ウェディングプランナーとはどんな職業?仕事内容や役立つ資格を紹介

結婚式の多様化が進む昨今、結婚式をプロデュースするウェディングプランナーが注目されています。企画から当日の運営まで幅広く手掛ける仕事で、営業職やサービス職から転身する人も少なくありません。役割や仕事内容、役立つ資格を紹介します。

ウェディングプランナーとは?

ウェディングプランナーと新婦

(出典) pixta.jp

ブライダル関連の代表的な職種として、ウェディングプランナーが挙げられます。ブライダルに関する専門知識を駆使し、最高の結婚式を作り上げるポジションで、ブライダルプロデューサーやブライダルコーディネーターとも呼ばれます。

最高の結婚式をクリエイトする職業

ウェディングプランナーは、結婚するカップルの要望をヒアリングし、結婚式や披露宴をプロデュースする職業です。専門式場やホテルが主な勤務先ですが、近年はレストランやゲストハウスでも需要があります。

結婚式のプロデューサー兼アドバイザーという立ち位置で、企画から運営までの全プロセスに関わります。結婚式の準備期間は半年から1年ほどです。「晴れ舞台をサポートしたい」「感動を生む仕事がしたい」という人には、ぴったりの職業でしょう。

資格は不要ですが、ブライダルに関する専門知識やプランニング力、コミュニケーション力が求められます。

ウェディングプランナーの歴史

ウェディングプランナーに注目が集まり始めたのは、2000年代に入ってからです。結婚式というと、かつてはパッケージ化されたプランから選択するのが主流で、両家の親が式の打ち合わせに同席するのが通例でした。

時代の変遷とともに「オリジナリティーのある結婚式を挙げたい」「自分たちだけで結婚式を企画したい」という人々が増え、相談役としてのウェディングプランナーが誕生します。

2000年代に入ると、ウェディングプランナーを題材にした映画やドラマが流行し、職業として広く認知されるようになりました。

ウェディングプランナーの仕事内容

提案するウェディングプランナー

(出典) pixta.jp

仕事は、営業・企画・運営のフェーズに大別されます。結婚式のプランニングはもちろん、営業や挙式当日のサポート、後片付けの指示も行います。仕事内容を詳しく見ていきましょう。

営業・契約

ウェディングプランナーの仕事は、営業からスタートします。営業といっても外回りはほとんどなく、式場を訪れたカップルに対して案内や提案を行います。

結婚式を挙げるカップルは複数の式場を見て回るため、自社の魅力をしっかりとアピールしなければなりません。

会社によっては、ウェディングプランナーの仕事を「営業・契約」と「その他の業務」に分けているケースもあります。契約後に細部をプランニングし、式までの具体的なスケジュールを組みます。

企画・事前準備

ウェディングの企画・プランニングは、ウェディングプランナーの腕の見せどころです。顧客の要望をヒアリングした上で、予算に合ったプランを提案します。

プラン決定後は関係各所と打ち合わせをし、司会者・カメラマン・音響スタッフなどを手配します。準備段階における決定事項は以下の通りです。

  • 式の日程
  • 参加人数・宿泊の有無
  • 使用する会場および演出
  • 席次・席次表のスタイル
  • 招待状・食事・装花・ブーケ・ドレス・引き出物など

挙式当日のサポート・後片付け

挙式当日は数時間前に式場に入り、会場の準備と最終チェックを行います。挙式中は会場の隅に待機し、スタッフに指示を出したり、トラブルに対処したりしてスムーズな挙式の進行をサポートします。

結婚式は人生の一大イベントであり、スタッフの不手際による失敗は許されません。関係者と協力しながら、緊張感の中で仕事を進めていきます。

新郎新婦を見送った後は、スタッフと後片付けや反省会を行います。挙式を終えた顧客にアフターフォローの連絡をし、一連の業務は終了です。

ウェディングプランナーの所属先

式場のスタッフ

(出典) pixta.jp

ウェディングプランナーが活躍できるフィールドは、専門式場やホテルだけにとまりません。レストランやゲストハウス、プロデュース会社にも、活躍の場が広がっています。主な所属先と働き方の特徴を紹介します。

