履歴書に在職中の職歴はどう書く?正しい書き方や退職予定の場合も

一口に転職活動中といってもさまざまな状況が考えられ、職歴の書き方に迷う場合があります。すでに退職しているのか在職中なのかによって、書き方を変えましょう。内容が分かりやすい書き方や、注意したいポイントなどを紹介します。

職歴欄の書き方の基本

履歴書の職歴欄

(出典) photo-ac.com

職歴は、これまでの経歴を伝えるために重要な項目です。企業からの注目度が高い部分なので、必要事項を漏らさずに書かなければなりません。職歴欄の書き方の基本を見ていきましょう。

時系列に全ての入退社歴を記載

職歴欄は、これまでに「どこで働いていたか」を記載する欄です。社会人になってからの入退社歴を古い順に書きましょう。

会社名だけでなく、在籍していた部署名も正確に記入します。応募する仕事内容に関連性がある場合は、どんな仕事を担当していたのかも簡潔に書いてアピールしましょう。

途中で部署異動があったときや、雇用形態が変わったときも事実を正確に書く必要があります。

会社都合でなく自己都合で退職する場合は、細かい退職理由は書かず「一身上の都合により退職」と書きます。結婚や出産で退職する場合は、その旨を記載しても構いません。

職歴の省略はNG

職歴は、正確に「ありのまま」を書きましょう。1カ所での勤務年数が短い場合でも、省略せずに記載する決まりです。

転職を繰り返していると職歴が長くなるので、自己判断で省略したくなってしまいますが、アピールしたいものだけ書くと「経歴詐称」となる恐れがあります。

職歴が長すぎて履歴書に収まりきらない場合は、別紙に記載したり入社と退職を1行にまとめたりと、記載方法を工夫しましょう。応募する職種に関連性が薄いと感じる場合、担当していた仕事の内容は省いても構いません。

在職中の履歴書の書き方

履歴書を持っている女性

(出典) photo-ac.com

退職しているのか在職中なのかで、職歴の書き方が変わります。細かい違いに感じるかもしれませんが、誰が見ても分かりやすく書くのがマナーです。どんな書き方をするのか見ていきましょう。

入社の下に「現在に至る」と記載

退職前の場合、在職中であることが分かるように記載します。在職中は職歴の最後の行に「現在に至る」と書き、その下の行に「以上」と書き加えましょう。

「以上」を加えれば、それ以上書くべきものがないと伝えられます。書かないと記載漏れがあると思われてしまうので、最後に付け加えるのがマナーです。

すでに退職している場合は現在に至ると書かず、「以上」で締めくくります。在職中にもかかわらず、「以上」だけしか書いていないと退職している状態だと誤解されてしまうので、注意しましょう。

記載内容と位置に注意

「現在に至る」を書く位置は、在職中の企業名や所属する部署名などの下の行に左寄せで書きます。「以上」は、「現在に至る」の下の行に右寄せで書きましょう。

【例】
○年○月 ○○株式会社 入社
開発部に所属し、新製品開発に従事
現在に至る
              以上

職歴が長く行が足りない場合は、「現在に至る」と「以上」を、部署名や仕事内容と同じ行に書いてもOKです。

退職が決まっている場合の書き方

現在勤めている会社で退職届が受理され、退職日が決まっているときは、その旨を職歴欄に記載しましょう。退職日が分かれば、企業側にとってもいつから働いてもらえるのかが明確になります。

勤務先に退職する話をしていても、具体的な日付が決定していない状態で転職活動をしているのであれば、「現在に至る」と「以上」を書き加えます。正式に退職日が決まっているときのみ、日付を加えましょう。

【例】
○年○月 ○○株式会社 入社
退職予定日(○年○月○日)
             以上

最後に、「以上」を書き忘れないように注意しましょう。記入欄に余裕がない場合は、退職予定日の行に右寄せで「以上」を加えます。

履歴書の職歴欄に関する注意点

万年筆

(出典) photo-ac.com

履歴書の職歴欄に正しい情報を書こうと意識していても、意図せずにミスしてしまう場合があります。どんな点に注意すればよいのか、見ていきましょう。

企業名や部署名は正式名称で書く

所属している企業名や部署名が長いと思わず省略したくなりますが、必ず正式名称を書きましょう。職歴は企業が大きく注目する部分です。ラフな書き方では印象がよくありません。

そのため、世間でよく呼ばれている、企業の通称や愛称などを書かないように注意しましょう。株式会社や有限会社などの会社の種類も、(株)(有)などと省略しないのがマナーです。

また、退職後に勤めていた会社の社名が変わった場合、現時点での社名を調べ「○○株式会社(現△△株式会社)」というように書きましょう。

正社員以外は雇用形態も記載

正社員とそのほかの雇用形態では、責任の度合いが異なるケースが大半なので、企業側は雇用形態を正確に知りたがります。

正社員以外の場合、「株式会社○○入社(契約社員として)」というように雇用形態も書きましょう。契約社員の場合は、以下のように記載します。

【例】
○年○月 株式会社△△入社(契約社員として)
      営業部営業一課に営業事務として勤務
現在に至る
                     以上

また、派遣社員として働いていた場合の書き方も見ていきましょう。派遣の場合は、派遣元と派遣先、両方の情報を記載するのがポイントです。

【例】

○○年○月 株式会社△△(派遣元)に登録

○○年○月  株式会社□□(派遣先)▽▽部に派遣社員として就業

         一般事務として、請求書整理や受付を担当 

○○年○月 派遣期間満了につき退職

                     以上

履歴書に在職中であることを明記しよう

履歴書と封筒

(出典) photo-ac.com

在職中に転職活動をする際は、履歴書の職歴の欄に在職中であることが分かるように「現在に至る」と「以上」を書く必要があります。

企業は応募者がどのような状況にあるのかを、正確に知りたがっています。すぐに働けるのか、これから退職の手続きをするのかを把握し、スムーズに雇用したいと考えているのです。

採用担当者が理解しやすいように工夫しながら書けば、よい印象を与えられます。提出してから後悔しないよう丁寧に記入しましょう。