履歴書の性格欄をどう書けばよいのか悩んでいるなら、適切な書き方を覚えましょう。企業は、長所・短所を見て自社に貢献できるか判断しているため、上手に性格をアピールすることが大切です。履歴書の性格欄の書き方と、長所・短所の選び方を紹介します。
企業は履歴書の性格欄で何を見ている?
企業の採用担当者は、履歴書の性格欄もしっかりとチェックしています。性格欄から、どのようなことが判断されているのかを知っておきましょう。
自社で活躍できそうか
企業は履歴書の性格欄で、応募者の自己分析能力を見ています。自分の長所・短所を客観的に把握できる能力は、入社後の成長や業績に少なからず影響を与えるためです。
長所・短所を「特になし」と記載してしまうと、自己分析能力がないとみなされて、採用結果に悪い影響を与えてしまうでしょう。履歴書を雑に扱っているとも判断されかねません。
自己分析能力は、多くの企業が重要視しているスキルの1つです。性格の内容はともかく、まずは自分の長所・短所を客観的にきちんと分析することも意識しましょう。
社風や業務内容にマッチするか
企業が応募者の性格をチェックする目的としては、入社後のミスマッチを防ぐことも挙げられます。能力が高くても性格が社風に合わなければ、早期離職を招きかねません。
履歴書の性格欄を読めば、応募者の人となりをある程度イメージできます。自社の社風や業務内容にマッチしない性格だと判断されれば、内定をもらうのは難しいでしょう。
ただし、自社に合わないと企業側が判断することは、入社後に「こんなはずではなかった」と後悔するリスクを回避できる意味で、応募者にとってもメリットがあります。
性格欄における長所の書き方のポイント
履歴書の性格欄には、長所・短所を書くのが基本です。まずは、長所を書く際に気を付けたいポイントについて解説します。
長所は1つに絞る
自分の長所をいくつも思いつく人は、全ての長所を履歴書でアピールしたいと思うでしょう。しかし、性格欄に書く長所は1つに絞るのが基本です。
長所を2つ以上書いてしまうと、それぞれのインパクトが薄くなってしまい、採用担当者に応募者の性格や考え方が伝わりにくくなります。
アピールする長所の数で勝負するのではなく、1つの長所についてどれだけ強い印象を与えられるかに力を入れましょう。「最もアピールしたい長所を深掘りして書く」のがポイントです。
志望企業で生かせる長所を選ぶ
履歴書の性格欄に書く長所は、志望企業で生かせるものを選ぶのがおすすめです。企業や職種をリサーチした上で、最も役立てられそうな長所にしましょう。
例えば、チームでの業務が多い職種なら「協調性がある」、接客業なら「明るい」を長所に選べば、入社意欲や適性が伝わりやすくなります。長所選びに迷う場合は、「責任感がある」「前向き」など、汎用性が高い長所にするとよいでしょう。
ただし、長所と仕事が結び付いていても、書く内容が薄ければ説得力がなくなってしまいます。長所を、どのように仕事で生かしていくのかも説明することが大切です。
エピソードを盛り込む
性格欄に長所を書く際は、具体的なエピソードを盛り込むようにしましょう。転職前に、どのようなシーンで長所を生かせたのかを書くと効果的です。
例えば、「真面目」を長所に選ぶ場合は、以下のようなエピソードを書けば採用担当者に好印象を与えられます。
【例文】
- 前職では担当業務だけでなく、手が空いた時間には担当外の仕事も手伝っていました。
- ルーティーンの仕事にも手を抜かずに取り組んでいたことから、前職では「仕事が丁寧で正確」と評価していただいておりました。
履歴書で短所を伝える際の注意点
履歴書の性格欄には、長所だけでなく短所も書きましょう。ただし、短所を書くと自分のネガティブな面をさらけ出すことになるため、書き方に注意が必要です。
長所・短所は矛盾しないようにする
履歴書で短所を伝える際は、長所・短所が矛盾しないようにしましょう。例えば、次の文章は長所・短所が矛盾しています。
【例文】
- 私の長所は周囲に気配りができることで、短所はコミュニケーションを取るのが苦手なことです。
コミュニケーションを取るのが苦手なら、周囲への気配りもできないはずです。このような矛盾が生じてしまうと、長所・短所のいずれもうそをついていると思われかねません。
周囲に気配りができることが長所なら、短所は「おせっかいと言われることがある」のような内容にしなければならないでしょう。
短所もポジティブな結論につなげる
短所を書くときには、短所のまま終わらせないことも重要です。短所はネガティブな内容になるため、そのまま伝えると採用担当者に悪い印象のみを与えてしまいます。
短所を伝える際は、「短所を克服するために努力している」ことも併せて説明しましょう。次の例文のように、短所に対して積極的な改善の意識があることを伝えるのがポイントです。
【例文】
- 私の短所は、緊張しやすいことです。前職ではプレゼンのたびに緊張していましたが、その分事前に何度も練習をしていたため、本番で大きな失敗をしたことはありません。
【職種別】積極的にアピールしたい性格
