キャリアに関する相談ができる機関はさまざまにあり、その中の1つがハローワークです。ハローワークでは、どのような職業相談を実施しているのでしょうか?転職活動でハローワークの職業相談を利用したいと考えている人は、一通りチェックしておきましょう。
ハローワークの職業相談に含まれるサービスは?
ハローワークが実施している職業相談に含まれるサービスのうち、代表的なものを3つ紹介します。利用を検討しているなら、自分が必要としているサービスが提供されているか、あらかじめ確認しておくことが大切です。
希望条件のヒアリング・求人情報の紹介
ハローワークでは、職員との面談を通じて1人1人の希望条件をヒアリングし、扱っている求人情報から適したものを紹介してくれます。
各ハローワークには職業相談を担当する専門スタッフが在籍しており、求職者が望んでいるキャリアを実現できるようにサポートしてくれるのが魅力です。
職業相談には、求職者全員を対象にしたもののほか、特定の人を対象にした以下のようなものもあります。
- 35歳未満の若年層が対象
- 新卒者・既卒者が対象
- 35~55歳のミドル世代が対象
- 子育て中の人が対象
上記のいずれかに該当する人は、対象の職業相談を利用することで、より自分に合った転職先を見つけやすくなります。転職活動でハローワークを活用したいと思う人は、求職申し込み手続きを済ませましょう。
選考を有利に進めるための対策
ハローワークでは、職業相談や求人の紹介だけでなく、選考対策も実施しています。ハローワークで受けられる選考対策は、以下の通りです。
- 応募書類(履歴書・職務経歴書・ポートフォリオ)の添削
- 模擬面接の実施
時期によっては、ハローワークが主催する合同面接会が実施されることがあります。求人を出している複数の企業が集まり、複数の応募者を集めてまとめて面接する活動です。
選考がスムーズに進むメリットがあるため、応募したい企業が合同面接会に参加しているなら、積極的にチャレンジしてもよいでしょう。
また、転職セミナーや会社説明会といった、転職者をサポートする活動を定期的に実施しています。どのような活動が行われているか知りたいなら、ハローワークの公式サイトをチェックしてみましょう。
企業への問い合わせ・交渉
ハローワーク経由で特定の企業に応募する場合、職員が企業に連絡してくれます。条件面で交渉する必要がある場合も職員が行ってくれるため、転職者の負担を軽減できるのがメリットです。
求人に関して何らかの疑問がある場合は、職員に問い合わせてもらうことも可能なため、積極的に活用することをおすすめします。
転職に関する相談から応募・交渉までをまとめて代行してくれるのも、ハローワークを活用する大きな利点といえるでしょう。
ハローワークの職業相談を有効活用するコツ
多種多様な転職サポートサービスを有効活用するには、利用者側が押さえておきたいコツがいくつかあります。
ここでは、ハローワークに行く前に済ませておきたい3つのことを見ていきましょう。限られた時間を有効活用するには、準備を整えておくことが大切です。
転職目的・キャリアプランを明確にする
自分がなぜ転職したいのか、将来的にどのようなキャリアを築きたいのかを明確にしましょう。転職の軸となるポイントのため、具体的に考えることが大切です。以下のように、可能な限り詳しく文章化するとよいでしょう。
- プログラマーとして培ったスキルや、大規模プロジェクトを担当した経験を生かして、プロジェクトマネージャーを目指す
- 業務系システムエンジニアの経験を生かして、ITコンサルタントを目指す
各企業での選考でも、転職目的やキャリアプランが重要視されることを考えると、転職活動を始める段階で明確化するのが大事です。自分が転職活動で何を重視するかが明らかになり、ミスマッチを防ぐことにもつながります。
転職先企業に求める条件を明確にする
ミスマッチを防いで、転職後に意欲的に働くためにも、早い段階で転職先企業に求める条件を明確にしましょう。企業に何を求めるかは、転職で実現したいことによって異なります。
年収アップを実現したいなら、自分の経験やスキルを評価して、前職より高い報酬を提示してくれるかをチェックする必要があるでしょう。ワークライフバランスの改善を目指すなら、働きやすい環境が整っているかを重視します。
ただし、自分が望んでいる条件を全て満たす企業を探すのは、現実的ではありません。条件に優先順位を付け、確実に実現したいものと、状況次第では妥協してもよいものを明確にしておくとよいでしょう。
相談したいことをあらかじめ明確にする
