人見知りを治したい!3つの改善方法とコミュニケーションのコツ

「人見知り」は、人の性格を表す言葉としても知られています。具体的にどのような人を指すのでしょうか?一般的な定義を解説します。よくある特徴や、人見知りが起きる原因も確認しましょう。改善や緩和のためにできることも、併せて紹介します。

人見知りとはどういう人?

女性の後姿

(出典) pixta.jp

「私は人見知りで…」「人見知りを治したい」など、「人見知り」はコミュニケーションに関連する場でよく聞く言葉です。何らかの定義はあるのでしょうか?一般的な傾向を紹介します。

人見知りの定義

「人見知り」は心理学で、主に乳児期の子どもが見知らぬ人に対して恐怖・不安を感じている状態を指す用語です。しかし、初対面や親しくない人とのコミュニケーションが苦手な性格傾向を指す一般的な言葉としても、多くの人に使われています。

内気・消極的・引っ込み思案といった言葉と同じように使われるケースもありますが、基本的には「一時的なコミュニケーションの問題」です。慣れていない人に対して、消極的になってしまう様子を表します。

大人が「人見知りだ」と言う場合、「あまり親しくない相手とのコミュニケーションに不安を感じやすい性格である」と考えられるでしょう。人前で話すことが苦手な人や、初めて会った人とうまく会話できない人も、該当するといえます。

年齢を問わず、会話や対面を繰り返すことで、不安・緊張が軽減されていくケースが一般的です。新しく出会った人に慣れるまで、時間がかかりやすい性格傾向といえるでしょう。

「慎重な人」と言い換えることもできる

「人見知りの人」を良い意味に言い換えると、「慎重な人」ともいえます。基本的には見知らぬ人に対する恐怖・不安が原因で消極的な態度になっているため、慣れてくるとコミュニケーションは可能です。慎重に相手を見極め、仲良くなっていきます。

初対面の人を安易に信用しない姿勢は、悪いことではありません。相手を見極めるために様子をうかがっている場合は、人間関係のトラブルに巻き込まれにくいといったメリットもあります。

慎重に付き合う人を見極める代わりに、狭く深い人間関係を築く人も多いでしょう。親しい相手に対しては心を開き、良好なコミュニケーションを取れるようになります。

人見知りをする人の特徴

考え事をする女性

(出典) pixta.jp

親しくない相手に対して不安を感じ、消極的な態度になってしまう人にはどのような特徴があるのでしょうか?主なパターンと、特徴を紹介します。

基本的に受け身

初めての場所で不安が強くなる人は、受け身で自己主張が少ない傾向があります。人とのコミュニケーションに不安があると自然に口数が少なくなり、消極的に見えるものです。

緊張している場面では、なかなか積極的にはなれません。不安が強くなる場面では、特に受け身な傾向が見られるでしょう。

親しくなったときに素の性格が現れるため、初対面のときと性格が変わったように見られるケースもあります。ずっと消極的な態度が続いて全く慣れない場合は、元々内気な性格なのかもしれません。

他者からの評価が気になる

周りの評価を気にする人は、初対面の相手に対して消極的になるケースがあります。相手がどのような反応をするかが分からず、批判や誤解を避けるために控えめな態度になってしまうのです。話しかけず、会話を最小限にとどめれば、ほとんどトラブルにはなりません。

「大勢の前で話すのが苦手」「知らない人の前で自己主張ができない」といった人も、評価を気にするタイプです。自分に自信がなく、意見を言っていいのか迷っているケースもあります。

時間をかけて打ち解けると、相手の真意や反応が予想でき、緊張・不安は軽減されるでしょう。

人に興味がない・信用できない

基本的に人に興味がない人や、知らない人を信用できないと思っている人は、よく知らない相手に対して積極的なコミュニケーションを取ろうと考えません。

興味がない場合、自分から話しかけるという行動に出るケースはまれです。仕事や契約など、話す必要がある場面ではコミュニケーションが取れる可能性はありますが、雑談はしにくいでしょう。

相手が信用できないと考えている人は、あえて話さないように一歩引いてしまいます。警戒心から相手の動向を探ろうとするために、消極的な態度に見えてしまうことがあるでしょう。

人見知りをしてしまう原因

悩む男性社員

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乳児の人見知りは、人に対する興味と恐怖が組み合わさって発生するといわれます。しかし、大人になっても人見知りの傾向が続くケースは多いようです。思春期や大人になっても続く人見知りは、何が原因なのでしょうか?

