軸ずらし転職で年収をアップさせよう!考え方やポイントをチェック

転職活動において、何を軸に目指す業界や企業を選ぶべきか、迷ってしまう人は少なくありません。転職先を決める基準に悩んでいるならば、業界と職種をベースに考える「軸ずらし転職」を検討してみましょう。軸ずらし転職の基本的な考え方や転職のポイントを解説します。

「軸ずらし転職」とは?

ビジネスマンの後姿

(出典) pixta.jp

「軸ずらし転職」とは、転職と副業に関するベストセラー著書で有名な、moto(戸塚俊介)氏が提唱している考え方で、近年注目されています。まずはどのような考え方なのか、基本的なところを確認していきましょう。

「業界」か「職種」の軸をずらすこと

転職先を選ぶ際に「業界」あるいは「職種」という軸をずらして考えるのが、moto氏の提唱している「軸ずらし転職」です。

多くの人は「年収」と「やりがい」を転職先の重要な選択基準としますが、両者をある種の二律背反の関係だと考えている人は少なくありません。すなわち仕事の報酬か、やりがいのいずれかを優先しなければならないと考える傾向にあるわけです。

しかし軸ずらし転職では、現状の業界や職種のいずれかをずらして考えることで、自分の能力を発揮できる仕事をしながら、年収アップを図れる可能性があります。

転職で全く経験のない業界・職種に移るのではなく、すでに身に付けているスキルや経験を生かしながら、新たなキャリアを歩める方法でもあります。

業界か職種、いずれかの軸をより年収の高いところにずらすことで、仕事のやりがいを担保しつつ、年収アップを図る戦略です。実際、提唱者のmoto氏はこの考え方をベースとして、キャリアアップとともに年収も大きく向上させています。

同業界・同職種では年収が上がりにくい

これまで培ってきた経験やスキルを生かせる転職先を考えている場合、多くの人は同じ業界・職種で企業を探す傾向にあります。

しかし、同じ業界・職種では給与水準があまり変わらないのに加えて、同じような考え方で転職活動をする人は少なくないため、ライバルも多くなってしまうでしょう。

転職先で自分の希少性がなかなか評価されず、結局は前職と同じような仕事で、さらに給与もあまり変わらない結果に落ち着いてしまう可能性があります。

そこで、業界か職種のいずれかの軸をずらして転職先を検討し、自分の経験やスキルが評価されやすい企業を探すことで、転職による年収アップを実現しやすくなります。

ただし、年収アップを転職の主たる目的としている場合、もともと年収の高い業界で働いている人は注意が必要です。業界を移るよりもそのままキャリアアップを図る方が、年収アップの観点からは転職の成功率が高いといえます。

軸ずらし転職のメリット

向上のイメージ

(出典) pixta.jp

軸ずらし転職を検討するメリットを紹介します。同じ業界・職種で転職するよりも年収が上がりやすく、スキルアップにもつながる可能性が高いため、これから転職活動をするならば、ベースとして取り入れたい考え方です。

年収が上がりやすい

自分の経験やスキル・実績を生かせる場に転職できるため、軸ずらし転職は年収の上がりやすさがメリットです。単に未経験の業界や職種を目指すだけでは、新人と同じスタートラインに立たなければならず、収入アップが見込めないケースが多くあります。

また、業界が異なると仕事のやり方も大きく変わる可能性があり、過去の経験や慣習などをリセットしなければならない場合もあるでしょう。

一方、軸ずらし転職は自分の経験を生かしつつ、より高い報酬・収入が得られる業界や職種にシフトする方法のため、年収をアップさせやすくなります。

スキルアップにつながる

軸ずらし転職では、これまでの経験やスキルを生かしつつ、新しい仕事にもチャレンジできます。転職先では新たなスキルが必要な場面も出てくるため、積極的にスキルアップを図る必要があるでしょう。

自分の目指すべきキャリアが明確ならば、仕事を通じて貪欲にスキルを身に付けることで、市場価値を上げられます。

また、さまざまなスキルを身に付けながら軸ずらし転職を重ねれば、段階的に年収アップを図りつつ、転職市場での希少性を高めることも可能です。仕事のやりがいを感じられる業界・職種において、独自のポジションを築き上げることもできるでしょう。

軸ずらし転職のやり方

打ち合わせ

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軸ずらし転職は、ずらすべき軸を理解し、年収アップを図れる方向性を検討するところからスタートします。考えるべき軸の種類やポイントについて、具体例とともにみていきましょう。

