面接のお礼メールを送りたくても、どのような内容にすべきか悩むことがあります。誰もが面接の後にお礼メールを送付しているわけではなく、不要だと感じる人もいるでしょう。
しかし、迷っているなら送った方がよいといえます。適切な内容を送れば、良い効果を得られる可能性があるためです。
この記事では、面接のお礼メールの例文や書き方、お礼メールが必要な理由、注意したいポイントなどを紹介します。基本を押さえ、企業に良い印象を与えましょう。
この記事のポイント
- 面接のお礼メールの内容は?
- 誰が何の目的で送っているメールなのかが、一目見て分かるようにします。お礼の言葉だけでなく、送り主の情報も忘れずに記載しましょう。
- 面接のお礼メールはなぜ必要?
- 感謝の気持ちとともに、入社への熱意を伝えるために送ります。
- 面接のお礼メールのマナー
- 良い印象を与えるには、できるだけ速やかにビジネスマナーを意識したメールを送付することが求められます。
【例文】面接のお礼メール
面接のお礼メールを書く前に例文をチェックしておくと、自分の状況に当てはめて書きやすくなります。基本の書き方と、謝罪したいことがある場合の書き方の両方を見ていきましょう。
基本の例文
面接のお礼メールの基本的な例文を紹介します。
【例文】
件名:〇月〇日 面接のお礼/経理部希望 〇〇〇〇(自分の氏名)
株式会社〇〇
人事部 面接ご担当者様お世話になっております。
本日〇時より面接をしていただいた〇〇〇〇(自分の氏名)と申します。お忙しい中、貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました。
面接を通じて、貴社で働きたいという気持ちがより一層強くなりました。これまでに身に付けた経験や知識を、貴社の発展に役立てられれば幸いです。
まずは、面接のお礼を申し上げたく、メールを送らせていただきました。
末筆ながら、貴社の益々のご発展とご活躍を心よりお祈り申し上げます。(自分の署名)
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
謝罪したいことがある場合
面接に遅刻するなどの失敗をしてしまった場合、お礼を伝えると同時に謝罪をします。書き方の例を見ていきましょう。
【例文】
件名:〇月〇日 面接のお礼/企画部希望 〇〇〇〇(自分の氏名)
株式会社〇〇
人事部 面接ご担当者様お世話になっております。
本日〇時より面接の機会をいただいた〇〇〇〇(自分の氏名)と申します。
お忙しい中、誠にありがとうございました。また、貴重なお時間をいただいたにもかかわらず、約束の時間に間に合わず、大変申し訳ございませんでした。
電車が遅延した場合の対策をあらかじめ練っておけばよかったと、反省しております。面接では、貴社のプロジェクトやサービスについて理解を深めることができ、貴社に貢献したい気持ちが一層強まりました。
遅刻のおわびと面接のお礼を申し上げたく、メールいたしました。
貴社の益々のご発展とご活躍を心よりお祈り申し上げます。(自分の署名)
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- メールアドレス
面接のお礼メールに盛り込む要素
面接のお礼メールを正しく書くには、必要な要素だけを適切に入れることが大切です。企業に良い印象を持ってもらうために、何を書けばよいのかを見ていきましょう。
件名・面接担当者の名前
件名は「(面接の日付)面接のお礼(氏名)」のように、用件と氏名を入れます。企業には1日に何十通ものメールが届くため、一目で内容が分かるようにすることがポイントです。
同じ日に何人も面接をする場合もあるため、件名を見ただけで誰からのメールなのかが分かるようにします。本文の冒頭には会社名・部署名・役職名・面接担当者の名前を入れ、誰宛てなのかを明確にしましょう。
会社名や部署名などは省略せず、正式名称を記載します。自信がないときは企業のホームページや名刺などで確認し、正確に書きましょう。
お礼の言葉
メールを出す一番の目的は面接へのお礼を伝えることです。謝罪したいことがある場合も、先にお礼の言葉を述べます。
簡単なあいさつと、自分の名前を伝えた後に「面接の機会をいただきまして、誠にありがとうございました」のように、シンプルな文章でお礼の言葉を書きます。
おわびをする際は、反省点や改善すべき点などがあれば添えてもよいですが、言い訳をしないように注意しましょう。
