家庭教師の求人に応募する際、待遇や労働条件を志望動機に挙げてもよいのでしょうか？必ず盛り込みたいポイントやNG例、効果的な自己アピールの方法を、例文とともに解説します。家庭教師の仕事内容についても理解を深めましょう。
家庭教師の志望動機はどう書く？
家庭教師は、生徒の自宅で学習を指導する職業です。利用者と個人契約を結ぶケースもありますが、家庭教師派遣会社に登録し、会社から生徒を紹介してもらう方法が一般的です。求人に応募する際、志望動機には何を書けばよいのでしょうか？
家庭教師を選んだ理由
必ず盛り込みたいのが、家庭教師を選んだ理由です。「教えるのが好き」という理由を挙げる人は多いですが、学校の教師や塾講師、予備校講師も人に勉強を教える職業です。教育業界の数ある職業の中でも、なぜ家庭教師なのかを明確にしましょう。
「妹の勉強を見ているうちに、教えることの楽しさを自覚した」「学生時代、家庭教師に出会って、苦手を克服した」など、家庭教師を目指そうと思った具体的なエピソードを交えると、説得力が増します。
学校の教師や塾講師は、より多くの生徒と関われるのが利点ですが、1人の生徒だけに深く向き合う時間はそれほど多くありません。教育業界の他の職業を引き合いに、家庭教師を選んだ理由を伝えるのも有効です。
応募先を選んだ理由
家庭教師派遣会社は日本全国に多数あります。「家庭教師の派遣会社ならどこでもよいのでは？」と思われないように、応募先を選んだ理由を伝えましょう。
公教育以外の教育機関には、独自の経営理念や方針があります。人とデジタルの融合を方針に掲げる企業もあれば、生徒と教師の関係性強化に重きを置く企業もあり、1つとして同じものはありません。
志望動機を書くにあたっては、コーポレートサイトやインタビュー記事、公式SNSなどを通じて、応募先への理解を深めることが重要です。「○○だから貴社を志望した」「貴社で○○を実現したい」など、共感の姿勢や熱意を示しましょう。
自分を売り込むアピール
家庭教師派遣会社では、経験の有無にかかわらず、1日でも早く戦力として活躍してくれる人材を求めています。保有資格や実務経験などをアピールし、自分を採用するメリットを示しましょう。
過去に家庭教師や塾講師の経験があれば選考は有利に進みますが、採用基準を満たしていれば、未経験でも採用される可能性は十分にあります。応募先が求める人材像をよく理解した上で、自分の強みと結び付けましょう。
家庭教師には伝える力や傾聴力が欠かせません。学歴の高さや知識の豊富さよりも、生徒と信頼関係を構築できるかどうかの方が重要視されます。
家庭教師の志望動機の例文を確認
家庭教師の志望動機には、オリジナルのエピソードを交える必要があります。長すぎるまたは短すぎる内容はマイナス評価につながるため、200～300字前後で簡潔にまとめましょう。
OKな例文
学生時代、妹の勉強を見ていたことがきっかけで、勉強を教える楽しさに目覚めました。集団塾で講師のアルバイトもしていましたが、個々の生徒に合わせたきめこまやかな指導ができないもどかしさを感じ、個別指導ができる家庭教師を選びました。
貴社は「個性に合った指導で自ら考える力を伸ばす」を理念に掲げています。個性を尊重した指導を展開されている貴社でなら、「生徒とじっくり向き合い、成長をサポートする」という自分のビジョンが実現できると感じています。
前職の塾講師の仕事を通して、生徒の理解度を確認しながらわかりやすく伝えるスキルを身に付けました。これまでの経験や知識を生かし、貴社の発展と生徒の成長のために尽力したいと思います。
教育業界や家庭教師を目指すきっかけを伝えると同時に、なぜ応募先でなければならないのかを明確に伝えられます。
採用担当者に「入社後に活躍している姿」をイメージしてもらうために、自分の強みや貢献できること、将来のビジョンなどを盛り込みましょう。
NGな例文
かねてから教育に興味があり、大学では教育学部理科専攻を選択しました。家庭教師は教師よりも時間の融通が利きやすく、仕事とプライベートの両立を目標とする自分に合った働き方だと思っております。
貴社は大手の家庭教師派遣会社であり、全国的にも有名です。他社よりも時給が高く、研修制度が充実している点に魅力を感じました。家庭教師の仕事は初めてですが、ぜひ貴社で学ばせていただきたいと思っております。
「時給がよい」「家から近い」「研修制度が充実している」など、待遇や労働条件に関する事項を志望動機にするのは好ましくありません。採用のメリットが感じられない上、自分本位な印象を与えてしまいます。
未経験者は「学ばせていただきたい」という言葉を使いがちですが、どの企業でも戦力となる人材を求めています。過去の経験を洗い出し、自分がどう活躍できるかを伝えましょう。
家庭教師の仕事内容も押さえよう
家庭教師の仕事は学校の予習・復習が基本ですが、担当する生徒の学年によっては、受験対策を求められます。指導の準備に時間や労力が費やされるため、効率的に作業を進めるスキルを身に付ける必要があるでしょう。
基本は学校の予習・復習
家庭教師の役目は、学校の授業を補完することです。週に数回、生徒の自宅を訪れ、学校の予習や復習をサポートします。
家庭教師を利用する主な目的は、学校の成績を上げるためです。学校における集団教育では、授業についていけない子が必ず出てきます。
わからない部分があると、その教科自体が苦手になる可能性がありますが、家庭教師がいれば、苦手科目の克服と得意科目の強化が可能です。所属する派遣会社や生徒のニーズにもよりますが、1回あたりの時間の目安は90～120分と考えておきましょう。
模試・テストによる受験対策
家庭教師は、定期テストの対策や受験対策も行います。受験が間近に迫ると、「志望校の受験対策をしてほしい」という家庭からの要望が多くなるでしょう。
主な受験対策は、中学受験対策・高校受験対策・大学受験対策の3つです。生徒を合格に導くのが任務なので、深い知識と応用力が問われます。生徒それぞれの能力や志望校に合わせたカリキュラムを組む上では、計画性や指導力も欠かせません。
受験生は大きなプレッシャーを抱えているため、悩みを聞いてあげたり、雑談で気分転換をさせたりする心配りも大切です。
家庭教師は責任は重いがやりがいも十分
家庭教師は、学力向上や志望校への合格を目的に、生徒の学習を指導する仕事です。ただ勉強を教えるだけでなく、自力で勉強をするコツを教えるのが、家庭教師の真の役目といえるでしょう。
責任は重いですが、他の仕事やアルバイトでは得られないさまざまな経験ができます。やりがいも大きく、生徒の成長をサポートしたい人にとっては適職です。
志望動機に迷った場合は、スキルやキャリアの棚卸しをした上で、応募先や生徒のために何ができるかを考えてみましょう。これから家庭教師を目指す人は、求人検索サイト「スタンバイ」で求人情報をチェックしてみてください。
