緊張しやすい性格なら、面接を受ける前に練習をしておくのがおすすめです。効果的な方法をマスターしておけば、自信を持って本番に臨めるでしょう。面接練習を行うメリットや練習のコツ、おすすめの練習方法について解説します。
この記事のポイント
- 面接の練習をするメリット
- 緊張しやすい性格なら、面接を受ける前に練習をしておくのがおすすめです。面接で相手とやりとりする場合、話す内容は同じでも話し方によって印象が変わります。話すときの癖や口調、スピードの適切さなど自分の話し方を確認することが大切です。
- 面接練習をする際のポイント
- 面接では結論から話し始めることを意識しましょう!回答を事前に考える際は、伝えたいキーワードのみ押さえておくと、実際の質問に合わせて柔軟に対応ができます。また、姿勢・表情・語尾・声の大きさ・話す速さなどもチェックが必要です。
- 面接の緊張を和らげるには?
- 面接中に緊張して上手に話せない場合は、質問されたことをオウム返しして、心を整える時間を作りましょう。面接官に「緊張していますか?」と聞かれたら、素直に認めるのがおすすめです。
面接の練習をするメリット
面接の練習をする主なメリットを2つ紹介します。事前に練習をしておけば、面接に対するストレスを軽減できるでしょう。
必要以上に緊張しないで済む
面接の練習をする最大のメリットは、必要以上に本番で緊張せずに済むことです。事前にイメージを固めておくことで、面接の緊張感を和らげられます。
相手からの質問に答えたり自分の経歴を説明したりする機会は、多くの人にとってそう多くはないでしょう。面接はある意味特殊な状況の中で行われるため、緊張しやすくなります。
必要以上に緊張してしまうと、初歩的なミスも増えてしまうものです。しかし、面接の練習をしておけば緊張しにくくなるため、事前に対策していたことを本番で発揮しやすくなります。基本的な質問についてはアウトプットの機会を増やすことで、伝え方の改善をすることもでき、結果的に面接を通過する確率も高まるでしょう。
自分の話し方を確認できる
面接の練習をするメリットの1つに、自分の話し方を確かめられることも挙げられます。話すときの癖や口調、話すスピードの適切さを確認することが可能です。
面接で相手とやりとりする場合、話す内容は同じでも話し方によって印象が変わります。面接官に好印象を与えるためには、適切な話し方でやりとりしなければなりません。
練習をしなければ自分の話し方はチェックできないのに対し、練習を繰り返すことで話し方の改善点を見つけやすくなります。本番での面接官に対する印象もアップするでしょう。
面接練習の前に確認すること
面接の練習を始める前に、まずは面接の流れを確認しましょう。身だしなみで評価を下げないためのポイントを押さえておくことも重要です。
まずは面接の流れをチェック
面接では入室からすでに見られています。あいさつの仕方やノックの回数、イスに座るタイミングなど、基本的なマナーを身に付けておかなければなりません。
一般的な面接で最初に行うのが自己紹介や自己PRです。応募者の緊張を和らげる目的で、最初に軽い雑談を交わすケースもあります。
自己紹介や自己PRが済んだら、現職の仕事内容や転職理由、志望動機などを聞かれるでしょう。仕事で生かせる実績やスキルもアピールしなければなりません。
面接によっては、最後に面接官への逆質問を促されることもあります。入室時と同様に、退出時もマナーを忘れずに行動することが大切です。
また最近ではWeb面接が行われることが増えています。初めて利用するシステムの場合は、事前に指定された面接システムにアクセスできるか、接続テストをすることをおすすめします。
身だしなみのポイント
面接で練習の成果を存分に発揮できたとしても、身だしなみが整っていなければ評価を大きく下げてしまいかねません。面接練習とともに身だしなみを整える準備も必要です。
面接時の服装は、性別にかかわらずスーツを着用するのが基本です。紺やグレーなど落ち着いた色のスーツを選びましょう。
女性はパンツスタイルでも構いません。営業職などアクティブな印象に見せたい場合はパンツ、事務職系ならスカートと使い分けてもいいでしょう。
ベルトと靴の色は合わせ、かばんの色も同系色にするのが理想です。ネクタイは落ち着いた色を選び、ワイシャツやブラウスは白にしましょう。スーツのシワや靴の汚れが目立つのはNGです。
スーツのボタンの掛け方も覚えておきましょう。2つボタンは1番上のみ、3つボタンは1番上と真ん中を掛けるのが基本です。
1人で行う面接の練習方法
面接の練習は自分1人だけで行うことが可能です。練習相手を用意する必要がないため、比較的気軽に取り組めます。面接の練習を1人で行う方法をチェックしておきましょう。
