コンサルタントは企業経営者などから相談を受けて、経営課題の解決をサポートする職業です。コンサルタントに向いている人とは、どのような人なのでしょうか?必要なスキルと併せて、コンサルタントに向いている人の特徴や活躍する職場を紹介します。
コンサルタントに向いている人の特徴は?
コンサルタントとして活躍できる人に共通する、3つの特徴を解説します。自分が下記で紹介するポイントを満たしていると感じるのであれば、コンサルタントが適職である可能性が考えられるでしょう。
転職を検討している人は、この機会に吟味してみることをおすすめします。
試行錯誤して解決策を導き出せる人
クライアントの経営課題を解決することが、コンサルタントの主な仕事です。そのためには、抱えている課題の背後に隠れている原因を追究し、適切な解決策を提示しなければなりません。
状況によっては、課題そのものが漠然としていることもあるでしょう。「自社で開発している特定の商品の売上が悪いものの、その理由が判明しない」場合などが該当します。
このような状況では、さまざまなデータを分析して現状を把握し、そこから解決策を考えなければなりません。試行錯誤を繰り返しながら、解決策を探る必要があります。
点在するさまざまな情報を結び付けて状況を把握し、解決策に落とし込むためにはロジカルシンキングが求められます。導き出した解決策を、説得力のある方法で提案するためにも、ロジカルシンキングは欠かせません。
コミュニケーションが得意な人
コンサルタントとして働いていると、クライアントの担当者やステークホルダーなどとコミュニケーションを取る機会が多々あります。必要な交渉・調整をスムーズに進めるには、コミュニケーションスキルが欠かせません。
そのため、ヒアリングスキルやネゴシエーションスキルが高く、コミュニケーションが得意な人に向いています。
相手の話をきちんと聞きつつ、自分の意見や考案した解決策を、説得力のある方法で伝えることが大切です。
向上心が高い人
日々の業務では、経営課題を解決して企業の収益性を向上させたり、新たなビジネスの創出をサポートしたりします。あらかじめ目標を定め、達成するために全力を尽くすのがコンサルタントの仕事です。
目標を追い求めて達成するには、現状維持や単純な課題解決で満足せず、常にその先を見越して日々の業務に取り組む必要があります。
また、担当する分野によって求められるスキルが異なります。一例として、資金面の問題を抱えているクライアントと、DX推進によって新たなビジネスを創出したいと考えているクライアントとでは、提供するサービスが異なるでしょう。
対応できる範囲を広げてキャリアアップするためにも、継続的に学習してスキルアップに励むことが欠かせません。
コンサルタントとして活躍するために必要なスキル
実際にコンサルタントとして働く上で欠かせない、4つのスキルを紹介します。担当する分野ごとに求められるスキルに違いはあるものの、下記で紹介するスキルはどの分野でも必要になることが多いでしょう。
データ分析に関する総合的なスキル
SNSの普及やIoTの進展に伴い、データ分析の重要性が高まっています。市場のニーズを把握したり、自社の成長につなげられる要素を探し出したりする目的で、ビッグデータを分析する機会もあるでしょう。
決定木分析や回帰分析、クラスター分析といった代表的な分析手法とその特徴を学び、目的に応じて適切な手法を活用できるようにしておくことをおすすめします。
併せて、SQLをはじめとしたデータベースを操作するのに必要なスキルを、習得することも大切です。
データ分析をAIに任せるケースもあるため、AIの活用方法を学習しておくと活躍の幅を広げられる可能性があります。
AIがデータを分析したとしても、活用するのは人間です。そのため、今後もコンサルタントにはデータ分析に関する高いスキルが求められるでしょう。
高度なロジカルシンキングスキル
さまざまな要素同士の論理的なつながりに注目し、筋道を立てて考え、納得できる結論を導き出す思考法をロジカルシンキングと呼びます。
コンサルタントの業務では、クライアントが解決したいと考えている課題の背後に、どのような原因が隠れているのかを探し出し、解決策を考えるのが基本です。そのためには、原因となる要素が見つかったら以下のようなことを考えます。
