面接のお礼状は必要?手紙やメールで送る際のマナーと例文を紹介

面接を受けた後のお礼状はどう書いたらよいのでしょうか。そもそも送るべきものなのか、よく分からない人も多いかもしれません。お礼状を送ると採用に有利になるのかも気になるところです。お礼状の効果や書き方を詳しく説明します。

面接のお礼状は送るべき?

ビンセント手紙

(出典) photo-ac.com

面接を受けたら、お礼状を送るべきなのでしょうか。「送るとしてもどのように書けばいいのか分からない」「お礼状は合否に影響があるのか」など、不安に感じる人も多いはずです。面接のお礼状について詳しく解説していきます。

面接のお礼状を出しても合否に影響はない

一般的に、面接のお礼状は出す必要がないものと考えられています。お礼状を送付すると採用に有利になるのではないかと考えがちですが、合否への影響はありません。

昨今は面接についての連絡をメールでやりとりするケースも多く、お礼状が先方に届く前に合否の結果がこちらに届いてしまうケースもあります。

しかし感謝の気持ちを伝えるのは悪いことではないので、お礼状を送付すること自体に問題はありません。

面接のお礼状を出すメリット

お礼状は合否の決定に直接は関係しないものの、採用に踏み切るかどうか微妙な場合や、似たような条件の応募者と並んだ際に、プラス要因となる可能性もあります。

企業の担当者によっては、お礼状を送付してくる面接者に対して、社会人としてのマナーがあり、就業にも積極的で意欲が高いという印象を持つ人もいるかもしれません。

遅刻してしまったなど面接当日に失敗した場合は、お礼状で挽回するチャンスもあります。

面接のお礼状を出す際の3つのポイント

便箋と万年筆

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面接のお礼状を出したいと思っても、いつどのように送ればいいか分からない人もいるかもしれません。お礼状の送付で失敗しないためのポイントを3つ紹介します。

面接当日に送付する

お礼状は面接を受けた当日中に送付しましょう。時間が経ってからでは、面接官の印象が薄れている可能性があるだけでなく、「なぜ今頃?」という的外れなものになるからです。

タイミングが悪ければ、すでに合否が決まっている場合もあるかもしれません。郵送の場合は届くまでに時間がかかるため、その日のうちにポストに投函するのがおすすめです。メールの場合も、遅くとも翌日までには送信しましょう。

採用担当者宛てに送る

お礼状は採用担当者宛てに送りましょう。面接をした担当者の名前や連絡先が分かれば、直接担当者宛てに送付します。

担当者の連絡先が分からない場合や複数の面接官がいた場合は、「採用ご担当者様」などとして、企業の人事担当や採用窓口宛てに送付しても問題ありません。

個人宛てなら「〇〇様」、部署宛てなら「総務部人事課御中」などのように書きます。「人事部御中 〇〇様」のように、「御中」と「様」を混在させると、一般常識がないと思われてしまうので注意しましょう。

メールでも手紙でもOK

お礼状は、面接を受けたことへの感謝や仕事への意欲を伝えることが目的なので、メールと手紙どちらでも構いません。

手紙の方が丁寧な印象がありますが、届くまでに時間がかかるのがデメリットです。メールは時間もかからず手軽に送れる反面、丁寧さにやや欠ける印象があります。

どちらにしたらいいか迷ったときは、これまでの連絡手段や企業の風土などに合わせて選ぶのがよいでしょう。

面接のお礼状の送り方

便箋と封筒

(出典) photo-ac.com

お礼状の送り方にも注意しましょう。内容ももちろん、受け取ったときに不快な印象を持たれないという点が何より大切です。お礼状の送り方を、手紙とメールそれぞれのケースで説明します。

手紙は白無地のハガキか便箋で

手紙で郵送する場合は、白無地のハガキまたは便箋に書きましょう。お礼状はビジネスシーンで送るものなので、イラストなどのデザインが入ったものは使いません。パソコンで印字したものより、手書きの方が好ましいでしょう。

