治験コーディネーターになるには?仕事内容や必要なスキルも紹介

治験コーディネーターになるには、どのようなスキルが必要なのでしょうか?目指すために身に付けておきたい資格やスキル、経験を紹介します。治験コーディネーターの一般的な仕事内容と活躍の場、やりがいについても確認しましょう。

治験コーディネーターになるには?

研究のイメージ

(出典) pixta.jp

治験コーディネーターになるには、一般的に必要とされる知識・スキルを身に付けなければなりません。求人に応募する前に身に付けておきたいスキルや、目指す方法を紹介します。

参考:治験コーディネーター - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

医療系資格を取得する

治験コーディネーターを目指すのであれば、看護師・薬剤師・臨床検査技師といった医療系の資格を持っていると有利です。

治験の運営には医療系の知識・スキル・経験が求められるため、何らかの資格を持っていると優遇されます。資格を持っていれば知識・スキルの証明となるため、採用に近づくでしょう。

医療系資格を取得するには、専門学校に通うのがおすすめです。医療系の国家資格は、通学や試験合格が必須となっている資格が大半といえます。

ただし、治験コーディネーターになる上で、医療系資格は必須ではありません。数は少ないものの、資格を持っていなくても応募できる求人はあります。

学校に通って知識や資格を身に付ける

医療系資格を持っておらず、応募できる求人が見つからない場合は、専門学校や大学で知識を身に付けるのもよいでしょう。

国家資格を取得する場合は、治験コーディネーター以外の医療職も目指せますが、学ぶ年数が長く難易度が高いものが多くなっています。

治験コーディネーターになることだけが目的であれば、医療秘書の資格を身に付ける方法もあります。医療事務・医療秘書の知識を学べる学校では、治験コーディネーターへの就職も可能です。

学校によってアプローチできる求人の方向性が異なるため、学校の特色や力を入れている就職先を調べた上で決めましょう。

未経験でも働ける求人を探す

医療資格や医療関連の職務経験・知識を持っているのであれば、求人サイトで未経験OKの求人を探して応募するのもよいでしょう。

治験コーディネーターの業務が未経験でも、未経験OKの求人であれば応募できます。治験コーディネーターを目指すなら、「スタンバイ」で未経験OKの求人を探してみましょう。

しかし、医療系の資格を持っておらず、経験や知識もない場合は、未経験OKであっても応募できる求人数は少ない傾向です。

スタンバイ|国内最大級の仕事・求人探しサイトなら

治験コーディネーターの仕事内容と働き方

薬を手に説明する医師

(出典) pixta.jp

治験コーディネーターは、どのような仕事をしているのでしょうか?仕事内容や活躍の場、主な働き方を紹介します。一般的な年収の目安についても確認しましょう。

治験コーディネーターの一般的な仕事内容

治験の準備・実施・終了後まで、トータルで運用のサポートを行うのが治験コーディネーターの仕事です。

準備段階では、治験内容を理解するために計画書を確認し、ミーティングに参加します。治験に使う道具や薬剤の管理も、コーディネーターの役割です。実施が決まったら被験者を決定し、スケジュール調整や医師と共に治験内容の説明を担当します。

治験実施中は、被験者の状態や薬剤の効果を確認し、必要に応じて報告書を作成するのが主な役割です。終了後には、治験終了報告書の作成や、監査への対応が求められます。

治験コーディネーターの主な活躍の場と働き方

治験コーディネーターは、SMOや医療機関に雇用され、治験のサポートを行います。SMOとは、医療機関と契約し、治験コーディネーターを派遣する機関です。

SMOからの派遣・医療機関の直接雇用のどちらであっても、基本的な業務内容や働く場所はさほど変わりません。対応する医療機関での治験運用や、報告書の提出が主な役割です。

SMOからの派遣の場合は、複数の医療機関を移動し、基本的に治験業務のみに対応するのが特徴です。

直接雇用の場合、勤務先の医療機関が365日治験を行っているとは限りません。治験実施期間以外は、別の業務を兼務するケースもあります。

年収は約443万円

厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によれば、治験コーディネーターの年収は約443万円(「令和4年賃金構造基本統計調査」の結果を加工)とされます。