限られた相談時間を有効活用するには、事前に相談したいことを書き出しておく必要があります。
転職目的を実現できる具体的な企業を見つけたいのであれば、自分の経験やスキル、求める条件を提示した上で、どのような求人があるか相談するとよいでしょう。
選考が控えていて対策したいと考えているなら、履歴書や職務経歴書を持ち込んで添削を受け、どのように改善したらよいかアドバイスをもらうのが効果的です。
ハローワークの職業相談が有用な理由
職業相談はハローワークだけでなく、さまざまな機関が実施しています。その中でハローワークのサービスを利用することには、どのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは、主なメリットを3つ紹介します。
地域・年代に応じたサポートを受けられる
ハローワークは地域ごとに設置されており、その地域の転職事情を熟知した専門のスタッフが相談に対応しています。新卒・既卒者向けや35歳未満の転職者向け、ミドル世代向けなど、年代別の転職サービスを提供しているのも魅力です。
まずは、自分が住んでいる地域のハローワークをチェックし、そこでどのような転職サービスが実施されているかを確認してみましょう。自分が利用できそうなサービスがあれば、積極的に活用すると転職を成功させやすくなるはずです。
イベント・セミナーを開催している
合同会社説明会や合同面接会、転職セミナーなどを開催しているのもハローワークの魅力です。
転職の軸が決まっていて、具体的な企業を探す段階に進んでいるなら、求人票をチェックすることに加え、合同会社説明会に参加するのも有効です。多くの企業が集まるため、自分に合った企業に出会える可能性が高まります。
選考対策を進めたいのであれば、応募書類の添削や面接対策に関係するセミナーに参加するとよいでしょう。
ほかにも、転職段階の初期に業界研究やビジネスマナー講習会などに参加することで、続く転職活動を有利に進められるようになります。スキルを培いたい人は、職業訓練を受講可能です。
それぞれのイベント・セミナー・職業訓練には参加条件が定められているため、自分が条件を満たしているか確認した上で検討してみましょう。
相談にコストがかからない
ハローワークは、厚生労働省が所管している公的サービスで、利用にコストがかかりません。転職相談や求人の紹介、各種イベントへの参加は基本的に無料です。そのため、コストをかけずに転職活動を進めたいと考えている人に適しています。
ただし、職業訓練を受ける場合は有料のものもある点には注意しましょう。講座ごとの詳細情報を確認し、受講料・教材費がどの程度かかるのかを事前にチェックしてから、応募することをおすすめします。
ハローワーク以外で求人を見つける方法は?
転職先を見つけるのに利用できるサービスは、ハローワークだけではありません。公的機関・民間企業がさまざまなサービスを提供しており、転職先の幅を広げるためにも複数のサービスを併用するのがおすすめです。
公的な職業紹介サービスを使用する
転職先の職種や居住している地域によっては、公的な職業紹介サービスが提供されていることがあります。具体的なサービスの例には、以下のようなものがあります。
- 医療従事者・介護職員の求人をまとめて扱う公的サービス
- 移住者を対象に地元の求人を紹介するサービス
- 若年層に対して、さまざまな求人を総合的に紹介するサービス
まずは都道府県・市区町村などのサイトをチェックし、自分が住んでいる地域でどのような公的サービスが実施されているか確認してみるとよいでしょう。
求人情報特化型の検索エンジンを利用する
インターネット上に掲載されている求人情報を、まとめて検索できる「求人検索エンジン」を利用するのもおすすめです。
求人検索エンジンを活用すれば、膨大な情報の中から、自分が求める条件に応じた求人情報のみをピックアップしてチェックできます。自分に合った転職先を見つけるのに役立つため、ぜひ活用してみましょう。
「スタンバイ」も、求人検索エンジンに分類されます。全国各地の求人を網羅的に扱っているため、この機会に1度のぞいてみてはいかがでしょうか。
ハローワークの職業相談を有効活用しよう
ハローワークは、厚生労働省が設置する公的機関の1つとして、さまざまな転職サービスを提供しています。
ハローワークの職業相談を利用する際には、転職目的・キャリアプランのほか、応募先企業への希望条件やスタッフへの相談内容を、明らかにしておくことが大切です。
全般的な職業相談や選考対策、セミナーなども幅広く開催しているので、転職を成功させるために活用するとよいでしょう。