時間がないのは、考え方の傾向や行動に原因があるのかもしれません。常に時間に追われてしまう理由や、対処法を解説します。今すぐ試せる時間のつくり方も紹介するので、余裕がないと感じている人は最後まで読んで参考にしてみましょう。
「時間がない」考え方の傾向
「時間がない」という状況になってしまう原因を、考え方の傾向から解説します。思い当たる点がないかチェックしてみましょう。
切りのよさを求める
いつも時間がない人は、物事に取り組む際に、「切りのよさ」を求めてしまう傾向にあります。
例えば、やるべきことがあってもすぐに動き出しません。なんとなく、切りのよい時間になったら動こうとして、ダラダラ過ごしてしまいがちです。
たとえ毎回10分程度の時間だったとしても、積み重なればかなり長い時間を無駄にしてしまいます。結果として、時間がない状態に陥ってしまうのです。
また、時間がなくて仕事がなかなか進まないという人は、抱えているタスクを切りのよいところまで進めてしまう傾向があります。
一見効率的な進め方のように思えますが、いったん切りのよいところまで終わらせてしまうと、かえって続きを始めるのが面倒に感じてしまうものです。むしろ、中途半端な状態で終わらせた方が、次に手を付けやすくなるでしょう。
いつでも一生懸命
時間に余裕がない人は、何事においても手を抜かず、頑張りすぎる傾向もあります。いつでも全力で取り組んでしまう人は、多くの仕事を抱え込んでしまいがちです。
自分が一生懸命やればよいと考えてしまい、周りに頼れないという人もいます。結果的にやらなければならないことが増えてしまい、常に時間が足りなくなります。
仕事に遅れが生じれば、かえって周りに迷惑をかけてしまうことにもなるでしょう。全ての仕事に全力を尽くすのではなく、優先順位を付けて適度に力を抜くことも大切です。
自分の価値を仕事に見いだしているケースも
時間がないといえるほど仕事を抱えている自分に、満足しているケースもあります。平日は遅くまで働き、休日も返上して仕事をするような忙しさに、価値を見いだしているためです。
もしくは、プライベートの時間がなくなるほど頑張ることで、周りに認めてもらいたいと考えている人もいるでしょう。少しでも余裕があるように見えると、仕事をしていないと思われるのではないかと不安を感じている可能性もあります。
仕事を頑張っている自分に、価値を見いだすのは悪いことではありません。しかし、自分を客観的に見る時間もつくり、価値を見いだすポイントが間違っていないか振り返ってみることも大切です。
「時間がない」行動による原因
行動が原因で、時間がない状況になっていることもあります。どのような行動が挙げられるのか、具体的に見ていきましょう。
スケジュール管理ができていない
スケジュール管理ができないことも、時間がなくなる原因です。せっかく仕事を終わらせるためのスケジュールを立てても、その通りに行動できていなければ、時間は足りなくなります。
途中で他の仕事に割り込まれたり、緊急対応に迫られたりし結果、本来やろうとしていた仕事が終わらなくなるなどのケースです。また、スケジュールを立てること自体が苦手という人もいるでしょう。
そのような人は、「期限までに終わらせるには何をいつまでにやればいいのか」などの段取りができず、最終的に時間の余裕がなくなってしまいます。
適切にマルチタスクを行えていない
マルチタスクは、仕事の効率を上げる場合もありますが、適切に行わないとかえって集中力をそぎ、時間の浪費につながります。常に複数のタスクに追われることになり、精神的な焦りを感じて余計に効率が悪くなるためです。
また、マルチタスクは実際のところ非効率的で、パフォーマンスの低下を招くという考えもあります。無理に複数の仕事を並行して行おうとするより、1つの作業に集中して取り組んだ方が、かえって効率が良くなるともいわれています。
時間がないと感じたら、一度に取り組む仕事を1つに絞り、スケジュール通りに終わらせることを意識してみましょう。
うまく時間をつくる方法
どうしたらうまく時間をつくれるのか、知りたい人も多いでしょう。主な方法を2つ紹介します。
何に時間を使っているか可視化する
まず、なぜ時間がない状態になっているかを知るために、時間を可視化することから始めましょう。可視化することによって、自分が何にどれだけ時間を使っているかが明確になります。
1日を、睡眠・食事など「生活に必要な時間」、仕事・家事といった「ルーチンの時間」、自分が自由に使える「余暇の時間」の3つに分け、どのようなバランスで使っているか確認してみましょう。
行動を可視化すると、無駄に過ごしている時間も見えてきます。時間を有効に使うために、効果的な方法の1つです。
時間を可視化する方法
1日の行動を、スケジュール帳などに書き出してみましょう。1時間程度の単位を目安にして、「通勤時間」「資料作成」「打ち合わせ」など、なるべく具体的に書いていくのがポイントです。
ある程度の期間続けていくと、自分の日常的な行動パターンが見えてきます。スケジュール帳のほか、Webカレンダーや時間管理アプリなどを活用する方法もあるので、自分に合ったやり方で可視化してみましょう。
ただし、記録を付けることが目的にならないよう注意が必要です。
物事に優先順位を付ける
時間を可視化して行動パターンを把握したら、優先すべきタスクや時間がかかる作業などを洗い出しましょう。やるべき物事に優先順位を付けることで、実はやらなくてもよいタスクが見つかる場合もあります。
やらなくてもよいことがあれば、思い切ってやめてみるのもよい方法です。例えば、ダラダラとテレビを見ている時間があれば、その時間を別のことに使ってみましょう。
また、時間がかかる割に優先度が低いタスクについては、やり方を見直すなど時短できる方法を考えてみることが必要です。
すぐに試せる時間のつくり方
ほんの少し行動を変えるだけでも、時間はつくれます。おすすめの方法を2つ紹介するので、今日からすぐに試してみましょう。
早寝早起きをしてみる
夜寝るのが遅い人は、早寝早起きのサイクルに変えてみましょう。これは、生活リズムを整えることで、パフォーマンスの向上を狙う方法です。
朝は、1日の中でも集中して作業しやすい時間帯だといわれています。朝のうちに思考力を使う仕事に取り組むことで、効率的に作業を進めやすくなるでしょう。
朝早く起きて活動を始めれば、1日に使える時間そのものが増えるというメリットもあります。毎朝30分早起きするだけでも構いません。ゆっくり本や新聞を読む時間をつくれれば、精神的な余裕も生まれるでしょう。
周りに助けてもらう
1人で多くの仕事を抱え込んでしまいがちな人は、思い切って周りに助けてもらうことも大切です。常に仕事に追われて時間がないと感じている人は、1人で対応しきれない業務量を抱えているのかもしれません。
仕事の量が多すぎる場合、いくら自分の時間を使ってこなそうとしても、限界がくれば結局は人に助けてもらうことになってしまいます。1人ではできそうにない仕事を抱えているときは、ギリギリまで頑張るのではなく、早めに助けを求めることが重要です。
他の人に助けてもらうことで時間に余裕が生まれれば、手を付けられていなかった他のタスクに取りかかれるようになります。
自分の時間を犠牲にしないように注意!
いつも時間がない人は、仕事に全力で取り組んでいたり、1人で頑張りすぎていたりする可能性があります。
仕事に価値を見いだすのは、必ずしも悪いことではありません。しかし、自分の時間を全て犠牲にしてしまうと、精神的なゆとりもなくなってしまいがちです。
時間を可視化し、自分がやらなくてもよい仕事は周りに任せたり、無駄だと思うことは思い切ってやめたりなどの対策を取りながら、上手に時間をつくりましょう。