アパレルの意味とは?ファッションとの違いや関連職種について紹介

「アパレル」は、ファッションに興味がある人や、服飾関連の職業を目指しているならよく聞く言葉です。似た言葉である「ファッション」の意味や、アパレルに分類される業種・職種を紹介します。アパレル業界に向いている人の特徴もチェックしましょう。

アパレルの意味とは?

衣服

(出典) pixta.jp

「アパレル」は、服飾関連の業種・業態に使われる言葉です。いったい、もともとは何を意味する言葉なのでしょうか?具体的な意味や語源について解説します。

衣服を意味する言葉

「アパレル」という語には、「衣服」という意味合いがあります。英語では「Apparel」と表記し、衣服・衣料品・服装といった意味を持つ言葉です。

日本では主に、衣類の製造や販売を担当する会社を「アパレル(企業)」と呼びます。衣類に携わる会社を総称し、「アパレル業界」と呼ぶのも通例です。

「アパレルで働いている」「アパレル店員」といった使い方もあり、業種・職種を指すケースが多いでしょう。

アパレルの語源は「アパラーレ」

「Apparel」は英語として知られていますが、語源とされる言葉はラテン語の「Apparare(アパラーレ)」といわれています。

Apparareは「準備する」という意味です。ラテン語から派生した英語の「Apparel」の意味は、「衣服」に変わっています。

日本では、もともと「繊維業」や「衣服卸」などの言葉が一般的でした。1970年ごろから「アパレルメーカー」や「アパレル業界」という言葉が定着し、広まっていったとされています。

アパレルと混同しやすい「ファッション」とは?

服を買う女性

(出典) pixta.jp

「アパレル」と似た言葉に、「ファッション」があります。同じように衣服・服装を指す言葉として使われますが、何が違うのでしょうか?「ファッション」という単語が持つ意味について解説します。

衣服に限らず流行を意味する言葉

日本では、「ファッション」という語を用いるほとんどの場合において、服装・コーディネートを意味します。アクセサリー・靴・髪型など総合的な身なりを意味するケースが多く、「服」だけを扱うアパレルよりも、広い意味を持つ言葉です。

英語の「fashion」はさらに幅広く、「流儀」「流行」といった意味で使われます。衣服だけでなく、その人のライフスタイル・生き方までも含めて表現する言葉です。

単に「衣服」だけを意味するか、それ以外の意味を含んでいるかという点が、アパレルとファッションの主な違いといえるでしょう。

ファッションの語源は「ファクティオ」

英語の「fashion」の語源は、ラテン語の「factio(ファクティオ)」とされています。factioは「作る」といった意味を持つ言葉です。派生語であるフランス語の「façon(ファソン)」や英語の「fashion」には、ともに「流儀」という意味があります。

façonには「方法」「態度」のように、衣服とは無関係な意味もあり、アパレルとは異なる語源を持つことが分かるでしょう。英語のfashionも、「上流社会」「物を作り上げる」といった、アパレルにはない意味合いが含まれているのが特徴です。

アパレルに関連する業種

アパレルで働く女性

(出典) pixta.jp

アパレル業界には、さまざまな業種があります。製造から流通、実際に商品を手に取る顧客への販売まで、それぞれの業種について見ていきましょう。

アパレルメーカー

アパレルメーカーは、主に衣料品の企画・製造を担当する企業です。アパレルメーカーが製造した衣料品は、各ブランドの直営店舗・小売店で販売されます。

有名な自社ブランドを抱えているメーカーが多いですが、海外ブランドとの提携や取引先から商品を仕入れて店舗で販売するケースまで、さまざまです。

製造した服を他社に販売せず、直営店舗・ファッションビルの専門店だけで販売するケースも増えています。大手のアパレルメーカーは直営店が多く、魅力的なオリジナルブランドを展開しているのが特徴です。

小売業

小売業は、店舗で衣料品を販売する業種です。一般的に、アパレルメーカーや海外の衣料品店、卸業者などから衣料品を仕入れるケースと、自社メーカーの商品を販売するケースがあります。

百貨店の服飾品売り場やメーカーの直営店舗、個人運営の衣料品店など、店舗の場所やパターンはさまざまです。

アパレルメーカーが製造した衣料品は、小売店を通して消費者の手に渡ります。仕入れ値と販売する価格の差が、小売店の主な利益です。従業員は商品の仕入れや接客、商品の入れ替え作業などを担当します。

OEM

OEMは、「Original Equipment Manufacturing(またはManufacturer)」の略語です。他社ブランド製品を製造する行為や、それを請け負う企業を指します。アパレル業界では、他社が発注した衣料品の製造を担う企業を「OEMメーカー」と呼びます。

デザインや企画は発注側の企業が担当し、製造部分だけを任されるのが特徴です。発注側に製造や仕入れのノウハウがない場合、OEMによってコスト・手間を削減できます。

受注側の企業にとっても、製造した衣料品を確実に買い取ってもらえるため、お互いにメリットがある業態です。大手企業だけでなく、少量の受注生産を行いたい個人事業主にも需要がある業種といえるでしょう。

