コピーライターになるには?方法と持っておきたいスキルについて

コピーライターの仕事とは?

パソコンで作業する女性

(出典) photo-ac.com

コピーライターは、広告における文言全般(コピー)を作成する仕事です。商品・コンテンツ・サービス・人・会社といった、さまざまなものごとの魅力や持ち味を人々に伝え、さらに「購入する」「利用する」「応募する」といったリアクションにつなげます。コピーライターが追求するのは、「伝える」ことではなく「伝えて、反応や行動を起こさせる」ことといえるでしょう。

コピーの種類

コピーライターの仕事としてイメージされやすいのは、写真や映像などに、インパクトのある短い(ときには数文字の)コピーを付けるというような「ブランディングコピー」でしょう。

印象的な写真や映像と合わせて、広告でありながら1つの「作品」として扱われることもあります。広告賞やコピーコンテストもあり、アート性が重視されやすいといえます。クライアントの依頼に対し、アートディレクターやプロデューサーなどとチームで1つの仕事を行うことが多いようです。

一方、「販売する」というシンプルな目的をより効果的に達成するためのコピーが「セールスコピー」です。ダイレクトメールやPOPといった販促ツールの文言などがその例といえます。

企業の販売促進の担当部署や、Webサイトやオンラインショップの運営担当部署などに活躍の場が多いでしょう。オンラインショップを例に挙げると、バナー・メールマガジン・商品説明・特集記事など、作成するコピーは文字数もスタイルもさまざまです。Webサイトでは、特にスピード感を持って作成することが求められます。

セールスコピーの中でも、医療分野に特化しているのが「メディカルコピー」です。コピー作成の対象は主に医薬品、発信する相手は主に医療従事者です。

医薬品のセールスコピーは、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)や「プロモーションコード」と呼ばれるガイドラインなどによって、表現の制約があるなど、一般的なコピーライティングとは大きく異なります。

薬剤師や看護師資格、医学系専門書の編集経験、英語文献の読解力など、やや特殊で高めの条件が求められることが多いでしょう。

オンラインとオフライン

同じ商品の広告でも、オンライン(Webサイトや電子メールなど)と、オフライン(チラシやカタログ、紙のダイレクトメールなど)ではノウハウが全く異なります。

オンラインのライティングは、コンバージョン率やクリック率を高めたり、SEOキーワードの言及を行ったりなど、オンライン独特のノウハウが必要です。

言葉の選び方1つで売り上げが目に見えて変わることもあります。いくつかのコピーを試して、どれが最も効果的だったかを検証することもあります。

オンラインに特化した、またはオンラインとオフライン両方の特徴を理解して書き分けができるセールスコピーライターは重宝されるでしょう。

コピーライターのやりがい・魅力

笑顔でパソコンを操作する女性

(出典) photo-ac.com

自分の言葉が大勢の人に届く

コピーライターは「言葉のプロ」です。活躍の場は多方面にわたり、正社員としてはもちろん、フリーランスとしても仕事を獲得していくことができます。現役で活躍するコピーライターは、仕事のどのようなところにやりがいや魅力を感じているのでしょうか?

人を動かすキャッチコピーを作るのは容易ではなく、ゴールにたどり着くまでに何十本ものコピーを書かなければならないこともあります。紆余曲折の末に完成したキャッチコピーが世に送り出され、多くの人の目に触れる瞬間は、コピーライターとして達成感を覚える瞬間といえるでしょう。

さらに、クライアントから「素晴らしいコピーだった」「またお願いしたい」と評価されたり、SNSで「心に響いたコピー」としてシェアされたりしたときは、「自分の言葉が大勢の人の心に届いている」という喜びが感じられます。

コピーライターの役割は単に伝えるだけでなく、伝えた上で人に行動を促すことです。自分のキャッチコピーで商品やサービスが大ヒットしたときは、大きなやりがいを感じるでしょう。

多くの出会いの中で成長できる

コピーライターというと、1人で黙々と作業をするイメージがありますが、実際は多くの人と関わり合いながらコピーを作り上げていきます。

例えば、新聞・雑誌・ポスターなどのグラフィック広告では、コピーライターとグラフィックデザイナーが二人三脚で仕事を進めていきます。商品に関連する広告制作の場合は、営業担当やマーケターとのコミュニケーションが不可欠であり、テレビやラジオのCMになるとCMディレクターやプランナーとの意見交換が必要です。

各分野のプロフェッショナルから多くの学びを得て成長していけるのは、コピーライターだからこそ感じられる魅力でしょう。コピーライターが活躍する場は、広告代理店・プロダクション・会社の広報宣伝部・コピーライター事務所など多岐にわたります。

コピーライターになるには?

