歯科衛生士の面接でよく聞かれる質問は?回答例や好印象を残すコツも

歯科医師の下で歯科保健指導を行う歯科衛生士は、国家資格に基づく安定した仕事として人気です。歯科衛生士として就職・転職する際の面接において、よく聞かれる質問を解説します。同職を目指す人は、面接のポイントとともに押さえておきましょう。

歯科衛生士の面接でよく聞かれる質問

歯科衛生士の女性

(出典) pixta.jp

歯科衛生士の面接において、よく聞かれる定番の質問としては、以下のものが挙げられます。質問の意図や採用担当者から好感を得られる回答について、理解しておきましょう。

自己紹介

歯科衛生士の面接に限らず、自己紹介はあらゆる面接で求められます。応募者の人となりを確認するためのもので、名前とともに簡単な経歴を説明しましょう。応募先の仕事で生かせる経験・スキルなどを、1分程度に短くまとめることが大事です。

長すぎても短すぎても印象がよくないので、時間を決めて簡潔に伝えられるように練習しておきましょう。

話すことに自信がある人でも、まったく準備しないで臨むと内容が支離滅裂になったり、冗長になってしまったりするので注意しなければいけません。決められた時間内に、うまく伝えられるようにしておく必要があります。

志望動機

志望動機は、歯科衛生士業務への理解度・情熱や、入職への意欲を判断するためにされる質問です。採用担当者は、応募先を選んだ理由・歯科衛生士になろうと思った理由などを確認したがっているので、相手の意図を満たす回答を用意しておきましょう。

入職後にしたい仕事や受けたい待遇などではなく、応募先でどのように活躍したいか、どういった貢献ができるかという点を中心に説明することが大事です。

具体的なエピソードを入れながら伝えると説得力が増すので、自己紹介と同様に回答の練習をしておきましょう。

自分の強み・弱み

自分の強み・弱みに関する質問も定番です。人柄・性格を確認するとともに、自分を客観視できるか、適性があるかなどをチェックするためにされる質問です。

回答する際は、歯科衛生士の仕事に生かせるような強みを伝える必要があります。逆に弱みを話す際は、ネガティブな内容に終始するのではなく、解決策も合わせて弱みを克服する姿勢を示すことが大事です。

長所・短所と同様に、誰にでも弱みはあるものなので、弱みがないという回答は避けた方がよいでしょう。

入職後のビジョン

入職したらどのように働きたいか、どういった目標があるかという点も、よく聞かれます。

ビジョンを通じて、応募先の医院の風土・文化との適合度を判断されるケースもあるので、事前に応募先についてよく調べた上で、具体的な目標・入職後の方針などを伝えるようにしましょう。

この質問に対しても、具体的なエピソードを交えながら説明すると、採用担当者がイメージしやすくなります。事前に強み・弱みを伝えるエピソードを用意しておき、端的に説明できるように準備しましょう。

患者への対応方法

歯科衛生士の面接では、ケーススタディーのような形で、患者への対応方法を質問されるケースも少なくありません。

難しい患者への対応をどうすべきかなど、仕事を通じて直面する可能性のある問題について、解決能力を見るために質問される場合が多くあります。

病院・歯科医院では、患者を尊重すべきなのはもちろん、状況に応じて臨機応変な対応が求められるケースも多いものです。

まずは何が問題なのか正しく理解するとともに、論理的に解決策を導き出さなければなりません。どういった質問をされるか予測するのは困難ですが、冷静に問題に向き合い、解決する姿勢を示しましょう。

歯科衛生士の面接における逆質問の例

歯科衛生士の女性

(出典) pixta.jp

就職・転職の面接では、逆質問が求められる場面もあります。入職への意欲・積極性を測るために用意された時間なので、必ず質問はするようにしましょう。

ただし、応募先のWebサイト・求人情報などですぐに確認できる内容はNGです。基本的に、面接の場でなければ聞けない内容を考えておきましょう。

入職までに身に付けるべきことはあるか

逆質問を通じて入社意欲を示すには、入職までに身に付けておくべきことや、準備すべきことなどを確認するのが有効です。採用担当者から具体的な回答が得られれば、実際に入職までに準備を進められるので、活躍できる可能性が高まります。

ただし、何の脈絡もなく身に付けるべき内容を聞くのではなく、歯科衛生士の仕事に関する内容であるのはもちろん、応募先の特徴・ニーズを反映したものであることが大事です。

「こちらで○○するために、どういったスキルの習得が必要ですか?」といったように、どのような活躍をしたいのか具体的に示すようにしましょう。

入職後の業務内容について

入職後にどういった業務を担うのか、仕事の流れなどを質問することで、入職意欲を伝えることも可能です。実際の業務に関する質問を通じて、入職後のイメージがしやすくなります。

ただし、応募先の公式サイトや求人票、あるいは面接中に担当者から聞いた内容から分かる項目は、質問しないように注意しましょう。事前に調べれば理解できる内容を質問すると、採用担当者が抱くイメージが悪くなる恐れがあります。

