「テレカン」とは何か?テレカンの意味や種類ごとの特徴を紹介

近年、電話回線などを使って、遠隔で会議をする「テレカン(テレカンファレンス)」に注目する企業が増えています。取引先や他の営業所などと会議を開く必要のある企業は、テレカンの導入も検討してみましょう。テレカンの主な種類や特徴を解説します。

「テレカン」とは何?

オンライン会議

(出典) pixta.jp

働き方改革やコロナ禍をきっかけとして、多くの企業がテレワークやリモートワークを導入しており、同時に「テレカン」を始める企業も増えてきました。

手軽に複数のメンバー間の情報交換が可能になるので、この機会に導入を検討してみるとよいでしょう。まずは、テレカンの概要や種類について、基本的なところを解説します。

「テレカンファレンス」を略した言葉

テレカンとは「テレカンファレンス」の略語であり、遠隔会議の意味で使われている言葉です。主に電話回線を使って開く会議を指しますが、広義にはテレビ会議やWeb会議もテレカンの一種と考えられています。

日常的に使われるスマートフォンで会議に参加できるので、必要なタイミングですぐに情報交換が可能です。テレワークや出張中の社員を含めて会議ができる点もメリットであり、いまや多くの業界でテレカンが普及しています。

テレカンの種類

テレカンは大きく分けて、電話会議・テレビ会議・Web会議の3種類があります。

先述した通り、もともとは電話回線を使用して開く会議を指していましたが、テレビ会議やWeb会議でも遠隔地と会議を開けるため、近年はまとめてテレカンと呼ばれる傾向にあります。それぞれの会議で使用する機器は次の通りです。

  • 電話会議:オフィス内の固定電話や法人携帯・社員のスマートフォンなど
  • テレビ会議:テレビ会議システムとモニター(プロジェクター)など
  • Web会議:社内のパソコンや社員のノートパソコン・スマートフォンなど

電話会議はその名の通り、主に電話回線を使って音声により意思疎通を図る会議ですが、テレビ会議やWeb会議はインターネットを通じて映像・音声をシェアします。

テレカンの種類ごとの特徴

テレビ会議

(出典) pixta.jp

テレカンの種類ごとの特徴も確認しておきましょう。それぞれ必要な端末や設備が異なるので、自社の環境やニーズに合った方法を採用する必要があります。

電話会議の特徴

電話会議は、電話回線を利用して開く遠隔会議です。オフィス内の固定電話や、社員のスマートフォンなどを通じて、音声で会議を開きます。

特にスマートフォン同士の場合、音声アプリをインストールすれば、すぐに複数人での電話会議が開けます。

社員所有の端末を利用するならば、ほとんど初期費用がかからないため、最も手軽に開催できる会議といえるでしょう。テレビ会議やWeb会議とは異なり、参加者が顔を出す必要もありません。

テレビ会議の特徴

テレビ会議はインターネット回線を利用して、遠隔会議をする方法の1つです。専用のテレビ会議システムを導入し、機材のある会議室同士をつないで、大規模な会議を開く際に利用される傾向があります。

会議にはモニターやプロジェクターをはじめ、専用のマイクやスピーカーなども必要です。他の方法に比べて導入費用がかかりますが、同時に大人数が会議に参加でき、互いに顔を見ながら話ができるのが特徴です。

多くの子会社や営業所を抱える企業の定例会議などに導入されています。

Web会議の特徴

Web会議はテレビ会議と同様に、インターネット回線を通じて、映像や音声を参加者同士でシェアする方法です。映像により互いの顔やリアクションなどを確認しながら話を進められるのが特徴であり、主にパソコンやスマートフォンなどを利用します。

