最近のニュースを面接で聞かれるのはなぜ?事前対策で差をつけよう!

「最近気になるニュースは何ですか?」は面接で定番の質問です。面接官はなぜこの質問をするのでしょうか。また聞かれたときにどのような回答をすれば好印象につながるのでしょうか。例を挙げながら、解説していきます。

面接で最近のニュースを聞く理由

面談をする女性

(出典) photo-ac.com

面接の際にニュースのことを聞かれるのには、企業側の意図があります。何を測ろうとしているのか、それにより志望者のどこを見ているかを解説しましょう。

人柄の確認

面接でどういったニュースに興味を持っているか聞くことで、その人の人間性や興味の対象を確認するのが大きな目的です。ニュースのジャンルは政治経済から芸能、世界情勢まで多岐にわたるため、日頃どこにアンテナを伸ばしているかが分かるのです。

また詳しく尋ねることで、物事への理解度やその人自身が持っている価値観・考え方を深掘りできるという狙いもあります。

また、その人が自分の意見を持っている人なのかを判別する目的もあります。ただニュースについて表面的な話をしただけでは、人柄までは伝えられません。普段からニュースを見たときに自分が感じたことを、言語化できるようにしておきましょう。

社会情勢・問題への関心度を測っている

世の中全般への関心度を面接官が測っているケースもあります。ここで言う世の中全般とは、芸能やスポーツだけでなく、社会情勢全般です。

特に経済や企業のニュースに敏感な人は、仕事に対しても情報収集に前向きで意欲の高い人と認識されやすいでしょう。

ニュースに対して自分の意見を述べられれば、積極的に意見を出せる人とプラスの評価も受けるでしょう。仕事に対して前向きな姿勢をイメージでき、企業にとっては優秀な人材とみなされます。

情報収集能力の確認

質問をすることで、どのくらい情報をキャッチする能力があるのか面接官が見ているケースもあります。

聞かれたときにスムーズな回答ができないと「情報に疎い人」というレッテルを貼られかねません。社会人の一般教養として新聞を読んだりテレビを見たりして、最低限のニュースは仕入れておくのがおすすめです。

近年はインターネットで簡単に情報が発信できるようになったため、フェイクニュースも増えています。情報を正しく取捨選択できているかも、情報収集能力の大事なポイントです。量ではなく、質の高い情報を多く得られる人なら能力が高いと捉えられるでしょう。

最近のニュースを聞かれたときの答え方

面接で話す男性

(出典) photo-ac.com

ただ質問に答えるだけでは、良い印象を残すことは難しいでしょう。プラスの印象を持たれやすい答え方があります。どう答えると好印象なのか、話す順序や話の内容にフォーカスして解説します。

最初にニュースの概要を話す

まず始めに「○○に関心を持っています」と結論から答えましょう。理由や自身の考えから話し始めると、面接官は「この人が一番伝えたいことが何なのか伝わってこない」と感じてしまいます。

説得力を持たせようとだらだら長く話してしまうことで、逆にマイナスの印象を持たれることもあるため、簡潔に話すことを意識しましょう。

ニュースの概要を話すときは、どこから得たニュースなのかというソースも話せると、さらに好印象です。例えば「テレビで○○というニュースを見ましたが、インターネットでは○○について××という見解もありました」というように複数のソースを織り交ぜて話すことで、より多くの方面から情報を集める積極性を評価されやすくなります。

興味を持った理由を語る

気になったニュースについて答えたら、次はなぜそのニュースに興味を持ったのかという理由を説明しましょう。理由を聞くことで、面接官はその人が興味関心を何に抱きやすいかという人間性を見ます。

そのため理由を述べる際は、自分がこれまで味わってきた経験とニュースを関連づけて話すことで、価値観や考え方をしっかりと伝えることができるでしょう。

志望している業界との接点を見つけられれば、理由を話すことがそのまま自己PRにつながるケースもあります。ただしこの場合も、自己PRに夢中になって長く話しすぎないよう注意が必要です。面接官はコミュニケーション能力も見ているため、一方向のコミュニケーションになっていないかもチェックしています。

自分の考え・考察で締める

なぜそのニュースが気になったのかという理由を話したら、最後にそのニュースに対する自分の意見・考えを話して締めくくりましょう。

一般論を話すよりも、自分自身の考えを述べることで明確に自分という人間をアピールできます。

また、もし不自然でなければ「○○と感じたため、そこから○○という点を意識して仕事にも生かしたい」というように仕事と関連づけらたコメントができればベストです。社会を知ることに能動的であること、自分なりに考えを持っている人物であることが伝われば、評価は良くなるでしょう。

ニュースの選び方・まとめ方

タブレットを操作する男性

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どんなニュースを選択しても問題ないかというと、そうではありません。面接時にふさわしい選択基準があり、話の進め方にもセオリーが存在します。

ニュースの選び方は?

