バーテンダーになるには?未経験から知識を身につける方法をチェック

バーテンダーになるには

バーテンダー

(出典) photo-ac.com

バーテンダーとは、ラウンジやバーのカウンターでお客様にカクテルなどを提供し、もてなす職種です。バーテンダーには資格がありますが、資格がなくてもバーテンダーとして働くことはできます。勤務時間帯は夜間が主で、比較的求人が見つかりやすい仕事です。

バーテンダーになるには、「バーテンダー」の求人に応募して働く方法と、バーテンダー養成学校で学ぶ方法があります。着実に基礎を学びたいのであれば、学校に通うのがおすすめです。ジンフィズやマティーニといった定番カクテルの正しい作り方や、氷の作り方や削り方まで体系的にバーテンダーの技術を学ぶことが可能です。

学校に通わずとも、バーテンダーとしての技術を学べる職場もあります。正統派バーでは高い技術と礼儀作法が徹底されており、先輩バーテンダーから学べるチャンスは多いかも知れません。

逆にバーテンダーを募集しているにもかかわらず、生ビールや水割りぐらいしか作らないお店もあります。バーテンダーを目指している場合、働く前に業務内容や教育体制について詳しく確認しておきましょう。

また、ボトルを投げたりメジャーが宙を舞ったりする「フレアバーテンディング」はエンターテインメント要素満載のパフォーマンスですが、フレアバーテンディングをやっているお店でないと学ぶことはできません。フレアバーテンダースクールと呼ばれる学校もありますが、バーテンダーの中では異色の存在です。途方もない練習量が必要ですが、パフォーマーとしての極みを目指すならフレアバーテンダーを目指してもよいかもしれません。

1日の流れ

バーカウンター

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バーテンダーの仕事は、お酒を作るだけではありません。1日の流れを知ると、意外に忙しいと感じる人が多いはずです。これから目指したいと思っている人は、始めてから戸惑わないように一般的な流れを知っておきましょう。

清掃や在庫補充などの開店準備

出勤前の時間の過ごし方は人によってさまざまです。昼ごろに起きて健康のためにジムへ通ったり散歩をしたりする人もいます。

立ち仕事が多いバーテンダーには体力が必要です。夜型の生活でお酒を飲む機会も多いため、健康を気にしている人も多いでしょう。

開店時間は勤務する店によって違いますが、17~18時ごろが一般的です。ホテルの中にあるバーはもっと早い時間帯から開店する場合もあります。

バーテンダーは開店時間の「約1~2時間前」には出勤し、清掃や在庫補充などの準備を始めます。カクテル作りに使用する道具のチェックや、お酒の補充などがメインです。

清潔な店内でお客様を迎えるために、店全体の清掃もします。足りないものがあれば買い出しに出かけることもあるほか、バーテンダーと調理スタッフを兼ねている場合は料理の仕込みを担当するケースも珍しくありません。

お酒の提供と接客

開店したら、お客様にお酒を提供します。お酒を作るだけでなくお客様と世間話をしたり、初めて店を訪れた人には店のコンセプトや雰囲気などを伝えたりして、リラックスしてもらえるように気配りしなければなりません。

ただ注文を聞くだけでなく、お客様に不自由がないか空気を見極めながら接客していくのです。時にはお客様の好きなお酒などをリサーチしながら、好みに合わせてカクテルをカスタマイズします。

接客の合間にグラスを磨いたり洗い物をしたりと、やることは多いでしょう。暇な時間帯ができたら、カクテルを作る練習や勉強のための時間をとる場合もあります。バーのピーク時間は「20~21時ごろ」で、客足が途絶えた隙を見計らってスタッフを順次休憩させていく店が多いようです。

後片付けと翌日の準備

勤務終了時間は店によって違いますが、「深夜0〜3時ごろ」です。閉店後は食品やお酒の発注をして、店内の清掃をします。おいしいお酒を提供するために、ビールサーバーをはじめとした設備の洗浄をするのもバーテンダーの仕事です。必要があれば機械を分解して、隅々まできれいにします。

優秀なバーテンダーは、お客様を楽しませるための努力を惜しみません。閉店後に、カクテルの作り方を勉強する時間を設ける店も多いでしょう。

閉店時間から始発までの時間を利用して勉強会を開いたり、先輩バーテンダーからアドバイスを受けたりするケースも珍しくありません。時には、閉店後の時間を利用してスタッフ同士の親睦を深める店もあるようです。

求められるスキル・資質

シェイカーを振るバーテンダーの女性

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バーテンダーの仕事は特別な資格がなくてもできますが、求められるスキルや資質を持っていた方が楽しんで取り組めます。バーテンダーに向いている人は、どんな人なのでしょうか?