社員が日常的に使っている端末から会議に参加できるので、大規模な機材が必要となるテレビ会議と比べて、初期費用を抑えられるのも特徴です。

近年は無料ツールを含めてさまざまなWeb会議システムがリリースされており、部門内の会議から少人数でのミーティングまで、幅広く利用されています。

テレカン導入のメリット

テレワーク会議

(出典) pixta.jp

企業が本格的にテレカンを導入するメリットとしては、参加者のいる場所に関係なく会議を開ける点や、コストカットにつながる点などがあります。

さらに、テレワークやリモートワークなど、多様な働き方に柔軟に対応できる点もメリットといえるでしょう。

距離・場所にかかわらず会議が可能になる

テレカンを導入すれば、会議の参加者が同じ部屋に集まる必要がなくなり、遠隔地の相手とも会議を開けるようになります。テレワークをしている社員や出張中の社員とも、会議を通じて意思疎通や情報共有が可能です。

会議のスケジュールの調整もしやすくなり、議題によって参加・退出などが手軽にできるようになります。スケジュールの合間を縫って、5分だけ話を聞くといった参加もできるので、多くの社員にとってメリットがあります。

コストカットにつながる

参加者が会議を開く場所まで移動する必要がないため、交通費をはじめ、移動に伴うコストも削減できます。移動にかかる時間を、他の仕事に充てられるようになるため、特に忙しい社員にとってはメリットが大きいといえるでしょう。

また、テレビ会議やWeb会議の場合は、会議資料を画面で共有できるので、参加者1人1人に資料を渡す必要がありません。印刷の手間を省けるのに加えて、コピー代や紙代の削減にもつながります。

多様な働き方に柔軟に対応できる

テレカンならば会社で仕事をしている社員をはじめ、テレワークやリモートワークをしている社員も、電話回線やインターネット回線を通じて会議に参加できます。

取引先や他の営業所の社員など、多様な働き方をしている相手とも、気軽に意思疎通を図れるのもメリットです。

海外の取引先や出張中の社員とも情報共有が可能になり、意思決定のスピードも向上するでしょう。テレカンの導入をきっかけとして、社員の柔軟な働き方に対応する企業も出てきています。

テレカンを導入する際の注意点

オンラインミーティング

(出典) pixta.jp

テレカンは業種や職種にかかわらず、多くの企業にとってメリットが大きい手法ですが、以下の点には注意が必要です。会議では司会者を決めておき、参加者が発言しやすい環境を整えるようにしましょう。

司会者の腕が問われる

音声のみでの会議だと、誰が発言したのか分かりにくい場合があるので、司会者が参加者の名前を出して発言を促すなど、進行の仕方に工夫が必要です。

映像を通した会議の場合も、参加者同士で発言がかぶったり、特定の参加者が長く話しすぎたりするケースがあるので、司会者がうまくさばく必要があります。ファシリテーションスキルの高い人を司会者に据えれば、場をうまくコントロールしてくれるでしょう。

また、参加者同士が互いに協力しなければ、有意義な会議にならない可能性があるので、明確なルールを設けておくことも大事です。

無料で利用できるわけではない

参加者が同じ場所に集まって行う会議とは異なり、テレカンではどのような方法を採用しても、何らかの形で通信コストが発生します。完全に無料で開催できるわけではないので、会議にかかるコストもきちんと考慮しなければいけません。

特にテレビ会議では、専用のテレビ会議ツールをはじめ、モニターやスピーカーなどの導入に費用がかかります。一方、電話会議やWeb会議でも、電話料金やインターネットの通信費が発生します。

有料のテレカンサービスでは、基本料金に加えて会議ごとに料金が発生する場合もあるので注意しましょう。特に国際会議を開く場合、国によっては通信費用が高くなるケースもあるので、事前によく調べておくことが大事です。

ツールを上手に使って効率的な会議を

web会議

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テレカンは電話会議・テレビ会議・Web会議の3種類があり、いずれも遠隔地にいる参加者と情報のやりとりが可能です。

テレビ会議は専用のシステムや大画面のモニターなど、相応の設備が必要になりますが、大人数が参加できる会議を開催できます。

一方、電話会議やWeb会議は、社員のスマートフォンを使って会議を開くことも可能であり、手軽に開催できるので、小規模なチームミーティングなどにおすすめです。

いずれの方法を採用するにしても、ツールを上手に活用して、効率的に会議を進める工夫が必要です。きちんと会議のルールを設けておき、司会者が場をうまくコントロールできるようにしましょう。