最終学歴とは?間違えやすい最終学歴の定義・履歴書の書き方を解説

履歴書には、最終学歴を書く欄が設けられていますが、最終学歴を間違えて解釈しているケースも多くあります。そこで、間違えやすい最終学歴の定義や履歴書の書き方について詳しく解説します。転職活動のスタートともいえる履歴書の書き方を理解しましょう。

この記事のポイント

最終学歴とは最高位の卒業歴です。
最終学歴は、最後に卒業した教育機関ではなく、自身が卒業した中での最高位の教育機関を指します。
最終学歴に含まれないケースもあります。
1年未満の留学や、民間のスクールは学歴に含まれません。
卒業証書と卒業証明書は異なります。
卒業証書は卒業時に授与されるもので、卒業証明書はそれを担保するものです。

最終学歴の正しい書き方!履歴書での例付き解説

履歴書とボールペン

(出典) pixta.jp

最終学歴を含め、履歴書には自分の学歴をしっかり書くことが必要です。学歴を書くときのポイントを説明します。

【正しい記入例】高校・専門卒・短大・大学・大学院

まずは、それぞれの教育機関における、履歴書への学歴の書き方について解説します。

高校卒業: ○○年○○市立○○高等学校○○科 卒業

  • 国立、県立、私立などについても記入します。また、商業科や美術科などに通った場合は、それらも記載しましょう。普通科を卒業した場合は、特に記載をする必要はありません。

専門学校卒業:○○年○○専門学校○○科(コース)卒業

  • 高校卒業以降は、○○県立等を入れる必要はありません。また、専門学校では何を学んだのかが重要になるため、学部やコースは必ず記載しましょう。

短大卒業:○○年○○短期大学○○学科○○専攻卒業

  • 短大と省略表記を使わず正式名称である短期大学と書きます。どのような学部を専攻したのかも忘れずに記載しましょう。

大学卒業:○○年○○大学○○学部○○学科○○専攻卒業 

  • 大学によっては、○○学科○○コースなど、呼び方が異なることもあります。大学の定める正式名称で記載することが望ましいため、事前に調べておきましょう。

大学院修了:○○年○○大学大学院○○学研究科○○学専攻修士課程修了

  • 大学同様に、在籍した研究科や専攻した過程についても記載します。

 

学歴は古い順から書く

履歴書には、自分の学歴を時系列に沿って、古いものから順に書いていくのが決まりです。
学校名は省略せず全て正式名称で記載しましょう。 

義務教育の学歴を記載する必要はないため、高校卒業の時点から書き始めるのが一般的です。しかし、高校を卒業してすぐに就職するなど、学歴が埋まらず空白ができてしまうのが気になるときは、中学校卒業から書き始めても問題ありません。

大学卒業後に学び直しで専門学校などを卒業した場合も、時系列に沿って専門学校卒業を最後に記載します。

なお、年号は、西暦(20○○年など)と和暦(平成など)のどちらでも問題ありません。しかし、履歴書の中で西暦と和暦が混在しないよう、どちらかに統一して記載しましょう。

そもそも最終学歴とは?

卒業証書

(出典) pixta.jp

履歴書には、卒業した順番に学歴を記入するため、最後の行に記載した学校が最終学歴だと思っている人も多いのではないでしょうか?

しかし最終学歴は、必ずしも最後の行に記載されている学歴というわけではありません。最終学歴の定義を確認しましょう。

最後の学歴ではなく、最高位の卒業歴

最終学歴とは、卒業した順番ではなく、自分が卒業した中で最も水準が高い、最高位の卒業歴のことを指します。

例えば、高校卒業後に大学に入学、卒業したケースでは、大学卒業が最終学歴となります。しかし、大学を卒業した後や就職した後に、学び直しやキャリアアップのために専門学校などへ入学し、卒業するケースもあるでしょう。