お酒が飲める

そもそもお酒が飲めないと、バーテンダーの仕事をするのは困難です。大量に飲む必要はありませんが、一口飲んだだけで頭痛がしてしまうような体質の人には向いていません。

バーテンダーは人にお酒を提供するだけでなく、試作品の味見をすることもありますし、時にはお客様に付き合って飲む接客も必要です。大前提としてお酒が好きでないと、務まらないでしょう。

お酒そのものだけでなく「お酒を飲んでいるときの時間や雰囲気」も好きだと、より楽しく働けます。時には酔った人の相手をしなければならない日もあるので、お酒が嫌いな人だとすぐに仕事が嫌になってしまいかねません。

お酒の知識と発想力がある

バーテンダーにはお酒の知識が求められます。一口にお酒といっても数多くの種類があり、カクテルから洋酒・ワイン・ビールまで、幅広い知識が必要です。

店の特色に合わせて勉強する姿勢も大切でしょう。例えば、世界中のラム酒を集めた店やテキーラ専門店などでは珍しい銘柄を扱う機会が多く、産地や製法による味の違いなど、専門的な知識が求められます。

カクテルに使用するお酒の種類は数百種類もあり、レシピの数に至っては数千種類です。全てを覚える必要はありませんが、勉強することは山ほどあるので、楽しんで学べる資質がないとつらいでしょう。

また、既存のものだけでなく「オリジナルのカクテル」を用意している店も珍しくありません。知識を身に付けるだけでなく、新しいものを生み出すための発想力も重要です。普段から「この果物の風味はテキーラに合いそう」と考えを巡らせるのが好きな人は、バーテンダーに向いているでしょう。

人を喜ばせるのが好き

おいしいお酒で人々を元気にできるところが、バーテンダーの醍醐味です。人を喜ばせたり楽しませたりするのが好きな人は、この仕事に向いています。

バーはさまざまな人が訪れ、思い思いの時間を楽しんでいく場所です。相手が何を求めているのか分からない状態ではうまく接客できません。お酒を作るだけでなく、1人1人の時間が楽しいものになるように、うまく立ち回る能力も必要です。

バーテンダーとの会話を楽しみにしている人もいれば、1人でゆったりと過ごしたいと思っている人もいます。目の前のお客様がどんなタイプなのかを読む力があれば、人を楽しませられるバーテンダーになれるはずです。

逆に人に対して興味がない人だと、相手を喜ばせる空間を提供できないでしょう。お任せでカクテルを注文されることもあるので、他人に関心を持てない人より「どうやったら喜んでくれるかを考えるのが好きな人」の方が、バーテンダーに向いているといえます。

例えば、楽しそうな女性のグループには「華やかで気分が盛り上がるカクテル」、疲れた様子の人には「優しい味でくつろげるカクテル」というように、その人に合ったものを作れる能力が必要なのです。

求人の給与情報から集計したバーテンダーの年収帯

お酒を注ぐバーテンダー

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全国の求人の給与情報をまとめて集計、バーテンダーの給与帯・年収帯を独自にグラフ化しました。

バーテンダー経験者の口コミ

現役のバーテンダーやバーテンダー経験者にアンケートを実施、バーテンダーの仕事の口コミ・評判を集めました。

バーテンダーになるために必要な学歴(学科)は?

