内定を勝ち取るには最終面接前の準備を怠らず、これまで以上に入念な準備をするべきです。最終面接で何がチェックされているのかを知り、事前に十分な対策をしておきましょう。よくある質問や、答え方のポイントなどを紹介します。
最終面接とは？
最終面接に臨む前に、これまでの面接との違いや目的などをチェックすると、準備がしやすくなります。どんなポイントがチェックされるのか、見ていきましょう。
1次・2次面接と何が違う？
1次・2次面接の面接官は、その企業の人事部や採用担当になった現場の社員などですが、最終面接では『重役が面接官となって最終的なチェックをすること』が大きな違いです。
その企業の要となる人たちが面接官となり、1次・2次面接のときとは違った視点で、応募者の能力・人間性・志望度の高さなどを厳しくチェックします。応募者が仕事を長く続けられるかどうか分からない状態では、採用に踏み切れないためです。
いずれの面接でもそれぞれのポイントを総合的に判断しますが、最終的な判断は重役の役目です。企業によっては、社長が同席する場合もあります。
最終面接の目的は？
最終面接は、企業の重役が1次・2次面接の結果をもとに、ミスマッチを防ぐ目的で行われます。
現場の意見を重視し、ほぼ採用が決まっている状態で重役が最終確認をする目的で面接をする場合もあれば、1次・2次面接同様に重役の目から見て能力や人間性などを細かくチェックされる場合もあります。
希望する企業がどちらのタイプかは分からないので、気を抜かないようにしましょう。
最終面接で通過しやすい・落ちやすい人は？
最終面接までこぎつけたからといって、採用が決定したわけではありません。通過しやすい人や落ちやすい人の特徴を知って、本番に役立てましょう。
通過しやすい人の特徴
『企業理念に対して十分な理解度がある人』は、最終面接に通過しやすいといえます。企業は、自分たちの仕事に共感して働いてくれる人を求めているのです。
最終面接では、応募者と企業がどれだけマッチするか、という点を重点的に見られています。応募者の希望と企業の方向性が違うと、応募者が思い描いている働き方ができません。
入社しても「こんなはずではなかった」と感じて、すぐに辞めてしまうことになります。そうなれば、企業側も手間暇をかけて採用したことが無駄になってしまい、どちらにとってもメリットがありません。
入社後に意欲的に働く姿を思い描ける人なら、熱意を持って長く働いてくれると判断できるので採用されやすくなります。
落ちやすい人の特徴
どんなに能力が高くても、企業理念に合うような価値観を持っていないと落ちやすくなります。例えば、最先端の技術を駆使して働きたい人と伝統的な技術を大切に守っている企業では、相性が悪いと判断されても仕方がありません。
また、発言に一貫性がないと「本気度が低い」と判断されやすく、落ちる原因になります。どのような場面でも、意見がコロコロと変わる人は信頼されません。
一貫性がない人物だと思われてしまうと、1次・2次面接が不十分だったのではないかと感じさせやすくなります。面接官が重役の場合、上辺だけでものを言えば即座に見抜かれるでしょう。
事前に対策するべきポイント
最終面接の前に対策するべきポイントが分かれば、採用される確率が高くなります。当日になって慌てないように、対策法を見ていきましょう。
志望動機を深掘りしよう
志望動機は入社への熱意をアピールできる部分なので、最終面接でも確認の意味を込めて聞かれることが大半です。
最終面接では『なぜ、この業界を志望したのか？』『この企業でなければならない理由』『自分の能力をどのように生かしたいか』を、はっきりと伝えられるようにしておきましょう。
以前に答えたときよりも、より説得力を持って伝えられるように準備しておくことが大切です。自己分析や企業研究が足りないと、十分に掘り下げられないので注意しましょう。
企業研究をさらに深めよう
入社を希望する企業の情報は、常に新鮮なものを把握しておくようにしましょう。『事業内容』や『同業他社との違い』などの企業研究も、さらに深めておくことが大事です。
最終面接では「弊社に足りないものは、何だと思いますか？」「どうすれば業績を伸ばせそうですか？」などの質問をされることが少なくありません。
企業研究が不足していると、的確な答えを出せなくなってしまいます。「面接を受ける前と受けた後で、企業に対する印象がどのように変わったか？」などの質問をされることもあるので、スムーズに答えられるように準備しておきましょう。
キャリアプランの答え方を明確に
『入社後に、どのように働いていくか』を具体的にイメージできている人は、最終面接を通過しやすくなります。
入社して3年後・5年後の姿を思い描いて、どんなふうに働きたいのかをアピールできると、企業側は「将来の展望を見据えて入社を考えている」と判断できるでしょう。
あまりに突拍子もないキャリアプランを立てると、仕事内容に対する理解度が不安視されます。また、キャリアプランが何もない状態だと、「何の目標も持っていないのか」と思われてしまい、評価が下がる原因にもなり得ます。