勉強のイメージ

(出典) photo-ac.com

資格は不要で、広告代理店をはじめとする会社に就職することがほとんどです。特にブランディングコピーライターを目指す人は、一定の基礎を身に付けるために、広告や編集の学校でコピーライター養成のための講座を受講する人が多いようです。

中には、長い歴史を持ち、有名コピーライターを多く輩出している養成講座もあります。活躍中のコピーライターが講師として登壇することもあり、実際の仕事を具体的にイメージする貴重な機会にもなるでしょう。

ブランディングコピーライターの場合、広告代理店や制作会社などに入社し、経験を積むのが一般的です。新卒採用でも中途採用でも、募集自体が多くありません。

就職を目指す学生や、転職を目指す社会人が、養成講座で一定の基礎を身に付けてから採用試験を受けるケースも多く、競争率は高いようです。ただ文を書くことが好き、得意というだけでは厳しいでしょう。

セールスコピーライターの場合、企業の求人は比較的見つけやすくなっています。オンラインショップを運営している会社はもちろん、多くの会社は販売促進の施策を行うため、ポジションが生じやすいからです。マーケティングやWeb、データ分析などの経験があれば、アピールポイントになります。

メディカルコピーライターの場合も、企業の求人は比較的見つけやすいといえます。ただし、医学・薬学系の資格や知識など、採用条件が特殊で高度なことが多いため、該当する人が少ないのが実情でしょう。医療系専門の広告代理店に就職したり、薬剤師などから転向したりというケースが多いようです。

いずれのコピーライターも、フリーランスとして仕事をしたい場合、必須となるのは実績です。現在フリーランスで活躍しているコピーライターも、初めは企業などに所属して経験を積んでいることが多いでしょう。相当の実力と実績がなければ、個人で仕事を受注するのは簡単ではありません。

あるとよい知識やスキルは?

デザインに関する知識は、どのタイプのコピーライターでもあるに越したことはないでしょう。発信するときは画像や映像と一緒であることが多いからです。コピーを作成するときに、デザイン的な観点からもバランスを考えられることは強みになるでしょう。

英語力に関しては、どのような仕事でも日常会話レベルはあるのが望ましいのは間違いありません。ただ、一般的には英語でコピーライティングを行うことは考えにくいでしょう。

英語でのコピーライティングは、ネイティブスピーカーレベルの英語力に加え、日本語でのコピーライティングとは異なる専門の知見が必要になるためです。

メディカルコピーライターの場合、医薬品などに関する英語文献を読むため、医学系の専門用語や、読解といった英語力が必須とされる場合もあります。

コピーライターの求人

ミーティングの様子

(出典) photo-ac.com

多くはありませんが、広告代理店や広告制作会社などが、コピーライターのポジションで人材を募集することがあります。大手の広告代理店では、狭き門ではあるものの、新卒での採用も見込めます。

経験を重視する職種のため、未経験者の就職活動は厳しいですが、コピーライター養成講座を受講したり、アシスタントの募集を探したり、目指す種類のコピーライティングでなくてもやってみたりなど、まず経験を積むための工夫をする姿勢が必要でしょう。

経験者の転職活動では、ポートフォリオ(これまでの作品をまとめたもの)を求められることもあります。ポートフォリオは、指定がない限り自由に作成してかまいません。

自分自身のコピーが採用されたのが、ポスター・雑誌広告など紙媒体ならその原本やコピーを、またWebサイト・オンラインショップ・バナーなどなら、該当するページや画像を印刷して、ファイリングしてもよいでしょう。

フリーランスのコピーライターの場合は、会社に所属していた時代に積み上げた実績や、育てた人脈から、声がかかって仕事の依頼を受けるというパターンが考えられます。

ただし、相当の実力がなければ、十分な報酬を得られる仕事を継続して受注するのは簡単ではありません。コピーライティングの実力のほか、営業的な努力も必要になるでしょう。

コピーライターの年収は?

※スタンバイ掲載中の全求人データ(2017年6月時点)から作成

1文で高い報酬を得る人気コピーライターもいますが、コピーライターの求人では年収300~500万円台が6割程度というデータがあります。時給だと1,400~1,700円台が多いようです。

ただし、これには医学的知識や英語力などを必要とする、年収が高い傾向にあるメディカルコピーライターのデータも含みます。一般的なコピーライターでは年収300~400万円台、メディカルコピーライターでは500万円以上も珍しくありません。

まとめ

コピーライターは資格が不要な代わりに、なるための道が明確にない仕事です。それをチャンスと捉えて、コピーライターとしての経験が積めそうな場所を自分で探し出す努力も必要です。仕事を発注してくれる人と縁をつなぐ努力も重要でしょう。

※文中に記載の各種数値は、2022年5月時点のものになります。