T.Kさん (男性 / 神奈川県)
バーテンダー 勤続年数1年 (職業 : 個人事業主)

バーテンダーになるために必要な学歴はありません。ですが、お客様との会話の引き出しを増やすという意味では、大学などに行き、人生経験を積むことで、会話の引き出しは増えるでしょう。スキルや学歴でいえば、簡単な足し算ができればバーテンダーの仕事で困ることはありません。

私自身、高卒でバーテンダーをしておりましたが何ら困ることはありませんでした。バーテンダーの仲間には中卒で働いている方もおりましたので、学歴は気にせず安心して働けます。働いていて感じたことは学歴よりも、頭の回転速度が重要だと実感しました。中規模店あたりはバーテンダーの人数も少ないと思いますので常に頭の中を整理し、スムーズに伝票記入、お会計をしなくてはならないからです。

T.Mさん (男性 / 埼玉県)
バーテンダー 勤続年数2年 (職業 : バー経営)

学科として必要なものは恐らく国語、数学だと思います。私は現在、運営している店舗を譲渡契約し、継承しました。前回のオーナーが経営不振に陥っていたためです。譲渡にあたって、損益計算等の全てを確認したところ、どんぶり勘定、スタッフの賃金体系もめちゃくちゃ、お客様にご提供するための飲酒料金も基準が全くない状態でした。

それらを全て再計算し、経営方針を見直し現在は問題なく運営できている状態にあります。それらを踏まえると、経営する上ではやはり数字には強い必要があります。また、お客様に会話を楽しんでもらうためには様々な会話をし、且つ話題を広げなければお店に来てくれる機会も非常に少なくなります。そのためにもコミュニケーション能力は必要不可欠なものと思われます。

M.Tさん (女性 / 神奈川県)
バーテンダー 勤続年数5年以上 (職業 : 会社員)

学歴は一切関係ないと思いますが、レシピなど覚えるくらいの努力と知能は必要になると思います。おおよそどのバーでも、バーテンダーとして働くからには300種類程度のカクテルの知識は必要最低限つけなければなりません。店によってはもっと知識を求められることがあります。

店から求められなかったとしても、知らないと恥をかくのは自分ですからね。なので、必須というわけではありませんが、周りにいたバーテンダーの先輩たちの学歴は、理系の方が多かったと思います。知る限りですが、一番多かったのは理工学部です。これもまた、店の雰囲気によりけりなのでしょうが、私の働いている店に関していえば、バーテンダーとしては、リップサービスはほとんどなく、正確なレシピで迅速にオーダーに応えられる技術が必要とされています。

Y.Mさん (女性 / 東京都)
バーテンダー 勤続年数3年 (職業 : 会社員)

特に必要な学歴はありません。アルバイトから入り、お酒と会話の世界に魅了され、自然と色んな細かい知識が入ってきます。必要なスキルといえば、お酒のことより、接客スキルであると思われます。お客様のお名前はもちろん、好きなお酒の傾向、タバコの銘柄、そしてその方がお話し好きな方か聞き役が好きな方か、あるいはお1人で静かに飲みたい方か。ひとつの話題をふり、表情を見分け、その方に合った空間作りを心がける必要があります。その方の性格はもちろん、その日の気分に合わせる努力が必要です。

それから飲食業ならば当然ですが、細やかな作業が好きなこと、掃除が苦ではないこと、昼夜逆転の生活ですから、健康管理も重要になってきます。

T.Oさん (男性 / 東京都)
バーテンダー 勤続年数5年以上 (職業 : 会社員)

自分は昔ながらのバーテンダーですので、都内のバーで下積みから始めました。実際の仕事を通してお酒・接客の知識を獲得し、バーテンダーになりましたが、最近はバーテンダーの専門学校もあるようです。

そういう専門学校なら卒業後に、バーテンダーの求人情報を紹介してくれるかもしれません。しかし、都内ならバーの数はかなりあるので、今でも自分のように学校には行かずに下積みから始めても問題はないです。

ただ、まったくバーテンダーの経験もないまま自分のバーを持つのは少し無謀な部分があるので、やめておいた方が無難です。バーテンダーは未経験のままいきなり現場で仕事ができるほど甘くないので、自分の店を持つ場合にはある程度の経験が必要です。

バーテンダーになるために努力したことは?