国税庁による「令和4年分民間給与実態統計調査」では、給与所得者の平均給与は約458万円となっており、治験コーディネーターの年収とそれほど大きな差はありません。

平均給与よりもやや低い傾向ですが、水準としては同程度と考えられるでしょう。看護師・薬剤師など、国家資格を持つ医療従事者は年収が高いイメージがありますが、治験コーディネーターは一般の平均程度です。

参考:治験コーディネーター - 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

参考:令和4年分 民間給与実態統計調査|国税庁

治験コーディネーターに求められる能力

握手をする医師

治験コーディネーターの仕事を進める上で、求められる能力とはどのようなものなのでしょうか?身に付けておくと、活躍のチャンスが生まれる能力・スキルを紹介します。

関係者と円滑にコミュニケーションを図る能力

治験コーディネーターは、多くの人と交流しながら進める仕事です。被験者への説明や治験実施時の対応のほとんどは、コーディネーターに任されます。

治験を担当する医師や治験の依頼者である企業、医療機関の他部署とも連携して仕事を進めなければなりません。

スケジュール調整や変更の依頼も、治験コーディネーターが中心となって対応するため、トラブルにならないようにうまくコミュニケーションを取る能力が求められるでしょう。

相手の気持ちをリラックスさせ、よい返事をもらうには、好感を持てる話し方・雰囲気を意識することが大切です。

スケジュール管理能力や調整能力

被験者や担当医師、医療機関のスケジュールを調整し、求められている期間内に治験を終わらせるには、スケジュール管理能力が求められます。

被験者・担当医師のスケジュールが合わない場合でも、代替案や振替日の希望を聞き出し、治験の実施ができるよう努める意識が必要です。

治験コーディネーター本人の業務もうまく進められるよう、自分のスケジュール管理もしなければなりません。報告書の作成や資料確認など事務作業が多いため、コツコツと真面目に作業を進める勤勉さが必要です。

的確な事務処理能力

治験の結果は、報告書にまとめて提出します。各種の報告書を作成し、提出するのも治験コーディネーターの大切な仕事です。

薬剤がどのように被験者の状態に影響しているのか、重篤な副作用が発生したかどうかなど、治験中の状況を書類として残さなければなりません。

ミスなく的確に書類を作成するスキルは、必須といえるでしょう。一定以上の速度で、見やすくフォーマットに沿った書類を作成します。

書類作成のほかには、被験者への電話・対面でのコミュニケーションなど、幅広い事務処理能力が求められるでしょう。

治験コーディネーターのやりがい

データを分析する男性

(出典) pixta.jp

仕事で得られる「やりがい」は、目指す上で知っておきたい情報です。治験を通して感じられる魅力や、運用に携わるからこそ得られる喜びには、どのようなものがあるのでしょうか?

新薬の開発を通して患者の役に立てる

治験の目的は、主に新薬の開発や疾病の研究です。薬の効果・リスクについてテストをした上で、本格的な開発・販売に進むかどうかが判断されます。

新薬開発は、現行の薬や治療法では治癒・症状の軽減が難しい患者が、待ち望んでいるものです。治験に協力する治験コーディネーターは、新薬開発を心待ちにする患者の助けになれるでしょう。

病気で苦しむ人の手助けをできるという点で、やりがいのある仕事です。

患者が治癒に向かう姿を見守れる

治験は、疾病に対する薬剤の効果を確かめる意味でも有効な手段です。薬剤の効果により、治癒・症状緩和につながるケースもあります。

治験に参加した被験者の体調が回復していく様子を、間近で見守れるのは大きな魅力です。治癒につながれば、患者に感謝される場合もあるでしょう。

全ての人にすぐ結果は出ないとしても、多くのデータが集まり新薬開発に役立てば、将来的に多くの患者が治癒に向かう姿を見られるのです。

治験コーディネーターでスキル・経験を生かそう

研究する女性

(出典) pixta.jp

治験コーディネーターは、主に医療系業務のスキル・経験を生かせる仕事です。治験の運用をサポートし、被験者や担当医師とコミュニケーションを取りながら仕事を進めます。

未経験でも医療系業務のスキル・経験があれば、応募は難しくありません。スキルを身に付けてから仕事を探したい場合は、対象の専門学校や大学への進学を目指しましょう。

事務処理能力やコミュニケーション能力を生かして働ける、魅力的な仕事です。