臨床検査技師の採用面接における質問では、一般的な就職・転職活動と同じ内容を聞かれることがほとんどです。想定質問と回答を準備するなど万全な面接対策を行った上で、働きたいという熱意をアピールしましょう。
この記事のポイント
- 臨床検査技師の面接での身だしなみは
- 面接では清潔感のある身だしなみが基本です。
- 臨床検査技師の面接でのアピールポイントは
- なぜ技師を目指し、なぜこの応募先を選んだのかを明確にすることです。
- 逆質問では熱意を伝えるチャンス
- 具体的な業務内容について尋ね応募先への強い思いをアピールできます。
臨床検査技師の面接対策|基本マナー
まずは、臨床検査技師の面接対策として、基本マナーを押さえていきましょう。準備しておきたい持ち物や、身だしなみ、当日の行動について詳しく解説します。
どれも基本的なことなので、これらのポイントを怠ってしまうと、合格が難しくなるかもしれません。しっかりと確認し、面接の心得を学んでおきましょう。
必要な持ち物を準備する
面接に備えて、以下の持ち物を用意します。
履歴書 | 提出用の他に、控えとしてコピーを取っておくと面接前に確認できる |
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職務経歴書 | |
筆記用具 | 各連絡事項をメモするために必要となる |
スケジュール帳 | 次回の面接などが必要になった際、すり合わせのために用意しておく |
印鑑 | 交通費精算などを行う場合に必要となる |
上記の他にも、身だしなみを整えるブラシ・手鏡・ハンカチの他、女性の方は予備のストッキングがあると安心です。
また、応募先の会社案内があれば、面接前に情報を確認することが可能です。必須ではありませんが、面接直前に焦らないためにも持参しておくことをおすすめします。
身だしなみをチェックする
面接において、身だしなみを整えることは非常に大切です。
株式会社マンダムが2019年に発表した調査結果によると、9割超の採用担当者が「身だしなみから受ける印象が選考結果に影響する」と回答しています。
面接の場ではビジネススーツを基本に、清潔感のある身だしなみを心がけましょう。以下に、男女別で身だしなみのポイントをまとめました。
(男性の身だしなみチェックポイント)
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(女性の身だしなみチェックポイント)
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出典:企業新卒採用担当者に聞いた!就活生の身だしなみと態度に関する調査<面接編>|株式会社マンダム
余裕を持って面接会場に到着する
面接当日は、予定の約30分前までに施設周辺に到着するとよいでしょう。余裕のある行動は、緊張の解消にもつながります。
面接会場には、10分前を目安に入ります。施設内に入る前に携帯電話の電源を切り、会場に入ったらノック・あいさつなどのマナーを徹底しましょう。
以下は入室時のチェックポイントです。
- ドアを2回ノックする
- 面接官の返答を聞いてから、「失礼します」を言い入室する
- ドアは後ろを向いて静かに閉める
- 面接官の顔を見て「よろしくお願いします」と言う
面接のよくある質問・回答例
ここから、臨床検査技師の面接でよく聞かれる質問と、その回答例を紹介します。よく聞かれる質問は以下の7つです。
- 自己紹介と自己PR/これまでの経歴
- 臨床検査技師を志すようになった理由
- 退職/転職理由
- 当院を志望した理由
- その他の応募先の有無
- 今後のキャリアプラン
- 働く上で大切にしていること
聞かれる内容は応募先によってさまざまですが、基本としてこれら7つの質問の回答を準備しておくと、面接時の不安も少なくなるでしょう。
自己紹介と自己PR/これまでの経歴
・質問「自己紹介と自己PRをしてください。また現在までの経緯について説明してください」
自己紹介や自己PR、経歴の説明は、どのような採用面接であっても求められます。1分以内を目安に、簡潔な説明を心がけましょう。
アピールしようという気持ちが大きくなり、つい長く話してしまいがちですが、長時間の自己紹介で興味を持ってもらえるとは限りません。以下の順序で自己紹介を行うのが無難です。
- 氏名
- 現職(前職)での役割
- 簡潔な志望動機
短い時間であっても、面接官があなたをイメージしやすくなるよう、具体的な情報を伝えましょう。
(回答例)
〇〇と申します。
〇〇大学卒業後、臨床検査技師として〇〇病院で3年間勤務しました。
臨床検査科に配属され、生化学や血液をはじめとする検体検査、心電図などの生理検査の経験を積みました。
業務の中で〇〇という考えが強くなり、今回の応募に至りました。
本日はよろしくお願いいたします。
臨床検査技師を志すようになった理由
・質問「臨床検査技師を志したきっかけ何ですか」
「〇〇を志すようになった理由」は臨床検査技師に限らず、よくある質問です。看護師・理学療法士など、多くの医療関係職がある中でなぜ臨床検査技師を目指したのか、きちんと答える必要があります。
「手に職を」という動機は悪くありませんが、臨床検査技師を目指すに至った具体的なエピソードを話すとよりよいでしょう。
(回答例)
もともと、将来は医療に携わりたい気持ちがありました。
中学生のころ、父に腫瘍が見つかりましたが、早期に発見できたため大事には至りませんでした。この出来事が、医療検査によって病気を予防する臨床検査技師の仕事に就きたいと本格的に思うようになった理由です。
病気の深刻化を防ぎ、医療従事者として人々の健康に貢献したいと考え、臨床検査技師を目指しました。
退職/転職理由
・質問「前職を退職した理由を教えてください」