人・環境に対する防御反応

乳児の人見知りと同様に、警戒心や恐怖によって防御反応が起きると、人とのコミュニケーションに不安を感じるようになります。新しく出会った人や環境に対して、緊張しているケースが該当するでしょう。

初めて行った場所で、知らない人を警戒する心情は、誰にでもあるものです。何が起こるか分からず、相手がどのような反応をするかも想像がつかないため、不安が強くなってしまいます。

慣れるまでの間は、積極的なコミュニケーションを取るのが難しいかもしれません。人や環境に慣れていないだけであれば、時間が経過すると改善できるでしょう。

人間関係のトラウマがある

過去に人間関係で何らかの問題が起きた場合、人見知りにつながっている可能性があります。批判・攻撃を受けた経験や、自らの失敗で恥ずかしい思いをしたなど、原因はさまざまです。

過去の体験から「積極的に話しかけるのは避けた方がよい」と判断してしまうと、初対面の人に対する警戒心が強くなります。誰にも話しかけず、おとなしくしていればトラブルが起きることはほとんどありません。

原因となっている問題が例外的なケースであれば、コミュニケーションに成功する体験を積み重ねることで、上書きも可能です。

完璧主義で弱みを見せたくない

完璧主義の人は、人との距離を一定に保つ傾向があります。コミュニケーションを取るときも、自分の弱みを見せないよう言葉を選ぼうとするためです。

特に、よく知らない相手と話す場合は、相手の情報がほとんどありません。コミュニケーションを取る上で何を話せば正解なのか悩んでしまい、言葉が少なくなりがちです。あまり話さず、情報が出てくるまで待つようにすれば、失敗を避けられます。

不安・緊張をあらわにするタイプとは異なり、様子をうかがうタイプと考えられるでしょう。

大人の人見知りには問題がある?

悩む女性

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乳児や子どもの場合、人見知りは一時的なものといわれています。しかし、それがずっと継続している場合、不具合も生じてくるでしょう。どのようなケースがあるのか紹介します。

ストレスになる

小さい子どもの場合は、人見知りがあっても「親に助けてもらう」「できるだけ仲の良い友達とだけ遊ぶ」といった対策が取れます。一緒に進学した仲間が多ければ、人見知りもそれほど気にならないかもしれません。

しかし、大人の場合、仕事やプライベートの事情でよく知らない相手と話すこともあります。人見知りだからと、誰かに代わってもらうのも難しいでしょう。

コミュニケーションを完全に断ち切ることが難しいと、ストレスがたまります。コミュニケーションがうまくいかず、自分を責めてしまうケースもあるでしょう。

仕事に支障が出るケースも

大人になると、仕事で知らない人と会う機会が増えます。全く人と関わらず、仕事を進められるケースはまれでしょう。

人見知りが原因でうまく話せず、消極的な態度が続くと、仕事に支障が出るケースも考えられます。自分の考えや意見を伝えられないだけでなく、評価にも影響するかもしれません。

たとえ慣れるまでの一時的な問題だとしても、初めて会う人とコミュニケーションが取りにくいとなると、顧客や取引先の対応も難しくなります。仕事で人と接する機会が多い場合は、改善を心掛ける方がよいでしょう。

人見知りを改善・緩和する方法

胸に手を当てる

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どうすれば、消極的なコミュニケーションを改善できるのでしょうか?できるだけ不安・緊張を緩和し、コミュニケーションを取るための心掛けを紹介します。まずは、できることから始めてみましょう。

気にしているのは自分だけと言い聞かせる

人見知りをしてしまうほど周りが気になる場合は、「自分が思っているほど周りは自分に注目していない」と言い聞かせてみましょう。

ほとんどの場合、周囲の人が特定の人物に注目し、じっと見守っているわけではありません。普段通り気負わず振る舞っていれば、その場の雰囲気に溶け込めます。よほど大きなトラブルを起こさなければ、突然嫌われてしまう心配もほとんどないでしょう。

また、初対面では相性が良いかどうかも分かりません。もし話がはずまない人がいたとしても、単なる相性の問題であると割り切りましょう。出会った人全てと仲良くなれると考えず、自分を責めないことが大切です。