面接のときはニュースについて自分の意見も述べる必要があるため、最低限自分が興味を持てるニュースであることが前提です。興味・関心がないニュースが対象では、気持ちのこもっていない主張となり意欲が低いと受け取られてしまうかもしれません。

また、興味のある話題であればあるほど、進んで深く調べたくなるものです。深掘りした分だけ、話の質も上がります。

応募した企業に関連したものであれば、より好印象でしょう。例えばIT系の企業に応募するのであれば、IT関連のニュースに注目しておくと、その業界への興味度が高いとプラスな印象になります。

気になったニュースの深掘り

ニュースの表面的なところだけを頭に入れた状態で面接に臨んでしまうと、いざ面接官にニュースのことを掘り下げられたときに困ってしまいます。

面接官から見れば「情報収集の精度が甘い人なのかもしれない」という印象を持たれてしまいます。とりあえず頭に入れておく、ではなくしっかり調べて、知識を自分のものにしておきましょう。

また、調べたニュースに関連する情報まで収集しておくと、選考の際に独自性を発揮でき、差別化を図れます。

簡潔に話せるよう内容をまとめる

ニュースをチェックするのは大切ですが、集めた情報をそのまま話しても人間性までは伝えられません。また、調べたことを整理しないまま話すと長くなってしまいがちです。

どう話をまとめれば要点を伝えられるか、面接官に話が長い人と思われないか、シミュレーションしておきましょう。あらかじめ台本を用意し、練習するのも有効です。繰り返し練習することで、本番で緊張してしまっても記憶から言葉を引き出せます。

もしうまく話を整理できないようであれば、ノートなどに一度書き出してみるのもおすすめです。

例えば地球温暖化のニュースについて掘り下げたい場合、「国内外での対策が気になる」「身近な生活への影響が心配」などの感想を残しておくのです。そうすることで自分の意見を整理しやすくなります。

どんなジャンルを選ぶべき?

パソコンを操作しながら調べ物をする男性

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面接のとき話題に挙げるニュースは、どういった種類のものをチョイスすれば良いのでしょうか。おすすめのジャンルと、反対に避けた方が良いジャンルを紹介します。

おすすめのジャンル

社会や経済、ビジネス系は面接時におすすめのジャンルです。企業は社会という大きな枠組みの中にあるため、まったく関係がない話題になるということは避けられます。

また、志望する業界に近いニュースも面接時にふさわしい話題です。例えば旅行業界を志望している場合、コロナによる影響のニュースやインバウンドについて調べておけば、業界への興味関心が高いと認知されるでしょう。

ただし、社会や経済の話題は他の志望者と被りやすい点には注意が必要です。誰でも話せてしまう内容にならないよう、自分なりの考えを織り交ぜていくのが大事です。

避けた方が良いジャンル

気になるニュースとして、芸能やエンタメ、娯楽系が浮かぶ人もいるかと思います。しかしあくまで面接の場で話す内容なので、その業界の面接以外ではテーマとしては適切ではありません。

他にも、宗教や政治に関する話題も避けた方が無難です。なぜなら、人によってデリケートな部分が多い話題であるため、一面的な理解で語るとテーマ全体の否定につながる危険性があるからです。

話の展開やそれぞれの主張次第では、差別につながる恐れもあるため、これらの話題は控えましょう。そもそも宗教などの思想は個人の自由があるため、面接で人に伝えて何かをアピールすることも難しいでしょう。

興味を持てるニュースの探し方

スマホをチェックする女性

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面接で話題に出せそうなニュースをどうやって探すのか、分からない人もいるかと思います。興味を持てるニュースの探し方をいくつか紹介しましょう。

新聞やニュースサイトで探す

ニュースを探す方法として一般的なのは、新聞から情報を得ることです。経済についてや国際情勢についてなど、あらゆる情報が掲載されているため、欲しい情報が手に入りやすいメリットがあります。

面接を最初から想定するのであれば、経済新聞が特におすすめです。経済の動向をチェックできるため、社会人としての教養も深まるでしょう。

新聞以外にニュースサイトで探す方法もあります。ニュースサイトは、自分で欲しい情報だけをすぐ見ることができる点がメリットです。反対に新聞は、普段目に留めない記事も目に入れられる点がメリットとなります。

テレビのニュースをチェック

テレビでは、毎日各局が情報番組を放送しています。朝や昼、夜と一定のスパンでさまざまな情報を紹介してくれるため、その日起きた出来事を大まかに知ることができるのがメリットです。

アンテナを張り続けるために、毎日決まった時間に情報番組を見るという生活リズムを作るのも良いでしょう。

ただニュースを流し見するだけでは頭に残りにくいため、気になったニュースや見ていて自分が感じたことなどをメモするとより効果的です。

ネットも便利に使おう

インターネットを活用した情報収集も、テレビや新聞と並行して行うと良いでしょう。あらゆる情報があふれているため、フェイクニュースに気を付けなければいけない点に注意が必要です。

