アパレル業界での就職に向けた志望動機では、ファッションやブランドに対する熱意はもちろん、「なぜこの業界を選び」「なぜこのブランドなのか」という点を明確に伝える必要があります。フレームワークに基づき、限られたスペースで簡潔に述べることが重要です。
この記事のポイント
- アパレル業界における志望動機の書き方
- 未経験者は、アパレル業界やブランドへの熱意、自身の強みや入社後の目標を具体的に示すことが重要です。経験者は、前職での経験・実績、転職理由を明確に伝え、即戦力として貢献できる点をアピールしましょう。
- アパレル業界が求める人材とは
- アパレル業界では、顧客との良好な関係を築くための高いヒューマンスキルと、常に変化するトレンドを把握し、取り入れる柔軟性が求められます。
- アパレル業界の志望動機のステップ
- 志望する企業やブランドの研究を行いつつ、アパレル業界を選んだ理由・自身の強みやスキルを整理し、PREP法に基づいた構成を意識して作成しましょう。
「アパレル業界未経験者向け」志望動機の書き方
まずは、「アパレル業界未経験者向け」の志望動機の書き方について確認していきましょう。志望動機に盛り込むべき要素は、志望理由や自身の長所やスキル、入社後の具体的な夢などです。例文を参考にし、志望動機の構成を考えてみましょう。
志望動機に盛り込む要素
アパレル業界未経験者が志望動機に盛り込むべき要素は、以下の通りです。
必須項目 | アパレル業界やブランドの志望理由 |
---|---|
アパレル業界で生かせる長所やスキル | |
入社後に実現、挑戦したいこと | |
その他の項目 | ファッションやブランドに対する熱意 |
実際にお店を訪れたときの感想やエピソード | |
スキルアップへの前向きな姿勢 | |
入社後のキャリアプラン |
これらの要素を全て盛り込むとボリュームが大きくなるため、優先順位をつけることが大切です。例えば、志望理由と目標をより具体的に提示すると、スキルアップ・キャリアプランに対する姿勢もアピールできます。
「このブランドが好きだから」という憧れだけでは、志望動機として物足りません。組織の一員として、自身のスキルをどう生かせるかを伝えましょう。
お客さま目線ではなく、1人の社員としての姿をイメージしてもらえるよう、長所や実現したいことなどの内容を盛り込みます。なお、面接する会社のことは、会社説明会や面接などで話す際は「御社」、履歴書に書く際は「貴社」と明記するのがルールです。
アパレル業界未経験者におすすめの例文一覧
ここからは、アパレル業界未経験者に向けたおすすめの例文を、以下の3つのパターンに分けて紹介します。
- 学生時代のアルバイト経験に基づく例文
- 自身の長所や強みに基づく例文
- 前職での実績や経験に基づく例文
どのパターンでも、「私が貴社を志望した理由は〇〇だからです」と結論を冒頭に述べるようにしましょう。採用担当者に動機が伝わりやすくなります。
学生時代のアルバイト経験に基づく例文
【例文】
貴社の事業コンセプトに共感し、志望いたしました。シンプルながらも機能性に優れ、随所にトレンドを取り入れた貴社の製品には、学生時代から愛用し続けています。
これまでのアルバイトで、飲食店スタッフとして接客業の経験を積んでまいりました。
料理はもちろん、上質なサービスの提供を心がけた結果、アルバイトスタッフのリーダーを任された経験があります。
接客業の経験を生かし、販売スタッフとしてより良い顧客体験の提供を実現したいと思っています。
自身の長所や強みに基づく例文
【例文】
私は、「〇〇」「△△」など貴社がさまざまなコラボレーションに挑戦している点に魅力を感じ志望いたしました。
シンプルながらも機能性に優れ、随所にトレンドを取り入れた貴社の製品を、学生時代から愛用し続けています。
私は大学時代に学生団体の立ち上げに携わった経験があり、実行力・交渉力が私の強みです。新たな挑戦を続ける貴社に身を置き、さらなる発展に貢献していきたいと考えております。
前職での実績や経験に基づく例文
【引用】
私は、貴社の掲げる「〇〇」という理念に共感し、以前から関心を持っていたアパレル業界への転職を決意しました。
シンプルながらも機能性に優れ、随所にトレンドを取り入れた貴社の製品には、学生時代から愛用し続けています。
前職では、ECサイトの運用代行を通じて集客施策の提案などに携わってまいりました。
これまで培ったITとマーケティングの知見を生かし、総合職として貴社のさらなる発展に貢献したいと考えています。
「アパレル業界経験者向け」志望動機の書き方
続いて、「アパレル業界経験者向け」の志望動機の書き方を紹介します。同様に、盛り込むべき要素を確認してから例文の紹介に移ります。
志望動機に盛り込む要素
「なぜこのブランドなのか」「どのようなスキルを生かせるか」「入社後どうしたいか」などの要素は、未経験者・経験者を問わずに盛り込むべきでしょう。
その他、経験者ならではの要素としては以下のようなものが挙げられます。
- 志望先への転職理由
- 前職での実務経験
- 前職での実績や取得したスキル
- 前職での経験を生かして取り組みたいこと
「即戦力として期待できそうだ」と思ってもらえるよう、経験者だからこその強みをアピールしましょう。
アパレル業界経験者におすすめの例文一覧
志望動機に盛り込むべき要素をふまえ、例文を見ていきましょう。以下の2つのパターンに分けて紹介します。
- 同じ職種での経験に基づく例文
- 違う職種での経験に基づく例文
同じ職種での経験に基づく例文
まずは、販売職が同職種に転職するケースです。
【例文】
私は、「〇〇」「△△」など、貴社がさまざまなコラボレーションに挑戦している点に魅力を感じ志望いたしました。
私は〇〇タウンにて、4年間のアパレル販売員としての経験を持っています。
それぞれのお客さまに寄り添った提案を心がけ、接客のノウハウを蓄積してまいりました。
また、貴社の性別や世代を越えたさまざまなアプローチ方法に興味を持っています。今までの経験で培った「お客さまのニーズを察知する力」を、多くのお客さまへの接客に生かせるのではないかと考えています。
新たな挑戦を続ける貴社でさらなるステップアップを目指せると思い、今回の転職を決意しました。これまでの経験を生かし、販売スタッフとしてすぐに貢献できると考えております。
違う職種での経験に基づく例文
続いて、販売職から総合職への転職を目指すケースを見ていきましょう。
【例文】
私は、「〇〇」「△△」など、貴社がさまざまなコラボレーションに挑戦している点に魅力を感じ志望いたしました。
私は〇〇タウンにて、4年間のアパレル販売員としての経験を持っています。
それぞれのお客さまに寄り添った提案を心がけ、接客のノウハウを蓄積してまいりました。
お客さまとの接点を多く持つ中で、ニーズを把握し、マーケティング戦略や商品展開に生かしたいという思いが強くなり、今回の転職を決意しました。
顧客の目線をマーケティングに活用し、組織のさらなる発展に貢献してまいりたいと考えております。
アパレル業界で求められる人材の特徴とは?
