大学生におすすめの資格は?文系と理系、両方におすすめの資格を紹介

卒業後のことを考えて、今のうちから資格を取得したいと考えている大学生は多いでしょう。資格を取得しておけば、就職で有利になる可能性もあります。大学生におすすめの資格として、文系と理系、それぞれのおすすめを紹介するので、参考にしてみましょう。

文系大学生におすすめの資格

簿記

(出典) pixta.jp

まずは、文系の大学生におすすめの資格から紹介します。実用性の高い資格が多いので、その分野で就職しやすくなるケースもあります。ぜひ取得を検討してみましょう。

日商簿記2級

大学の在学中に日商簿記の2級を取得しておけば、企業の経理部門や税理士事務所・会計事務所などへの就職に役立ちます。

日商簿記は、日本商工会議所・各地商工会議所が実施している検定試験で、企業の経営活動による成績や、財務の状況を確認する技能を図るものです。

商業簿記に関する基本的な知識・技能が問われる日商簿記3級は、比較的手を出しやすい資格として知られています。

一方、2級は製造業を対象とする工業簿記も試験範囲に入り、3級よりも難易度が高くなります。その分、実務でも資格が役立つので、ぜひ取得を目指してみましょう。

出典:簿記 | 商工会議所の検定試験

行政書士

行政書士も、文系の学生におすすめの資格です。市役所や県庁など、官公署に提出する書類の作成をする仕事で、資格を取得して独立開業する人も多いのが特徴です。

民法・行政法などの知識が必要で、さらに試験では商法・会社法などの問題も出題されます。2023年度の合格率は13.98%で、他の資格に比べて難易度は高めですが、取得すれば実践的な法律知識を証明できます。

受験資格がなく誰でも試験を受けられるので、学生のうちに取得を目指してみるのもよいでしょう。

出典:一般財団法人 行政書士試験研究センター

日経経済知力テスト(日経TEST)

日経経済知力テスト(日経TEST)は、日本経済新聞社が主催している経済に関するテストです。ビジネスシーンで必要となる経済知識や、知識を仕事に応用できるかを測るもので、全100問の問題を解いて成績がスコア表示されます。

TOEICのように合格基準はなく、全体の平均スコアは501、学生の平均スコアは430と発表されていますので、400~600点ほど取得できれば、ビジネス活動を問題なくこなせるレベルと評価されるでしょう。在学中に高スコアを目指してみるとよいでしょう。

就職活動でアピールできるようになり、面接時の時事問題の質問対策としても有効です。受験資格の縛りはなく、誰でも受験できます。

出典:日経TEST【個人用】

理系大学生におすすめの資格

タイピング

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次に、理系の大学生におすすめの資格を紹介します。数ある資格の中でも技術系のものがおすすめで、その分野のエキスパートとして認められるようになるでしょう。

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、情報技術の基本知識・技能を問うものであり、ITエンジニアを目指す人の登竜門とされている資格です。

システム・ソフトウェア作成の基本知識や、技能が証明できる国家資格であり、受験資格も設けられていないため、学生のうちに取得できる資格の1つです。

大学生の合格率は2023年度合計で60.9%(2024年2月時点)なので、しっかりと勉強しておけば、比較的合格しやすい試験といえるでしょう。IT企業を目指す理系の学生におすすめです。

出典:基本情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

ウェブデザイン技能検定3級

ウェブデザイン技能検定は、Webサイトの制作に必要な知識・技能を問う試験で、「特定非営利活動法人 インターネットスキル認定普及協会」が実施しています。取得すれば、Webサイトの作成技能を証明でき、Web業界への就職に役立つでしょう。

検定は3〜1級まであり、2級・1級は受検資格に実務経験や大学卒業などの条件が求められます。3級のみ誰でも受検が可能なので、大学生は3級の取得を目指すとよいでしょう。全ての等級が国家検定扱いとなるので、広く技能をアピールできます。

出典:ウェブデザイン技能検定 - ウェブにかかわる全ての人のための、国家検定

知的財産管理技能検定3級

知的財産管理技能検定は、アイデア・創作物など知的財産のマネジメントスキルを測る国家試験です。知的財産教育協会が実施しており、難易度により3〜1級までの試験があります。