- 見つけた原因がなぜ経営課題に関係しているのか
- 解決するにはどのような取り組みが必要なのか
- 考案した取り組みが効果的といえるのはなぜか
上記のポイントを説得力がある仕方で説明できなければ、クライアントを納得させるのは難しいでしょう。コンサルタントにロジカルシンキングは欠かせないため、常に意識することが大切です。
全般的なコンセプチュアルスキル
コンサルタントへの転職では、コンセプチュアルスキルが重視される傾向があります。コンセプチュアルスキルとは、物事の本質を見抜くのに必要なスキルの総称のことで、「概念化能力」と呼ばれることもあります。
具体的なスキルの一例は、以下の通りです。
- ラテラルシンキング
- クリティカルシンキング
- 応用力
- 直感力
- 洞察力
- 柔軟性
日々の業務で解決しなければならない課題に直面したときに、なぜその課題が発生しているのかを見極める上で重要なスキルといえます。
担当分野の専門的な知識
一言でコンサルタントといっても、人によって活躍する分野が異なります。そのため、自分が担当する分野に関係する専門的な知識を学ぶことが欠かせません。
例えば、IT分野であれば、最新のIT技術を含めた全般的な知識・スキルが求められます。医療分野であれば、医療に関する技術に加えて、医療機関の経営についても学んでおく必要があるでしょう。
自分が専門とする分野が決まったら、日頃から学習に励んで常に最新の知識を取り入れることが大切です。
コンサルタントが活躍する主な職場
コンサルタントは、さまざまな職場で活躍しています。ここでは、主な職場として事業会社とコンサルティングファームの2種類を紹介します。
自分が望んでいるキャリアを実現するためにも、それぞれの特徴を理解した上で転職先を選びましょう。
一般の事業会社
事業会社にコンサルタントが就職する場合、一般的には経営層の一員として経営戦略・事業戦略の策定や実行に携わります。通常、コンサルタントが担当するのは企業の経営をサポートする業務です。
しかし、事業会社に経営層の一員として加われば、自分で策定したプロジェクトを動かせます。サポートに徹するだけでなく、自分でビジネスを動かしたいと考えているのであれば、おすすめの転職先といえます。
プロ経営者の公開求人も存在するため、このルートを目指す人は1度求人情報をチェックしてみるとよいでしょう。
コンサルティングファーム
コンサルタントの代表的な転職先が、コンサルティングファームです。コンサルティングファームは、課題を抱える企業から依頼を受けて詳細を分析し、適切な解決策の提案や、実行のサポートなどを行います。
言い換えれば、さまざまな企業の経営をサポートする役割といえます。コンサルタントと聞いて、上記の仕事が思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。
コンサルタントとしての経験を積み、さらなるキャリアアップを実現したい人におすすめの選択肢です。
コンサルティングファームの主な種類
代表的な転職先といえるコンサルティングファームには、さまざまな種類があります。
転職するコンサルティングファームによって担当する業務が異なるため、自分が望むキャリアを実現するためにも、それぞれの特徴を理解した上で転職先を探すことが大切です。
経営戦略・ビジネス開発に携わる戦略系ファーム
依頼を受けて経営戦略の策定や、新規ビジネスの創出などを担当するのが、戦略系ファームの仕事です。具体的には、以下のような仕事を担当します。
- 投資戦略の策定
- 国外へのビジネス展開のサポート
- プロ経営者の派遣
- マーケティングの支援
- 業務効率化の提案
戦略系ファームで活躍したいと考えているなら、コンサルタントとして求められるスキルに加えて、語学力を強化することを意識しましょう。国外展開をサポートするときに、強力な武器になるはずです。
さまざまなサービスを提供する総合系ファーム
経営戦略の立案から現場レベルでの実行まで、広範な分野を担当しているのが総合系ファームです。具体的な業務には、以下のようなものがあります。
- 経営戦略の策定
- 具体的な実行策の策定
- 業務フローの改善
- 業務システムの導入支援
- M&Aの支援
