徹夜のおともにツナサンド。朝のダルさをなくすには?

ついにシルバーウィーク突入ですね。しばらく仕事から開放され、ゲーム、マンガ、映画にネットと、夜更かしのタネはつきません。

しかし次の日に使いモノにならないほど疲れてしまっては、せっかくの連休も台無し。睡眠医学をもとに、翌朝にダルくなりにくい夜更かし・徹夜のコツを身につけましょう。もちろん、連休明けの仕事にもいかせます。

1. 夜食に甘いものはNG、ツナサンドが正解

ツナサンド

(出典) photo-ac.com

ダルさの残らない徹夜を実現するためには、内臓に負担がかからない食べ物を小分けにして摂ることが必要です。

甘いものはNG

疲れたら甘いもので脳に栄養補給、のセオリーは徹夜中にはタブーです。

甘い食べ物に含まれる糖分は急激にエネルギーになりますが効果は続きません。むしろ摂る前より疲れを感じやすくなることがわかっています。

カフェインもNG

徹夜につきもののチョコレートやコーヒー、エナジードリンクも、ダメージの少ない徹夜を実現したいならNGです。

カフェインには1時間ほどの覚醒効果はありますが、脳の疲れを解消するわけではありません。むしろ内臓に負担をかけ過ぎるおそれもあり、オススメできません。

とくにチョコやエナジードリンクはカフェインのほかに多くの糖分も入っており、意外と徹夜に向かない食べ物なのです。

夕食は量は控えめがGood

夜更かしをすると、食欲増進ホルモンのグレリンが増え、食欲を抑えるレプチンというホルモンは少なくなることがわかっています。

徹夜中にたまらなく空腹になるのは、単に働いてエネルギーを消費しているからだけではなかったのです。夜食を摂ることも考えて、徹夜前の食事はいつもより控えめにするのが賢明です。

タンパク質+炭水化物=ツナのサンドイッチがBest

メニューはタンパク質を中心に少しの炭水化物も摂れるものが最適です。

タンパク質は覚醒作用をもつ神経伝達物質セロトニンの原料になります。ツナ・ミルクなどは消化もよく体に負担をかけません。

パンやイモ類、ソバなどの炭水化物はタンパク質と組み合わせることで、ほどよいエネルギーを持続させます。ツナのサンドイッチはオススメの組み合わせです。

2. 15分の仮眠で脳の居眠りを回避

机で眠る女性

(出典) photo-ac.com

徹夜中に訪れる、ボーっとしてしまう瞬間。マイクロスリープ現象とよばれ、本人は起きているつもりでも、疲労した脳は眠っています。根本的な解決法は一時的に寝ることだけです。

午後1〜3時:90分寝る(ムリなら、せめて15分)

徹夜することを決めたら、その日の午後1時~3時の間に仮眠をとります。

脳が休息している状態・ノンレム睡眠があらわれるのに必要な90分間は寝たいところです。90分が長すぎるなら、体の休息を得るため15分間だけでも仮眠することが必要です。

午後3時以降・当日中の仮眠は、翌日の睡眠に悪影響をおよぼすという研究結果があるので避けましょう。

午前2時~4時:15分寝る

徹夜開始後の午前2時~4時には、15分だけ仮眠を取ります。

この時間帯は、体温が低下してマイクロスリープが起こりやすくなります。非効率な作業をしているくらいなら、15分の仮眠を取って体だけでも休息させましょう。部屋を暗くせずに座ったままなら、本格的に寝てしまうのを防ぐことができます。

寝たあとは再び体温が下がって眠くならないよう、重ね着などで工夫します。

最悪、目をつぶるだけでも

仮眠を取ったら最後、もう起きられる気がしないという人には、せめて数分だけでも目をつぶってみることをオススメします。

マイクロスリープは脳の疲れから起こります。脳は部位ごとに異なる身体機能を分担しており、視覚を担当する部位から疲労していきます。目をつぶって視覚を遮れば、脳のなかで疲れやすい部分だけでも休息させることができるのです。

3. 朝日で睡眠リズムを回復

朝日が差し込む窓

(出典) photo-ac.com

これだけ手をつくしても、まったくのノーダメージとはいきません。崩れた睡眠リズムをとり戻し、体力回復に役立つ方法をご紹介します。

徹夜明け午前7時、朝日を浴びる

徹夜明け、7時をむかえたらカーテンを開けて日光を浴びます。睡眠ホルモン・メラトニンの分泌をうながし、ズレた睡眠と覚醒のリズムを戻すことができます。

「光療法」というれっきとした医療技術で、睡眠時間がバラバラになる不規則型睡眠覚醒という症状に利用されています。治療では3000-10000ルクスの光を1時間ほど浴びるのですが、この明るさは朝7時の光量とほぼ同じだとか。最近では、携帯できる光療法器なるものも発売されているそうで、どうしてもカーテンを開けられない究極の引きこもりにはもってこいです。

おわりに

記事を書くにあたり、夜更かしのための方法をいろいろと調べました。どうにか方法を見つけたので掲載の運びとなったわけですが、やはりどの参考文献にも、夜更かし・徹夜はオススメできない! といった趣旨の記載が。それでも夜更かしをするなら、ぜひ本記事の方法を参考にしてみてください。休日明けの出勤日、ダルくならないよう祈っています。

(参考:内田直『好きになる睡眠医学』講談社・2006年、宮崎総一郎・森国功『どうしてもがんばらなくてはならない人の徹夜完全マニュアル』中経出版・2012年)