弁護士になるには・仕事内容と将来性・全国の求人

弁護士のイメージ

弁護士は基本的人権を擁護しつつ社会正義を実現することを使命とする法律の専門家です。法廷や企業、地方公共団体などあらゆる組織のあらゆる分野で活動し、社会生活で発生する争いの予防法や解決策をアドバイスしたり、弁護人として法廷で弁護などを行います。弁護士資格は、司法試験や司法修習など数々の難関をくぐり抜けないと手に入れることのできない国家資格でもあります。

弁護士になるには

弁護士になるには、原則として司法試験に合格する必要がありますが、その受験資格を手に入れること自体が狭き門です。合格後も1年間の司法修習が必須で、終了試験に合格してはじめて弁護士資格を手に入れることができます。他の士業資格に比べ、弁護士資格の取得には多大な労力と時間を要するといえます。

司法試験の受験資格を得るには

司法試験の受験資格を持つのは、法科大学院(ロー・スクール)の修了者または司法試験予備試験の合格者に限られます。

法科大学院とは、弁護士・裁判官・検事などの法曹関係者の育成を目的とする専門職大学院です。現在、国内で46校が入学者を受け入れています。修了までの期間は原則3年ですが、入学試験で法律の知識が十分であると認められれば2年で修了することも可能です(法学既習者課程)。法科大学院を修了すると、その年から5年間、司法試験の受験資格が付与されます。司法試験受験者の大半は法科大学院経由となっており、平成29年度の出願者6,716人のうち6,170人が法科大学院修了者でした。

法科大学院を修了せずに司法試験の受験資格を手に入れる唯一の手段が、司法試験予備試験(予備試験)です。受験資格に要件はなく、年齢や学歴を問わず門戸が開かれています。合格すると、次の年から5年間にわたって司法試験を受験することができます。法科大学院で学ぶ2年ないし3年の時間と学費を節約することはできますが、予備試験合格率は平成28年度で3.9%と、極めて狭き門となっています。

社会人がキャリアチェンジで弁護士を目指す場合、仕事と法科大学院への通学を両立することは容易ではありません。夜間開講している大学院はごくわずかなうえ、単位取得要件として講義出席回数の下限が設定されているためです。そこで、現職を続けながら司法試験を受験するなら、まずは予備試験の合格を目指すのが現実的な選択肢となるでしょう。

司法試験の概要

司法試験は法務省管轄の国家試験で、例年5月に論文式試験が3日間、マーク方式で実施される短答式試験が1日の計4日にわたって実施されます。平成28年度の最終合格者数は1,583人で、最終合格率は22.94%でした。なお、司法試験は弁護士を目指す人だけでなく、裁判官・検察官を目指す人も受験します。

司法修習と登録

司法試験合格後、法曹資格の取得を目指す場合は司法修習が義務付けられます。研修期間は、司法研修所での座学2ヶ月間と、各地の地方裁判所所在地に配属されての実務研修10ヶ月間の合計1年間です。修習生は公務員に準じた身分として扱われ守秘義務を負うほか、副業などは許されません。修習の最後には司法修習生考試が行われ、これに合格してはじめて弁護士となる資格を手にすることができます。

実際に弁護士として業務を行うには、司法修習後、各地の弁護士会に登録をすることが法律上義務付けられています。

具体的な業務内容

近年、弁護士の業務は細分化しており画一的なイメージで捉えることが難しくなってきました。例えば、映画やドラマの影響で、弁護士は法廷に立って弁論の攻防を繰り広げるものといったイメージがあるかもしれませんが、実際は裁判になる前に争いを予防する仕事(予防法務)の比重が高まりつつあり、法廷には立たない弁護士も存在します。また、法的トラブルの種類も複雑化・細分化されてきているため、自らの得意分野を持って専門的に扱う弁護士も増えています。

取り扱う法律上のトラブルで訴訟化したものは「民事事件」と「刑事事件」にわけることができます。「民事事件」は、個人や法人が各々の権利を主張して争う事件です。相続のトラブルや、金銭の貸し借りのトラブル、離婚裁判や損害賠償請求などをイメージするとよいでしょう。権利の有無は民法などをもとに判断されます。「刑事事件」は、罪を犯したと思われる人を国家が弾劾する事件です。個人対国家の争いであることが特徴で、検察官が活躍するのは刑事事件です。逮捕・勾留・起訴などといった言葉とセットでニュースに登場するのは全て刑事事件で、刑法などをもとに有罪・無罪が判断されます。

実は訴訟を扱う弁護士の多くが民事事件を中心に手がけており、刑事事件は詳しくないか全く取り扱わないことも普通です。というのも、刑事事件は民事事件に比べ報酬が低く、証拠集めをはじめとする手続きの煩雑さや裁判が長期化しやすい傾向を考えると割に合わないというのが実情だからです。一方で、刑事事件を専門に取り扱う弁護士も存在します。