総合系という名称からも分かる通り、広範な業務を担当するのが特徴です。さまざまな経験を積んでスキルアップしたいと考えているなら、総合系ファームへの転職を目指すとよいでしょう。
IT分野に注力するIT系ファーム
さまざまな業種でITの活用が進んでいることから、IT分野に特化したIT系ファームが存在します。この分野では、以下のような業務を担当します。
- ITシステムの導入支援
- IT戦略の立案・実行支援
- サイバーセキュリティー関連施策の支援
- ITプロジェクトのマネジメント
ITエンジニアの経験がある人や、プロジェクトマネージャーとして活躍した経験がある人に、おすすめのキャリアプランです。IT技術が進歩し続けている社会においては、今後もこの分野の重要性が高まると考えられます。
コンサルティングファームへの転職で評価されやすい要素
事業会社からコンサルティングファームへの転職を検討しているなら、必要な経験を積んでスキルアップに励むことが欠かせません。転職市場で評価されやすい、2つの要素を紹介します。
大手企業でのマネジメント・コンサルティング経験
多くの人に知られている大手企業で、プロジェクトマネジメントやコンサルティングに携わった経験があれば、転職時に高く評価されるでしょう。
自分で何らかのプロジェクトを立ち上げて成功させた経験や、経営課題の解決に成功した経験があるなら、積極的にアピールすることをおすすめします。
別のコンサルティングファームでの就業経験があり、これまでの業務を通じて大手企業の案件に携わった経験がある人もアピールできるでしょう。
MBA学位の有無
教育機関で経営学に関する所定のカリキュラムを修了すると、MBAの学位を取得できます。コンサルタントになりたい人や、エグゼクティブビジネスパーソンを目指してキャリアを積みたいと考えている人が、取得する傾向です。
ただし、MBAは大学院のカリキュラムを修了することで取得できる「マスターの学位」であるため、既卒者がこれから取得するのはハードルが高いといえます。
既卒者がコンサルタントを目指すのであれば、事業会社などで経験を積むのが現実的な選択肢でしょう。
コンサルタントのキャリアパス
事業会社やコンサルティングファームである程度の経験を積むと、さらにキャリアアップする道が開かれます。
最後に、コンサルティング経験者におすすめのキャリアパスを2つ紹介します。ほかにも複数の選択肢がありますが、1つの判断材料としてチェックしてみましょう。
ベンチャー企業の経営者を目指す
世の中には、ビジネスを成長させることを目的として、外部から経験豊富な経営者を招き入れるケースがあります。
そのようなときにコンサルティング経験がある人材は、高く評価される傾向があるため、経営の中心に携わりたいと考えているならおすすめのキャリアパスです。
ベンチャー企業は、新たなビジネスの展開に積極的な傾向があるため、スタートアップに携われる可能性もあります。
コンサルタントとしてサポートに徹するのではなく、積極的に経営に携わりたいと考えているなら、外部から経営者を募集しているベンチャー企業への入社を検討しましょう。
起業して自分のビジネスを持つ
コンサルタントとしての経験を生かし、起業するのも1つの選択肢です。世の中にはコンサルタント経験者が立ち上げた企業もあり、現実的な選択肢といえます。
一朝一夕で成功するとは限らず、長期的なビジョンに基づいてビジネスを展開する必要がありますが、自分のビジネスを持ちたいと考えている人におすすめの選択肢です。
いつかは起業したいと考えているなら、コンサルタントとしてさまざまな企業をサポートする中で、必要な経営知識・スキルを習得しましょう。その上で市場のニーズ・トレンドをつかみ、うまくビジネスに落とし込むことが大切です。
コンサルタントに適性があるなら転職を目指そう
クライアントから依頼を受けて、経営課題を解決するための施策を立案・実行することが、コンサルタントの主な業務です。
経営に関する広範な知識や、高いコミュニケーションスキルなどが求められるため、普段からスキルアップに励むことが欠かせません。
コンサルタントへの転職を検討しているなら、自分の経験・スキルを高く評価してくれる事業会社や、コンサルティングファームを探しましょう。
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