その場合、最終学歴は「専門学校卒業」ではなく「大学卒業」になるのです。

学歴の順番は定められている

義務教育を含めた「学校」には、教育の水準に沿って正式な学歴の順番が定められています。

  1. 大学院博士
  2. 大学院修士
  3. 大学
  4. 専門学校・高等専門学校・短期大学
  5. 高等学校
  6. 中学校

大学院博士修了が日本国内では最も高い学歴です。その後、大学院修士、大学と続きます。

高等専門学校と専門学校、短期大学の3校は、ほぼ同じ水準とみなされているため、これらの学校を複数卒業した場合は、最後に卒業(修了)した教育機関を最終学歴とします。

在学中・大学院卒業時の正しい記載ルール

高校から大学までは「〇〇高等学校 卒業」「〇〇大学 卒業」という書き方をしますが、大学院を卒業した場合は「卒業」ではなく「修了」が正式な書き方です。

修士と博士の課程をそれぞれに分けて「〇〇大学院修士課程 修了」「〇〇大学院博士課程修了」のように記載します。

もし博士課程の単位を取得しても、修了までの期間内に博士号の学位を取得しなかったときは、「博士課程 単位取得退学」または「博士課程 退学」と書きます。

最終学歴に含まれる・含まれないケース

空港にいる女性

(出典) pixta.jp

学歴の扱いには、いくつかの注意点があります。履歴書への記入で間違えてしまうと、故意ではなくとも面接官の信頼を失うかもしれません。

最終学歴について、しっかり確認しておきましょう。

留学で最終学歴に含まれるケース

海外の大学に留学していた人で履歴書に書けるのは、正規留学と交換留学で「1年以上」在学し、留学先で正式な学位などを取得した場合です。

1年未満の短期留学や語学留学は、学歴には入らず、学歴欄に記載することはできません。また、たとえ大学卒業後に留学をしても、大学が最終学歴になり、留学は最終学位にはならないのです。

ちなみに、1年未満の留学は学歴欄に記載することはできませんが、自己紹介欄や志望理由などで触れることは可能です。

「語学力を養うために数か月間、海外留学をしていた経験を業務に活かしたい」など、自身のアピールポイントとして記載するのもよいでしょう。 

中退した場合は最終学歴にならない

教育機関を中退した場合は、たとえ教育機関としての水準が高かったとしても、最終学歴とはみなされません。

最終学歴とはあくまでも、自分の学歴の中で最高位の卒業歴であるため、退学をして卒業をしていなければ、最終学歴にはならないのです。

例えば、高校卒業後に大学に入学したものの、中退した場合は、学歴欄に中退として記載することはできますが、最終学歴は「高校卒業」となります。

民間のスクールは最終学歴と認められない

学歴としてみなされるのは、国公立の学校または学校法人として認定された私立の学校だけです。語学スクールや予備校、フリースクールなどは学歴として扱われないため、卒業しても履歴書の学歴欄には記載できません。

特に専門学校では、認可校と無認可校があるため注意が必要です。

認可された専門学校とは、都道府県知事、教育委員会などに認可された教育機関で、学校名に「専門学校」が入っているのが特徴です。一方、無認可校は「専門学院」「専門スクール」などの学校名となっています。

出典:専門学校のことが知りたい|文部科学省

これから専門学校へ通い、学歴に記載をしたいという人は、認可校であるかどうかも確認しておきましょう。

最終学歴の証明が必要になった場合

卒業証明書

(出典) pixta.jp

企業によっては、最終学歴を証明するために、卒業証明書の提出を求めることもあります。新卒の場合は、卒業証書と一緒に発行されるため、手元にあることが多いでしょう。

しかし、卒業してから時間がたっていると、紛失したり前職の企業に提出していたりするケースもあるかもしれません。最終学歴の卒業証明書の取得方法を解説します。

学校に卒業証明書の発行を依頼する

卒業証明書は、卒業証書とは別に発行されるものです。卒業証明書の提出を求められたときは、最終学歴である学校に問い合わせましょう。

基本的には、卒業した学校に問い合わせれば、卒業証明書の発行に必要なことを教えてくれます。発行までは、学校の公式サイトから申請書をダウンロードし、郵送にて送付してもらう、もしくは窓口で受け取るという流れが一般的です。

本人が忙しくて申請できないときは、家族や知人に代理で申請してもらうことも可能です。その場合は申請書のほかに、委任された人の身分証明書や委任状などが必要になる場合があります。

学校によって必要書類が異なったり発行までに時間がかかるケースもあったりするため、早めに行動しておくと安心です。

卒業証書との違い

卒業証書とは、その学校を卒業または終了した人に発行されるものです。筒型の証書ケースに入った卒業証書を自宅保管している方も多いのではないでしょうか?しかし、この卒業証書は卒業証明書ではないため注意が必要です。

卒業証書の文面や大きさは、学校ごとに異なるため、偽造されたものではないのか、本当に卒業したのかを確認する証明として、卒業証明書を発行します。

つまり、卒業証明書は卒業証書が、本当に授与されたことを担保するものなのです。なお、卒業証明書は、必要なときに回数の制限なく発行してもらえます。

最終学歴の定義を理解して正しく記載しよう

履歴書と職務履歴書

(出典) pixta.jp

最終学歴は、必ずしも最後に卒業した学校になるとは限りません。また、中退や留学などの場合は、履歴書の記載方法も間違えやすいので注意が必要です。

日頃、自分の最終学歴を意識することは少ないかもしれませんが、転職活動などの際には最終学歴によって応募資格が決まるケースもあります。自分の学歴を振り返り、正しく理解して履歴書に記載できるようにしましょう。