履歴書に書く通勤時間のルールまとめ。合否への影響はある?

転職活動用の履歴書を書くときに、通勤時間をどのように書けばよいのか悩んでいる人もいるでしょう。通勤時間を聞かれる理由や書き方のポイントが分かっているとミスを防げます。基本的なルールや、具体的な書き方をチェックしましょう。

履歴書に書く通勤時間の基本

封筒に入った履歴書

(出典) photo-ac.com

履歴書には、通勤時間を記載する欄がありますが、どのように書くのが正解なのでしょうか。採用担当者に正しい情報を伝えるための、基本的な書き方を解説します。

自宅から会社まで片道の移動時間

履歴書に通勤時間を記載する際は、家から会社の入り口にたどり着くまでの時間を合計して書くのが決まりです。行きも帰りもルートは同じなので、片道分だけで構いません。

例えば、家の最寄りのバス停まで5分間歩き、バスに20分乗車して駅まで行った後、電車に35分乗車し最寄り駅から5分歩いて会社まで行く場合、「バス、電車 約1時間5分」というように記入しましょう。

市販の履歴書を利用する際、時間と分が印字されており「○時○分」の○の部分を穴埋めする形式になっていることがあります。

時間の部分を空白にすると記入漏れだと思われる可能性があるので、1時間未満の場合は「時間40分」というように書きましょう。

通勤にかかる最短時間を記入

同じ場所へ行く場合でも、さまざまな交通手段やルートがあります。自分にとって乗り換えが楽な方を選びたくなるかもしれませんが、さまざまなルートがある場合は「最短時間」を選んで記入しましょう。

「乗り換えの回数を増やしたくないので、快速電車ではなく普通電車を利用したい」などの個人的な事情があったとしても、最短時間を書く決まりです。

正確さは大事ですが、1分単位まできちんと書く必要はありません。合計時間が44分でも、四捨五入して45分というように「5分単位」で書きましょう。

通勤時間を書く理由は?

履歴書の入った封筒を差し出す女性

(出典) photo-ac.com

採用面接で、なぜ通勤時間を聞かれるのか分からない人もいるでしょう。企業側が通勤時間を知りたがる理由を紹介します。

通勤のしやすさや交通費を把握するため

採用担当者は通勤時間から、通いやすさや交通費を把握しようとしています。通勤時間があまりにも長すぎると、体力的にも精神的にも負担が大きく、辞めてしまう可能性が出てくるためです。

ワーク・ライフ・バランスを取りにくいなどのデメリットもあり、通勤時間が1時間30分以上を超えると、応募者の負担が心配されるケースが多くなっています。

また、遠方から通うことになると、交通費が高額になることも珍しくありません。一般的に、会社が交通費を負担するので、会社にとってコストがかかりすぎないかもチェックされています。

合否に影響する可能性は低い

片道2時間以上というように、極端に通勤時間が長い場合を除き、通勤時間が合否を決める可能性は低いといえます。

感染症対策をするため、通勤しなくても仕事ができる体制を整える企業が増えるとともに、通勤時間を重視する企業は少なくなってきているようです。特にリモートワークが中心の職場なら、ほとんど問題にはならないでしょう。

ただし、印象をよくしようとして、通勤時間をわざと短くするのはNGです。採用されたとしても、虚偽の情報を記載したことになり、信頼を失うでしょう。

履歴書に書く通勤時間にまつわる疑問

履歴書とペン

(出典) photo-ac.com

履歴書に通勤時間を書く際、さまざまな疑問が湧くこともあるでしょう。ここでは、よくある疑問について紹介します。

引っ越しが決まっている場合

採用面接を受ける人によって、さまざまな状況が考えられます。面接後に転居する人は、自分が置かれている状況を採用担当者に分かりやすく伝える工夫をしましょう。

基本的に、履歴書を記載する時点では「住んでいる場所」からの通勤時間を書きます。

面接時に引っ越しが決まっているときは、現住所からの通勤時間を記載した後に「○月○日に転居予定 新住所からの通勤時間は、バスで約20分」というように記載しましょう。

また、面接時に引っ越しが済んでいるときは、履歴書を書いている時点の住所ではなく、新住所を記載します。

勤務候補地が複数ある場合

複数の支社がある企業に応募する場合、どの勤務地を対象にすればよいのか迷うこともあるでしょう。

勤務地がはっきりと分かっているとき以外は、現住所の近くに位置する支社までの所要時間を書きます。

「○○支社勤務の場合 電車 0時間35分」というように書きましょう。もし、希望する勤務地があれば、そちらを優先しても構いません。

入社後に近くへ引っ越す予定の場合

「入社が決定したら会社の近くに引っ越そう」と思っている場合は、その旨を履歴書に書きましょう。事実が分かりやすく伝わるように、きちんと記載してアピールすることが重要です。

通常の書き方をした後、邪魔にならない位置に「入社後は通勤時間1時間圏内に転居予定」の1文を加えましょう。

詳しい住所が決まっていない場合は正確な数字を書きようがないので、目安で構いません。すでに引っ越し先の見当がついているのであれば、最寄り駅の名前を添えると丁寧です。

履歴書の通勤時間は正確に書こう

履歴書の入った封筒を胸ポケットから出す男性

(出典) photo-ac.com

履歴書に通勤時間を書く際は、正確な情報を記載しましょう。家を出た瞬間から、会社に着くまでにかかった時間と交通手段を、片道分だけ書きます。

引っ越しの予定がある際は、現住所だけでなく転居先からの時間も書き添えましょう。採用担当者が、応募者の状況を分かりやすいよう、工夫して書くことが大事です。

リモートワークが中心なら、通勤時間はほとんど問題にはなりません。あまり深く考えすぎず、正確な情報を記載するようにしましょう。