受け答えのシミュレーションをする
面接の練習を1人で行う場合は、最初に定番の質問と回答例を準備しましょう。面接官との受け答えのシミュレーションを行えます。
面接における代表的な質問は、自己紹介・自己PR・志望動機・退職理由・逆質問です。各質問に対し、1~2分で回答できるような文章をまとめておきましょう。
定番の質問に対する回答が自然に出てくるまで練習しておけば、本番で緊張しているケースでも返事に詰まりにくくなります。
時間に余裕があるなら、定番質問以外の質問に対する回答も考えておきましょう。引き出しを増やせば心に余裕が生まれるため、自信を持って本番に臨めます。
回答を声に出して練習する
面接の練習では、実際に発声することがとても大切です。1人で練習を行う場合も発声しながら進めていきましょう。
声に出す練習を繰り返すことで、伝えたい内容を本番でも自分の言葉でスムーズに話せるようになります。面接官とのやりとりを再現するために、1人2役で質問も声に出すことが重要です。
回答を実際に声に出して練習する際は、回答の長さ・声の大きさ・話すスピードの3点を重点的にチェックしましょう。回答は短くまとめ、声が小さくならないように注意し、話すスピードは速くなり過ぎないようにするのがポイントです。
話し方を録画して確認する
1人で面接の練習を行う場合は、自分の話し方を録画するのがおすすめです。録画した動画を後から確認すれば、自分の面接の姿を客観的に評価できます。
実際の面接の雰囲気を出すために、できる範囲でイスや机を並べて面接会場に近い雰囲気を作ってみましょう。話し方だけでなく、着座・退席やお辞儀の仕方なども確認できます。
練習風景の録画は、スマホを使えば簡単に行うことが可能です。自分の表情まではっきりと確認できる場所にスマホを置いて録画しましょう。
可能であれば面接官の目の位置にスマホを置くのが理想です。話しているときの表情や視線を、面接官の目線で細かくチェックできます。
協力者と行う面接の練習方法
面接の練習は1人でもできますが、自分で評価しなければならないため客観性に劣るのがデメリットです。個人練習で自信がついたら、協力者との練習も行ってみましょう。
家族・友人に聞いてもらう
対人での面接練習方法としておすすめなのが、個人練習の成果を家族や友人に聞いてもらうことです。身近な人にチェックしてもらえるため、比較的リラックスして話せます。
成功体験ができれば自信につながることもポイントです。1人以外の状況でもしっかりと話せたという経験を得られるため、自信を持って本番に臨めるでしょう。
ただし、家族や友人を相手に練習するケースでも、和やかな雰囲気で行ってしまうと効果は半減します。あくまでも面接の練習であることを意識し、本番を想定して真剣に取り組んでもらいましょう。評価時には忌憚のない意見をもらうようにすることも重要です。
転職エージェントを利用する
協力者と行う面接の練習としては、転職エージェントを利用する方法も挙げられます。転職エージェントとは、自分に合った転職先を就活のプロに探してもらえるサービスのことです。
転職エージェントに登録すれば、職探しのサポートをしてもらえるだけでなく、模擬面接をしてくれるケースもあります。専門家の目線から改善点をアドバイスしてもらえる点が、転職エージェントで面接の練習を行うメリットです。
家族や友人に練習相手をお願いするのが恥ずかしい場合や、より緊張感のある雰囲気で練習を行いたい場合も、転職エージェントを利用するとよいでしょう。
ハローワークの活用もおすすめ
面接の練習を協力者と行いたい場合は、ハローワークを活用するのもおすすめです。ハローワークでは通常の職業斡旋だけでなく、面接の練習も行っています。
登録すれば誰でも無料で利用できることが、ハローワークで面接の練習をするメリットです。最寄りのハローワークでできる上、面接官役の職員を変えながら何度でも練習できます。
ただし、ハローワークは基本的に平日の日中しか開庁していないため、仕事をしながら練習をするのは難しいかもしれません。予約制で、スケジュールを合わせにくい点もデメリットです。
面接練習をする際のポイント
面接の練習をする際は、いくつかのポイントを押さえながら進めることが大切です。練習の効果を高めるために、以下3つのポイントを意識するようにしましょう。
表情や話すスピードをチェック
面接の練習で重要なのは話す内容だけではありません。話している間の表情や話すスピードなども、相手への印象に大きな影響を与えます。
練習中にチェックしたい主な部分は、姿勢・表情・語尾・声の大きさ・話す速さです。声の大きさをチェックする際は、ハキハキと分かりやすい口調になっているかも確かめましょう。
