営業職をはじめとして、一定のノルマを課される仕事は多くあります。順調にノルマを達成して収入を伸ばしている人がいる一方で、うまく達成できずに悩んでいる人も多いでしょう。ノルマを達成できない場合の対処法や、現状を変えるポイントなどを解説します。
ノルマを達成できない原因は？
仕事でノルマを達成できずに悩んでいるならば、自分なりに原因を明らかにすることが大事です。具体的に何を改善すべきか、まずは原因を見ていきましょう。
自分に問題があるケース
まずは、ノルマを達成できない理由は何か、冷静に考えてみましょう。単に仕事量が足りず結果を出せていないならば、アプローチの数を増やすことで成績アップを実現できる可能性があります。
仕事に必要な知識やスキル不足が原因で、思うような成果につながらない場合は、積極的に補う姿勢が重要です。
また、会社がなぜノルマを課しているのか、理解できていない場合も考えられます。特に営業ノルマは、会社の売り上げ維持に欠かせない要素であり、多くの社員がノルマを達成できなければ、最終的に倒産に追い込まれる恐れもあります。
社員としてノルマを達成する意識が希薄だと、会社にとって不要な存在だと見なされる可能性もあるでしょう。
自分にとっても、ノルマは必要な要素だと自覚することが大切です。積極的にノルマの達成を目指すマインドに切り替えることで、昇進や収入アップにつながりやすくなります。
達成不可能なノルマであるケース
ほとんどの場合において、会社が社員に課すノルマには意味があり、事業の継続に必要です。しかし、企業によっては社員に達成不可能なノルマを課してしまうケースもあります。
どれほど努力を重ねても、とても達成できそうにないノルマを抱えている場合は、上司に相談してみるとよいでしょう。
自分に問題がある場合は考え方や行動を改めなければなりませんが、あまりに過剰なノルマを課せられているならば、環境を変える決断も必要です。
ノルマを達成するためのポイント
安定してノルマを達成するためには、以下のポイントを意識して仕事に臨むことが重要です。ノルマを達成できない状態が続いているならば、商品知識の向上やスキルアップなどに努めましょう。
自社製品・サービスの知識を深める
営業活動でのノルマを達成するために、自社の製品・サービスの知識を深めておきましょう。営業の際には顧客に対して自社製品の利便性や魅力をアピールし、購入のメリットを感じてもらうことが重要です。
どのような点が他社の製品と異なるのか、どのような使い方をすれば顧客の抱える問題の解決につながるのかなど、うまく説明できるようにしておきましょう。他社製品との違いを理解し、顧客からの質問にきちんと答えられるようにする必要があります。
大きな目標から小さな目標に分解する
会社が社員に対して課すノルマは、1日・1週間・ひと月あたりなど会社によってさまざまなパターンがありますが、何の指針もなしに達成するのは難しいでしょう。示されたノルマをそのまま達成しようとしても、行動が伴わないケースが多く、途中で挫折してしまいがちです。
そこで最終的にクリアすべきノルマを分解し、小さな目標に落とし込むことで、日常の業務や行動に反映させることが大事です。
目標を容易に達成できるレベルにまで細分化すれば、モチベーションを維持しながら、最終的なノルマの達成につなげられます。
傾聴力を磨く
ノルマの達成には顧客の話に耳を傾け、相手のニーズや抱えている問題・課題を正しく認識することが大切です。対話を通じて顧客が何を欲しているのか、何に困っているのかを把握するように努めましょう。
まずは相手の話を聞いた上で、製品・サービスがどのように相手の問題・課題を解決できるのか、分かりやすく説明することが大切です。傾聴力を磨けば、顧客に有益な提案ができるようになり、信頼関係の構築にもつながります。
ノルマを達成している同僚をまねる
うまくノルマを達成できないならば、優秀な成績を上げている同僚を参考にしてみましょう。安定してノルマを達成している同僚の働きぶりを確認すれば、自分の行動に足りないものが分かるようになります。