自分を好きになる・自信をつける

自分を好きになり自信を持っていれば、人の反応を過度に恐れず、初対面の相手とも気後れせずコミュニケーションが取れるはずです。

自分に自信がなく責める傾向があると、「自分の態度や話し方が悪いのではないか」と相手の反応を気にしてしまいます。不安が表情や態度に出ると、相手も戸惑ってしまうでしょう。

自分自身を認め、自信を持つことが重要です。しかし、根拠もなく自信を持つのは難しいかもしれません。

そのため、まずは納得いく結果を出せるよう、努力を重ねましょう。勉強・運動だけでなく、自分が得意な分野や趣味を頑張ったり、身だしなみを整えたりといった方法も効果的です。

相手・人に興味を持つ

あまり親しくない人や初対面の人と話すときは、共通の話題が分からず、何を話せばよいか悩むことも多いでしょう。相手が質問してくれたとしても、答えを考えるのも大変です。

話題が思いつかず悩むときは、相手に興味を持ち、聞きたいことを質問してみましょう。自分から質問する勇気は必要ですが、相手の質問に答えようと緊張し続けるよりは、話を聞いている方がリラックスできます。

質問は、簡単な内容で問題ありません。仕事で会った人であれば、最近の仕事内容や共通の知人に対する質問でもよいでしょう。相手の背景が全く分からない関係性の場合は、出身地や趣味など、聞いてみたいことを質問するのもよいかもしれません。

人見知りのためのコミュニケーション術

対面で話す

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自分から性格の傾向を伝えなくても、行動・言動によって周囲から「人見知りなのかな?」「話しかけられるのが嫌なのかも」と判断される可能性があります。

スムーズなコミュニケーションを取るには、どうすればよいのでしょうか?対人関係を良好にするためのコツを紹介します。

話すときはうつむかない

話すときにうつむくと、声が通りにくくなります。消極的な印象を与える可能性も高いため、相手の顔を見て話しましょう。眉間や口元など、顔の真ん中をぼんやりと見つめていれば、強い威圧感を与える心配もありません。

しっかり視線を合わせて相手の反応をうかがう余裕があれば、社交的な印象も与えられます。顔を見て話すのが難しいときは、喉の辺りを見るようにしてみましょう。

大勢の人の前で話すときも同様です。うつむかず、周りの人たちに視線を向けましょう。特定の人をずっと見る必要はなく、話しながら全員に向けて視線を移していくのがベターです。

無理に話すより「聞き役」になる

話そうとするとどうしても緊張してしまう場合は、相手の話を聞くようにしましょう。何か質問をされたときは簡単に答え、相手にも同じ内容を聞き返すと話を膨らませやすくなります。

自分のことを深く話すのではなく、相手の話を深掘りしていきましょう。趣味についての話題になったとすれば、相手の趣味を聞き、詳しい内容も質問していきます。

「最近はどのようなことをしたのか」「○○の中で特に好きなものは何か」「きっかけは何だったのか」など、話を膨らませるポイントはいくつもあるでしょう。

相手が話したい内容であれば、相づちを打つだけでも話が進んでいきます。

聞き役になるときのコツ

聞き役になるには、相手が話したくなるような空気をつくらなければなりません。

もし、「趣味は?」と聞いて「○○です」とだけ回答があった場合、追加で趣味について質問するか、別の話題を提供する必要があります。相手が話したいようなそぶりがあれば、積極的に同じ話題を深掘りしましょう。

相手が話し始めたときは、興味を持っているように振る舞うのがポイントです。黙って聞いているだけでは、相手も「この話はつまらないのかも」と考えて、話を終わらせてしまいます。

相づちを打ち、続きがありそうな話には「その後どうなったのか」「○○についてもっと詳しく教えてほしい」など、話を聞く姿勢をアピールしましょう。

人見知りの「良い部分」を伸ばしていこう

女性社員

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人見知りであっても、人や環境に慣れていけば実力を発揮できるようになります。しかし、初対面の人と話す機会や発表の場で実力を出しきれないのは、本人にとっても大きな課題です。

緩和のために考え方を変えるなど、対策も必要になるでしょう。無理に社交的に振る舞うのではなく、できるだけ聞き役に徹するのもおすすめです。

人見知りが原因で職場になじめないと悩んでいる場合は、自分の性格を生かせる仕事を探すのもよいでしょう。「スタンバイ」でも、多様な求人を確認できます。

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