専門式場

専門式場とは、結婚式を専門に執り行う施設で、敷地内にはチャペルや神殿、披露宴会場などが設置されています。

結婚式専門の施設だけあり、スタッフは挙式のプロフェッショナルばかりです。準備から当日までのフルサポートを売りにするケースも多く、ウェディングプランナーには幅広い知識が求められるでしょう。

最短でウェディングプランナーを目指したい人は、専門式場への転職をおすすめします。未経験者の採用にも積極的で、研修やOJT制度が充実している傾向があります。

ホテル

ホテルには、宴会部門と宿泊部門があります。ウェディングプランナーは宴会部門の婚礼課に所属するのが一般的です。さらに婚礼課は、業務内容によって以下のように予約係と婚礼係に分かれています。

  • 予約係:営業・成約を担当
  • 婚礼係:結婚式の企画やプランニングを担当

ホテル勤務のデメリットは、ウェディングプランナーとして活躍できるとは限らない点です。

未経験者の場合、フロントやホールで接客業務に従事してから、婚礼課に配属される可能性が高いでしょう。定期的な配置転換が行われるため、婚礼課から他の部門に移るケースもあります。

レストラン・ゲストハウス

近年は、レストランやゲストハウスで結婚式を行うカップルが増えています。レストランでの結婚式は、少人数でアットホームなのが特徴です。毎日挙式があるわけではないため、ウェディングプランナーは、ホールスタッフを兼任するのが一般的です。

ゲストハウスとは、ヨーロッパの邸宅をイメージして建てられた一軒家です。貸し切り型の結婚式ができることから、「自由度の高い演出をしたい」「非日常的な空間に憧れる」というカップルに人気があります。

ウェディングプランナーは、顧客のイメージ通りの空間を演出しなければなりません。パッケージ化されていないだけに、発想力や企画力、センスが試されます。

プロデュース会社

プロデュース会社とは、自社で婚礼施設を保有せず、会場を借りる形で結婚式を行う会社です。ウェディングプランナーは、顧客が望む結婚式の形をヒアリングした上で、イメージに合った会場を探します。

公園やキャンプ場、海辺の一軒家などが結婚式場として選ばれるケースも多く、ウェディングプランナーには企画力やプロデュース力が求められます。土地や建物の所有者と交渉しなければならないため、折衝力も欠かせません。

ひと口にプロデュース会社といっても、全国に展開するチェーンもあれば、トップクリエーターが経営する会社もあり、方向性や得意分野はさまざまです。

転職先を探す際は、どのようなウェディングプランナーを目指したいのかを明確にしましょう。

ウェディングプランナーを目指すには?

結婚式場のスタッフ

(出典) pixta.jp

ウェディングプランナーを目指すルートは複数あります。養成スクールや大学を卒業しなければならないといったルールはなく、必要とされる資格もありません。目標を決めた上で、自分にとって最適なルートを選択しましょう。

養成スクールや大学で基礎知識を学ぶ

人気のある職種だけに、競争率は高めです。就職するのに学歴や資格は不要ですが、養成スクールや専門学校、大学で関連知識を学んだ方が就職・転職に有利でしょう。

養成スクールや専門学校では、見積もりの立て方やプランニングの基礎、接客マナーなどを幅広く学べます。大学や短大に進学すれば、一般教養がしっかりと身に付きます。

卒業後は、専門式場やホテル、プロデュース会社などに勤め、ウェディングプランナーの見習いとして実務経験を積んでいくのが一般的です。ブライダルビジネスは高額なため、未経験者への研修に力を入れる企業は少なくありません。