自分の行動に落とし込める部分があれば、まずはやり方をまねることから始めましょう。営業の仕方やアプローチの方法など、成功につながる要素を聞いてみるのもおすすめです。
ノルマを達成するのは義務なの？
営業ノルマは社員にとっても、組織で長く働くために重要な要素です。しかし、いくら努力してもノルマを達成できない人もいるでしょう。社員にとって、ノルマは必ず達成しなければならない義務なのでしょうか？
義務ではなく目標
一般的にノルマは達成が推奨されるものの、基本的に目標の一種です。企業と雇用契約を結んで社員として働く場合、労働力を継続的に提供する義務はありますが、数値的な目標の達成義務が課されているわけではありません。
ノルマを達成できないからといって、その理由だけで解雇につながるケースはないでしょう。ただし上司から叱責を受けたり、昇進や昇給に悪影響を及ぼしたりする可能性はあります。
また、歩合制やインセンティブ制の場合、実績を残せなければ給与が下がってしまう場合もあるでしょう。
ノルマ未達によるペナルティーについて
ノルマの達成度合いが昇進・昇給に影響する可能性はあるものの、企業がノルマを達成できないことを理由として、社員を解雇するのは不当と見なされる場合もあります。
企業が労働者を解雇する場合、労働基準法や労働契約法などの法律要件を満たさなければなりません。社員の能力不足を背景として解雇できるケースもありますが、当該社員に過剰なノルマを課していた場合は、不当解雇と判断される可能性があります。
とても達成できないノルマを日常的に課されているならば、まずは上司や人事部門に相談してみましょう。それでも状況が改善しない場合は、精神的に追い詰められてしまう前に、労働基準監督署や弁護士への相談を検討することも大事です。
ノルマを理由に転職するのはあり？
不当なノルマを課されている場合は、人事部門や労働基準監督署などに相談すべきです。しかし人によっては、周りについていけないことからノルマを達成できないこともあるでしょう。ノルマが達成できず仕事がつらいと感じる場合、転職を検討するのは有効でしょうか？
無理をしすぎないことも大切
ノルマを達成するために、自分なりにやれることを実践したものの、状況が改善しない人もいるでしょう。ノルマが厳しく仕事がきついと感じるならば、無理に働き続けるよりも異動や転職を検討するのが有効です。
特に営業ノルマを達成できない人の中には、営業自体が向いていないケースもあります。自分のこれまでの実績を振り返り、営業の仕事を続けるべきなのか、ほかに自分の強みを生かせる仕事はないか、じっくりと考えてみましょう。
思い切って転職することで、自分に合った仕事に就ける可能性があります。
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転職活動する場合の退職理由の考え方・答え方
転職を決意したならば、面接の対策を徹底しましょう。ネガティブな理由から転職を決めたとしても、面接ではポジティブな理由を伝えることが大事です。
例えばノルマが厳しすぎて転職したい場合、応募先では「数字にとらわれず顧客に貢献したかった」といったように、うまく理由を転換して説明する必要があります。
また、転職先でノルマに追われないためにも、応募先の企業をしっかり調査しましょう。営業体制がどのようになっているか調べた上で、無理なく働けるか判断することが大切です。
実際にできることから動いてみよう
なかなかノルマを達成できないならば、一度冷静に原因を考えてみることが大事です。自分に問題があるならば、改善すべき点を洗い出しましょう。製品の知識を深めたり優秀な社員の行動を参考にしたりと、自分なりに努力を重ねる必要があります。
一方、とても達成できないノルマを課されているならば、上司や人事部門に相談しましょう。それでも状況が改善されない場合は転職を検討するのも有効です。精神的に追い詰められる前に、自分に合った仕事を探してみましょう。
仕事を続ける場合も、転職で新たな職に就く場合も、しっかりと検討した上で納得できる道を選ぶことが大事です。