自分の長所がいまいち分からない人のために、履歴書で積極的にアピールしたい性格を職種別に紹介します。エピソードを作りやすい性格を選んでみましょう。
営業・接客
営業職・接客業は、顧客や取引先と直接やりとりする機会が多い職種です。相手の好感度や満足度を高められる性格が求められます。
長所として「真面目」を選べば、お客様優先で細かい部分まで丁寧に対応できることをアピールできるでしょう。「責任感が強い」が長所なら、売上目標の達成に向けて努力できそうな性格を評価してもらえます。
元気さ・さわやかさを接客の売りにしている企業なら、「明るい」性格を長所に挙げる応募者が採用されやすくなるでしょう。
事務・経理
事務・経理には、業務の正確さやスピードが求められます。長所としては「責任感がある」「真面目」「前向き」をアピールするのがおすすめです。
「責任感が強いためどのような仕事も完結できる」「真面目な性格なので何度もチェックしてミスを防げる」「飽きやすい単純作業も前向きに取り組める」といった文章を書けるでしょう。
また、「集中力がある」を長所に挙げるのも効果的です。事務・経理は、デスクに長時間座ってコツコツと作業をすることになるため、集中力が持続する人に向いています。
【長所別】履歴書の性格欄で使える例文
自分の長所を分析できたとしても、どのような文章を書けばよいのか分からないという人もいるでしょう。性格欄に書く文章の参考になる例文を、長所別に紹介します。
真面目
真面目な性格を長所にする場合は、仕事を確実にこなせる点をアピールするとよいでしょう。真面目すぎるあまり作業に時間がかかることを短所にすれば、改善策を考えやすくなります。
【例文】
私は、周囲から真面目な性格だとよく言われます。実際に自分もそう感じており、前職でも業務の正確さやコツコツと仕事に取り組む姿勢は、評価を得ていたと考えています。
真面目で正確さを求めるあまり、作業に時間がかかることもありますが、できるだけ業務を効率化できるようにさまざまな工夫を考えながら、克服していくことが目標です。
責任感が強い
責任感が強い人は、リーダーシップを発揮したエピソードを盛り込みましょう。責任感が強すぎることを、短所にするのがおすすめです。
【例文】
私の長所は、責任感が強いことです。前の職場ではチームリーダーを任され、メンバーを献身的にサポートしながら、チームとしていくつかの大きな成果を収められました。
しかし、責任感が強すぎるあまり、常に自分の選択が正しかったのか考えてしまうことが短所です。自分の責任感と上手に付き合っていくためにも、オフの時間は切り替えてリフレッシュするように努力しています。
前向き
前向きな性格の人は「忍耐力がある」「周囲の雰囲気を作れる」などをアピールするのがおすすめです。楽観的で先のリスクをあまり考えないことを、短所にすると書きやすいでしょう。
【例文】
前向きな性格が私の長所です。これまでお客様からクレームを受けたり、難しい注文を言われたりしたときにも、ポジティブ思考で乗り切ってきました。少々のことではへこたれない忍耐力があると思っています。
短所は、前向きすぎるためにリスクを軽く見てしまうことです。「何とかなるだろう」と思ってしまうことが多いため、失敗してしまった経験もあります。リスクに配慮した行動を心掛けるようになってからは、ミスを減らせています。
協調性がある
協調性があることを長所にするなら、これまでにチームをまとめてきた経験を文章に含めるとよいでしょう。自分の意見が言えないことを短所にすれば、改善に向けた努力も書きやすくなります。
【例文】
私は協調性があるため、前職では意見がバラバラになりがちだったチームのまとめ役を担っていました。社内外問わず、良好な関係を構築するのも得意です。
一方で、相手や周囲の意見を尊重しすぎてしまうため、自分の意見を主張できないこともあります。自分の意見もある程度述べた上で、中立を保てる存在になれるよう意識していこうと思っています。
明るい
明るい性格なら「チャレンジ精神」「ストレス耐性」「コミュニケーション能力」をアピールできます。リスクを恐れない無鉄砲さを短所にし、改善を目指していることも伝えましょう。
【例文】
私の長所は明るいことです。何にでもチャレンジできる気持ちがあるため、前職で未経験の仕事を始めたときにも、すぐに吸収できました。明るい性格で、コミュニケーションの中から相手のニーズを引き出すのも得意です。
ただし、準備不足のままチャレンジしてしまうことも多く、失敗も数多く経験してきました。行動する前にじっくり考えるようにしてからは、以前のような失敗は減ってきています。
自分の人柄を上手に伝えよう
履歴書の性格欄には、長所・短所を書くのが基本です。長所は志望企業で生かせそうなものを1つに絞り、長所が発揮された具体的なエピソードも添えましょう。
短所を伝える際はネガティブなまま書くのではなく、改善に向けて努力している姿勢を見せることが大切です。自己分析をきちんと行った上で、印象が上がるような性格の伝え方を考えましょう。