T.Kさん (男性 / 神奈川県)
バーテンダー 勤続年数1年 (職業 : 個人事業主)

私がバーテンダーになるために努力したことは、まず他のお店にカクテルなどを飲みに行き、味、レシピを覚えることです。カクテルはレシピ通りの分量で作ったとしても、シェーカーの振り方、ステアの仕方で味が変わってしまうものです。

ご自身が飲まれて美味しいと感じたバーでカクテルを飲み、そして家、もしくはご自身の働いているバーに戻り同じ様にカクテルを作ることです。最初はコツなども掴めないでしょうから、味のバラツキや温度もバラツキが生じます。ですが試行回数が多くなるにつれ、味も温度もまとまってきます。

次にシェーカーの振り方ですが、これはバーテンダーが一番注目される所でもあります。色々な振り方があると思いますが、ご自身が1番カッコいいと思う振り方で問題はありません。シェーカーの中で氷を回すイメージで触れれば大丈夫です。

T.Mさん (男性 / 埼玉県)
バーテンダー 勤続年数2年 (職業 : バー経営)

飲食店の経営は以前も行っていたため、お料理などに関しては問題なく提供することはできましたが、お酒の知識に関しては、ほぼゼロから知識を身につける必要がありました。

特に努力したのはマティーニに関してです。カクテルはマティーニに始まりマティーニに終わると言われるように、バーでは生ビールだけを出せばいいというわけではなく、様々なカクテルを楽しまれるお客様が多々いるため、ショートカクテル、ロングカクテルの知識は当然必要ですが、その中でもマティーニに関してはシェーカーを振って練習に練習を重ねていました。

街の居酒屋さんというような立ち位置ではないため、提供するお酒の単価も若干高めに設定している以上、それ相応の技術を求められるお客様が多数おります。そのため、毎日毎日の作業ではありますが、兎に角、お酒の提供技術に関するものは努力しています。

M.Tさん (女性 / 神奈川県)
バーテンダー 勤続年数5年以上 (職業 : 会社員)

初めてバーテンダーとして働いたのも、今の店だったので、まずは、雑用すべてを指示されるより先に気づいて行い、学ぶ努力をしました。氷の補充やお客さんがどこにいてどのような飲み物を頼む傾向があり、何杯目に何を頼むのかというデータを記憶しながら、店の雰囲気をつかむことに最初は徹していました。

なぜなら、先輩たちが認めてくれるようになれば、教えてもらえることも増えると思ったからです。決まったカクテルレシピは自力で暗記すればよいことですし、まずはお客さんと先輩バーテンダーたちとのやり取りに始終目と耳を澄ませていました。細かな気遣いから、先輩バーテンダーの信頼を得ることができ、かわいがってもらい様々なことを教わる機会も増えました。

Y.Mさん (女性 / 東京都)
バーテンダー 勤続年数3年 (職業 : 会社員)

バーテンダーとして基礎知識を身に付けるため、半年間、協会認定のバーテンダースクールに通いました。当時20歳と若かったためお酒のイロハを知らず、先輩たちにくっついて行っては、ギリギリの予算内で色んな種類のお酒を飲むようにしていました。特にカクテルにおいては奥が深く、コンペなどで賞をとったお店を重点的にまわり、本物のバーテンダーとお話しし、勉強させてもらいました。

協会からの紹介で就職した自店では自腹を切り、何度もシェーカーを振ってはオーナーにダメ出しをされていました。お酒で及第点を取れるようになった後でも辛かったのは、冬場の氷の削り出しです。寒さに凍えて丸氷を作ります。氷を持つ手は冷たさを感じなくなりました。

T.Oさん (男性 / 東京都)
バーテンダー 勤続年数5年以上 (職業 : 会社員)

バーテンダーの自分は意外にも若い頃にはお酒が嫌いでビールも日本酒もウイスキーも駄目でしたが、自分で作ったコークハイやスクリュードライバーが生まれて初めて美味しいと思い、それがきっかけでバーテンダーになりました。

バーテンダーになるために、そこまで努力したわけではありませんが、自分なりにお酒のことは色々と研究しました。お酒を自分で作るようになってからは、そのお酒に合う食べ物なども考えたので、バーテンダーというのはお酒を飲むよりも作ることに夢中になれる人向けの仕事だと思います。

お客さんを楽しませるためにバーテンダーに必要なトークスキルも頑張って身に付けました。お酒のことは何を聞かれてもしっかりと答えられるようにも努力をしました。

バーテンダーのやりがいと将来性についてどう思いますか?