退職・転職の理由は、必ず聞かれるといっても良い質問です。「前職の病院が移転した」など、やむを得ない事情であればそのまま伝えて問題ありません。
注意を払うべきなのは、自己都合で退職・転職するケースです。「職場の同僚や上司など、人間関係に問題があった」「夜勤や残業が多かった」といったネガティブな話題は避けましょう。
回答内容は、「また同じ理由で辞めるのではないか」と思われないよう心がけることが大切です。「長く勤めてくれそうだ」と思ってもらえるように、前向きな言い方を心がけましょう。
(回答例)
より規模の大きな医療機関である御院で、さらなるステップアップを目指せると感じたためです。前職では多くの検査経験を積み、技師として成長させてもらったと考えています。
御院には〇〇という特色があり、そこに魅力を感じました。ゆくゆくは幅広い業務に携わりたいと思っています。
当院を志望した理由
・質問「当院を志望した理由を教えてください」
この質問では「他の施設でも構わないだろう」と思われないような回答が大切です。「夜勤がない」「通いやすい」など、単に希望に添った条件であるというだけでは、その施設を志望した理由にはなりません。
志望動機の説明は、自身の経験や熱意をアピールするチャンスでもあります。ホームページの採用情報などを読み、応募先の魅力をリサーチしておきましょう。
(回答例)
認定資格取得支援など、スキルアップに向けたサポート体制が整っているという御院の採用情報を拝見し、ぜひ挑戦してみたいと思いました。
また、御院の患者さまとのコミュニケーションの豊富さも志望の理由の1つです。私は今まで毎日患者さまと接してきました。患者さまを気遣うことにおいて人一倍の自信があります。
今までの経験を生かして、より一層患者さまの立場に立った医療を実践したいと思い、志望しました。
その他の応募先の有無
・質問「その他の病院やクリニックに応募していますか」
他に志望する施設があるかどうかについては、求職者の内定辞退の可能性を知るために質問されます。
「御院のみです」と答えるのが基本です。もし他に応募先があっても、「御院が第一志望です」と伝えるのが無難です。
(回答例)
- 他の応募先はありません。御院のみです。
- 他にも応募していますが、御院が第一志望です。採用のお話をいただけるのであれば、他の応募先は辞退いたします。
今後のキャリアプラン
・質問「今後のキャリアプランについて教えてください」
今後のキャリアプランについて質問された場合は、数年後までを見据えた具体的な方針を伝えましょう。応募先で経験を積む前提で話せば、長く勤める意思も示せます。
(回答例)
- これまで、血液検査に関わる機会を多くいただいてきました。今後もより多くの検査経験を積み、実務経験が5年に達した後、認定血液検査技師の資格取得に取り組みたいと考えています。
- 前職の消化器内科では、生理検査・検体検査の双方で多くの検査経験を積みました。今後は二級臨床検査士の資格取得など、技師としてのスキルアップを目指しながら、将来的に新人教育やマネジメントにも携わりたいと考えています。
働く上で大切にしていること
・質問「臨床検査技師として働く上で最も大切にしていることは何ですか」
よほど一般的なものから外れない限りは、感じた通りの回答で問題ありません。「コミュニケーションを大切にする」「コツコツ真面目に取り組む」など、臨床検査技師として働く上で大切だと感じることを、正直に伝えましょう。
応募先の理念と重なる部分があれば、良い印象を残せます。
(回答例)
- スタッフの皆さまや患者さまとのコミュニケーションを大切にすることです。
- 正確な検査結果のため、常に知識をアップデートしていくことです。
- 多くの検査をコツコツと真面目にこなす姿勢です。
逆質問では何を聞くべき?
採用面接の中で、面接官から「何か質問はありますか?」と尋ねられるケースがあります。
こうした「逆質問」では何を聞けばよいのでしょうか。
逆質問は応募先への強い思いをアピールできる時間でもあります。関心や意欲を表現する意味でも、逆質問された際にスムーズに答えられるよう、質問を2個~3個用意しておくとよいでしょう。
「特にありません」はNG
逆質問には、求職者の疑問を解決する意図もありますが、それ以上に応募先への関心度や働く意欲を見られていると考えましょう。
そのため「特にありません」と答えると、「この職場にそこまでの興味がないのか」「ここで働くイメージができていないのではないか」と思われかねません。
もちろん、的外れな質問は逆効果ですが、良い質問をすれば思考能力やコミュニケーションスキルのアピールにつながります。
逆質問は熱意を伝えるチャンス
逆質問の場で、休日や残業の有無について尋ねるのは避けましょう。気になるところではありますが、働く前から休暇に関する質問をすると意欲を疑問視されます。
熱意を伝えるためには、具体的な業務内容、あるいは業界についての質問が効果的です。
(逆質問の例)
- 〇〇検査の1日の検査数目安を教えてください。
- 〇〇検査に関心を持っているのですが、携わる機会はあるでしょうか。
- 取得を推奨している資格があれば、教えてください。
- 診療科目を細分化する医療機関が増えていますが、御院でもそのような方針はおありでしょうか。
万全の面接対策で内定を引き寄せよう
今回は、臨床検査技師の面接でよく聞かれる質問と、その回答例を紹介しました。臨床検査技師は専門的な医療職ですが、一般的な就職・転職活動の採用面接と同じ内容も多く聞かれます。
想定される質問を考えておき、それに対する答えを用意しておくと、本番でもスムーズに答えられるようになります。気負うことなく、入念・万全の面接対策で内定を引き寄せましょう。
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