事前に応募先の診療内容・業務内容などを調べた上で、さらに突っ込んだ質問をする形にすれば、応募先への興味・意欲を伝えられるでしょう。

歯科衛生士の面接のポイント

歯科衛生士の女性と子供

(出典) pixta.jp

歯科衛生士の面接を受ける際には、以下のポイントも押さえておきましょう。答えにくい質問をされた場合の対応や、質問する内容を慎重に考えておくことが大事です。

答えにくい質問をされた場合

転職における面接の場合、前職の退職理由を聞かれるなど、答えにくい質問をされる場合も考えられます。

「給与が安い」「仕事がつまらない」など、ネガティブな理由で転職を決意する人は少なくないのが実情ですが、そのまま伝えずにポジティブな内容に変換することが重要です。

例えば「給与が安い」ことを理由に転職したいならば、自分の仕事における実績・創意工夫などを「正当に評価される職場で働きたい」といったように、言い換えて説明する必要があります。

また、他の医院にも応募しているか聞かれた場合、正直に答えた上で熱意を伝えるようにしましょう。転職活動では、同時に複数の企業・医院に応募するのは、珍しいことではありません。

採用担当者もその点は理解しているので、下手に隠さず応募先への入職意欲を示すのが無難です。

待遇面について質問ばかりしない

給与・福利厚生など、応募先の待遇は求職者にとって非常に重要な要素です。しかし、逆質問でそういった話ばかりすると、仕事内容よりも入職後の待遇ばかりを気にしていると思われてしまいます。

入職後の待遇に関しては、応募先の求人情報に記載されているケースが多く、面接中に担当者から説明される場合も多いので、基本的に逆質問でする必要はありません。

ただし、求人情報を確認しても不明な点がある場合は、その部分のみ具体的に質問するとよいでしょう。

歯科衛生士の面接の持ち物や身だしなみ

スーツでお辞儀をする女性

(出典) pixta.jp

面接を受ける際には、履歴書・筆記用具など、基本的な持ち物を忘れないようにしましょう。加えて、清潔感のある服装を心掛ける必要があります。また、面接と同時に見学も行う場合は、ユニフォームやシューズを持参しましょう。

履歴書や筆記用具を忘れずに

面接を受ける際には、履歴書・職務経歴書や歯科衛生士の免許のコピー、筆記用具などが必要です。

歯科衛生士の場合は、資格保持者であることを証明するために、免許のコピーが求められる場合があるので、事前に用意しておきましょう。応募先の歯科医院によっては、免許の原本の提示を求められるケースもあります。

また、面接先が初めて行く場所の場合、迷わないように地図を用意したり、スマートフォンのアプリなどに面接先の情報を入れておいたりすることも大事です。

清潔感のある服装で面接に挑もう

面接時の服装はスーツで、落ち着いたカラーのアイテムを選ぶ必要があります。

歯科衛生士の面接では他の職種に比べて、特に衛生面を厳しく見る採用担当者もいるので、清潔感を意識した服装が必須です。汚れ・しわのないものを選ぶのはもちろん、柄のあるものも避けるようにしましょう。

また、髪型・メイクにも配慮が必要です。女性の場合はナチュラルメイクが基本であり、ヘアスタイル・髪色にも注意しなければいけません。派手なアイメイク・付けまつげなどはNGです。

歯科衛生士の面接で好印象を残すには?

面接を受ける女性

(出典) pixta.jp

面接で好印象を残すためには、笑顔で対応するのはもちろん、言葉遣いや声のトーンにも意識を向けることが重要です。採用担当者に、よいイメージを持ってもらうためのポイントを押さえておきましょう。

相手の目を見て笑顔で対応

採用担当者から質問を受けたり、回答をしたりする際には、相手の目をきちんと見て、笑顔を意識して受け答えをする必要があります。面接はどうしても緊張してしまうものですが、朗らかな笑顔を心掛けて、親しみやすい印象を与えることが大事です。

歯科衛生士は、歯科医院を訪れる患者と日常的に接する仕事なので、人当たりのよさも評価対象となります。笑顔を絶やさず回答できるように、受け答えの練習をしておくとよいでしょう。

言葉遣いや声のトーンを意識

ハキハキと丁寧な言葉遣いで受け答えをして、聞き取りやすいトーンを心掛けることも大事です。話し方や声のトーンで印象が大きく変わってしまうので、明るく高めのトーンを意識しながら、相手に敬意を持った態度で面接を受けるようにしましょう。

また面接では、どうしても早口になってしまう人もいます。採用担当者に回答を正確に伝える必要があるので、相手の聞き取りやすいスピードを意識して話すように心掛けましょう。

面接で歯科衛生士への熱意を伝えよう

歯科衛生士の女性

(出典) pixta.jp

歯科衛生士の面接において、自己紹介や志望動機はもちろん、強み・弱みや入職後のビジョンなどは頻繁にされる質問なので、必ず回答を用意しておきましょう。

応募先の情報を収集し、どういった採用ニーズがあるか確かめることで、説得力のある自己PRが可能になります。入職意欲を示すために、逆質問の内容も考えておきましょう。

また、歯科衛生士は日常的に患者と接する仕事であり、職種上衛生面も重視されます。面接を受ける際には、清潔感のある服装を心掛けるとともに、話し方や声のトーンなどにも気を遣いましょう。常に笑顔で受け答えすることも大事です。

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内田佳代
【監修者】歯科衛生士・経営工学修士内田佳代

東京医科歯科大学歯学部附属歯科衛生士学校卒。早稲田大学大学院創造理工学研究科修了。歯科衛生士として歯科医療の品質、効率化向上の新手法を追求。噛む重要性を訴え、表情筋エクササイズや口もとの美の提案に尽力。全国での講演、ミスユニバースセミナー担当、NHK「朝イチ」や「きれいの魔法」等メディア出演多数。

著書:
顔の老化は咀嚼で止められる

HP:
https://eternal-smile.jp/