面接辞退の連絡はメールでもOK?辞退する際の基本ルールとは

就職・転職活動中に面接を辞退したいときは、どうすればよいのでしょうか?基本的なルールや連絡方法を紹介します。メールで辞退する際の例文や、知っておきたいポイントにも触れるので、参考にしてマナーを守ったメールを送りましょう。

面接を辞退する際の基本ルール

書類を書く男性

(出典) photo-ac.com

企業から面接の案内をもらっても、すでに希望の会社から内定をもらっているなどの理由で辞退しなければならないこともあるでしょう。辞退する際にもルールがあるので、社会人としてきちんと把握しておくことが大切です。

辞退の連絡はできるだけ早めに

「自分から応募しておいて、辞退するのは気が引ける…」と感じる人もいるかもしれません。しかし、返答を先延ばしにしてしまうと、余計に言い出しづらくなるばかりか、企業側にも迷惑をかけることになります。

企業側は、わざわざ面接のためにスケジュールを調整し、時間を空けてくれているのです。辞退者が出ることで、別の候補者を早急に探す必要があることも考えられます。早めに辞退の連絡をすれば、企業側も余裕を持って対処ができるでしょう。

そのため、辞退を決断したら、できるだけ早めに連絡を入れ、迷惑をかけないようにすることが大切です。

無連絡での辞退はしない

『すでにほかの企業から内定をもらっているから関係ない』『連絡が面倒くさい』などの理由で、辞退の連絡をしない人もいます。しかし、それは無責任です。社会人としてのマナーに欠ける行為なのでやめましょう。

また、後々自分にとってマイナスになることも考えられます。無連絡で辞退した企業が取引先だったり、将来的に転職したいと思う企業だったりすることもあるでしょう。

「就職しないから関係ない」と思わず、今後も付き合いがあるかもしれないことを想定して、できるだけ誠実で丁寧な対応を心掛けることが大切です。

辞退すべきかしっかり考えてから連絡する

面接を辞退した後で気が変わったとしても取り消しはできません。そのため、しっかり考えてから決断を下すことが大切です。

第1希望の企業から内定をもらったなど、明確な理由がある場合は、後から気が変わることは少ないでしょう。

しかし、『何となく自分に合わなそう』などと、曖昧だったり心にまだ迷いがあったりする場合は、辞退してから後悔することがあるかもしれません。十分に考えた上で連絡することが重要です。

面接辞退を伝える方法

スマートフォンを操作する男性

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面接を辞退する旨の連絡には、3つの方法があります。それぞれのメリットやデメリット、大切なポイントを紹介するので、状況に合った方法を選びましょう。

電話

自分の気持ちをしっかり伝えたい人は、電話を使うのがおすすめです。電話であれば、いつ読んでもらえるのかわからないメールや手紙とは異なり、すぐに相手に辞退の旨を伝えられます。

言いにくい事柄をきちんと電話で伝えてくれたのだと、誠実さや丁寧さが伝わりやすいのも好印象です。

メール

近年では、メールで辞退の連絡をするのは珍しいことではありません。メールで連絡するメリットは、担当者に電話対応させる手間を取らせないことや、記録として残せることです。

「電話をするのは勇気がいる」という人でも、メールであればすぐに連絡をしやすいでしょう。ただし、面接まで日数がない場合や当日に連絡する場合は、メールではなく電話を使うようにするのがマナーです。

メールで連絡した後に返信がない場合は、読まれていない可能性もあるので、電話で連絡したほうがよいでしょう。

手紙

手紙で連絡をすれば、より丁寧な印象を与えられるでしょう。ただし、郵送にかかる日数を考慮する必要があります。

手紙は面接当日まで時間的に余裕があるときのみにし、それ以外は電話やメールにするのがベターです。

手紙を書く際は、パソコンを使うよりも、誠意が伝わる手書きのほうがよいとされています。縦書きでも横書きでも構いませんが、ビジネスシーンに合うシンプルな便箋や封筒を用意しましょう。

修正液やテープは使わないのがマナーです。間違えたときは書き直す必要があるため、間違えないように気を付ける必要があります。誤字脱字がないように、まず下書きをしてから書き始めるとより安心です。

メールで面接辞退を伝える際のポイントと例文

パソコン操作をする男性

(出典) photo-ac.com

メールで面接辞退の連絡をするときは、どのような点に気を付けたらよいのでしょうか?大切なポイントとともに、アレンジして使える例文を紹介します。

メールの件名は分かりやすくする

ビジネスでは、1日にたくさんのメールを受信します。送信者や件名から重要度を判断し、優先順位を決めて本文を読むという人は少なくありません。

そのため、『誰から、どのような内容』のメールが来ているのか、件名を見ただけで分かるように配慮することが大切です。

例えば、『面接辞退のご連絡/〇〇〇〇(氏名)』のようにすると、一目で送信者と内容が分かります。後から返信するときに、メールが見つかりやすい点もメリットです。

メール内容の例文

一般的な面接辞退メールの例文を紹介します。日付や氏名などを変えて使いましょう。

 

件名:面接辞退のご連絡/〇〇〇〇(氏名)

株式会社〇〇
人事部 採用ご担当者様

〇月〇日〇時に面接のお約束をいただいております〇〇(氏名)と申します。

一身上の都合により面接を辞退させていただきたく、ご連絡を差し上げました。

お忙しいところ貴重なお時間をいただいたにもかかわらず、ご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ございません。