便箋はA4サイズ、封筒は長形3号を使うのが一般的です。鉛筆は使わず、黒の万年筆や油性ボールペンで手書きします。

便箋とハガキどちらの場合も、横書きではなく縦書きで書くのがビジネスマナーです。

メールは気軽に送れる分マナーに注意

メールで送信する場合にも、ビジネスメールのマナーがあるので注意しましょう。

企業の採用担当のもとには、1日に数十通のメールが送られてくる場合もあります。数多くのメールに埋もれることなく読まれるためには、一目見てお礼のメールだと分かるような件名にすることが必要です。

うっかり失礼な言葉や不適切な表現を使っていないか確認しましょう。文章の書き方が分からないからといって、定型文をそのままコピペするのもNGです。

面接のお礼状の書き方と例文

はがき

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感謝の気持ちや仕事への前向きな気持ちを伝えたくても、マナーを守れていない手紙やメールでは、受け取った人に好印象を持ってもらうことはできません。面接のお礼状は、ビジネスレターの一般常識を踏まえて書くことが大切です。

お礼状の内容の書き方と例文を紹介します。

頭語と結語、時候のあいさつを入れる

封書やハガキで出す場合は、頭語、時候のあいさつの順で書き始め、結語で締めくくるのがマナーです。ビジネスレターの頭語と結語には「拝啓」「敬具」を使います。

「前略」「早々」という頭語・結語もありますが、これは時候のあいさつを省く場合に使われるものなので、お礼状には向きません。時候のあいさつには、「貴社益々ご清栄のこととお慶び申し上げます」などの文章を使いましょう。

メールで送信する場合は、頭語や結語、時候のあいさつを入れる代わりに「お世話になっております」と始めるのが一般的です。

面接のお礼や仕事への意欲を伝える

お礼状の本文に書けるのは、面接の時間をとってもらったことへの感謝や、面接を受けた上であらためて感じた仕事への意欲や熱意です。

好印象を持ってもらおうと考えて、自己PRなどを長々と書くのはおすすめできません。本来は面接で伝えるべき話なので、お礼状に書くのは避けましょう。

定型文を参考にするのはいいですが、あまり頼りすぎず自分の言葉で簡潔に書くことが大切です。

お礼状の例文

手紙とメールそれぞれの、お礼状の例文を紹介します。

【手紙の場合】

〇〇株式会社
採用ご担当者様

拝啓

貴社益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。

先日はお忙しい中、面接の機会をいただきありがとうございました。
貴社の事業内容やエンジニアの仕事内容、さらに経営理念についても深く理解することができ、貴社で仕事をすることで社会に貢献していきたいという思いが一層強くなりました。

末筆ながら、貴社の益々のご発展を心からお祈りしております。

敬具

〇〇〇〇年〇月〇日
〇〇〇〇(氏名)

 

【メールの場合】

件名

〇月〇日 中途採用面接のお礼(氏名)

本文

〇〇株式会社
総務部人事課 〇〇〇〇様

お世話になっております。

本日〇時から面接をしていただきました〇〇〇〇(氏名)と申します。
本日はご多忙な中、面接のお時間をいただきまして誠にありがとうございました。

〇〇様より貴社の事業内容や今後のビジョン、仕事の内容などを詳しくお話しいただき、ぜひ自分の経験を生かして貴社の事業に貢献したいという思いが強くなりました。

今後とも何卒よろしくお願い致します。

まずは、本日の面接のお礼をお伝えしたく、メールをお送り致しました。

末筆になりますが、貴社の益々のご繁栄をお祈りしております。

_________________________

〇〇〇〇(氏名)

住所

電話

メールアドレス

__________________________

 

面接のお礼状を送って印象アップ!

手紙を書く男性の手元

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面接のお礼状は選考に影響を与えるものではありませんが、面会の時間を作ってもらったことへの感謝を伝えるのは、社会人のマナーとして好ましく思われる行動です。

採用が決まった折には、入社後の人間関係や人物評価にもプラスに働く可能性もあるかもしれません。採用担当者に印象づけるために、お礼状を送ってみるのもよいでしょう。