求人に「経験者優遇」と書かれていると、未経験者が応募してよいのか迷うケースもあります。どのような意味で、経験者優遇と書かれているのでしょうか？言葉の意味と、未経験者が応募するときに気を付けたいポイントを紹介します。
求人票における「経験者優遇」の意味は？
求人票に経験者優遇と書かれている場合、何を意味するのでしょうか？そのまま読むと、同じ職種に転職する経験者が優遇されるように読み取れます。一般的にどのような意味で使われているのか、確認しましょう。
経験者が優先される
企業が「経験者優遇」と求人票に書く場合、できれば経験者を採用したいという意味です。優先したい意図を示しているだけで、未経験者の応募を制限するものではありません。
経験者が応募した場合、未経験者が採用されるケースはまれです。応募者が未経験者だけだとしても、企業が求めている能力がないと判断されれば、採用が見送られます。経験を上回る魅力がなければ、未経験で採用される可能性は低いでしょう。
併せて、「必須資格」や「必須条件」も確認しなければなりません。必須条件が設定されている場合、スキル・知識のない完全未経験者は、応募の対象から外れる可能性があります。
未経験者でも採用の対象
経験者優遇と書かれていても、未経験者が採用されやすい企業もあります。特に簡単な仕事であれば、経験者と未経験者の差はほとんどありません。経験以外の評価が高ければ、問題なく採用が決まるでしょう。
「経験者優遇」のほかに、「○○ができる人歓迎」「未経験からのスタートも多数」のような文言が書かれていれば、経験者だけを希望しているわけではありません。
資格を取得していてスキルを示せる場合、経験者とほとんど同等に扱われる可能性もあります。そのほか、似た仕事の経験があれば、評価されるかもしれません。
求人情報を確認し、仕事内容や必要なスキルを見た上で対応可能と判断できる場合、応募する価値はあります。
企業が「経験者優遇」で募集する理由
求人票で経験者を優遇する理由は、いくつかあります。なぜ企業が経験者を採用したいと考えているのか、主な理由を確認しましょう。
即戦力が欲しい
経験者を求めている企業は、即戦力として働ける社員を採用したいと考えています。あえて「優遇」と書かれていれば、一般の転職よりもスキル・経験重視の求人と判断できるでしょう。
未経験では育成の必要がありますが、経験者なら自社のルールを教えるだけですぐに活躍できます。業界の基本的な決まりも分かっており、改めて説明する必要はありません。
転職してすぐに、高いレベルの仕事を求められる可能性もあるでしょう。
未経験者を育てる環境が整っていない
未経験者を育成する時間や人員がいない場合、経験者を求める可能性があります。ほとんどの社員が自分の仕事で忙しい場合、新人の育成は難しいでしょう。
人員の都合だけでなく、コスト削減の意図があるケースもあります。経験者を積極的に採用すると、研修や教育にコストがかかりません。
また、経験のない人では難しい業務である場合も、経験者を優遇する傾向です。一般の業務よりも新人教育にコストがかかり、独り立ちするまでに時間もかかるためです。
未経験者が応募する際のポイント
未経験者が経験者優遇の求人に応募する場合、何に気を付ければよいのでしょうか？求人内容をよく読み、必要なスキルを確認するだけでなく、納得できる条件かどうかを確認するのが基本です。主なポイントを紹介します。
経験不足を他のスキルで補えるか
経験者を強く求めている企業に未経験者が応募する場合、不採用の可能性は高くなります。関連スキルや業界知識もなく、完全未経験では難しいでしょう。
企業ができるだけ経験者を採用したいと考えている以上、何らかの強みがなければ採用には至りません。たとえ同じ業務の経験がなくても、即戦力として働ける根拠があるなら、積極的にアピールしましょう。
異業種の経験でも、転職後に生かせるケースが多々あります。汎用スキルや生かせる経験を伝えることで、採用の確率は上がるでしょう。
給与が低い可能性を考える
「経験者優遇」ということは、経験者に何らかの優遇措置が取られるということです。採用のされやすさだけでなく、給与面でも差がつく可能性があります。
給与面の差が、求人情報にはっきり書かれているとは限りません。経験者や有資格者には、別途手当が出るケースもあります。
なお、未経験者の給与が、転職前よりも低くなるかどうかは企業によります。条件を確認し、待遇面で納得がいかない場合は、別の企業を検討しましょう。
研修制度を確認
研修制度が設けられている企業では、未経験者でも仕事の流れを学びやすくなっています。異業種転職では、研修制度の有無を確認しましょう。
研修制度が充実している企業は、未経験者を育成する環境が整っています。未経験で採用された後、環境が整っていれば慣れるまでに時間もかかりません。
指導役の社員がいる場合は新人研修のような形を取るとは限りませんが、一定期間の指導が受けられる環境であるか、確認しておきましょう。
「経験者優遇」に関するQ&A
条件が書かれている求人に応募する際は、自分が応募できる対象なのか、採用の可能性はあるのかが気になるものです。経験者優遇と書かれている場合の、主な疑問点をまとめました。
どれくらいで「経験者」になる？
「経験者」の定義は、特に決まっていません。期間を問わず、実務経験があれば経験者です。期間が短いのではないかと気になるときは、経験した期間と可能な業務内容を伝えれば問題ありません。
どの程度の経験が必要になるかは、求人内容によって異なります。業務を1人で遂行していたのであれば、経験があるとはっきり言えるでしょう。
採用されるかどうかは、他の応募者との比較で決まります。たとえ数カ月程度の経験でも、他の応募者が未経験なら「経験がある」といえるでしょう。
ただし、経験が短期間で終了した理由が退職の場合、経験の有無よりも早期離職のイメージで評価が下がる恐れがあります。
すぐに辞めたという理由でなければ、応募をためらう必要はありません。採用の可能性がありそうなら、チャレンジしてみるのもよいでしょう。
経験者は何が優遇される？
経験者が優遇される内容は、企業によって異なります。求人情報の条件として書かれている場合、書類選考・面接での評価が優遇されるパターンが多いでしょう。
そのほか、給与や待遇が優遇されているケースもあります。未経験者に比べて給与が高く設定されているか、重要なポストを任されるのがメリットです。
優遇とは異なりますが、研修期間が短くなり、すぐに本格的な仕事に取りかかれる職種もあります。試用期間が短くなり、給与が早く上がる可能性も考えられそうです。
派遣・アルバイトでも経験になる？
派遣・アルバイトで該当職種・業務の経験がある場合、経験があると伝えても問題はありません。ただし、判断するのは企業です。
職種によっては派遣・アルバイトと正社員の業務に大きな差がなく、経験者として優遇される可能性は高いでしょう。
しかし、携わる業務が大幅に異なる場合、経験があるとは判断されないかもしれません。求人内容をよく読み、経験がある業務なのか確認しておきましょう。
派遣・アルバイトの場合、数日間の短期業務では経験と見なされない可能性もありますが、アピールしてみることが大切です。
経験者優遇の求人内容を見極めよう
経験者優遇は、経験者を採用したい企業が求人に書くフレーズです。単に多くの人に応募してもらいたいと考え、経験者優遇・未経験OK・経験不問などさまざまなキーワードを盛り込んでいる企業もあります。
経験者優遇以外に何らかの条件が設定されている場合は、難易度の高い仕事である可能性が高いでしょう。
「スタンバイ」でも、経験者優遇の求人をチェックできます。経験者にとって魅力的な求人ですが、未経験者の応募が制限されているわけではありません。もし自分のスキルが生かせそうなら、未経験でもチャレンジしてみましょう。