ODM

ODMは、「Original Design Manufacturing(またはManufacturer)」の略語で、他社ブランド製品の企画・設計・製造をトータルで手がける業種です。

アパレル業界では、ODM企業が衣料品の企画・デザイン・設計から製造まで、全てを担当します。OEMとODMの両方を請け負う企業もあり、発注者の希望に合わせた運用を行うのが特徴です。

アパレル専門ではない企業が店舗で衣料品の販売を考える場合に、利用されるケースが多いでしょう。専門のメーカーに企画・デザインを任せることで、デザイナーを自社で確保する必要がなく、アパレルに対する知識がなくても製造・販売が容易になります。

アパレル業界の職種

ファッションデザイナー

(出典) pixta.jp

アパレル業界には、複数の職種があります。どの職種を目指すかによって、必要な資格やスキル、転職先の候補が異なるため注意しましょう。アパレル業界で働きたいと考えている場合に、候補となる主な職種を紹介します。

デザイナーをはじめとした専門職

アパレル業界には、さまざまな専門職があります。衣料品のデザインを決める「デザイナー」や、デザインに基づき型紙作成を行う「パタンナー」など、細かく分類されているのが特徴です。

実際に衣服を製作する「ソーイングスタッフ(縫製)」も、専門的な職種といえるでしょう。衣服の加工・染色に関わる「染職人」や、織物・布地のデザインを担当する「テキスタイルデザイナー」といった職種もあります。

それぞれ資格や経験を必要とする仕事が多く、学校・専門の施設で学ぶか、若いうちから働いて技術を身に付けるのが一般的です。

デザインに関わる職業には、センス・トレンドを取り入れる感覚が求められ、パタンナーや縫製には正確性・技術力が必要になるでしょう。

バイヤーのような総合職

アパレル業界には、仕入れや販売に関する職種もあります。衣料品の仕入れを担当する「バイヤー」や、販売戦略を決定する「マーチャンダイザー」、衣類の生産管理など、総合職の種類は豊富です。

バイヤーは商品の仕入れだけでなく、商品の管理や全体的なコーディネートの提案なども行います。流行に敏感で、自社で売れそうな商品を見極める能力が求められるでしょう。

マーチャンダイザーは、販売戦略を決めるために自社の顧客の傾向を調査しなければなりません。マーケティングの知識や、販売できる数量の見極めも必要です。そのほかにも、営業職や店舗運営、広告担当なども総合職に該当します。

ショップスタッフ

店舗で顧客に商品を販売するのが、「ショップスタッフ」です。接客・レジ対応・商品の入れ替えや整理が、主な業務となります。

店舗の清掃や発注管理、商品の仕入れを担当するケースもあり、店舗の規模や業態によって仕事内容は変化するでしょう。

一般の販売員・店長・マネージャーなど、役職によって責任や仕事内容が異なるケースもあります。役職を問わず、販売する商品に対する知識や、トレンドを意識する能力が求められる仕事です。

アパレル業界の仕事に向く人の特徴

アパレル店員の女性

(出典) pixta.jp

アパレル業界の職種は種類が多いですが、必要とされる能力や適性は、ある程度共通しています。業界を目指すにあたって、身に付けておきたい特徴を覚えておきましょう。

ファッションへの興味関心が強い

アパレル業界で働くには、ファッションへの興味・関心が必要です。専門職・総合職の場合、商品の製造や販売に深く関わるため、幅広い知識・関心が求められるでしょう。ショップスタッフであっても、ファッションに対する興味・関心は重要です。

ハイブランドやトレンドを意識したブランドでは、顧客の購買意欲を高めるため、制服の代わりに自社ブランドの商品を着るよう求められるケースもあります。おしゃれやトレンドへの関心がなければ、ブランドに見合う着こなしは難しいでしょう。

店舗で接客をする上で、コーディネートの提案やおすすめ商品を確認される機会もあり、ブランドへの興味は欠かせません。興味・関心が強い人は、義務感ではなく楽しみながら必要な知識を吸収できるでしょう。

人とのコミュニケーションが得意

職種を問わず、アパレル業界ではコミュニケーション能力が重要です。ショップスタッフは顧客対応が主な業務であり、人と接する機会も多いでしょう。顧客に明るくあいさつし、商品のおすすめや提案をする積極性が必要です。

バイヤーやマーチャンダイザーは、取引先・社内スタッフとのやりとりが多く、交渉能力が求められるでしょう。

専門職であっても、他の職種と連携しながら1つの商品を作り上げなければならず、協調性や他者への配慮は欠かせません。

アパレル業界への理解を深めて転職しよう

アパレル店員

(出典) pixta.jp

「アパレル」は衣服を指す言葉で、日本では衣服の製造や販売を行う企業・業界を「アパレル企業」「アパレル業界」と呼びます。

製造と販売のどちらに携わるにしても、ファッションへの興味・関心やコミュニケーション能力が求められるでしょう。

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