脚本家になるにはどうすればいい?3つの方法と必要なスキルを解説

脚本家は、ドラマ・映画・ゲーム・アニメなどの脚本を制作する職業です。脚本家になるにはどうすればよいのか、分からない人も多いでしょう。代表的な3つの方法や脚本を書くために必要なスキル、向いている人の特徴について解説します。

脚本家になる方法は?

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脚本家になるルートとして、主に3つの方法が挙げられます。どのような方法があるのか、1つずつ詳しく見ていきましょう。

スクールに通って脚本の書き方を学ぶ

脚本家として活躍するには、まず書き方を学ぶことから始めましょう。脚本の書き方を学ぶには、養成講座・スクールに通うのが一般的です。

独学で学ぶ方法もありますが、養成講座・スクールに通うと、自分の作品を客観的な視点から評価してもらえるため、スキルアップしやすいというメリットがあります。

同じ目標を持った人が集まっているので、お互いに情報を交換したり、モチベーションを維持し合ったりできるでしょう。

また、現役の脚本家が講師を務めているスクールも多く、業界へのコネクション作りに役立つ可能性もあります。

自分に合った養成講座・スクールを探すには、オープンキャンパスや無料見学会などに参加してみるのもよい方法です。

コンテストに応募する

脚本家としてのスキルを磨きながら、さまざまな媒体のコンテスト・コンクールに応募するのもおすすめです。コンテスト・コンクールには、新人脚本家を発掘する目的があるため、大賞を受賞すればそのままデビューできる可能性もあります。

脚本家を目指すには、自分が書いた脚本を多くの人に見てもらうことが必要です。コンテスト・コンクールは、現役の脚本家・プロデューサーに自分の作品を見てもらう格好の機会といえるでしょう。

実力が認められれば、仕事の依頼につながるかもしれません。脚本の公募に関する情報は、インターネットなどにも掲載されているので、小まめにチェックしましょう。

関連する業界で働きながら目指す

映像・舞台などに関連する業界で、働きながら目指す方法もあります。関連業界で働くメリットは、ディレクター・プロデューサーがいる制作の現場に近づける点です。

制作会社などに就職して業界内の人脈を作り、作品を売り込むチャンスを狙ってみましょう。プロデューサーに、自分の脚本を読んでもらえる可能性もあります。

舞台関係で働く場合は、劇団の裏方として入団し、脚本家へ転身するという道も期待できます。映像・舞台関係の業界で働いた後に、脚本家としてデビューしたという人も実際にいるようです。

ただし、脚本家としての実力を認められて採用されるには、創作活動を続けてスキルを磨いておく必要があります。

脚本家の仕事内容

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脚本家の仕事は、物語の設定からストーリー展開、細かいセリフまでを作り上げていくことです。実際に執筆に入る前にも、さまざまな作業が求められます。具体的な仕事内容を確認しましょう。

企画・打ち合わせ

企画・打ち合わせの段階から、脚本家が関わるのはよくあるケースです。脚本家の企画から、作品の制作につながるパターンも珍しくありません。

企画・打ち合わせでは、監督・プロデューサー・スポンサーなどとともに、作品の世界観や方向性などを決めていきます。

原作がある場合は、原作をどのようなドラマ・映画に作り直すのか、詰めておくことも重要です。この段階で完成までのスケジュールを決め、キャスティングや制作スタッフの手配など、全体的な概要を決めていきます。

取材・資料集め

リアリティのある作品を作るために、取材・資料集めも行います。例えば、時代設定が重要になる作品の場合は、しっかりした時代考証が必要です。

物語の中に登場する小道具やセリフなどが、舞台となる時代に合っていなければ、現実味のある作品にはなりません。作品の中で医療・法律などの知識が必要な場合は、専門家に取材する機会もあるでしょう。

インターネットや文献を調べるだけでなく、必要があれば作品の舞台となる場所に足を運び、素材を集めるのも脚本家の仕事です。質の高い作品を作るためには、取材力・情報収集力も求められます。

執筆・提出

打ち合わせで作品の方向性が決まり、取材・情報収集で素材を集めたら、いよいよ執筆作業の始まりです。

まず、登場人物のキャラクター設定や相関図を考慮した上で、「プロット(あらすじ)」から作っていきます。

その後、登場人物のセリフ・ト書き(役者の動き)・柱書き(演出の指示)など、細かい部分まで書き込んでいくのが、執筆作業の一般的な流れです。

脚本が仕上がったら、監督・プロデューサーに提出して確認してもらいます。内容に関して修正を求められたら、手直ししながら作品のクオリティを高めていかなければなりません。

脚本家に必要な3つのスキル

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脚本家になるには、どのようなスキルが求められるのでしょうか?必要なスキルを3つ挙げて紹介します。

物語の構成力

脚本家になるには、物語を構成するスキルが求められます。ドラマ・演劇で人を引きつけるためには、物語をどう展開させるかが重要です。

登場するキャラクター・設定にこだわっても、ストーリー展開に無理があったり単調すぎたりすれば、視聴者・観客に楽しんでもらえません。

原作を基に作る場合でも、原作の世界観を残しつつ、ドラマ・映画向けの筋書きを新たに構築していく技術が求められます。見ている人が最後まで目を離せないような物語を作れば、脚本家として高く評価されるでしょう。