謝ったからといって面接での印象が大きく覆ることはありませんが、相手に迷惑をかけた場合は謝ることが大切です。何もなかったことにしてお礼だけ述べるよりも、誠実な印象を与えられるでしょう。
入社への意欲や感想
お礼の言葉の後は、面接の感想や入社への熱意などを伝えます。面接で言われて印象に残った言葉や学んだことがあれば、添えても構いません。1〜2行で簡潔にまとめ、入社したいという気持ちを伝えるとよいでしょう。
注意したいのは、お礼を伝えることが一番の目的であり、自己PRを優先してはいけないという点です。例文を参考に、必要なことだけを述べるようにしましょう。
間違ったアピールの仕方をすると、マイナスの印象を与える心配があります。
結びのあいさつと送り主の情報
本文を書き終えたら、結びの文章を記載しましょう。「貴社の益々のご発展をお祈り申し上げます」「より一層のご隆盛をお祈りいたします」など、ビジネスメールを意識した結びのあいさつを入れます。
結びのあいさつを入れると、社会人としてのマナーと丁寧さを身に付けていると感じてもらえます。何もないと素っ気ない印象を与えることがあるので、忘れずに入れましょう。
最後に、氏名・電話番号・メールアドレスなどを入れた署名を添えましょう。罫線や改行などを使って、どこからどこまでが署名なのかを見やすくすることが大切です。
転職活動中の場合、所属している企業の社名や連絡先は必要ありません。個人のメールアドレスと署名を使いましょう。
面接のお礼メールが必要な理由
面接のお礼メールは不要という意見もあります。採用活動では応募書類や面接での印象といった実力が全てであり、お礼のメールを送ったからといって、合否に大きな影響があるわけではありません。
それでも、面接のお礼メールが必要だと考えられる理由を見ていきましょう。
感謝の気持ちを伝えられる
面接のお礼メールが必要な理由は、企業とコミュニケーションを取る機会を得られるからです。感謝の気持ちを伝える行為は、相手との信頼関係を築くために役立ちます。
面接当日にしっかりとお礼を述べることが大切ですが、自由に話す時間がなかったり、伝え足りなかったりした場合、お礼のメールは効果的です。
お礼メールの有無で合否は決まりませんが、人柄をアピールする良い機会になります。何もしない場合に比べ、律儀さや礼儀正しさなどを感じてもらえるでしょう。
熱意をアピールできる
お礼メールを送ると、面接後も入社への意欲を伝えられます。面接を経て、より入社への気持ちが高まったなど、率直な気持ちを伝えることで企業側が好印象を抱いてくれる可能性があるでしょう。
企業側は、やる気のある人を確実に採用したいと思っています。スキルや経歴が優れていても、入社する見込みがない人は採用しづらいものです。
合否を決定するタイミングで、入社への意欲を伝えると「この人なら来てくれそう」と感じてもらいやすくなります。何もしないと、熱意に欠けると思われる恐れがあります。
面接のお礼メールを送るタイミング
面接のお礼メールは、いつ送るのが正解なのでしょうか。内容に問題がなくても、送り方によっては評価を下げてしまう心配があります。面接のお礼メールを送るタイミングを見ていきましょう。
面接を終えた直後
面接のお礼メールはその日のうちに送るのが基本です。あまりにも時間がたってから送ると、仕事が遅い印象を与える恐れがあります。面接の記憶が新鮮なうちに送りましょう。
1次・2次・最終というように複数の面接がある場合、面接を1つ終えるたびに送っても構いません。面接ごとに担当する面接官が変わるのは、よくあることです。
面接官が同じだった場合も、面接内容が異なるなら新しくお礼メールを送ってもおかしくありませんが、前回と全く同じ文面を送るのは避けましょう。
その日の面接で感銘を受けた点や、気付いたことなどを盛り込むといった工夫が必要です。
時間帯が遅い場合は翌日でも可
お礼のメールは営業時間内に送るのが基本ですが、面接の時間帯が遅い場合は翌朝に送る方法もあります。
翌朝や午前中に仕事があって時間を割くのが難しいなど、夜間に送りたい事情があるときは「夜分に失礼いたします」などの一言を添えましょう。
面接当日に送ることにこだわりすぎて、急いでメールをして失敗するよりは、翌日に送った方がよいといえます。
午後の遅い時間に面接があった場合、翌日の午前中までにお礼のメールが届けば、それほど遅い印象は与えないでしょう。
送り先や返信は?困ったときの対処法
面接のお礼メールを送る際、送り先や書き方などで戸惑うことは意外に多いといえます。メールの送り方に関するよくある疑問と、その対処法を見ていきましょう。
メールと手紙どちらで送る?