何卒、ご了承くださいますようお願い申し上げます。
末筆ながら、貴社のご発展とご活躍を心よりお祈り申し上げます。

署名

 

 

宛名を書く際、会社名は略さず『正式名称』で記入することが大切です。

署名の入れ忘れに注意

ビジネスメールでは、署名を入れるのがマナーの1つなので、忘れないようにすることが大切です。忘れる心配がある人は、自動で署名が入るように設定しておくとよいでしょう。

記載する内容は、『氏名』『電話番号』『メールアドレス』です。大学在学中であれば、氏名の前に『大学名と学部』も記載しましょう。

氏名が読みづらい漢字である場合は、振り仮名を入れると親切です。平仮名よりもカタカナのほうがビジネス向きといわれています。

本文と見分けがつきやすいように、署名の上下を『-』や『*』などで区切ると、すっきりと見やすくなります。

面接辞退の理由は説明するべき?

キーボードに触る男性

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面接を辞退する理由は人それぞれで、きちんと説明したいという人もいれば、伏せておきたいという人もいるでしょう。辞退の理由は説明するべきなのでしょうか?

具体的な内容まで説明しなくてOK

基本的に、辞退を決めた具体的な理由を説明する必要はありません。しかし、今後の選考や企業の発展に役立てたいという理由で、聞きたいと思う担当者もいます。

また企業側は、欲しい人材を逃したくないと思うものです。あなたを引き留めるために理由を聞くこともあるでしょう。理由を聞かれているのに言葉を濁すのは失礼にあたることもあるので、言える範囲で素直に答えるのがよいでしょう。

例えば、『第1希望の会社から内定をもらった』『自分の望んでいる仕事内容と異なることに気が付いた』という理由であれば、納得してもらいやすいはずです。

素直に答えるといっても、相手を批判したり不愉快にさせたりしないなど、社会人としてのマナーを守ることが大切です。

面接辞退をメールで伝える際のQ&A

Q&Aと書かれた単語カード

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面接辞退メールに関する、よくある疑問をまとめました。迷ったときや困ったときの参考にし、トラブルなくスムーズに進められるようにしましょう。

メールを送る時間帯は?

好きなときに気軽に送れるのがメールのメリットの1つですが、ビジネスシーンでは送る時間帯に配慮する必要があります。電話同様に、企業の営業時間内にするのがマナーです。

仕事をしていて、どうしても遅い時間にしか送れない場合は、深夜以外に送るようにしましょう。その際は、『夜分遅くに失礼いたします』と一言添えると好印象です。

また、メールの返信が来ないなど、電話で連絡する必要があるときも時間帯に気を付けましょう。企業や職種によって違いはありますが、始業時や昼休み前後は忙しかったり、席を外したりしている可能性が高いと考えられます。

基本的には、相手に迷惑がかからない時間帯を選びましょう。午後2時から3時くらいであれば仕事が落ち着きやすい時間でもあるため、比較的電話に出てもらいやすいかもしれません。

面接前日・当日の辞退はアリ?

前日に他社から内定をもらったり、当日に体調不良を起こしたりして、面接を辞退せざるを得ないこともあるものです。その場合は、速やかかつ確実に相手に伝えられる電話での連絡が望ましいでしょう。

前日であれば、その日のうちにメールで連絡をして、翌日になっても返信がない場合は電話で連絡をすることも可能です。基本的には相手の忙しい時間帯を避けて連絡するのがマナーですが、時間が迫っているときは臨機応変に対応しましょう。

また、相手に失礼にならないように、電波が悪い場所や騒がしい場所を避けて電話をかけることも大切です。

返信がない場合はどうすればよい?

面接辞退のメールを送ってから、しばらくたっても返信が来ないこともあります。このような場合は、まずメールで確認しましょう。

気を付けるポイントは、相手に「催促されている」と不快感を与えないように心掛けることです。「先日、面接辞退の件でメールいたしました〇〇ですが~」「お手隙の際にご確認のほど、何卒よろしくお願いいたします」のように、さり気なく確認を促しましょう。

もし、その後も連絡がない場合は、電話で確認します。その際に、いつ辞退のメールを送ったのか伝えると、相手も確認しやすくスムーズです。

辞退する場合も感謝の気持ちを忘れずに

パソコン操作をする青いシャツを着た男性

(出典) photo-ac.com

面接を辞退する際は、しっかりと考慮した上で、できるだけ早く連絡をするのがマナーです。電話・メール・手紙の3つの連絡方法があるので、それぞれの状況に合う方法を選びましょう。

メールで連絡する際は、分かりやすい件名にしたり、署名を忘れないようにしたりすることが大切です。

メールを送る時間帯にも配慮するなど基本的なマナーを守ることはもちろん、辞退する場合でも感謝の気持ちは忘れないようにしましょう。

水野順子
【監修者】All About 女性の転職・女性のキャリアプランガイド水野順子

官公庁、企業人事、人材紹介会社勤務を経て、キャリアカウンセラーとして独立。こころとキャリアの専門家として、女性のキャリアデザイン、ダイバーシティ、女性の働き方を中心に幅広く活動中。今までに20000人以上をカウンセリング。
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