発想力

観客を楽しませる物語を作るには、発想力も必要です。オリジナル作品を企画する場合は、登場人物のキャラクター設定や物語の背景などを、脚本家が考えなければなりません。

どこかで見たような話ではなく、斬新な発想によるオリジナル作品が求められるケースもあります。ベースとなる原作があっても、元の作品にはないシーン・セリフを盛り込むよう求められる場合もあるでしょう。

ただし、ただ斬新なアイデアを出せればよいというわけではなく、見ている人が共感できるかという点を見極める「バランス力」も必要です。

探求心・情報収集力

脚本家には、人を楽しませようとする探求心も求められます。良質な作品を作るには、人々がどのような物語を面白いと感じるのか、どんな人物に共感するのかなどについて、日頃から研究しておくことが大切です。

自分たちの日常会話を意識するだけでも、自然なセリフの言い回し・会話の流れを考える上で役立ちます。

また、時代に合った作品を作るためには、情報収集力も必要です。常にさまざまなことに興味を持ってアンテナを張り、得た知識・情報をインプットしておくとよいでしょう。

脚本家に向いている人

パソコンを操作する手元

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脚本家は、どのような性格の人に合っているのでしょうか?脚本家に向いている人の特徴を2つ紹介します。

好奇心旺盛な人

脚本家には探求心が求められるため、好奇心旺盛な人に向いています。脚本家は、さまざまなジャンルの物語を作らなければなりません。

何事にも興味を持てる好奇心旺盛な人なら、知らない分野について調べる必要がある際にも、積極的に取り組めるでしょう。

人間観察が好きな人なら、個性的なキャラクターを生み出せる可能性があります。ドラマ・映画がトレンドを生むケースもあるため、時代の流れを読むのが得意な人・新しい物好きな人にも向いているでしょう。

長時間の作業が苦にならない人

1つの作品の脚本には、膨大な量の原稿を執筆します。脚本が完成してはじめて撮影に入れるため、決められた納期までに仕上げることも必要です。

ただ単に物語を展開させればよいわけではなく、個々のセリフ・演出に関する指示など、細かい部分まで1人で書き込んでいくので時間もかかります。

また、長い時間をかけて書き終えた原稿でも、監督・プロデューサーに納得してもらえなければ何度でも書き直さなければなりません。長時間の作業が苦にならない人でなければ、続けるのが困難な仕事です。

脚本家が活躍する主な場所

脚本家

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脚本家は、ドラマ・映画業界だけでなく、さまざまなジャンルで活躍しています。脚本家が活躍する場や、仕事内容についても確認しておきましょう。

ドラマ・映画・演劇業界

テレビドラマ・映画・演劇など、人が演じる作品の脚本を作成する場合、「脚本家がオリジナル作品を書き下ろすケース」と「原作を基に作るケース」の2パターンがあります。

1人の脚本家が書くほか、複数の脚本家が共同で作成するなど、作品によって進め方はさまざまです。映像作品の場合、脚本の中にカット割りや撮影手順などについても書き込みます。

連続ドラマの脚本では、視聴者の反応に応じてストーリー展開を変える場合も珍しくありません。映画・舞台の脚本は、テレビドラマに比べて制作者のこだわりを反映しやすいという特徴があります。

アニメ業界

アニメ作品は、コミック・ゲーム・小説などを原作としているものが大半です。原作の内容を部分的に変えるケースもありますが、ファンの気持ちを考慮した作品に仕上げる姿勢が求められます。

そのため、世界観やキャラクター設定など、原作の研究も重要です。基本的には、脚本家・アニメ監督・構成作家で打ち合わせを繰り返しながら、ストーリーの方向性・あらすじを決めていきます。

1話ごとに脚本家が変わるケースも多いので、シリーズ全体の流れが破綻しないようなプロットを考えることも必要です。

ゲーム業界

ゲームの脚本の特徴は、メインストーリーのほかに、プレーヤーの選択によって展開していく複数のサブストーリー・キャラクターのセリフを用意しなければならない点です。

複数の脚本家が担当する場合が多いですが、ゲームの仕様に沿った脚本を作成するため、ゲームプランナー・ディレクターが兼務するケースもあります。

ゲームの場合、画面上にセリフが表示されるため、誰にでも読みやすい文章にするといった工夫も必要です。コンシューマーゲームやアプリゲームなど、種類によって求められる脚本の形式も異なります。

スキルを磨いて脚本家を目指そう

ペン

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脚本家になるには、物語を構成するスキルやアイデアを生み出す発想力などが求められます。クオリティの高い作品に仕上げるには、取材・下調べなどの情報収集力も必要です。

一般企業への就職とは異なり、面接・試験などはないものの、実力をつけて自分でチャンスをつかみにいかなければなりません。脚本家としてデビューするのは簡単なことではありませんが、クリエイティブでやりがいのある仕事です。

創作活動に興味のある人は、制作会社などで働きながら脚本家への道を目指してみてはいかがでしょうか。

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