年齢給とはどのような制度?メリット・デメリットとその他の給与制度

社員の給与を決めるための制度には、さまざまなものがあります。その中の1つが、年齢給と呼ばれるものです。年齢給とはどのような制度なのか、他の給与制度と比較しながら紹介します。給与制度を正しく理解し、自分に合った企業を選びましょう。

年齢給とはどのようなもの?

給料

(出典) pixta.jp

そもそも年齢給とは、どのような制度なのでしょうか?具体的な仕組みと、採用している企業が存在する理由を紹介します。

社員の年齢で賃金を決める制度

社員の給与額を定める際に、各社員の年齢を考慮する制度を年齢給と呼びます。具体的には、年齢が上昇するとともに、給与が徐々に増加・減少する制度です。

年齢は自分の努力ではどうすることもできないため、公平性に欠ける給与制度と評価されるケースも少なくありません。

そのため、年齢給を採用している企業の中にも、インセンティブをはじめとした社員の成果が評価される制度を併用しているところがあります。

転職するときに給与制度が気になる場合は、表面だけでなく細かい仕組みまでチェックしておきましょう。

終身雇用との相性が比較的よい

一定の年齢に達したときの給与水準がある程度決まっているため、年齢給は終身雇用との相性がよいといわれています。同じ企業に長期間在籍する場合、将来の賃金をある程度予測できるためです。

そのため、長期的なライフプランを立てやすい賃金制度といえるでしょう。業績や経済情勢によって賃金水準が変化する可能性はあるものの、インセンティブをはじめとした成果給が占める割合が多い給与制度と比較すると安定しています。

従って、給与水準の安定性を重視する人に向いている制度です。

年齢給が向いている職種の例

事務職の女性

(出典) pixta.jp

世の中にはさまざまな職種があり、中には成果給をはじめとした他の給与制度を導入しにくく、年齢給が向いているものもあります。年齢給は、どのような職種に向いているのでしょうか?代表的な職種を2つ紹介します。

公務員

成果給を導入するのが難しく、年齢給が向いている職種の最たる例が公務員です。民間企業とは異なり営利目的の仕事ではないので、成果を数値化して見えるようにするのは難しいといえます。

そのため、経験を反映しやすい年齢給の方が適しているといえるでしょう。特に、中央省庁・地方自治体で働く行政職の多くは、その代表例です。

日々決められた職務をこなすのが通常で、自分の働きが目に見える何らかの成果につながるケースは少ないためです。

事務職

一般企業で働いている社員のうち、事務職も目に見える成果を出しにくい職種です。事務職の代表例には、以下のようなものがあります。

  • 一般事務
  • 営業事務
  • 経理事務
  • 貿易事務

いずれも公務員と同様に、日々決められた業務をこなすケースがほとんどです。そのため、成果を可視化するのが難しく、成果給を導入しにくいといえるでしょう。

従って、事務職も年齢給をベースにした給与制度が向いています。成果を数値化できない状況で成果給を導入すると、評価制度の信頼性を確保するのが難しく不公平になりかねません。

年齢給を採用するメリット・デメリット

考え事をする男性

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企業が、自社の給与制度として年齢給を採用するメリット・デメリットには、どのようなものがあるのでしょうか?代表的なメリット・デメリットを、以下で紹介します。

メリット1:評価の手間・コストを削減できる

給与額を決める要素の中で、社員の年齢が大きなウェイトを占める年齢給を採用すると、人事評価にかかる手間・コストを大きく削減できます。

個人の成果が影響する給与制度を導入した場合、社員1人1人の成果を客観的かつ公平な基準に基づいて評価しなければなりません。しかし、年齢ごとに基準額を定める年齢給であれば、複雑な評価制度を構築しなくて済みます。

社員側にとっては、今後の給与水準を予測しやすいのがメリットです。成果指標を定めるのが難しい職種であれば、不公平を感じるリスクも少ないでしょう。

メリット2:長期間働き続けたいと思ってもらえる

年齢とともに給与水準が上昇する仕組みになっている場合、同じ企業で働き続けるほど給与額がアップします。そのため、長期間働き続けたいと思いやすくなるのがメリットです。

