くの人の役に立ち感謝される仕事です。これから消防士を目指す人のために、向いている人の特徴やキャリアパス、仕事に役立つ資格などを紹介します。自分の適性を理解した上で、転職を考えてみましょう。

消防士に向いている人の特徴

消防車にホースをつなぐ

(出典) pixta.jp

消防士は多くの人がイメージするように、災害の現場で消火・救助活動をする重要な仕事です。危険を伴う仕事なので、以下のように体力的・精神的に強く、冷静に物事を判断できる人に向いています。

体力に自信があり、精神的に強い人

消防士には体力はもちろん、忍耐力などの心の強さも必要です。火事の現場に突入したり、台風で増水した河川で救助活動をしたりなど、危険を伴う仕事をこなさなければならない場面もあるので、心身ともにタフでなければいけません。

事実、消防士は体力面で多くの採用基準があり、採用後も24時間体制での勤務にも耐える力が求められます。また、実際に危険な目に遭う消防士も多くいるので、精神的に強い負荷がかかっても、乗り越えられるメンタルがなければ、長く務めるのは難しいでしょう。

冷静に物事を判断できる人

災害現場で慌てずに、冷静に物事を判断する力も求められます。

消防士は危険な状況に置かれても自分を見失わず、目的を達成しなければいけません。救助を待つ人の位置を特定したり、要救助者を安全なルートで避難させたりなど、慎重かつ迅速な判断が求められる場面が多くあります。

強い緊張感のある場面でも、常に何を優先するべきか考え、行動できる人に向いています。イレギュラーな事態が起こってもパニックを起こさず、冷静に判断する力がある人は、人命救助に関わる消防士の仕事に向いているといえるでしょう。

チームプレーができる人

消防士は常にチームで消火・救助活動に当たるので、チームプレーができる人でなければいけません。仲間と連携して臨機応変に立ち回る必要があり、チーム全体の方針や計画に忠実に従いながら、目的を達成できる人に向いています。

チームのために意見を言ったり、提案したりするのは大事ですが、勝手な判断で行動することは許されません。個人プレーを意識する以上に仲間意識が強く、チームで何かを成し遂げたい人ならば、仕事で力を発揮できるでしょう。

消防士に向いていない人の特徴

消防士の男性

(出典) pixta.jp

消防士に向いている人の特徴を紹介しましたが、以下のように、体育会系のような上下関係が苦手な人や、プライベートを重視したい人には向いていない可能性があります。自分の性格や特性を見つめ直し、消防士の仕事が自分に合っているか、冷静に考えてみましょう。

体育会系が苦手な人

消防署・出張所によって環境や組織文化は異なりますが、消防隊員のほとんどが武道やスポーツの経験者であり、学生時代の上下関係の考え方が残っている人も多くいます。

また、消防士の仕事の性質上、指揮系統を順守して行動することが求められるので、立場が上の隊員の命令をしっかり守ることが重要です。

そういった背景から、いわゆる体育会系の考え方や行動スタイルで動いている消防隊は珍しくありません。そういった価値観が苦手だったり不快に感じたりする人は、長く消防士を続けるのは難しいでしょう。

プライベートを重視したい人

災害はいつ発生するか分からないため、消防士は常に出動する可能性があります。一般の会社員と同様に、日勤の場合もありますが、24時間勤務の仕事に就く場合もあるので、自分の都合を優先したい人は、基本的に消防士には向いていないでしょう。

消防士はいつ出動命令が出るか分からず、夜間でも動き出さなければならない場合もあります。生活スタイルも不規則になりがちなので、決まったリズムで生活を続けたい人は、別の仕事を選択するのが賢明です。

消防士のキャリアパスも知っておこう

消防車

(出典) pixta.jp

これから消防士を目指す人は、消防士のキャリアパスに関しても知っておきましょう。以下のように、消防士は10階級に分かれており、一定の範囲内でキャリアアップできる余地があります。

消防士は10階級に分けられる

消防士になるには、まず採用試験に合格して入庁し、消防学校に入学する必要があります。その後に消防署に配属となり、消防士の階級からスタートして、消防副士長・消防士長・消防司令補といったように、キャリアアップしていきます。消防士は10の階級があり、最高階級は消防総監です。

また、キャリアを積んで必要な資格を取得し、救急車で現場に駆けつける救急隊や、災害時の人命救助を担う救助隊(レスキュー隊)などで活躍する道もあります。

資格取得や昇進試験でキャリアアップ

消防士は必要なスキルを身に付けて、昇進試験に合格することで階級アップが可能です。さらに、自分の望む道や適性に応じて資格を取得することで、さまざまなキャリアを歩めます。

例えば、上記のように救急救命士の資格を取得して救急隊で活躍したり、消防設備士や危険物取扱者などの資格を生かして予防課に勤務したりする道も考えられます。消防士にとって資格の取得は、キャリアアップの重要な条件といえるでしょう。消防士の経験を生かして、民間企業に転職する人もいます。

消防士に役立つ資格とは?

2人の消防士

(出典) pixta.jp

消防士の採用試験に合格する上では、特別な資格は必要ありません。ただし、仕事の内容や勤務先によっては、さまざまな資格が求められます。消防士に役立つ代表的な資格を紹介します。

救急救命士

救急救命士は救急車で病人やけが人を搬送中、医師の指示で救急救命処置ができる国家資格です。2年以上救急救命士の養成学校に通って受験できるようになりますが、消防士ならば一定の実務経験を積んだ後、半年ほど養成学校に通えば受験資格を得られます。

医療行為は医師にのみ許されていますが、医師の指示によって救命活動をする「特定行為」ならば、救急救命士の資格があれば可能です。救急救命士の国家試験に関して、詳しくは厚生労働省の公式サイトに記載されています。

参考:第46回救急救命士国家試験の施行|厚生労働省

大型免許

一般的な消防車両である消防車やポンプ車、はしご車などを運転するには、当然ながら自動車免許が必要です。

特に重量のある車両は大型免許が必要なので、多くの消防士が取得しています。大型免許を取得するには、21歳以上で3年以上の普通免許(あるいは大型特殊免許)の運転経歴が求められます。

なお、実際に緊急時の消防車を運転するには、機関員になる必要があり、運転免許に加えて、各消防機関の所定の基準をクリアしなければいけません。

危険物取扱者

危険物取扱者はその名の通り、消防法で定められた危険物の取り扱いを認める国家資格です。次のように甲種・乙種・丙種の3種類があります。

  • 甲種:全ての危険物の取り扱いが可能
  • 乙種:塩素酸塩類などの第1類のうち、試験に合格した類だけ取り扱い可能
  • 丙種:ガソリンやアルコールなどの引火性液体のみの取り扱いに対応

消防士の仕事でも、災害現場に可燃物などがある場合は、危険物の取り扱いに関する知識が役立つでしょう。

参考:危険物取扱者試験|一般財団法人消防試験研究センター

多くの人の命を助ける消防士

消防士の後姿

(出典) pixta.jp

消防士に向いている人の特徴やキャリアパス、仕事に役立つ資格などを解説しました。

消防士は災害現場で活動することも多いので、体力面・精神面に自信があり、突然の出来事にも冷静に対応できる人に向いています。命の危険のある仕事でもあるので、自分に向いているか慎重に判断する必要があります。

これから消防士を目指す人は、進むべきキャリアや仕事に求められる資格などもチェックしておきましょう。早い段階で進むべき道を決めておけば、それに従って必要な技能やスキルを身に付けやすくなります。

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