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速記者とは

速記者のイメージ

速記者は、会議やインタビューなどで、速記符号(速記文字)とよばれる文字を簡略化した符号を使って、会話のスピードと同じ早さで発言内容を記録し、それを通常の文字に置き換えて原稿を作成する「反訳」を行います。発言内容を一言一句正確に聞き取る集中力と、原稿を正しく書き表すための国語力が必要な仕事です。

近年では、手書き速記に代わり、現場で録音、撮影したデータから文字化する方法も増えています。

速記者になるには

速記者の業務を行うために必要な資格はありませんが、速記者の求人は、速記技能検定3級以上を条件にしていることが多いです。仕事をするには速記符号の知識や会話と同じスピードで記録する技術が必要です。そのため専門学校や通信講座などで学んでから仕事を始めるのが一般的です。知識や技術を身につけた後は、速記会社などに就職するか、フリーランスで仕事をする人もいます。

速記文字について

現在、主なものとして参議院式、衆議院式、中根式、早稲田式の4種類があります。どの方式も、線の長短や向き、角度、直線と曲線、円の大小などを使い分けて五十音を書き表します。

例えば、早稲田式で「ウ」は短い縦線、「コ」は長い横線で表し、これらの符号を続けて書いていきます。このほかにも、「日本」を「=」、「困る」を小さな丸で表すなど、単語を一つの符号で表し、書き取りのスピードを上げています。

速記士の検定

速記技能検定

主催:公益社団法人日本速記協会
概要:1年に4回実施され、1~6級まであります。問題文を聞きながら速記符号を使って書き取っていき、反訳をして原稿を提出する形式で行われます。2級ではアナウンサーが読むレベルの分速280字、1級ではそれ以上の分速320字の書き取りが必要となります。朗読された問題文が正確に文字化されているかが審査され、1級、2級合格者は「1級速記士」「2級速記士」に認定されます。

類似の検定にパソコン速記検定試験がありますが、こちらは速記者の求人で合格を条件にしているケースは見られず、現状ではタイピング能力の証明として使われているようです。パソコン速記検定試験の概要は以下の通りです。

パソコン速記検定試験

主催:一般財団法人全日本情報学習振興協会
概要:「速記者認定」と1~3級があります。ヘッドホンを使い、会話や説明文を聞きながらパソコンに入力していきます。入力の正確さとスピードが合格基準となっています。

速記者の仕事内容

速記者は通常、速記会社などに社員や在宅スタッフとして所属し、依頼のあった現場に派遣され業務を行います。主に官庁や地方公共団体、各種団体、新聞社、出版社などから依頼を受け、会議や研究会、審議会、講演会、インタビューなどの現場に赴き、発言内容を記録します。その後、速記符号で書かれた記録をもとに、通常の文字に置き換えて原稿を作成する反訳を行い、納品します。研究会や学会など、専門用語が多く使われる会議もあるため、事前に資料を読み込むなどの準備も必要となります。

裁判に立ち会い、発言内容を記録し調書を作成する裁判所速記官として仕事をする人もいます。裁判所速記官は、手書きではなく専用の速記タイプライターを使って記録していきます。現在では反訳ソフトウェアの開発により、その日のうちに記録を完成させることも可能になりました。

裁判所速記官は裁判所職員として採用され、研修と実務、試験を経て速記官に任命されていましたが、1998年度から速記官の新規の養成が停止され、その数は減少しています。

近年では録音技術やデジタル機器の発達、インターネットの普及などにより、現場で録音したデータをもとにパソコンで原稿を作成する方法が増えています。手書き速記が必要とされる現場は少なくなっていますが、速記の技術や経験を生かして、テープ起こしや字幕制作、秘書、一般事務など、別の職業で活躍する人もいます。

衆議院・参議院速記者

国会の速記は1890年の第一回帝国議会より続いていましたが、2006年に衆議院と参議院両議会の速記者養成所が廃止となりました。2011年から衆議院では音声自動認識システムを導入、参議院では映像、音声データをもとにパソコンに文章を入力し、議事録を作成する方式に変更されました。

地方議会でも手書き速記は減少傾向にあり、民間業者が録音し、書き起こす方式に移行しています。

※文中に記載の各種数値・内容は、2017年7月時点のものになります。

出典:
公益社団法人日本速記協会
裁判員制度と速記録 日本速記協会
裁判所速記官
裁判所職員採用試験
産経新聞 手書き速記、国会や地方議会でも廃止の波
衆議院事務局
参議院事務局 一般職採用案内パンフレット