SPIとはどんなテスト?企業が見るポイントと対策法をチェック!

面接前にSPIを受けることになったら、できる範囲で対策を行っておくのがおすすめです。検査の目的や内容を知っておけば、余裕を持って本番に臨めるでしょう。この記事では、SPIについて事前に知っておきたい問題の傾向と対策を紹介します。

SPIとは?

マークシートを記入する

(出典) photo-ac.com

SPIとは具体的にどのようなテストなのでしょうか。まずはSPIの基礎知識や受検方法について解説します。

能力や人柄を把握するための「適性検査」

SPIはリクルートマネジメントソリューションズが開発した適性検査です。「Synthetic Personality Inventory」の頭文字を取ったものであり、正式名称は「SPI総合検査」です。

そもそも、適性検査とは応募者が企業にマッチするか見極めるためのテストで、新卒・中途どちらの採用活動でも広く利用されています。

適性検査にはさまざまな種類があり、中でもSPIは多くの企業で採用されているメジャーな適性検査で、年間利用社数は1万4000社を超えています。

SPIの検査内容は「能力検査」と「性格検査」に大きく分かれています。応募書類や面接では確認しにくい能力や人柄を見るのがSPIの大きな目的です。

受検方法は大きく分けて3種類

SPIには大きく分けて3種類の受検方法があります。どの方法で受検するかは志望企業により異なります。

テストの提供元であるリクルートが用意する会場のパソコンで受検する方法が「テストセンター方式」です。この方式では、性格検査を自分のスマホやパソコンで事前に受け、残りの能力検査をテストセンターで受けることになります。

2つめの方式は、応募企業が会場を用意するケースです。これは企業の設備などによって、ペーパーテスト(マークシート)とパソコンを使ったテストに分かれます。

3つめが、ネット環境とパソコンさえあればどこからでも受験できる「WEBテスティング」です。場所だけでなく、期間内であればタイミングも問わないため、空いた時間に自宅からテストを受けられます。

SPIを実施する企業の目的

資料を手にしているスーツの女性

(出典) photo-ac.com

企業が採用時にSPIを実施する主な目的を紹介します。応募書類や面接では見極められない要素とは、具体的には次の3つです。

応募者の人となり・能力を見るため

企業がSPIを実施する目的の1つに、応募者の人となりや能力を見ることが挙げられます。履歴書や面接では判断できないことも、SPIを実施すれば客観的な把握が可能です。

特に対面での面接は、緊張によっていつもの実力を発揮できない場合もあるため、自然体を確認したいという側面もあります。

応募者数が多い企業では、1人ずつ面接を行う時間がないケースもあるでしょう。このような場合にSPIを実施し、人となりや基本的な論理や計算といった能力が一定の基準を満たしていない応募者をふるい落とすこともあります。

企業との相性を測るため

企業が応募者を選考する際は、自社との相性が良いかどうかも重視します。

応募者と企業の相性が悪い場合は、応募者が社風になじめない恐れがあります。このような応募者と企業のミスマッチが多発すると、採用後の定着率は下がってしまいます。自社に適した人材に長く働いてもらうためにも、相性の確認は採用におけるとても重要な要素なのです。

配属先の選考に用いられるケースも

SPIは入社後の配属先を決定する参考資料として活用されることもあります。応募者の能力や性格をSPIで把握し、力を最大限に発揮できる部署へ配属しやすくなるのです。

SPIを実施することで、応募者の得意分野や苦手な分野、考え方などを分析できます。採用担当者や人事部が今までの経験や勘を頼りに配属先を決めるより、はるかに高い精度で配属先を決められるでしょう。

より適切な配属先が決まることは、応募者自身にとっても大きなメリットになります。働きやすい部署に配属されれば、モチベーションやエンゲージメントの向上にもつながるでしょう。

SPIのテスト内容について

マークシートと筆記用具

(出典) photo-ac.com

SPIのテスト内容は能力検査と性格検査に大きく分かれています。それぞれどのような内容の検査なのかを見ていきましょう。

能力検査

ビジネスに必要な基礎能力を問われるのが能力検査です。テストの内容は「言語分野」と「非言語分野」に大きく分かれています。

言語分野では語彙力や読解力、非言語分野では数的処理や論理的思考力が出題されるのが一般的です。難しい問題はほとんど出題されませんが、問題数が多いため素早く解くことを求められます。

SPIの能力検査は高得点であるほど評価が高くなるわけではありません。応募企業が求める能力水準をクリアしているかどうかという視点から結果を判断されます。

性格検査

さまざまな行動のベースとなる性格特性を測定するのが性格検査です。応募者の人となりや応募者に向いた仕事・組織などを把握できます。

「あてはまる」「あてはまらない」「どちらかといえば」など、選択肢にチェックをして答えを出していきます。能力検査と同様にSPIの性格検査も問題数が多いため、質問ごとにじっくりと考える暇はありません。

性格検査では「正直な回答」と「矛盾のない回答」を意識することが重要です。回答のスピードを意識しつつ、うそがなく一貫性のある回答を心掛ける必要があります。

SPIに合格するための事前対策

試験勉強のイメージ

(出典) photo-ac.com

SPIを受検してもらうと応募企業から連絡を受けたら、どのような準備をしておけばよいのでしょうか。SPIに合格するための事前対策を紹介します。

問題集で自分の弱点を把握

SPIは数ある適性検査の中でも特にメジャーなテストであるため、事前対策に役立つ市販の問題集が数多く販売されています。

自分がどの程度問題を解けるのか知るためにも、問題集を利用して対策するのがおすすめです。SPI特有の出題形式にも慣れておけるでしょう。

SPIは問題数が多く、未回答の質問を残すと評価が下がってしまいます。問題集で事前対策をしておけば、すべての質問に回答するためのペースをつかむことも可能です。

苦手分野の対策をすすめる

SPIの問題集を一通り解いたら、自分の苦手分野を把握できるでしょう。本番までに苦手分野の対策を進めておくことも大切です。

特に能力検査の非言語分野は数学の問題が中心に出題されるため、質問内容の傾向に慣れたり解き方を覚えたりすることで解答時間を短縮できるでしょう。

苦手分野の勉強は一夜漬けで行うのではなく、毎日コツコツと取り組んでいくのが効果的です。短時間の学習でも繰り返しを意識すれば、記憶の定着率が上がります。

性格検査は自己分析で対策を

SPIの性格検査は過度な対策が逆効果になりかねないため、能力検査ほどの対策はしなくても大丈夫です。ただし、倫理を問われる質問の回答は間違わないように気を付けましょう。

性格検査も問題数が多く、未回答の質問があると評価が下がってしまうことから、自分の性格の傾向を自己分析で事前にしっかりと把握しておくことが重要です。

インターネット上にある無料の診断ツールで性格検査の対策を行っておくのもおすすめです。矛盾した回答や極端な回答がないかを事前にチェックできます。

対策をすることで余裕を持って本番に臨む

カフェで勉強する女性

(出典) photo-ac.com

SPIは多くの企業が採用時に実施している適性検査です。書類や面接からは分かりにくい、応募者の人となり・能力を把握できます。

企業との相性を測る目的で用いられることが多いため、事前に対策を練っておくことが重要です。検査内容の傾向を把握し、しっかりと準備をした上で余裕を持って本番に臨みましょう。