軸ずらしの種類

軸ずらし転職では、転職を検討する業界や職種を、現状から少しだけずらして考えるのが基本です。多くの場合、業界と職種の組み合わせで年収が決まります。

そこで、どちらかの軸をずらすことで、自分の経験やスキルを生かしつつ、年収アップを図れる転職先を検討しましょう。

ただし、人によっては業界と職種の両軸をずらすことで、年収アップを実現できる場合もあります。まずはいずれかの軸をずらして考え、年収アップが難しそうならば思い切って新しい業界・職種に飛び込むことも考えてみましょう。

希望年収は素直に伝える

軸ずらしの考え方をベースに応募先企業を見つけたら、しっかりと準備をしてから転職活動に臨みましょう。面接で希望年収を聞かれた際には、正直に伝えることが大事です。

遠慮から、現状維持で構わないといった趣旨の発言をしてしまったり、応募先企業の規定に従ったりする人も少なくありません。しかし、転職で確実に年収をアップさせたいならば、自分の希望する年収ははっきりと伝えなければなりません。

実際、企業任せにするよりも希望を素直に伝えた方が、年収アップにつながる傾向にあります。その結果、内定に結び付かなかったとしても、より自分の価値を正当に評価してもらえる企業を、新たに探すきっかけとなるでしょう。

軸ずらしの例

例えば、小売業界で営業職としてキャリアを積んできたならば、より平均年収の高いIT業界などの営業職を目指すことで、収入アップを実現できる可能性があります。

あるいは、同じ小売業界で年収の高いマーケティング職への転職を目指すのもよいでしょう。

一方で介護職の場合、業界をずらすならば、介護業界に備品を卸すメーカーなどが一例として挙げられます。介護職ならば介護業界の内情を知っているので、業界未経験者に比べると、どのような備品が現場で好まれるか判断しやすいでしょう。

どういった場合にせよ、どの道に進めば自分のキャリアを生かしつつ、年収アップを実現できるかを考えることが大切です。転職市場において、自分の希少性を高められる方向はないか、慎重に検討してみましょう。

軸ずらし転職の成功ポイント

採用書類を確認する

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軸ずらし転職を成功させるには、以下のポイントを意識することも大切です。自分のキャリアを生かすために軸をずらしすぎないように注意するとともに、事前にスキルを棚卸しして、自分の強みを明らかにしておきましょう。

軸をずらしすぎない

先述した通り、業界や職種を現状から少しずらして考えるのが、軸ずらし転職の考え方の基本です。軸をずらしすぎてしまうと、全く経験したことのない仕事に就く可能性が高く、自分の経験やスキルを生かせなくなる場合があります。

そうなると、ほぼ新人と同じ立場での転職となるため、内定を得るまでの難易度が上がってしまうでしょう。さらに、年収アップも難しくなる恐れがあります。

人によっては、全くの異業種でうまくいくケースもありますが、そうなると軸ずらし転職ではなくなってしまうので注意しましょう。

自身が持つスキルの棚卸しも重要

軸ずらし転職を考える際には、これまで培ってきたスキルを棚卸しして、自分の強みを明らかにしておくことが重要です。自分の強みが分からないと、どのように軸をずらせば年収アップを実現できるか、判断するのが難しくなります。

客観的に判断して自分に何ができるのか、どのような分野で貢献できるのかを明確にしておきましょう。転職市場における価値をきちんと把握しておくことで、自分に合った転職先を検討できるようになります。

高望みをしたり不必要に自分を低く評価したりして、望まない結果にならないよう注意が必要です。

各業界の年収水準を知る

転職を検討する業界はもちろん、そこに関連する業界の年収水準を知っておくことも大事です。どのような業界の年収水準が高いか把握しておけば、転職の方向性を決めやすくなります。

同時に業界紙や業界を代表する企業などもいくつか調べておき、仕事内容やキャリアアップの可能性などもある程度は把握しておきましょう。

業界の年収水準はさまざまなメディアに掲載されていますが、統計の取り方や計算方法などにより、結果が異なるケースは珍しくありません。一次情報として、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」を参考にするとよいでしょう。

参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査の概況」(5) 産業別にみた賃金

軸ずらし転職で年収アップを実現しよう

通帳を見る手元

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軸ずらし転職は自分のそれまでのキャリアを生かしつつ、年収アップを実現させやすい方法です。

転職活動において年収とやりがいのどちらかを優先すべきと考える人は多くいますが、自分の強みを生かして年収アップを図れる業界・職種に転職することは、決して不可能ではありません。

まずは自分の強みを明らかにした上で、どの業界・職種に転職すれば、強みを生かして年収アップを図れるか考えてみましょう。軸ずらし転職のポイントを押さえておけば、キャリアアップを重ねながら段階的に年収を上げることも可能です。

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