アパレル業界で評価が高い人材の特徴を理解することで、自分と共通する部分をアピール材料として志望動機に含められます。
では、アパレル業界で求められる人材には、どのような特徴があるのでしょうか。ここでは、以下の2つについて詳しく解説します。
- 高いヒューマンスキルを有している
- 最新のトレンドを熟知している
高いヒューマンスキルを有している
販売職は、顧客をはじめとするさまざまな相手とコミュニケーションを取る職種です。
こうした仕事では、円滑な人間関係を構築・維持するためのスキルが重要になります。
このスキルを「ヒューマンスキル」と呼びます。ヒューマンスキルには、以下のようなものが含まれます。
- コミュニケーションスキル
- プレゼンテーションスキル
- 交渉力
志望動機を書く上で、これまでに培ったヒューマンスキルをアピールしましょう。現場でスキルを生かした経験など、具体的なエピソードがあればさらに効果的です。
最新のトレンドを熟知している
トレンドの移り変わりを意識することは、アパレル業界に身を置く上で欠かせません。変化するトレンドに合わせた商品展開が求められるためです。
トレンドに左右されず、独自の世界観を重視するブランドもありますが、業界の動向を把握しておくことは、店舗を運営する上でも大切です。
中には、自分ならではのセンスが求められるケースもあります。アパレル業界の動向を追いながら、最新のトレンドを店舗の設計・商品の選定に反映させていきましょう。
アパレル業界の志望動機を書く4ステップ
ここから、アパレル業界の志望動機を書くためのステップを、以下の4点に分けて紹介します。
- アパレル業界を選んだ理由を明確にする
- 志望する企業やブランドを研究する
- 志望先で生かせる強みやスキルを整理する
- PREP法に基づき志望動機を作成する
アパレル業界を選んだ理由を明確にする
まず、アパレル業界を選んだ理由を明確化しましょう。
「好きだから」「憧れがあるから」だけではない、具体的な理由が必要です。過去の経験や自分の長所・スキルを深堀りしていきます。
また、アパレル業界といっても、さまざまな職種があります。店頭で製品を売る販売職はもちろん、バイヤーやデザイナー、MD(マーチャンダイザー)なども仕事の一例です。
どの職種を・なぜ選んだのか、しっかりと明確化しておきましょう。
志望する企業やブランドを研究する
志望動機を書くにあたって重要となるのは、企業やブランドに対する熱意・理解です。応募先のホームページや公式SNS、口コミサイトなどをリサーチしましょう。
経営理念やブランドのコンセプトを把握できれば、企業が求める人物像も見えてくるはずです。どういった人材が求められているのかを研究した上で、自身の長所・スキルと照らし合わせていきます。
志望先で生かせる強みやスキルを整理する
入社後、自分がどのような形で組織に貢献できるのかを洗い出すステップです。
アパレル業界経験者であれば、アピールできる実績やエピソードを整理しておきましょう。未経験者は志望先への思い・学校生活やアルバイトでの成功体験などを振り返ります。
強みやスキルを点検する際には、いくつかのフレームワークが役に立ちます。強み・弱みを把握するSWOT分析、過去の経験を整理するSTARフレームワークなどがその一例です。
PREP法に基づき志望動機を作成する
PREP法とは、「結論・理由・具体例・結論」で構成される論述方法です。主にビジネス文書で用いられます。
結論を先に述べることで、「なぜ志望したのか」を採用担当者が簡潔に把握できます。その後、志望する具体的な理由や強みをアピールし、文章全体を補強します。最後に結論を繰り返し、本当に大切なポイントを示しましょう。
限られた時間・スペースでしっかり伝わるよう、フレームワークに基づき簡潔にまとめることが大切です。
アパレル業界への熱意を志望動機で伝えよう
アパレル業界での就職に向けて志望動機を書く際には、「好きだから」「ファンだから」という購入者の目線では不十分です。組織の一員として、事業の成長に貢献できるような強み・スキルをアピールしましょう。
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