Web面接は対面より話が聞き取りにくくなるため、普段に比べゆっくりと話すことを意識する必要があります。
表情は暗くならないように、できるだけ明るく見える表情を心掛けましょう。笑顔は好印象を与えやすいものの、状況によっては逆効果になりかねないことにも注意が必要です。
回答を結論から始める
質問に対する回答は、結論から話し始めるのがポイントです。先に結論を伝え、後から理由を述べる構成にすれば、全体がまとまりやすくなる上、相手にも内容を理解してもらいやすくなります。
先に理由から話し始めると、話が長くなるうちに論点がずれていく恐れがあります。的確に回答できる能力はビジネスでも求められるため、面接官に好印象を与えるためにも、回答は結論から始めることを意識しましょう。
答え方を考えるときや録画を後から見直すときにも、結論から自然に答えられているか確認することが重要です。
回答を丸暗記しようとない
面接の対策で想定質問の回答を用意する場合は、事前に考えた回答を丸暗記しようとしがちです。しかし、回答の丸暗記にはさまざまな弊害も伴います。
暗記した文を話すだけでは感情がこもりにくくなるため、相手に与える印象が悪くなるでしょう。想定外の質問を受けた場合に柔軟な対応をとれなくなる点も、回答を丸暗記するデメリットです。
質問の回答を事前に考える際は、伝えたいキーワードのみ押さえておきましょう。その場で柔軟に組み立てられるようにしておけば、想定外の状況でも柔軟に対応しやすくなります。
面接の緊張を和らげるには?
面接の練習を十分に繰り返したとしても、実際の面接では多少なりとも緊張してしまうものです。緊張により練習の成果を発揮できなければ、面接に落ちてしまう恐れもあります。面接前や面接中に緊張を和らげるための方法を覚えておきましょう。
緊張で眠れないとき
翌日に面接を控えている場合、緊張して眠れなくなることがあります。十分な睡眠をとれない状態で面接に臨むと、本来の実力を発揮できない状況にも陥りかねません。
緊張で眠れないときは、寝る前に体を温めるのがおすすめです。体が温まると脳や体が休息モードに入って眠りやすくなる上、眠りが深くなるため睡眠の質も上がります。
体を温める方法としては、ぬるま湯に浸かったり、ふくらはぎをマッサージしたりする方法が定番です。面接で高いパフォーマンスを発揮するためにも、体を温めて良質な睡眠をとっておきましょう。
面接前に緊張をほぐす方法
面接を受ける前に緊張がほぐれない場合は、周りの景色を見るのがおすすめです。会場に向かう途中の景色や控室の様子に目を向けることで、面接への強い意識をある程度和らげられるでしょう。
呼吸を整えたり腹式呼吸を行ったりしてみるのも有効です。ゆっくりと深い呼吸を繰り返すと、リラックスしやすくなる上に頭もすっきりとしてきます。胸の鼓動を抑えるのにも効果的です。
面接前の緊張をほぐす方法として、ストレッチも試してみましょう。つま先を引き上げたりかかとを上げ下げしたりする動きなら、イスに座ったままでもできます。状況が許せば足首や手首をぐるぐると回してみるのもおすすめです。
面接中の緊張対策
面接中に緊張して、汗が出てきたり上手に話せなかったりする場合は、面接を受けている間でもできる対策を講じてみましょう。
あらためて深呼吸をして、話すスピードや動作などを、普段よりゆっくりと行うように心掛けます。質問されたことをオウム返しして、心を整える時間を稼ぐ方法があることも覚えておきましょう。
面接官に「緊張していますか?」と聞かれたら、素直に認めるのがおすすめです。考える時間をもらえたり、緊張を認めることで気分が落ち着いたりする可能性があります。
事前の練習で、余裕を持って本番に臨むもう!
面接の練習をしておけば、本番で必要以上に緊張しないで済みます。自分の話し方が相手に好印象を与えられるかチェックできることもメリットです。
事前の練習をして、余裕をもって本番に臨むことができれば、面接時に想定外の質問があっても落ち着いて対応できるかもしれません。
志望度が高いほど緊張するのは自然なことです。なるべく普段仕事をする時に近い状態のあなたで話せるように、できる限りの準備をしておきましょう。
採用コンサルタントおよび現役人事。慶応大学卒業後、東証一部上場企業2社で人事を担当。20代で独立し企業の採用コンサルティングを行う傍ら、個人の面接指導やキャリアコンサルティングに従事。書籍、雑誌、テレビなどメディアに出演。現在はキャリアコンサルタントおよび企業の人事責任者として、個人側・企業側双方の立場から、心も経済的にも豊かなキャリアを描くための支援を行う。
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