「メールより、手紙の方が丁寧なのでは?」と、感じる人もいるでしょう。通信技術が発達した現代では、メールでお礼を伝えてもマナー違反にはなりません。
時間をかけずスムーズにやりとりができる点に、利便性を感じる人は多いはずです。
どうしても丁寧な印象を与える必要があるときは、封書で送ります。伝統を重んじる社風や、温かみのあるサービスを重視している企業にお礼状を送ると、プラスに働くこともあるでしょう。
字がきれいな人も良いアピールになりますが、郵送の場合は時間がかかる点に注意が必要です。スピード感が必要な場面では、思ったような良い印象を与えられない可能性があります。
送り先はどこ?
面接のお礼メールは、採用担当窓口に送りましょう。企業との連絡は、採用担当者のメールアドレスから発信されているケースが大半です。
過去のやりとりを見返せば、メールアドレスを調べられます。送信専用アドレスを使用していた場合は、企業のホームページに記載されている採用担当窓口宛てに送りましょう。
面接官からもらった名刺があるときは、そちらに記載されているメールアドレスに送っても構いません。メールアドレスの打ち間違えがないように、送信前に確認しましょう。
面接官が複数の場合は?
採用面接では、1人の応募者に対し複数の面接官が付くことは珍しくありません。多くの面接官がいる場合、1人1人にお礼のメールを送らなくてはならないのでしょうか。
面接官が複数いる場合、連名で送っても失礼にはなりません。個別に送らなかったからといって、マイナスの印象を与える心配はないでしょう。
面接官の名前がはっきりとしない場合は、「面接ご担当者様」「採用ご担当者様」などのように記載します。
お礼メールへの返信があったら?
面接のお礼メールに対する返信が来る場合があります。何も返さなくてもマナー的な問題はありませんが、返信へのお礼の気持ちを伝えると丁寧です。
面接へのお礼は既に伝えているので、内容が重複しないようにします。「お忙しい中、わざわざありがとうございます。今後ともよろしくお願いいたします」というように、簡単に返信しましょう。
返信不要と書かれている場合は、相手の意思を尊重するのがマナーです。面接官は通常業務の合間を縫って採用活動に参加しています。
わざわざ返信する手間をかけさせたくない場合は、お礼メールを送る際に「ご多忙かと思いますので、ご返信にはおよびません」のように、返信不要の旨を盛り込む方法もあります。
お礼メールの注意点
お礼メールを送る際に注意したい点があります。誤字脱字のチェック方法や、ビジネスメールの基本的なマナーを見ていきましょう。
誤字脱字チェックを入念にする
メールの内容に問題はなくても、誤字脱字が多いとマイナスな印象を与える心配があります。
事務職や営業職など、メールを送る機会が多い職種を希望する場合、仕事でも同じミスをするのではないかと思われかねません。顧客と接する際に、失敗をしそうな印象を与えるのは避けたいところです。
最低でもメールを書き終えた直後と、送る直前の2回はミスがないかチェックします。目視で誤字脱字を見つけるのはもちろん、音読してみるなどの方法も効果的です。本文だけでなく、件名や宛名もしっかりと確認しましょう。
ビジネスマナーを意識する
面接のお礼メールは、ビジネスメールであることを意識して書きます。一般的なビジネスマナーが守れていないと、良い印象を与えられないどころか悪いイメージを持たれるでしょう。
余計な装飾や色付きの文字、顔文字などを使用すると常識を疑われてしまいます。間違った敬語の使用も、マイナスな印象が大きくなる要素の1つです。
「ご覧になられる」「○○課長様」のような二重敬語は、よくやってしまいがちなミスなので注意しましょう。「ご覧になる」「○○課長」が正しい表現です。
また、文章を読みやすくするため、改行や空白を入れるなどの基本も忘れないようにしましょう。企業から送られてきたメールを見て、勉強するのも1つの方法です。
面接のお礼メールで感謝を伝えよう
面接のお礼メールを送ると、丁寧な印象を与えられます。入社に対する熱意を伝える機会にもなるでしょう。
少しでも良いイメージを持ってもらうには、必要な要素を全て盛り込み、内容を簡潔に記載します。できるだけ速やかにお礼のメールを送るようにし、誤字脱字などがないようにチェックすることも重要です。
受け取る相手のことを考え、分かりやすく読みやすい文面を作成しましょう。