夏季休暇の平均日数とは?知っておきたい基本知識とリフレッシュ方法

夏季休暇は、ビジネスパーソンにとっても、仕事の疲れを癒やしリフレッシュできる良い機会です。休みの日数は企業によって異なるので、他の企業の休暇が気になる人もいるでしょう。夏季休暇の平均日数を含め、基本的なところを解説します。

この記事のポイント

夏季休暇の平均日数
夏季休暇がある企業はお盆の期間に合わせて設定する企業が多く、平均付与日数は4.4日となっています。
多くの企業は夏季休暇を設けていない
夏季休暇は特別休暇(法定外休暇)となり、夏季休暇を設定していな企業の割合は62.2%とされています。
夏季休暇と年次有給休暇の関係
夏季休暇を年次有給休暇の計画付与日として、設定している企業も少なくありません。就業規則を確認してみましょう!

夏季休暇の平均日数

風鈴

(出典) pixta.jp

夏季休暇の具体的な日数は企業によって異なります。まずは、企業の夏季休暇について、平均日数はどの程度か知っておきましょう。

平均は4.4日

厚生労働省の2019年の「就労条件総合調査」によると、夏季休暇がある企業の1回当たりの夏季休暇の平均付与日数は4.4日です。お盆の期間である8月13〜15日を含め、夏季休暇を設定する企業が多いでしょう。

ただし、ライフスタイルが多様化している近年では、労働者が自由にタイミングを決められるところも珍しくありません。どの程度の夏季休暇を提供するかは、企業が任意に決められるので、転職先を検討する際には必ず調べておきましょう。

出典:平成31年就労条件総合調査 結果の概況|厚生労働省

夏季休暇がない会社もあり

そもそも、夏季休暇を設定していない企業も少なくありません。厚生労働省による2023年の「就労条件総合調査」を見ると、夏季休暇を設けている企業の割合は37.8%であり、62.2%の企業は夏季休暇を設定していないことが分かります。

企業が夏季休暇を設定しなくても法的には何の問題もないため、お盆にしっかり休みたい人や、夏に長期の旅行などをしたい人は、夏季休暇のある企業への転職を考えるとよいでしょう。

一方で、年次有給休暇の取得は労働者の権利であり、会社が夏季休暇を設定していなくても、年次有給休暇を活用して休むことは可能です。

出典:令和5年就労条件総合調査 結果の概況|厚生労働省

夏季休暇は「休日」ではない?

浴衣姿の女性

(出典) pixta.jp

夏季休暇と一般的な休日とは、何が違うのでしょうか?労働者にとって、どちらも休める日である点は変わりませんが、法的には位置付けが異なります。ここで理解しておきましょう。

「休日」と「休暇」の違い

企業で働く労働者にとって「休日」とは、もともと労働義務のない日です。一方で「休暇」とは、本来は労働日であるものの、労働義務が免除される日を指します。

労働基準法により、使用者は労働者に対して、休日は1週間に少なくとも1日、4週間に4日以上与えなければならない、と決められています。これに従って与えられる休みが「法定休日」であり、労働者ならば当然に休むことが可能です。

さらに、企業が就業規則で任意に定めている「所定休日(法定外休日)」も、労働者は働く義務を持たないので自由に休めます。

休暇には、労働者が要件を満たす場合に企業が必ず付与する「法定休暇」と、就業規則に基づいて任意に与える「特別休暇」などがあります。

休暇は労働者の意思を尊重する性質のものであり、労働者が任意に取得できる点において、休日とは異なるので覚えておきましょう。

夏季休暇と年次有給休暇の関係

基本的に夏季休暇は特別休暇(法定外休暇)ですが、企業によっては夏季休暇ではなく、年次有給休暇の計画付与日になっている場合もあります。

すなわち、夏季休暇を法定休暇と見なしているケースであり、労働者にとっては休める日が減っている場合もあるので注意しましょう。

法定外休暇は、企業が任意に定めることが可能なので、労働者が自由なタイミングで取得できる年次有給休暇(法定休暇)の5日間を残せば、ほかは夏季休暇として計画付与も可能です。

ただし、法定外休暇に関しては、企業はどのように付与するかを就業規則に記載しなければいけません。

もし、法定外休暇に関して就業規則に不記載だったり、一切説明がなかったりした場合、労働者にとって不利な変更(不利益変更)がされている可能性があります。企業側に確認するようにしましょう。

出典:労働基準法(年次有給休暇)第三十九条第6項|e-Gov法令検索

出典:4. 年次有給休暇の計画的付与について【労働基準法第39条関係】|厚生労働省

夏季休暇に関するQ&Aもチェック

Q&A

(出典) pixta.jp

夏季休暇に関して、多くの人が抱く疑問・不明点などについて、ここで簡単に解説しておきます。充実した休暇を過ごすためにも、参考にしましょう。

夏季休暇と夏期休暇のどちらが正しい?

「夏季休暇」と「夏期休暇」はどちらも使われる表現であり、特に使い分けなくても問題にはならないでしょう。

前者は夏という「季節」を基準とした休暇の意味があり、後者は休暇を取れる「期間」が夏といったニュアンスがあります。

ただし、法律の文章や学校・行政機関などでは、「夏季休暇」の記載が採用されています。フォーマルな文章を作成する際には、「夏季休暇」とした方が無難です。

年次有給休暇をつなげて長期休暇にするのはあり?

基本的に年次有給休暇は、労働者が好きなタイミングで取得できるため、年次有給休暇をつなげて長期休暇にするのも可能ではあります。法律的に、禁止されているわけではありません。

ただし、自分だけ長期間にわたり休みを取る場合、周りに迷惑をかけてしまう可能性があるため、きちんと調整をしておきましょう。事前の根回しを徹底し、できる限り周囲の負担を増やさないように配慮する必要があります。

夏季休暇の上手な過ごし方は?

夏季休暇は企業にとって、労働者の日頃の疲れを癒やし、リフレッシュしてもらうために設定するものです。家族旅行やプライベートを充実させるほかに、しっかりと体を休めておくことが大切です。

また、転職やキャリアアップを目指している人は、夏季休暇を使って資格を取得したり、セミナーに参加して勉強したりするのもよいでしょう。

どのような休暇を過ごすにせよ、目的を明確にした上で、ある程度は計画を立てておくことが大事です。だらだらと過ごしてしまうと、生活リズムが狂ってしまう可能性もあるので、十分注意しましょう。

夏季休暇を有効活用してリフレッシュしよう

青空に向けて手を広げる女性

(出典) pixta.jp

夏季休暇がある企業の夏季休暇の平均日数は4.4日で、夏季休暇を設けていない企業も多くあります。

転職先で夏休みを長く取りたい人は、事前にどの程度の休暇を取得できるのか、確認しておきましょう。年次有給休暇の計画付与日になっている場合もあるので、注意が必要です。

どのようなタイミングで取得するにせよ、休暇は日々の疲れを癒やすとともに、体をリフレッシュして仕事に備える目的があります。目的を明確にした上で、できるだけ計画的に過ごすようにしましょう。休み明けに、疲れを残さないことも大事です。