社員の定着率を高めれば、スキルアップにも期待できます。さらに、チームワークを強化する効果も併せて期待できるため、全社的なスキルアップを図りやすくなるでしょう。

ただし、本当に長期間働き続けたいと思ってもらえる職場をつくるには、給与制度だけではなく、働きやすい職場環境の構築も欠かせません。

デメリット:優秀な人材を失いやすい

営業職や企画・開発職など、成果を数値化しやすい職種で年齢給を導入すると、優秀な人材の流出を招きやすくなります。給与額を成果ではなく年齢で決めると、高い成果を出している社員の給与が低くなるケースがあるためです。

成果に見合った適正な給与をもらえていないと、より給与水準が高い企業に転職しようと思うようになるでしょう。特に、目に見える成果を出していない社員が高い給与をもらっていると、不満を抱く社員が増えます。

そのため、成果を公平に数値化できる職種に年齢給を採用するのは、適切ではありません。

年齢給以外の給与制度

給料袋と一万円札

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給与制度には、年齢給以外にもさまざまなものがあります。代表的な給与制度として、職務等級制度と成果給制度の2つをピックアップしました。

【職務等級制度】仕事の価値や責任に応じて評価

各社員が担当する業務の内容をいくつかの等級に分け、その等級に応じて給与額を決めるのが職務等級制度です。等級は、以下の要素を考慮して定めます。

  • 業務を完遂する難易度
  • 経営における当該業務の重要度
  • 負わなければならない責任の大きさ

職務等級制度は、重要かつ難易度が高い業務を担当し、完遂した社員の給与額が高くなる仕組みです。業務にフォーカスした制度で、年齢・スキルをはじめとした個人に属する要素は評価対象になりません。

同じ業務を担当して同様の成果を出す社員には、均一の給与が支払われる公平性が高い制度です。

【成果給制度】業務の成果に応じて評価

各社員が出した成果を評価する仕組みが、成果給制度です。具体的には、会社の利益向上にどの程度貢献したかを数値化し、結果に応じた給与を支給します。

営業職であればどれだけの売り上げを上げたか、企画・開発職であれば新製品がどの程度の売り上げにつながったかを評価できるでしょう。

成果を数値化しやすい職種で成果給制度を導入すれば、社員のモチベーションアップや公平性の確保に役立ちます。社員1人1人は、努力して高い成果を出したいと思うようになるでしょう。

自分に合った給与制度の企業を探すコツ

パソコンを操作する手元

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転職先を探すときには、自分が納得できる給与制度を導入している企業を選ぶことが大切です。具体的には、どのように探せばよいのでしょうか?転職先を探すときの、基本的な流れを紹介します。

自分が納得できる評価制度を考える

まずは、自分が納得できる給与制度がどのようなものか考えましょう。年齢給制度・職務等級制度・成果給制度は、それぞれにメリット・デメリットがあります。そのため、以下のように考えるのがおすすめです。

  • 自分が納得できるのはどの給与制度か
  • 希望している職種に向いている給与制度はどれか

成果に見合った給与を受け取りたいと考えている人もいれば、安定性を重視する人もいます。何を重視するかによって適した給与制度が異なるため、まずはじっくり考えてみましょう。

多くの求人を比較・検討して転職先を選ぶ

実際に転職先を探すときは、多くの求人情報を比較・検討して選ぶようにしましょう。同じ業種・職種であっても、細かい部分が異なるためです。具体的には、以下の要素を比較しながら考えましょう。

  • 採用している給与制度
  • 用意しているキャリアパス
  • 将来のビジョン
  • 経営方針
  • 働きやすい職場環境を構築するための取り組み

給与制度だけでなく、さまざまな要素を総合的に考慮する必要があります。転職してから後悔しないためにも、じっくり考えて応募する企業を決めましょう。

転職では納得できる給与制度の企業を選ぼう

スーツ姿の男性

(出典) pixta.jp

世の中には多くの企業があり、採用している給与制度もさまざまです。転職するときには、自分が納得できる給与制度の企業を選ぶことが欠かせません。

また、転職してから後悔しないためにも、具体的な仕事内容や将来のキャリアパス、経営方針などもチェックしておきましょう。複数の求人を比較・検討して自分に合ったところを選ぶと、ミスマッチを防ぎやすくなります。

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