「5年後には部下を指導する立場になり、昇給して会社の近くに自宅を構えられるようになっていたい」というように、仕事を含めた人生のプランニングについて考えておきましょう。
キャリアプランをこなすには何が必要かという点も掘り下げて考え、答えられるようにしておくことが大事です。
最終面接でよくある質問
どんな質問をされるのか事前に分かっていれば、より念入りに対策できます。最終面接で聞かれることが多い質問の内容と、答え方のポイントを見ていきましょう。
自己紹介と自己PR
最終面接で初めて会う面接官もいるので、改めて自己紹介や自己PRなどをします。応募者側から見ると同じことを何度も答えることになりますが、手を抜かずにしっかりと答えましょう。
これまでの実績や自分の得意分野などを、具体的に説明できるようにしておきます。なかでも、『これまでどんな経験をしてきたか』という要素は企業側が重視するポイントの1つなので、最終面接でも突っ込んで質問される確率が高いといえます。
前職で褒められた経験や、得意だと感じたことを具体的なエピソードとともに紹介し、自分のスキルとしてアピールしましょう。
志望動機
最終的なミスマッチを防ぐために、改めて志望動機を確認される可能性は高いといえます。同じことの繰り返しだと感じるかもしれませんが、最終面接では重役が面接官であることを忘れないようにしましょう。
これまでの面接よりも、より詳細に答えられるようにしておく必要があります。客観的に考えて、具体的でないと感じた部分があれば、修正して的確なものが言えるように準備しておきましょう。
1次・2次面接で発言した内容と『食い違い』がないようにしつつ、内容を充実させることが大事です。例えば、これまでの面接での逆質問で得た知識を混ぜながら、より志望したい気持ちが高まったという方向性にしてもよいでしょう。
応募企業を選んだ理由
企業の重役ともなると、一般社員よりも愛社精神を持っている人が多いので、企業理念に対してより深い掘り下げが必要です。『なぜ、弊社でなければいけないのか』というポイントを、重点的に質問してくることは少なくありません。
「ほかの企業でもよいのでは？」と思われてしまわないように、その企業ならではの特徴を挙げながら自分のやりたいことと結び付けて『この企業でなければならない理由』を答えることが大切です。
企業への理解度が薄いと判断されると、上辺だけで選んだと思われてしまいます。業界研究を通じて、企業が得意としている分野や同業他社との違いなどを言えるようにしておきましょう。
入社後のビジョン
『入社後に、応募者がどのような活躍をしてくれそうか』という点も、企業側が重視する点です。どんなに才能や資質を備えた人物でも、入社後のビジョンがないと仕事に対する意欲や本気度を疑われてしまいます。
最終面接で面接官をする重役は責任ある立場なので、本人の展望が何もなくモチベーションが低い状態では仕事を任せたいと思わないでしょう。
「前職で培ったヒアリング能力を生かし、お客様が心から納得できるような提案をしたい」というように自分のスキルをアピールしつつ、できるだけ具体的に伝えるようにしたい部分です。
要対策！逆質問について
最終面接でも、これまでの面接と同じように逆質問の機会が設けられることが一般的です。逆質問のNGポイントや、考え方をチェックしましょう。
「逆質問はありません」はNG
最終面接では、何も質問がない状態はNGです。『仕事への意欲が薄い』と思われてしまう可能性があります。
1次・2次面接の逆質問だけでは、応募者が知りたいことの全てを知れるとは限りません。仕事への関心が高ければ、それだけ質問したくなることも増えるはずです。逆質問の機会が設けられたら、遠慮せずに質問しましょう。
ただし、これまでのやりとりで出てきた内容や、調べればすぐに分かるようなことを質問するとマイナス評価になってしまうので注意が必要です。
逆質問の考え方
最終面接は、企業の重役に直接質問できる貴重なチャンスだと考えましょう。事業内容や経営戦略について掘り下げた質問をすれば、意欲の高さを伝えられます。
質問の内容には本人の関心の高さが反映されるので、入社後の展望に関する質問をすればやる気をアピールできるのです。
「ゆくゆくは御社の海外チームに加わりたいのですが、語学力や適応力といった基礎的なもの以外に、必要な条件はありますか？」というように『発展的な質問』を心掛けましょう。
反対に「目標を達成できなかった場合、どうなりますか？」というような後ろ向きな質問は、自信のなさをアピールしてしまうことになるので避けるべきです。
事前対策をしっかり行って合格率を上げよう
最終面接では、企業と応募者がどれだけマッチしているかを厳しく見られます。1次・2次面接と同じ質問をされたとしても、より丁寧に内容を掘り下げて答える必要があります。
これまでの面接で答えた内容の根本的な部分は変えずに、よりブラッシュアップしたものを伝えられるようにしておきましょう。
前回・前々回の面接でダメだったと思う点があれば、挽回できるようにしておかなければなりません。最終面接までに不足している部分を補い、後悔のないよう入念に準備しましょう。