T.Kさん (男性 / 神奈川県)
バーテンダー 勤続年数1年 (職業 : 個人事業主)

バーテンダーのやりがいについてですが、色々な業種、人種の方達と交流できるのが醍醐味でもあります。知らない業種の方々や、国籍の違う方々の話を聞けるので面白味があります。またバーテンダーの将来性ですが、余程しっかりした母体の所でない限りはないと思った方がいいです。

やはり、仕事柄、お酒を飲む機会が増えますので身体も壊しやすくなります。ある程度、修業をした後、オーナーになり運営、経営に回った方がいいと思います。

働いていて良い点は色々な方達と繋がることができる、といった所でしょうか。人間関係の連鎖でどんどん友達が増えていきますよ。悪い点はやはりお酒の場ですので、それに伴うトラブルは対処を間違えると大事になってしまう可能性もありますので神経質にならざるを得ない所です。

T.Mさん (男性 / 埼玉県)
バーテンダー 勤続年数2年 (職業 : バー経営)

バーテンダーのやりがいは恐らく2点あります。1点目は、技術を磨くことによりお客様がファンとなってくださるため、雇われバーテンダーの場合、将来的な開業を目指すことが可能であり、またファンになっていただいた場合、出店してすぐにでも、顧客が定着する可能性がある点だと思います。

2点目はご来店頂くお客様に高単価で提供する飲食店のため、それ相応のお客様がご来店されることです。私の知り合いのバーテンダーの方は一流企業に勤めており、面接なしでその会社に就職したなんて経緯もありました。勿論その方自体に技術があり、トーク力など様々なきっかけからお客様がファンとなりそのような話になったようですが、ある意味では低料金で提供していない強みといえると思います。

悪い点は、自分の将来を見据えながら行動しないといつまでたっても脱却ができなくなる可能性がある点だと思います。さらに職業上、夜の勤めとなるため、生活時間が真逆になる可能性があります。本人次第のところは勿論ありますが、大体20時~翌日の深夜といった営業形態となるため、朝勤めしている方や友人などと遊ぶ機会が減る可能性も考えられます。

M.Tさん (女性 / 神奈川県)
バーテンダー 勤続年数5年以上 (職業 : 会社員)

始めたころは、夜の時間をうまく使った副業程度にと思っていたバーテンダーでしたが、今ではやめる理由が浮かばないほど自分に合っていた職種だったんだなと実感しています。今後も長く続けていきたいと考えていますし、自分の勝手がきく店で、自分のペースで働き、また、自分のペースを求めて飲みに来る常連さんたちと過ごす時間は、自分の人生の一部となっています。

ただ、やはり水商売というのでしょうか、まれに、水に流してしまいたいほど嫌なお客さんや、無理難題を吹っかけてくる得体のしれないお客さんがいることは事実です。どんな人が来ても、きちんとした態度で相手をするのは難しく、動揺しないように努めてはいるものの、内心はかなり引きずることもあります。

Y.Mさん (女性 / 東京都)
バーテンダー 勤続年数3年 (職業 : 会社員)

接客、すなわち人が好きか否かによって変わるでしょう。手を抜けば、どこまででも手を抜ける業界です。その中で、お酒の知識を増やし、美味しいお酒を作る技術を伸ばし、お店を綺麗に保ち、自分の健康を管理し、お客様に心配りをする。将来性は、自分のプロ意識にかかっていると思います。

良い点は、お客様の様々な知識を聞き、見識を深められること。やはり対面のカウンターに通うお客様とお話しすることです。お話し好きな方が多く、聞けば様々なことを教えてくれます。お酒が入りますから、うっかりな裏情報が耳に入ってくることも。

悪い点は、体調を崩すバーテンダーが多いこと、残業が多いこと、お客様と食事など、店外でもお付き合いする必要が出てくることです。

T.Oさん (男性 / 東京都)
バーテンダー 勤続年数5年以上 (職業 : 会社員)

バーテンダーとしてやりがいを感じるのは、やはり自分で作ったお酒をお客さんが美味しく飲んでくれた時だと思います。お酒の好みは人それぞれ違うので毎回その人に合ったカクテルが作れる訳ではありませんが、常連の方は自分が作ったカクテルを認めてくれていると実感できるのが嬉しいです。

バーテンダーの将来性は勤めているお店によって違うかもしれませんが、自分のお店は老舗で人気があるので、今のところはそこまで将来に不安は感じません。バーテンダーは夜に働くのが当たり前の仕事で深夜手当ては付かずに、ボーナスなども貰えないので、そこまで給料がいいとは言えないです。それでも、お店のマネージャーや店長に抜擢されたりした場合は一気に給与が上がることもあります。