経済系のネットニュースでは有料のものもあり、お金を払う必要はありますが、その分専門分野に特化した記事を読めます。

また、SNSを利用している場合はリアルタイムで多くの情報が飛び交っているため、普段見落としがちなニュースもキャッチすることができるでしょう。

「最近のニュース」の回答例を紹介

手を前に出し話すスーツの男性

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最近気になるニュースを聞かれたとき、どのように回答すれば良いのでしょうか。代表的なニュースのジャンルごとに、例文を紹介していきます。

環境問題に関する例文

「私が気になっているニュースは、気候変動についてです。気候変動が加速していることは国連のIPCCがかつて出していた予測により明らかで、SDGsの重要性が一層見直されています。

国内の企業においても、環境に優しい取り組みを行う企業が増え、国民全体の意識が高くなってきているのを感じます。私も同様に、以前より環境に目を向けることが増えました。

私自身も環境に対する取り組みを何かできないかと考え、個人でできることを日々探しては実践しております。」

キャッシュレス化促進に関する例文

「私が最近気になるニュースは、キャッシュレス社会についてです。興味を持った理由は、自分自身が電子マネーを使っているためです。

電子マネーを使っていて気付いたことがあります。それは会計のスピーディーさ、そして店員側の負担を減らせるということです。

キャッシュレス化を推し進めることで店側の人手不足を解消でき、客側の利便性も高まります。

以上のことから、キャッシュレス社会には賛成しており、これからさらにキャッシュレス決済が可能な店が増えることを期待しています。」

少子高齢化に関する例文

「私が最近気になるニュースは、少子高齢化についてです。○○年以降、少子高齢化が加速するというニュースを見てこの先の日本の姿を想像しました。

今までの社会保障制度を支えてきた世代が年金を受給する立場になると、現役世代の負担が増し、制度を維持できなくなる恐れがあるという意見も聞き、強い危機感を覚えます。

この現状を改善するためには早急に制度を見直す、あるいは出生率を上げて現役世代の数を増やしていくといった対策が必要になると考えました。」

応募企業の関連商品に関する例文

「私が最近のニュースで気になっているものは、御社の新商品である〇〇についてです。先日御社から発売された〇〇は幅広い世代に支持されており、私も発売してすぐに購入しました。

○○という商品は、これまでなかった○○という部分が新鮮で強いインパクトを受けました。さらにそれを後押しするような形で、SNSによる拡散で多くの人の目に留めることに成功しています。

そのような企業としての戦略にも魅力を感じ、入社後は商品を売る側として積極的に広告のアイディアを出していきたいと考えています。」

「最近のニュース」に関するQ&A

クエスチョンマーク

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最近のニュースを聞かれたとき、よく出てくる疑問について解説します。「最近」の定義や、答えに困ったときの対応についてです。

いつまでが「最近」に入るのか?

最近という言葉に明確な定義はなく、いつからいつまでと決まっているわけではありません。しかしあまりに情報の鮮度が低すぎると、「最近の情報は集めていないのではないか?」「情報を更新するアクティブさに欠けている」と判断されてしまいます。

できれば1カ月以内のニュースが望ましく、最大でも1年以内のニュースから選ぶようにしましょう。

半年以上前のニュースを話題にする際は、「少し前の話にはなりますが」と前置きしておくことでマイナスな印象を防ぎやすくなります。

「特にありません」と言っても大丈夫?

気になるニュースが特に浮かばなかったとき、「特にありません」と答えるのは基本的にNGです。面接官に「社会情勢に興味がない人」という印象を持たれてしまうからです。

日頃から気になるニュースをいくつかストックしておき、もし他の志望者とニュースが被っても、とっさに別のニュースのことを話せるよう準備しておくとスムーズです。

社会人として自覚を持つことがポイント

胸に手を当てるスーツの男性

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社会人として、ニュースに目を通しておくことは非常に大切です。企業も社会の一部なので、その企業に入りたいと思うのであれば社会についても最低限の知識を有している必要があります。

普段からテレビや新聞、インターネットといった媒体で情報を仕入れておき、それについての考えも持っておきましょう。

ただし芸能ゴシップや宗教の話題など面接にそぐわないニュースもあるため、ニュースのジャンルはしっかり選別することが大事です。

井上真里
【監修者】All About キャリアカウンセラー/起業・経営ガイド井上真里

採用コンサルタントおよび現役人事。慶応大学卒業後、東証一部上場企業2社で人事を担当。20代で独立し企業の採用コンサルティングを行う傍ら、個人の面接指導やキャリアコンサルティングに従事。書籍、雑誌、テレビなどメディアに出演。現在はキャリアコンサルタントおよび企業の人事責任者として、個人側・企業側双方の立場から、心も経済的にも豊かなキャリアを描くための支援を行う。
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著書:
就活女子のための 就活迷宮から抜け出すトビラ (TAC出版)