3級は学科試験と実技試験が設けられているので、受検者はいずれも合格を目指さなければいけません。どちらも、満点の70%以上の取得が合格基準です。3級ならば受検資格に実務経験は問われず、大学生でも受検できるのでおすすめです。

出典:国家試験 知的財産管理技能検定 トップ

文系・理系を問わずおすすめの資格

運転

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続いて、文系・理系を問わず、広くおすすめできる資格を紹介します。ITを活用する人に必要なスキルを証明できるITパスポートや、仕事で自動車を運転する際に必要な普通自動車免許証などは、大学生のうちに取得しておくと便利です。

ITパスポート試験

ITパスポート試験は、情報処理技術者試験を構成する国家試験の1つで、ITに関する基礎知識が問われるものです。

ITエンジニアのみならず、ビジネスシーンでITを活用する事務職・営業職にもおすすめで、受験資格はなく誰でも受けられます。大学生の受験者数も多いのが特徴で、文系・理系を問わず必須とされる、IT知識を担保できるでしょう。

大学生の合格率は2023年度合計で46.3%(2024年2月時点)なので、比較的しっかり勉強する必要があるといえます。情報処理技術者試験の第一歩として、受験するのもよいでしょう。

出典:【ITパスポート試験】情報処理推進機構

普通自動車運転免許

普通自動車運転免許は、一般的に「運転免許」と呼ばれることも多い国家資格です。普通自動車を運転する人は必ず取得しなければならないため、卒業後に備えて学生時代に取る人も多くいます。

大学生の場合は、講義の合間に教習所に通ったり、長期にわたる夏休み・冬休みを利用して合宿で取得したりできるのでおすすめです。

就職後に車関係の仕事に就くわけではない人も、自動車の運転が必要な場面も出てくる可能性があるので、取得しておくとよいでしょう。

出典:運転免許|警察庁Webサイト

大学生が資格を取得する際のポイント

勉強をする女性

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大学生が資格の取得を目指す際には、以下のポイントも意識しましょう。就職前に趣味系の資格を取得したり、資格のためにスクールに通ったりするのもおすすめです。

趣味系の資格もおすすめ

大学生のうちに、趣味に関する資格を取得しておくのもよいでしょう。就職後はなかなか時間が取れない人も多く、資格を取得するにしても、仕事に関連するものが多くなりがちです。

社会人になる前に、「ファイナンシャル・プランナー」や「心理カウンセラー」などに関する資格、さらに「アロマテラピー検定」や「カラーコーディネーター検定」といった多くの資格を得ておくと、就職活動でも役立ちます。

独学・スクールの選択は柔軟に

取得したい資格によっては、実技のためにスクールに通う必要がある場合も少なくありません。独学よりも合格に近づきやすく、効率的に勉強できるのがメリットです。

しかし、スクールに通うには相応の費用がかかるので、経済的に厳しいと考える人もいるはずです。独学でも十分に合格できる資格も多いので、取得する資格に合わせて、スクールに通うべきか慎重に検討しましょう。

近年はYouTubeなどの動画でも、資格試験に役立つ情報が発信されており、独学でも必要な知識を身に付ける手段は多くあります。

大学3年春までの取得を目指す

大学生のうちに資格を取得するなら、できるだけ3年生の春までの取得を目指しましょう。大学3年になると就職活動が始まり、資格試験の勉強時間が取れない可能性もあります。

また、資格の内容を履歴書・エントリーシートに記載するためには、事前に取得しておかなければいけません。

就職活動が早い人であれば、大学3年の5月時点で就職先を選定し、夏季のインターンシップに参加する場合もあります。応募書類や面接などでアピールするなら、早めに取得する資格を決めておき、計画的に勉強を進めるようにしましょう。

資格取得はタイミングも併せて考えよう

セミナーを受ける

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大学生におすすめの資格には、文系は日商簿記2級や行政書士、理系は基本情報技術者試験やウェブデザイン技能検定3級などがあります。

いずれも実用性の高い資格であり、関連する業界に就職する場合、資格の取得が有利に働くケースも多いでしょう。

取得した資格を就職活動でアピールする場合は、就職活動がスタートする前に取得しておくことが大事です。取得のタイミングをよく考えて、計画的に勉強を始めるようにしましょう。