さらに、法廷で白熱した弁論を繰り広げるという弁護士のイメージも、現実とは少し異なります。裁判では、弁論は事前に提出された書類に沿った内容になることが多く、法廷で議論が白熱することなどめったにありません。特に民事事件では、ただ書類を提出するだけで1回の期日が終了することもあります。弁護士の仕事は、裁判所に行く前の書類作成がメインであることが多いのです。ただし最近では裁判員制度の影響で、わかりやすい尋問の能力や、プレゼンテーション能力が求められるようになりつつあるのも事実のようです。

訴訟をメインで扱うのではない弁護士には「企業内弁護士」や「インハウスローヤー」と呼ばれる弁護士がいます。企業の法務部などで活躍する弁護士のことで、契約書のリーガルチェックやM&Aなどを手がけ、コンプライアンスに目を光らせており、訴訟になる前の予防法務に従事しているといえます。企業のコンプライアンス意識の高まりとともにポストが急増中です。

さらに最近では、医療機関での事故防止やスポーツ関連会社のマネジメント契約のアドバイザリー業務など、法律知識を生かして他分野のコンサルティングに従事する弁護士もおり、活躍の幅は広がってきているようです。

弁護士のキャリアパス

司法修習を終えた弁護士志望者の進路として多いのは、やはり法律事務所への就職です。就職活動は修習前から始まりますが、4大法律事務所といわれるような有力事務所では、司法試験の終了直後からインターンへの参加を求められるケースもあります。なお、各事務所には得意分野や取り扱い分野があるため、就職先選びは将来的にどのような仕事をしたいかに左右され、大きな事務所ほど人気があるというわけではありません。就職後は、アソ弁(アソシエイト弁護士)あるいはイソ弁(居候弁護士)と呼ばれる雇われの立場で経験を積み、その事務所の共同経営者(パートナー)を目指したり、独立して自身の事務所を開業したりするなど各自の目標を追求することになります。ただし最近は、弁護士人口の増加により就職したくてもできない弁護士も増えており、修習終了後すぐに独立せざるを得なかったり(即独弁護士)、知り合いの事務所の一部を有料で貸してもらいながら独自に開業するケース(軒先弁護士)が発生したりするなど、従来のキャリアパスが崩れつつあるようです。

弁護士事務所に就職しない場合の代表的な進路としては、企業の法務部や公務員への就職などがあります。従来は弁護士人口が少なかったために企業や地方自治体に勤務する弁護士資格保有者はまれでしたが、近年はコンプライアンスの意識の高まりと相まって、企業法務部や地方自治体から弁護士資格保有者への求人が増えています。また、修習終了後に出身大学院に戻り、研究者として活躍する人もいます。

弁護士として経験を積んでから他職種にキャリアチェンジすることも可能です。例えば、「弁護士任官制度」は、幅広い社会経験を持つ弁護士が裁判官になることで法律がより身近なものになることを期待する制度です。2014年時点で66人が弁護士から裁判官に転じて活躍しています。さらに、専門知識を生かして法律系資格の予備校講師や、大学教員となるケースもあります。

弁護士の求人について

弁護士は高度な専門職であるため、民間企業への就職を検討しているなら、ハイクラスの求人を得意とする転職関連サービスに案件が豊富なようです。

民間企業では、修習終了後に弁護士の実務経験がなくても応募できる案件が多くあります。自治体に勤務する弁護士を目指す場合は、修習終了後の年齢により新卒採用枠でも応募可能な場合があります。また、中小法律事務所への就職は、まだまだコネを使える場合が多いようです。法科大学院出身者の場合は、OBなどツテをたどってみるのもいいでしょう。

出典:
日本弁護士連合会(日弁連)
法科大学院協会
法務省

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弁護士のやりがいを教えてください

M.O.さん (男性 / 新潟県)
弁護士 勤続年数5年以上 (職業 : 会社員)

自分が担当するのは、ほとんどが離婚裁判や過払い請求など、民事裁判ですので資料を調べたり書類を作ったりするような地味な作業が多いですが、しっかりと依頼人の期待に応えられた時にとてもやりがいを感じますね。 …

弁護士になるために努力したこと資格が必要な場合、合格するために努力したこと

M.O.さん (男性 / 新潟県)
弁護士 勤続年数5年以上 (職業 : 会社員)

そこまで有名な大学を卒業した訳ではありませんが、大学時代は司法試験に合格する為に法学部でかなり勉強をして、難関の司法試験に合格をしました。2回落ちましたが3回目ではそれまで失敗した教訓を生かして何とか …

弁護士の将来性についてどう思いますか?

M.O.さん (男性 / 新潟県)
弁護士 勤続年数5年以上 (職業 : 会社員)

言うまでもありませんが、弁護士になろうと思ったら、難しい司法試験や司法修習を突破しなくてはいけません。弁護士になる道は本当に険しいです。

苦労して司法試験に合格しても、誰でも優秀な弁護士になれるとは …

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