異業種での経験を生かして転職する

ウェディングプランナーには、おもてなしの心や企画力、コミュニケーション力などが求められます。

ウェディングに関する知識は入社後の研修で学べるため、知識面よりも「ウェディングプランナーの資質があるかどうか」を重視する企業が多いようです。

特に、営業・企画・接客・サービスの経験がある人は、即戦力として採用されやすいでしょう。例えば、営業職で一定の成績を上げた人であれば、顧客のニーズを満たしながら、自社の売り上げに貢献できる人材として評価されます。

近年は、日本人と外国人の結婚も増えているため、外国語のスキルも強みになるでしょう。

キャリアパスと将来性

入職後、すぐにウェディングプランナーとして活躍できる人はまれです。未経験者の場合、サポート業務やアカウントセールスを通じてスキルを磨くのが一般的でしょう。一人前になった後は、以下のようなキャリアパスが選択できます。

  • ウェディングプランナーとして専門性を極める
  • 会社内で管理職にキャリアアップする
  • これまでの経験を生かし、教育や広報などの他部門で活躍する
  • ブライダル業界のほかの職種にキャリアチェンジする

ウェディングプランナーを目指す人の中には、将来性が気になる人も多いでしょう。晩婚化や少子化で、需要が減るという声もありますが、結婚式のニーズがなくなることはありません。

今後は、結婚式の個性化がさらに進むため、ウェディングプランナーの重要性は増していくと考えられます。顧客から選ばれるためには、多様化するニーズに対応できるスキルを身に付けなければなりません。

ウェディングプランナーの転職に役立つ資格

ウェディングドレスと女性

(出典) pixta.jp

ウェディングプランナーとしての知識やスキルを客観的に証明できる資格があると、転職がスムーズに進みます。活動の幅が広がるほか、顧客からの信頼も厚くなるでしょう。数ある関連資格の中から、おすすめの資格をピックアップして紹介します。

ブライダルコーディネート技能検定

厚生労働省の指定試験機関である日本ブライダル文化振興協会が実施する、国家検定です。技能検定に合格すると合格証書が交付され、ブライダルコーディネート技能士を名乗れます。

1級・2級・3級があり、2級以上を受検するには、一定の実務経験が必要です。3級の受検要件は「ブライダル事業関連業務に従事している者および従事しようとしている者」で、学歴や年齢の制限はありません。

3級では、ブライダルコーディネーターの役割や接客の基礎、結婚式のスタイルなどが幅広く問われます。あらかじめ資格を取得しておけば、転職に有利になるだけでなく、就職後の研修がより理解しやすくなるでしょう。

ブライダルコーディネート技能検定 | 公益社団法人日本ブライダル文化振興協会

ABC協会認定ブライダルプランナー検定

全米ブライダルコンサルタント協会(ABC協会)が実施する全国一斉試験です。1級と2級があり、1級の合格者は「アシスタント・ブライダルプランナー(ABP)」と呼ばれる上位資格を目指せます。

米国を中心とした欧米ウェディングの基礎・実務が学べるため、国内外で幅広く活躍したい人にはぴったりの資格でしょう。

認定資格はステップアップ方式ですが、1級からのチャレンジも可能です。一般受験はオンライン受験のみで、PCやタブレット、スマートフォンを使って受験できます。

ABC協会認定ブライダルプランナー検定

憧れの職業への一歩を踏み出そう

式場の女性スタッフ

(出典) pixta.jp

結婚式は人生の一大イベントです。結婚式の多様化や個性化が進む中、プロデューサー兼相談役としてのウェディングプランナーのポジションは、重要性を増すでしょう。

人気の職種だけあってライバルは多く、自分の強みをしっかりとアピールできる人だけが内定を勝ち取れます。未経験者は少しでも転職が有利に進むように、関連資格の取得を目指しましょう。

求人検索サイト「スタンバイ」は、ウェディングプランナーをはじめとするブライダル関連の求人が豊富です。仕事内容や待遇をチェックしてみましょう。

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